Googleアナリティクス4(GA4)への移行どうする?現行のGA(UA)は2023年7月1日計測停止【GA4移行支援も可】
更新日: 2024.6.5 公開日:2022.03.242022年3月16日に「Google Analytics(GA)」の計測終了のアナウンスがありました。無償版の計測終了日は2023年7月1日とのこと。「Google Analytics4(GA4)」への移行が急務となりました。GA停止までのスケジュールは?停止されたらどうなるの?今対策すべきことや、企業や個人の対応すべきポイントを、Webアナリスト・小川卓が詳しく解説します。
参考記事:合わせて理解しておきたいSEO情報について
GA計測停止までのスケジュールは?
Googleアナリティクス(以下、GA)の公式ヘルプページの発表によれば、計測停止は2023年7月1日となっています。
GA無償版は7月1日以降、PV(ページビュー)数などのデータが更新されなくなります。すでに取れているデータの閲覧は約半年間、2024年1月1日まで保証されます。その後、どこかのタイミング(日程は未定)で閲覧不可になることも宣言が出されています。GAタグが入っていてもGA上で処理されなくなるので、Google広告とGAを連携している場合もデータが取得できなくなります。有償版もそれぞれ猶予は3カ月長くはなりますが、2023年10月1日に計測終了を予定しています。
- 2023年7月1日以降、データは更新されないが過去のデータは閲覧可能
- 2024年1月1日までデータの閲覧が保証されている
- 2024年1月2日以降に過去のデータも閲覧不可に。※具体的に何時なのかは別途アナウンス
- 有償版は上記の各期日が3カ月長い
GoogleはなぜGAを計測停止にするの?
小川卓の推測によると以下の通りです。
現在はGAとGA4が併用されている状況です。Googleにとっては2つの仕組みがあることで運用負荷がかかります。GA4に移行してもらってGAは終了する予定だったのでしょう。 しかし、GAからGA4に移行するユーザーの動きが予想以上に鈍く、せっかく作った新しい機能もなかなか活用されていないようです。そういった背景から、Googleは「GAのサービス提供を止めよう」と判断したのでしょう。
※なぜGoogleがこれまで運用してきたGAでなくGA4に切り替えるのか?については、本ページ最下段の動画でもご紹介しています。
計測が停止されるとどうなる?
GAと同時にデータを外部プログラムから呼び出すAPIも計測を停止しますので、これへの対処が必要です。 たとえば、Webサイトにレポートを組み込むAPIを使っている場合、レポートの出し方やスプレッドシートとの連携方法もこれを機に変えねばなりません。
社内やクライアントから「いつもの数字の出し方となぜ違うの?」「どう見ればいいの?」といった意見が出てくることは必至です。 社内やクライアントなど関係メンバーとの共通理解を深め、慣れた上で2023年7月1日を迎えるためにも、GA4への切り替えは優先的に取り組む必要があります。
計測停止範囲と影響
- GA及びAPIも同じ計測停止スケジュール
- GAを利用しているGoogleデータポータル、その他運用レポート、Googleスプレッドシートや仕組みも対応が必要
- 過去の数値を見ることができなくなるので、データの事前ダウンロード等が必要となる
過去データの保管方法
- GA無償版:機能としてローデータのダウンロードはできません。集計されたレポート(グラフなど)をエクセル・PDF等でダウンロードすることは可能です。
- GA有償版:非サンプリングデータをダウンロードしたり、BigQueryにエクスポートしている場合はその中にローデータがたまっているので、そちらを利用しましょう。BigQuery内に入っているデータは消されたり、見られなくなることはありません。
GA4移行?企業はどう対応すればいいの?
GA4への移行が基本的な方向性であることはご理解いただけたと思います。 これまでどのようにGAを活用してきたかによって、どれぐらいのスピードで、どこまでGA4への移行に対応するか、方針が変わります。自社や自サイトの状況にあった対応をしていきましょう。
普段からGAを活用している企業の対応
- このタイミングでGA4に移る、あるいは他の解析ツールに移りましょう。
- 現在GAで取得しているデータを見直す良い機会です。
「実装が間違っていた」「誰も使っていないデータを計測してた」などを可視化し、現在取得しているデータ、今後取得したいデータを議論して決めてから実装や設定を行いましょう。
- 社内でGAのデータを使っているシステムやレポートがないかの洗い出しを行い、設定をし直して、GA4導入後に対応していきましょう(社内のシステム改修が必要なケースもあります)。
- GA4で昨年対比を見たい場合は、2022年6月末までの実装が必要になります
(この記事を書いている時点で、あと3カ月!)
