
被リンクとは、自社とは別ドメイン(外部サイト)からリンクを貼ってもらうことです。被リンクチェックは、サーチコンソールやAhrefsなどのツールを用いながら、自社サイトで獲得できている被リンクの質や量を確認したり、競合サイトでどんな被リンク施策を行っているのかを調査・把握したりすることです。被リンクはGoogle検索が現在も評価している重要な要素であり、良質な被リンクの獲得は、検索上位にページを表示させる上で現在においても非常に重要なSEO対策の1つです。本記事では、被リンクチェックの重要性や無料・有料ツール、具体的にチェックする方法をくわしく解説します。
目次
- Googleサーチコンソール(Google Search Console)
- Googleアナリティクス4(GA4、Google Analytics4)
- Bing Webmaster Tools
- hanasakigani
- 被リンクチェックツール(LYNX)
被リンクをチェックする重要性・目的
本章では、まず被リンクをチェックする重要性(目的)と、チェックすべき内容を解説します。
そもそも被リンクとは
被リンクとは、自社とは別ドメイン(外部サイト)からリンクを貼ってもらうことです。外部リンクやバックリンクと呼ばれることもあります。被リンクを獲得すると、Google検索からの自社ドメインやページの評価が高まり、検索順位の改善が期待できます。
例えば、次の3つは、被リンクを貼ってもらいやすい代表的なパターンです。まずは、こうしたものがあるかどうかを確認し、もしあった場合は、リンクの掲載依頼を出してみましょう。
①自社ブログなどの情報が引用され、情報参照元として掲載される場合
②取引先へのインタビューや共催セミナーなどが実施された場合
③自社のプレスリリースや広報活動がメディアなどに掲載された場合
被リンクをチェックする重要性・目的
被リンクをチェックすべき理由は、SEOでの評価につながるためです。
そもそもGoogle検索は、ページ間の相互リンクを理解し、各ページの品質を測り、ランク付けしています。 PageRankというこのランク付けの仕組みは、Google がサービスを開始した当初から使用されているコアランキングシステムの一つで、現在も機能し続けていることがGoogleの公式情報として検索セントラルにも記載されています。[1]
リンク分析システムと PageRank
Google は、さまざまなシステムを導入してページ間の相互リンクを理解し、ページの内容と、検索クエリに対して最も有益な情報を提供するページを判断しています。その中でも PageRank は、Google がサービスを開始した当初から使用されているコア ランキング システムの一つです。興味のある方は、オリジナルのPageRankの研究論文および特許をご覧になり、詳細をご確認ください。PageRank の仕組みは当時から大きく進化しており、コア ランキング システムの一部として機能し続けています。
引用:https://developers.google.com/search/docs/appearance/ranking-systems-guide?hl=ja#link-analysis
Google創業者であるSergey BrinとLawrence Pageの論文にもPageRankの仕組みが詳しく説明されています。各ページの品質ランキング(PageRank)を評価する上で、Webのリンク構造を利用する旨が記載されている[2]ことからも、被リンクをチェックし、対策を講じる重要性は高いと言えます。
また最近では、SEO対策におけるUXの重要性が叫ばれ、被リンクの重要性が下がってきているという風潮があります。しかし、依然として被リンクがSEOにおいて非常に重要な要素であることは、米国を代表する超一流のリンクビルダーであるJim Boykin(ジム・ボイキン)氏が、ミエルカチャンネルでのインタビューの中で述べています。
Googleが何を言おうと、リンクは依然として非常に重要です。ユーザーエクスペリエンスは確かに今より重要になってきており、検索順位の決定においてより大きな役割を果たしていると思いますが、リンクがなければどこにも行き着きません。上位表示させるためにはリンクが必要です。
上位表示された後にその順位を維持できるかどうかは、ユーザーエクスペリエンスにかかっています。ユーザーがフレーズを検索してあなたのページにアクセスしたものの、求めているものが見つからず、他のサイトに長く滞在して答えを見つけている場合、順位は下がります。しかし、被リンクがなければ、上位表示されるチャンスすらありません。被リンクは依然として非常に重要です。
これらの理由から、良質な被リンクを得ることで、リンクを受けたページやドメインはGoogle検索から一定の評価を得られることが期待できると言えるでしょう。
被リンクチェックにおいて、確認すべき内容とその理由
チェックすべきトピックは大きく2つあります。
競合の被リンク状況
被リンク状況とは、競合が獲得している被リンクの質と量です。被リンクの質や量を比較し、もし自社ページが劣っていた場合はきちんと対策をすることで、最終的に競合よりも上位に表示させられる可能性が高まります。
どのサイト・ページからリンクを獲得しているか
自社と競合それぞれのWebサイトについて、具体的にどのようなサイトやページから被リンクを獲得しているかを分析することも重要です。その理由は3つあります。
1つ目の理由は、どのようなページであれば良質な被リンクを獲得しやすいかを把握することで、その後のコンテンツ施策に活かすことができるためです。
2つ目の理由は、被リンクを獲得する方法を知ることができるからです。たとえば、「報道機関や公的機関等に記事を寄稿し、その中に自社サイトへのリンクを設置する」という方法は、実際に寄稿したことがない場合にはなかなか思いつきません。自社では思い付かないような方法を実践することで、被リンクを増やせる可能性があります。
3つ目の理由は、低品質な被リンクがないかどうかを確認できるためです。スパムリンクが貼られると、検索エンジンからネガティブな評価を受けてしまい、順位が下がったり、検索結果に表示されなくなったりするリスクがあります。こうしたペナルティを避けるために、低品質な被リンクが設置されていないかを随時チェックすることが重要です。低品質なリンクがある場合は、Googleなどの「リンクの否認ツール」を活用し、該当のリンクを削除すると効果的です[3]。
[1]リンク分析システムと PageRank(Google検索セントラル)
[2] The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine(Sergey Brin and Lawrence Page Stanford University)
[3] サイトへのリンクを否認する(Search Console ヘルプ)
被リンクチェックのポイント
被リンクチェックの効果を高めるには、以下3つのポイントを押さえましょう。
被リンクの質を重視する
近年の検索エンジンでは、被リンクの質が特に重視されています。具体的には、以下の被リンクは質が高いと判断されます。
- ユーザーにとって価値のある情報を提供している
- リンク元ページとの関連性が高い
- リンク元のサイトが権威性の高いサイトである(公的機関や大手企業、研究機関など)
被リンクチェックする際には、「質の高いリンクを獲得できているか」という視点を持ちましょう。
良質な被リンクの量もチェックする
被リンクの量(特にドメイン数)も評価対象とされています。良質な被リンクの量が多いほど、Googleなどの検索エンジンから高く評価され、検索上位表示において有利です。
主にドメイン数を中心に、被リンクの量も忘れずにチェックしましょう。
被リンクの分析結果をSEO対策に活かす
分析結果をSEO対策に活かして初めて、被リンクチェックによる効果が期待できます。たとえば、競合サイトよりも被リンクの質で劣っているならば、良好な被リンクを増やすための対策(コンテンツ作成や記事寄稿など)を行うことが大切です。
被リンクチェックの無料ツール5選
ここからは、被リンクチェックを行える無料のツールを5つ取り上げて、各ツールの概要やできることを解説します。
参考記事:【比較】無料・有料SEOツール42選!機能や料金を比較しながらご紹介!
Googleサーチコンソール(Google Search Console)

