コンテンツマーケティングが盛んに言われるようになり、執筆を外部のライターさんにお願いしているケースも多いのではないでしょうか。そこで今回は、オウンドメディア運営で重要な要素の1つである「ライター」を選ぶ際に確認しておきたいポイントをまとめました。
ライターさん選びの基準にしたい7つのチェックポイント
自社のオウンドメディアのコンテンツ執筆を任せるなら、以下の7つのポイントはチェックしたいところです。
- オウンドメディアへの理解
- 会社・商品(サービス)への理解
- 世の中の流行や動きに敏感であること
- コンテンツ企画力(アイディアの豊富さ)
- ユーザー目線
- 現場主義(フットワークの軽さ)
- マーケティング関連スキルのスキルや経験
それでは1つずつ見ていきましょう。
1.オウンドメディアへの理解
各々のコンテンツだけでなく、メディア全体の目的やユーザーに提供したい価値をきちんと理解してくれるかどうかが重要です。ライターさんなりの“色”というのも重要ですが、メディアの目的を逸脱するものでは意味がありません。何のために、誰に届けるかによって、表現手法も変わります。ここでは編集長となる人がきちんとライターさんに時間をかけて説明し、きちんと認識合わせすることが必要となります。
2. 会社・商品(サービス)への理解
オウンドメディアの目的は「商品やサービスを今すぐ売ること」ではないケースが多いですが、ライターさんには会社のこと、提供している商品やサービスの特徴・強み、できればビジネスモデルや競合企業との差別化ポイントまで把握しておいてもらいたいものです。そういった知識が根底にあることで、対象となるユーザーのことまで想いを馳せることができるようになるでしょう。可能であれば商品・サービスに関する社内ツールや詳細情報、コンシューマ向けの商品であればサンプル商品などをライターさんに提供して実際に体感してもらうといいと思います。
3.世の中の流行や動きに敏感であること
コンテンツの価値はユーザーの「態度変容」だと考えています。ユーザーの心を動かすコンテンツを書くためには「ユーザーが普段何に時間を使っているのか」「想定ユーザー層の中ではどのようなものが流行っているのか」「なぜそれが流行っているのか」などに興味を持って調べたり考えたりする“好奇心”が必要です。あらゆるメディアや情報に触れていて、オンラインだけでなく雑誌などのオフラインでも情報収集するような「アンテナの高さ」も必要かもしれません。
4. コンテンツ企画力(アイディアの豊富さ)
どのようなコンテンツがユーザーにとって有用かを考えて、アイデアを絞り出す段階が一番生みの苦しみがあるものです。多くのコンテンツが溢れる今の時代に、自分たちのコンテンツを届けるために、どんな企画ならまだ世の中に無い切り口でコンテンツを作ることができるのかの“引き出し”の多さがあると企画・編集会議も楽しくなるかと。
5.ユーザー目線
コンテンツを書く、という情報発信側のスタンスになると、ユーザーの知りたい・読みたいコンテンツではなくなってしまいます。特にその領域のプロであればあるほど注意が必要です。プロには“当たり前”のことが、ユーザーにはまだ知らない、聞いたことのない“重要な要素”であることは多々あります。
ユーザーの目線、視座で意見を出したり、ユーザーの置かれたシーンや感情や心情、悩みなどをリアルに妄想想像して文章を構成できるかどうか。非常に難しいポイントですが、コンテンツを届けたいユーザーに属性や趣味嗜好が近いライターさんを採用することも一つの方法でしょう。またユーザーの検索意図(なぜそのキーワードで検索しているか)を把握することができれば、コンテンツにおけるユーザー満足度の向上につながり、検索エンジン上の評価もついて自然検索流入を見込むこともできます。
6.現場主義(フットワークの軽さ)
どれだけ“リアル”で“正しい”情報を届けられるかはコンテンツづくりの肝です。インターネットで得られた情報だけをもとにコンテンツを書くだけでは、内容は薄いものになるはず。文献調査はもちろんのこと、「一次情報」を取得するために現地取材やインタビューなどを行って得た素材をもとに執筆することが今後求められると思います。
