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導入事例
2017年7月19日

【ビズリーチ様事例】AIを活用してサイト流入を改善。ビズリーチの人事向けメディアが当初目標の430%に成長

誕生したばかりの、プロフェッショナル人事専門メディア「BizHint HR(以下、ビズヒント)」が、なぜ爆速で成長できたのか。ビズヒント事業部長・関哲さんと現場責任者・大森厚志さん、そしてコンテンツ施策を指南した副島啓一、月岡克博に話を伺いました。

企業と求職者を直接つなぐプラットフォームを提供し、利用企業累計6,400社以上、登録者90万人以上(2017年6月現在)に成長した転職サイト「BizReach(ビズリーチ)」。同サイトを運営する株式会社ビズリーチは2016年6月、人材の採用、育成、配属、評価の最適化を人工知能(AI)が支援するクラウドサービス「HRMOS(ハーモス)」を発表し、話題になりました。
これと同様に、AI活用で伸び始めた別事業、それがプロフェッショナル人事のための専門メディア「BizHint HR(以下、ビズヒント)」です。同年8月にローンチし、11月からツールを活用したサイト流入改善に取り組み始めました。AIも駆使した結果、半年で当初目標の430%に成長。会員登録の伸びも好調で、2017年内に3万人を超えるとみられています。ビズヒントが爆速で成長できた背景に迫ります。

コンテンツは量産するのではなく、質の高い読み物に

 月岡克博氏(以下、月岡)  「ビズヒント」はどんなメディアですか?
 関哲氏(以下、関)  「働き方改革」「ダイバーシティ」などが話題の今。終身雇用から多様な働き方へシフトする中で、「人事担当者の苦労が確実に増えた」という現象が起こっています。
そこで、「ここに来るだけで人事の悩みが解消できる」というニュースサイトを立ち上げようと、2016年5月から企画を始めたのが「ビズヒント」です。HR関連のテクノロジーや人事・経営者寄りの方々が、「今後の人事の世界はこうありたい」と共感できる中立的な人事メディアであり、プラットフォームとしても成長させていきたいと考えています。
 月岡  コンテンツマーケティングに本格的に取り組んだのは初めてだったそうですね。

株式会社ビズリーチ 執行役員 BizHint事業部長 関哲氏

 関  はい。当社の集客はリスティング広告中心でしたが、採用・転職市場が盛り上がる中で、広告単価もどんどん上がってきている。このままコストをかけ続けるよりも、オーガニック(自然検索)からの集客に腰を据えて取り組もうと考えていました。
しかしSEOも詳しい人に相談しても、当時はまだ「SEOで成果を出したいなら、大量に記事を作れ」というアドバイスが主流でした。「絶対にそうじゃないやり方があるはずだ」と模索していた時に読んだのが、「MIERUCA(ミエルカ)」の事例記事です。

 ユーザーの検索意図に寄り添って、質の高いコンテンツを作る 」という点が、ものすごく腹落ちしたんですよね。
人事領域は昔から、アカデミックに研究されてきた分野です。それだけに、「数打ちゃ当たる」の姿勢で書いたコンテンツでは、人事のプロに納得してもらえません。「本数は絞っても、情報感度の高い人事担当者に満足してもらえるような、質の高い読み物が常に手に入るメディアにしたい」という想いがあったので、なおさらでした。

 月岡  関さんの元へ9月頃お伺いしたとき、ミエルカを使ってどう検索意図を読み解くのかお話していたら「そうですそうです、ああ、これ使えますね」とすごく共感してくださったのを覚えています。

 関  あの時初めて、「これなら自分たちでも成長メディアを作れる」という感覚がつかめたんですよね。求めていたのは、再現性。 コンテンツマーケティングは1回仕込んでおしまいではなく、継続的な改善が必要です。だから圧倒的に内製がいいと考えていました。  とはいえ、ミエルカは職人向けの道具箱みたいなツールなので、ポコッと渡されても素人がすぐ使いこなせる訳ではない。しかし月岡さん、副島さんのようなコンサルのサポートがあれば、その「職人」を社内に育てられると思いました。