Googleが提供している無料のツールです[4]。登録したサイトに関して、被リンクを獲得したページや被リンク元のドメイン・ページ、ページ別被リンク数などをチェック可能です。
また、Googleの検索エンジンにおける各ページの検索順位や表示回数、クリック数などもチェックできます。インデックス登録のリクエストなどでも使用するため、Webサイト運営やSEO対策を行う上では必須のツールです。
Googleアナリティクス4(GA4、Google Analytics4)

こちらもGoogleが提供する無料ツールです[5]。登録したサイトに関して、被リンク元のページ・ドメイン、被リンク元サイトからのアクセス数などをチェックできます。
ただし、アクセス数(PVやUU数など)の解析がメインのツールなので、Google Search Console(以下サーチコンソール)と比べるとチェックできる内容は少ないです。
Bing Webmaster Tools

マイクロソフトが提供する無料ツールであり、検索エンジン「Bing」におけるサイトパフォーマンスを分析できるツールです[6]。被リンクに関する情報だけでなく、各ページの検索順位やクリック数などもチェックできます。
加えて、サーチコンソールには無い機能として、「バックリンク機能」により競合サイトの被リンクを分析できる点が挙げられます。
hanasakigani
株式会社ディーボが提供する無料ツールです[7]。検索窓に調べたいURLを入力の上で「チェックする」をクリックすると、被リンク数やno followリンク数などが表示されます。
アカウントやサイトの登録を行わずに使える点や、競合サイトの分析も行える点が魅力です。ただし、最大10件のみの表示である上に、1日あたりの利用回数に制限が設けられている点に注意です。
被リンクチェックツール(LYNX)

リンクス・アンド・カンパニー・ジャパン合同会社が提供する無料ツールです[8]。
調べたいURLを入力し、「分析」をクリックすることで、被リンク元ページのタイトル・URLやアンカーテキスト、PA・DAが表示されます。いわゆるドメインパワーも含めて、被リンクの質を分析できる点が魅力です。
[4] Google Search Console
[5]お客様のビジネスに適した分析ツールとソリューション(Google アナリティクス)
[6]Webmaster Tools(Microsoft Bing)
[7]マイサイト被リンクチェックツール(hanasakigani.jp)
[8]【無料】被リンクチェックツール(LYNX)
被リンクチェックの有料ツール4選
次に、有料で被リンクチェックを行うツールを4つ紹介します。
Ahrefs

Googleに次いで2番目にアクティブなクローラーをもとに、被リンクを表示・分析できるツールです。無料ツールで表示されるデータはもちろん、Webサイトの評価(DR・UR)を確認できる点が魅力です。また、アラート機能により、被リンクの増減をリアルタイムでチェックできる点も特徴です。
限定的な機能のみを使える無料プランに加えて、19,900円/月から有料プランを利用できます[9]。
Moz Link Explorer

