【レポート】BtoB企業のコンテンツマーケティングの重要性とは?ミエルカユーザー会 Challenge~限られたリソースで施策を進めるためには~Day1
更新日:2022.10.5 公開日:2022.05.31こんにちは!ミエルカイベント担当の清水です。
2022年3月、ユーザー会「MIERUCA USER MEETING 2022」を開催いたしました。 今回のテーマは、「リソース」。限られた資金や時間、人材の中でどのように成果を上げているのかをミエルカユーザーや豪華ゲストの皆様に披露いただきました。
ご参加できなかった方々にも参考にしていただくべく、3回に分けてユーザー会の内容をまとめています!ぜひ最後までご覧ください。
今回はメディア運営やマーケティング戦略についての講演があった1日目の様子をお届けします。
【目次】
第1部:「コンテンツはメンテナンスが重要 ボディブローのように効いてくる-NOCのマーケティング事情から-」
第2部:「組織的にコンテンツマーケティングを行うために〜BtoB企業のマーケティング部門が”正しく”事業成長に貢献するためのステップ〜」
コンテンツはメンテナンスが重要 ボディブローのように効いてくる-NOCのマーケティング事情から-
まず登壇いただいたのは、NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社の津久井 基喜氏。オウンドメディアに取り組んで感じたメリットや、実際に失敗して学んだメディア運営の極意などを赤裸々にお話しいただきました。
ご登壇者様
NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社 津久井 基喜 氏
プロフィール宝飾業界や広告業界を経て2008年にNOCに入社。
複アウトソーシングのプロジェクト管理者等を担当し、 現在はNOCのマーケティング責任者および問合せ全件を管理、営業推進も兼任する。
「knock」を運営して感じた記事メディアのメリット
同社では、アウトソーシングやBPOなどをテーマにしたオウンドメディア「knock」を2014年に立ち上げました。運営を続ける中で、津久井氏が考えた運用のメリットは以下の3つだったといいます。
①SEOの効果あり
→例えば上位表示しているキーワード「経理 アウトソーシング」では、記事を経由し経理サービスの問い合わせは6倍に増加しました。SEOは行う分だけ流入とコンバージョンに寄与するとのことです。
②信用・信頼の獲得
→お客様が問い合わせをする際に必要な企業の信用と信頼。オウンドメディアを運営することでブランディングにつながり、「NOCはしっかりしている」という気持ちの醸成に貢献できるようです。
③施策に困らない
→オウンドメディアで蓄積されているコンテンツを組み合わせて、施策を打ち出せるとのことです。突発的なマーケティング施策が必要となった際にも役立ちます。
複数のメリットを感じている一方で、課題も感じていたと言います。その一つが、「PV数を担保すること」でした。
うなぎのぼりで増加していたPVが右肩下がりに…その理由とは
2014年より当社(Faber Company)と協働しながら始めた「knock」では、まず記事を増やすことに注力し、PV数はうなぎのぼりで増加していきました。
しかし、津久井氏が営業とマーケティングの兼務になったことで、オウンドメディアだけに注力することが難しくなったそうです。その結果、更新頻度が落ち、PV数が40%ほど減少していきました。
改善しようにも、リソース不足から諸々の対応が遅れてしまうという、悪循環に陥ってしまったそうです。具体的には下記のような問題に対処ができなかったといいます。
<対処できていなかった問題>
・法改正や情報の更新への対応の遅れ
・アルゴリズム変化への対応の遅れ
・競合メディアへの対応の遅れ
失敗から学んだメディア運営の極意
このような失敗を経て、津久井氏は下記のような改善をしているそうです。
➀将来のお客様と初めての接点になることを念頭におき、定期的な記事メンテナンスを行う
→お客様をがっかりさせない記事を作ることでアクセスの復調となることを再認識。公開後もアクセスがあることに安心せず、定期的な掲載情報の更新で競合メディアへの優位性も図れるとのことです。
➁品質の悪い記事を掲載せず、NOCらしい記事を掲載していく
→記事が「knock」と競合メディア、どちらで展開されていても違和感がないのであれば、その記事を書く必要があるのか…。お客様から信頼を勝ち取れるように「knock」だからこそ語れる品質の高い記事製作をされているようです。
失敗を経て、津久井氏が現在実践していることはメディア運営の極意と言えるかもしれません。
コンテンツは作って終わりではなく、定期的なメンテナンスや質の高い記事が必要であると痛感させられる、素晴らしいお取り組みをご紹介いただきました。