職人を社内に育成し、半年後の流入が当初目標の430%に

 月岡  その「職人」に選ばれたのが大森さまだったと。

 大森厚志氏(以下、大森)  はい。私も多少リスティング広告の経験はありましたが、コンテンツ制作やSEOの領域は初めてでした。最初はミエルカを使っても「この機能って何?」「この指標は何だっけ?」から始まった状況です。右も左もわからないから、当初は副島さんにチャットで質問し過ぎて、うるさがられたこともありました(笑)。

 副島啓一氏(以下、副島)  たしか「じっくり考えてまとめて質問いただいたほうが、お互い効率的だと思うんで」って返したかと(笑)。

 関  そうそう、ミエルカのコンサルは客を甘やかさないんですよ。「お客様と業者」という感覚はすごく薄くて、「正しいことをちゃんとやりましょう」「独り立ちするなら、ここは自分たちでやったほうがいいです」と、働き方の効率化までバシバシ指摘してくれます。ハードだし、コンテンツは最初の1、2カ月効果が出ない。正直もんもんとします。
ただ、半年こらえて続けると成果がついてきて、ノウハウが自社に蓄積できる。だから信頼できるんですよね。

 月岡   成果というと、サイト全体の流入数はいかがですか?

 関  ミエルカを導入した2016年11月当時を100とすると、2017年5月が2,600ぐらい。 「6カ月で6倍」を目標にしていたのですが、実数は約26倍も自然検索流入が増えました。当初目標の430%にあたり 素晴らしい成果だと考えています。

ミエルカ導入時から半年で「BizHint HR」への自然検索流入は26倍に。当初目標としていた数値の430%に成長した

 関  オーガニックからの流入だけではなく、新規会員登録数も今年(2017年)中に3万人、来年には8万人が目指せるほどの手応えを感じています。しかも情報感度が高い人事担当者の方に来ていただいている印象ですね。

 月岡  ビズヒントは他社メディアの人事関連のニュースも紹介しています。オリジナルコンテンツと他社メディアのニュースで、流入に差はありますか?

 関  ビズヒントでは、オリジナルコンテンツのほかに他サイトの人事組織・採用関連の優良記事も1か所にまとめてお届けする役割も担っています。こうした他社メディアのニュースは、あくまで「ユーザーのリテンションのためのもの」と位置付けていて、検索エンジンにクローリングさせていません。オーガニック検索からの流入は、すべて社内で制作しているオリジナルコンテンツ経由のものです。
他社メディアのニュース紹介については、掲載許可をいただいた企業様やビジネス系メディア様からも喜びの声をいただいています。発信する側の立場でも、「常に人事領域の良質なコンテンツと出会える」という場所を、潜在的に求めていらっしゃったのだと感じました。

「届けるべきコンテンツは何か」を共有する軸にツールを使う

 月岡  コンテンツ制作のステップを教えてください。

Googleの「人事考課」に関するサジェストキーワードをミエルカで分析したネットワーク図。ユーザーの検索意図が自動でグルーピング、色分けされる(ミエルカで作成)

 大森  まずコンテンツの構成案を作ります。例えば「人事考課」についてのコンテンツなら、サジェストキーワードから「人事考課とは何か」「必要性」「人事評価との違い」などを知りたがっているユーザーニーズが抽出できます。ほかのいくつかの機能でも、関連するテーマ・トピックを分析して、必要な情報を精査した上でで、執筆に取り組んでいます。

 月岡  コンテンツマーケティングにはユーザーニーズの精査+オリジナリティも重要ですが、どのように取り組んでいますか?