当社の取締役でもあり、海外SEO情報ブログの執筆者である鈴木謙一は、海外カンファレンスで得た情報をいち早く皆様にお届けするために、様々なカンファレンスに出かけていき即座にブログを更新しています。その分オフィスには全く現れないのですが(笑)現地でしか得られない情報を、現地に行ってしかできないスピードで皆さまに提供しています。ミエルカユーザーであるアソビューさまでも現地取材を軸としたコンテンツで成果をだされています。
(詳しくはWeb担当者Forumの記事をご覧ください)
7.マーケティング関連スキルや経験
かなり贅沢な注文になりますが、、、WebやHTML、CSSやSEOの知識をもったライターさんであれば言うことがありません!さらにはWeb広告(PPCやディスプレイ広告など)やソーシャル関連、もっと言うとCRMなどを含めた顧客管理の知識もあれば、コンテンツに接触した“後”のことも考えた提案などが出てくると思います。中々ここまでのスキルを持ったライターさんに出会うのは難しいですが、出会えたらラッキーですね。
ライターさんに依頼する前にやっておきたいこと
以上、ライターに求めたいスキルを挙げてみました。かなり贅沢を言っていますが、こうしたチェックポイントを持っておくこと自体が重要です。しかし、候補のライターさんがこれらのスキルを保有しているかどうかを知ることが難しいのもまた事実。事前に以下2つをお願いしてみてもいいでしょう。
A. これまでのポートフォリオを出してもらう
当たり前ですが、どういったジャンルが得意なのか、どのような文体なのかを把握するためにも、過去の制作実績を共有してもらいましょう。もしクライアントさまありきで実績が公開できない場合は、テストで書いてもらってお互いの認識をすり合わせます。(もちろんそれなりの報酬は出してください。例え採用に至らなかったとしてもここは必要経費です。)
B. face to faceで話す
ライターさんとは依頼前に必ず顔を見ての打ち合わせ(面接)を挟みましょう。これが結構大事かなと思ってまして、今ではメールとチャットやタスク管理ツールを駆使すれば一度も会うこともなく仕事が完結してしまう時代です。ただ、本当にそれで自分たちの想いや表現したい世界観が伝わるのかなと。
できれば会って話すのが一番ですが、遠方などで物理的に難しいなどがあればskypeなどのオンラインミーティングでも構いません。顔を見て話すことで、色々なことが伝わったり、感じたりすることができると思います。これは取組が始まってからも同様で、定期的なタイミングで会って打合せをしたり、これまでの施策の結果をフィードバックをするなどしたほうがライターさんともよい関係を作れる気がします。
発注スキルとパートナーとして一緒に成長していく関係づくりが重要
ライターさんに求めるスキルや資質を色々挙げたわけですが、実は発注側の工夫によって解決できることも多いことが分かって頂けたのではないかなと思います。ふわっとした依頼をすれば、ふわっとした成果物しか上がってきません。
発注側であるコンテンツマーケやオウンドメディアの担当者が“発注スキル”を鍛えること、さらにはライターさんを外注先としてではなく一緒に成長していく「パートナー」として関係を築いていくことこそが、ユーザーに価値あるコンテンツを生み出す上で外せない大きなポイントになると思っています。
※ちなみに、当社でもミエルカブログをはじめ、お仕事をご一緒できるようなライターさんを随時募集しております。もし上記のような考え方に共感いただけたら、ぜひ一度ご連絡ください(笑)
※ライフスタイルメディア「Pacoma」さんのライターマネジメントも参考になると思います。合わせてご覧ください。
著者PROFILE
SFA導入コンサルからCRMベンダーのセールスに転身し、営業マネージャーに。その後Faber Company営業部長を経て、マーケティングを担うIMC部を設立。現在は執行役員として、ミエルカのプロダクトマネージャーやセミナー登壇などの活動をメインに行っている。
■ 講演実績:マーケティングアジェンダ/日経クロストレンドForum 他■Twitter:@tsuuky09