組織的にコンテンツマーケティングを行うために〜BtoB企業のマーケティング部門が”正しく”事業成長に貢献するためのステップ〜
第2部では、BtoB SaaS企業に対するマーケティングコンサルなどを提供する株式会社LEAPT 代表取締役の戸栗頌平氏が登壇。
BtoB企業のマーケティング部門が事業成長に貢献するための方法や、コンテンツマーケティングの正しい活用などをお話いただきました。
ご登壇者様
株式会社LEAPT 戸栗 頌平 氏
プロフィール豪州ビジネス大学院国際ビジネス修士課程卒業。複数企業と起業を経てBtoB専業マーケティング代理店へ。その後、外資SaaSのユニコーン企業の日本法人立上げを行い、法人営業開始後マーケティング責任者として創業期を牽引。
元HubSpotの日本法人立ち上げ1号社員&元マーケティング責任者。
■MarkeZine(マーケジン)執筆記事は こちら。
■Twitter:@ShoheiToguri
■note :https://note.com/shohei_toguri
コンテンツの活用で正しく”デマンドジェネレーション”をするには
企業の製品やサービスへの認知度や関心を高めるため、戦略的なマーケティングを行っていくことを指す「デマンドジェネレーション」(案件創出)。その中でコンテンツは、多くのプロセスで、重要な役割を果たします。デマンドジェネレーションにおける構成要素は主に3つ。
①リードジェネレーション(見込み客獲得)
→接点のない人々に対して自社のサービスや商品を知ってもらうこと
②リードナーチャリング(見込み客育成)
→自社のサービスや商品をある程度知っている人々がさらに興味関心を持ってもらうこと
③リードクオリフィケーション(見込み客選別)
→より購買の見込みが高い買い手を判別し優先順位をつけること
特に、リードジェネレーションとリードナーチャリングにおいて効果が高く、ペルソナの文脈を理解したコンテンツ製作と発信が必要です。 正しくデマンドジェネレーションを行うためには、リードマネジメント(リードを獲得、育成、商談化まで管理をする手法)をある程度準備できていないと成功の道は遠いようです。
コンテンツマーケティングにおける顧客像ごとのアプローチの違い
では、「ペルソナの文脈を理解したコンテンツの製作と発信」はどのように進めていけば良いのでしょうか? それは、中小企業と大企業に分けて、コンテンツの作り方やアプローチの仕方を変えていくことだと戸栗氏は話します。
中堅、中小企業を対象としたコンテンツマーケティング
中堅、中小企業の場合、コンテンツの量を増やしてリードを惹きつけ、一貫性を保っていくことが重要だと言います。
コンテンツは特化型ではなく、汎用的なもの。ファネルを広げていくことが効果的です。獲得できるペルソナが多いため、MA(マーケティングオートメーション)を活用しフォローアップしていくことを推奨していました。
大企業を対象としたコンテンツマーケティング
一方、大企業の場合は予め対象企業の優先順位をつけたうえで、彼らに刺さるコンテンツとは何かを逆算しながら関係性を広げていくことが重要だと言います。
汎用的ではなく特化型のコンテンツを製作し、各ペルソナに対してマーケティング部門や営業部門など、人の手でフォローアップしていくことを推奨していました。
対象とする企業形態によってアプローチや戦略も変わるため、自社商品・サービスのアプローチ対象を考えたうえでコンテンツマーケティングを行うことがポイントです。
自社のマーケティング組織の成熟度を把握する
最後に、「マーケティング マチュリティ モデル」についての解説がなされました。これは、レベル0から6までの段階に分けて組織の成熟度を表したもので、ほとんどの企業はレベル0から2を行き来しているとのことです。
このモデルでは、以下の9つの指標を元にレベルを分けています。
①Branding(ブランディング)
②Sales Support(営業支援)
③Content(コンテンツ)
④Digital Execution(デジタル施策実行)
⑤Non – Digital Execution(オフライン施策実行)
⑥Communication(コミュニケーション)
⑦Planning(プランニング)
⑧Automation(オートメーション)
⑨Measurement(振り返り)
コンテンツマーケティングの重要性を改めて感じた1日目は、終始熱いトークが繰り広げられていました。
2日目、3日目のレポートもお楽しみに!
著者PROFILE
大学卒業後、2019年に新卒第5期として入社。
カスタマーサクセスとして約70社ほどの施策支援を経て、主にウェビナー・イベントの企画実行に従事。顧客満足度向上のために日々奮闘している。
趣味は旅行、コスメ、音楽鑑賞。