株式会社ビズリーチ BizHint事業部 大森厚志氏

 大森  社内は独自情報の宝庫なので、詳しい社内の人間に取材して書くことも多いですね。専門家の監修や知見が必要なケースは、有資格者自身に書いてもらったりしています。メディアの信頼性にもかかわるので、原稿チェックは企業として特に責任をもって行う部分です。

 月岡  その企業でしか作れないような独自性のあるコンテンツに仕上がると、再訪率が高くなる傾向があります。結果、サイトとユーザーのエンゲージメントが高まり、コンバージョンにつながりやすい良質なリードに転換する、という好循環が生まれますよね。

 関  そうですね。とはいえ、メディアで成果を目指すには、各々が勝手にオリジナリティを発揮してはダメ。 全員で「このサイトの対象者に届けるべきコンテンツは何か」という物差しを具体的に共有しなければなりません 。そこを明確に設計できたのは、やっぱりミエルカのおかげだなと。これまで他社サイトを含めWeb上で訴求し切れてこなかった情報を、ミエルカは明確にあぶり出してくれます。だから同じ基準をもって、コンテンツ投入後のリライト施策でも成果が出せるようになりました。

AIが提示したタイトル改善案だけで流入250%改善

 月岡  リライトではどんな対策をされていますか?

 大森  「AIで改善」という機能を使っています。先ほどの人事考課のページを例にご説明すると…。

2月6日 構成案を元に書いたコンテンツを「人事考課の意味とは?評価との違いと、ポイントをわかりやすく解説」というタイトルで投入。
4月13日 「AIで改善」機能で分析したところ、「タイトルに項目・能力というキーワードを追加してみては?」と出たんです。実際SERPs(検索結果画面)から調べると、ユーザーは「能力によって考課が変わるのか?」というニーズが見えてきました。さらに内容面でも、「フィードバック方法についての内容が足りない」と出ていました。

タイトルや本文、構成をどう改善すればユーザーの知りたい内容になるのかをAIが提案する機能「AIで改善」。 Google Analytics、Google Search Consoleとデータを連携して分析する。

4月26日 分析結果を元に、タイトルを「人事考課の意味とは?能力で判断?評価との違いと、項目・ポイントを解説」に変更。フィードバック方法に関するコンテンツを追加しました。

すると、キーワードの検索順位をスコア化した「ファインダビリティスコア(検索エンジンでの『見つけやすさ』を表す数字)」が徐々に上がり、約2カ月後の6月7日には「人事考課」の単ワードで検索4位→1位(2017年6月現在)に上がったのです。

さらに、「リファラル採用」のページでは、もっと明確な効果が出ました。 「AIで改善」が提示したタイトル変更をしただけで、セッション数が改善前の250%になったのです 

「リファラル採用」ページタイトル変更後の検索順位(5位→1位)とセッション数(250%改善)の推移

 月岡  どのような手順で改善したのですか?

 大森  社員やその知人などからの紹介・推薦を採用活動につなげる「リファラル採用」は、人事領域におけるホットワードなので、注力したいキーワードでした。ただ、コンテンツを投入しても検索上位に上がらない。この壁を何とか突破したいと、「AIで改善」で分析したのです。
このときミエルカがあぶり出した問題点は、「せっかく本文中に『リファラル採用という言葉の意味の解説』や『リファラル採用をやるメリット』が含まれているのに、タイトルから抜けているせいで、ユーザーがクリックしていない」という現実でした。言われてみれば「ああ、確かに!」と納得でしたね。下記のようにタイトルを変え、半月で検索1位(2017年6月現在)になりました。

「リファラル採用」タイトルを3月13日に変更、半月後の4月2日に検索5位→1位に

その言葉の「浸透度」によってもユーザーが知りたい情報は変わる

株式会社Faber Company 取締役CRO 副島啓一

 副島  このちょっとした差に、人間は気づけないですよね。平たく言うと、「AIで改善」は現在のページに欠けている材料を、AIが勝手に分類して集めてくれる機能です。
メリットとしては、「今現在のユーザーの検索動向」に合わせて最新の結果を出してくれる点、そして 改善後のCVや流入数までAIが予測できるので、「費用対効果」を見極めやすい 点です。