- 外部サービスを(カートASP)等を利用している場合はASP側のGA4切り替え待ちが必要になります。
ECサイト運営者などは注意しましょう。
▼Faber CompanyではGA4への移行支援」のご相談も承っております。お気軽にご相談ください。
そこまでGAを活用していない企業の対応
- まだ慌てなくて大丈夫です。
- ただGA4の計測記述(コード)自体は早めに入れておくことをオススメします
(また、できればコンバージョン設定をしておくと良いです)。
- 当面はGAを使いつつ、2022年後半~2023年前半くらいにGA4の使い方を学びましょう。その頃には情報も多く出ており、仕様変更も落ち着いて、ツールも安定している(ことを願っています)。
GA4の実装と設定をどうするか?
考え方は2択、「自社で実装する」か「外部パートナーの力を借りるか」の判断が必要です。
社内にアナリストがいて体制が整えられる場合は、自社導入が良いと思われます。アナリストやエンジニアといった専門家がいなかったり、「外部のアドバイスがほしい」「これを機に設計を見直したい」といった場合は、外部の力を借りると良いでしょう。多数のサイトを抱える制作会社、クライアントが多い広告代理店などは、「リソース」と「経験」の観点から、実装は外部パートナーに任せると良いと思います。
▼Faber CompanyではGA4移行に関するコンサルやサポートも実施しております。お気軽にご相談ください。
☑︎GA4移行支援について相談してみる
よく「GA4はGAに比べ、設定が難しくなる?」と聞かれるのですが、まず設定や計測方法がまったく違います。これまでGAで設定していた経験値はあまりGA4で役立ちません。
個人でGAを利用している人はGA4にどうすればいいの?
ブログやアフィリエイトなど個人でGAを利用している人たちはどのように対応すべきでしょうか。
個人でGAを活用している人の対応
- 利用しているCMS(WordPressなど)やブログサービスがGA4に対応するのを待ちましょう。
- 個人でサイトを運営している場合は、まずはGA4のタグを入れてコンバージョンを設定するということは行っても良いかもしれません。
- 今後情報等は増えてくるかと思いますので今は「待ち」でも正直問題ないかと思います。
- GA4はデモアカウントがあるので、実装がすぐに難しい場合や「どんな感じか学び始めたい」という場合は、まずデモアカウントを追加して触ってみるのが良いかもしれません。
☑︎GA4デモアカウントはこちら(アナリティクス公式ヘルプページ)
個人のサイト運営運営者に「待ち」をおすすめする理由
- GA4はまだ未完成です。毎月何かしらの追加、更新、仕様変更が行われています。「GAで出していたあのレポートをGA4で出すにはどうすればよいか?」みたいなことがたくさん出てきます。現在は対応していなくても、今後対応する可能性はあります。
- 同じディメンション名や指標名(例:セッション、離脱率)でも定義が違ったりしますので、GAとGA4の数値は基本合いませんし、合わせにいくこともできません。
GAとGA4はまったく別のツールとして考えるべき
GAとGA4はまったく計測方法が違います。「GAで出していたあのデータをGA4で出すには」「これまでのデータと合わない」という質問は、意味がありません。重要なのはまったく別のツールとして捉え、頭を切り替えて学び直すことです。
今後出てくるGA4最新情報を待つべき理由
アクセス解析界隈で一気に動きが加速するかと思います。ブログ、情報サイト、書籍なども更に増えることでしょう。大切なのは最新の情報を得ることです。1カ月前に正しかった情報が、現在正しいとは限りません。
Webアナリスト小川卓のGA4に関する今後の取り組み
2022年3月末にGA4の情報サイトをリリースします。検索機能やセグメントの作り方、管理画面の見方など改めてアナウンスします。
GA4 Guide サイトがリリースされました。
- 2022年の夏に書籍を出す予定です。
- オンライン勉強会なども開催予定です。
GA4の無料資料を公開中
小川卓が代表を務める「Happy Analytics」では、定期的にGA4に関する資料をアップデートして公開しています。GA4の実装、設定、レポートなどをまとめています。月に1~2回程度、セミナー等の情報もご案内します。ぜひダウンロードしてみてください。
Google Analytics 4(GA4)の関連動画
GoogleがGAのサービス提供を始めて15年。もっとも大きな変化がGAからGA4へのアップデートです。PV(ページビュー)単位の計測が時代に合わなくなり、新しい計測方法にした理由と機能の解説、移行のメリットなどを小川卓が解説しています。
動画出演者PROFILE
小川 卓(おがわ たく)
University College London (英国) 卒業・早稲田大学大学院理工学研究科 卒業
Webアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンなどで勤務後、独立。KPI設計、分析、改善を得意とする。全国各地での講演は500回を突破。複数社の社外取締役、大学院の客員教授などを通じてWeb解析の啓発・浸透に従事。株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役。
主な著書に『ウェブ分析論』『ウェブ分析レポーティング講座』『マンガでわかるウェブ分析』『Webサイト分析・改善の教科書』『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』『「やりたいこと」からパッと引ける Google アナリティクス 分析・改善のすべてがわかる本』など。