 月岡  「今現在の」というのがポイントです。例えば「リファラル採用って何?」と、言葉が世の中に浸透する前と、皆に認知された後では、ユーザーが知りたい情報が違います。「AIで改善」は、その瞬間に必要な改善案を提示できるので、機会損失も防げるかと。

 関  それは大きいですね。ミエルカがもしなければ、コンテンツを投入して進捗がない場合、「流入が稼げそうだから…」と不本意なトピックも追加してしまうかもしれません。それでも成果が出ないと、施策の打ちようがない。僕らが正しくやり続けてこられた理由は、ミエルカが的確に「打ち手」と「ゴール」を教えてくれるからだと思います。

成果を早期に出して、メンバーのモチベーションを維持

 月岡  ちなみに「AIで改善」の提案が当たる確率はどの程度でしょうか?

 副島  今のところ、7勝3敗ぐらいです。今世の中には、現状の流入数や順位といった「状況観測」ができるツールは多いのですが、そのデータを元に施策を意思決定するのは非常に難しい。なので、分析はある程度自動化し、 担当者のスキルよらず「意思決定」と「アクション」ができる よう、ミエルカの開発を続けております。

 大森  当社でも、AIは「気づきのきっかけ」となる情報を提示してくれる存在と捉えていて、その上でビズヒントが目指す世界観を見据えて、意思決定をしています。

株式会社Faber Company エグゼクティブ・マーケティング・ディレクター 月岡克博

 月岡   膨大なデータの調査/分析は機械に任せて、「このメディアがどうやったら魅力的になるか?」という人間にしかできない企画に頭と時間を使えると、メディア運営が楽しくなりますよね 
ちなみに、大森さまはチームのモチベーション維持で、何か工夫をしていらっしゃいますか?

 大森  そうですね…「楽しさ」って大事ですよね。メンバーにはまずニッチなワードから始めて早期に結果を出し、達成感を持ってもらうようにしています。いきなり難易度が高い分野を任せてもなかなか結果は出ないので。
各メンバーの書いたコンテンツがどれぐらいサイト全体のトラフィックに寄与したのか、URLごとにミエルカで可視化して、検索上位になった喜びを感じてもらえる段階にきたら、「どうしたらユーザーにもっと評価されるか?」と改善の方法を考えてもらう。すると、積極的に取り組んでもらえるんじゃないかと思います。

注目は「読了率」。ヒートマップでUI改善の取り組みも開始

 大森  最近はビッグワードでも検索上位になることが増えました。「面談」のページも、「AIで改善」で抽出した「面談と面接の違い」を図解で追加して、1位(2017年6月現在)になっています。

 関  文章が続いている部分でユーザーが離脱していたら、図解に変える。 「どこまで読んでもらったか」「飽きていないか」を確かめてUIを改善する 。これらの指標も今後は施策に影響すると思い、ヒートマップも活用し始めました。

 副島  読んでもらえたかどうかも大事ですね。例えばソーシャルで1万人集めたけれど「全然内容を読んでくれませんでした」では意味ないですし。実はいま、ミエルカの既存機能に「読了率(最後まで読み終わったユーザーの割合)」も掛け合わせた新しい仕様を開発中なんです。

 関  新機能、楽しみですね。ビズヒントでは、何回も再訪してくれるようなユーザーとの関係構築が今後の課題です。再訪率が高いユーザーは、何割が最後まで読んでいるのか?会員登録を促すコンテンツは、何%スクロールしたところで表示するのが適切か?そういったデータも踏まえて、ユーザー体験向上に活かしたいと思います。

 

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著者プロフィール

ミエルカ研究所 所長


ミエルカ研究所は、人工知能と言語処理の力で、「言葉」の持つ可能性を追及、研究していくための研究所 です。
コンテンツマーケティングKPI管理、言語レコメンドツール「ミエルカ」を提供するFaber Companyが母体となってます。

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