Moz社が提供するツールであり、被リンクの基本的な情報に加えて、ドメイン単位(DA)やページ単位(PA)の権威性を数値化して表示します。また、リンクの安全性やリンクの増減などもチェックできます。
機能が限定された無料プランの他、99ドル/月から有料プランを利用できます[10]。ただし、日本語には対応していないため注意が必要です。
Ubersuggest

アメリカのWebマーケターであるパテル氏が提供しているSEOツールです。被リンク情報の他、上位表示できているSEOキーワードやトラフィック数など、SEO対策全般に役立つデータをチェックできます。
こちらも無料プランに加えて、2,999円/月からの有料プランが用意されています[11]。
Majestic

イギリスを拠点とするSEO会社が提供するツールであり、被リンクチェックに特化している点が特徴です。自社および競合の被リンクについて、数や推移、アンカーテキストなどを分析できます。また、被リンク元の信頼度を数値化したトラストフローや、被リンク元の被リンク数を数値化いたサイテーションフローといった独自指標もチェックできます。
無料プランとは別に、49.99ドル/月から利用可能な有料プランが用意されています[12]。
[9]プランと料金(Ahrefs)
[10]Moz Pro 30 Day Free Trial(Moz)
[11]Ubersuggest
[12]プランと料金(Majestic)
被リンクチェックの方法
Google Search Consoleを使って、被リンクをチェックする方法を解説します。
まずは、画面左側にある「リンク」をクリックします。

そうすると、「外部リンク」の部分に以下の内容が表示されます。
項目名 |
内容 |
上位のリンクされているページ |
|
上位のリンク元サイト |
|
上位のリンク元テキスト |
リンク元のページにおけるアンカーテキスト一覧 |
たとえば、上位のリンクされているページは以下のように表示されます。

各項目の「詳細」をクリックすると、より詳しい情報(「被リンク元がどのページにリンクを貼っているのか」など)を分析できます。
被リンクチェック・良質な被リンク獲得の成功事例
ここからは、被リンクチェックや上質な被リンク獲得を行ったことでSEO施策が成功した事例をご紹介します。
【株式会社バイク王&カンパニー様】PV数は以前の約4倍、事業に直結するキーワードの検索順位が2位まで上昇

Faber Company(ファベルカンパニー)でSEOのコンサルティング支援を行った株式会社バイク王&カンパニー様では、「バイク」や「バイク買取」などほとんどのキーワードで50位圏外でした。
原因として考えられたのが、意図していなもしくは関連性もない外部リンクが多数存在していることでした。
関連性の低い外部リンクを削除していきましたが、1年経っても関連のない外部リンクが一掃されることはなく、最終的には新規ドメインを取得し、一からサイトを新設する対策方針に変更しました。
この事例のように、関連性のない外部リンクを完全に排除できないほど複雑化してしまったサイトの場合は、サイトを新規で立ち上げ直すことも視野に入れる必要があります。
それらの施策の影響もあって、PV数は以前の約4倍に成長。さらに、事業に直結する「バイク」や「バイク買取」といったキーワードの検索順位が2位まで上昇することに成功しました。
参考記事:内部設計とUI/UXを見直し、長年の悲願だった『バイク』『バイク買取』で上位表示を達成。買取関連の申し込みは前年比163%に!
【アジアンウエイ株式会社様】売上は前年同月比3倍以上、自然検索経由の問い合わせは約1.7倍、閲覧履歴ページへのアクセス数も2.21倍に増加
アジアンウェイ株式会社様は、良質な被リンクを獲得する施策を行い、実際に効果を出されています。

アジアンウエイ株式会社様からSEO施策実行依頼を受けたFaber Company(ファベルカンパニー)では、まずサイトの調査を実行。「被リンク状況が競合に比べて弱い」と指摘しました。
被リンクの質や量、指名検索(ブランド認知)から見ても、競合より劣っている項目が多く見受けられました。そこでまず、優良な企業・団体のサイトに自社サイトへのリンクを貼ってもらえるよう依頼することを提案しました。具体的には、中古車関連のまとめサイトやニュースメディア、古物商関連やトラック関連の協会なども含めた関係先です。これは木下様ご自身ですぐに取り組んでくださいました。(Faber Company SEOコンサルタント 竹村)
アジアンウエイ株式会社の木下氏は「外部リンクといえばブラックハットSEOのようなイメージがあり、最初は戸惑った」とのこと。しかし竹村から、「ユーザーにとって有益な情報を、興味を持ちそうな方が見ているサイトに紹介していただくことは、ユーザーにとってのメリットにつながる」と説明を受け、意識が変わり、施策に取り組むことになりました。
「試しに各サイトに依頼文書を送ってみたら、意外にもすぐ『紹介させていただきます』『載せました』とご返信が来たのです。竹村さんたちの提案に対して信頼性が一層高まりました」(木下氏)
これらの被リンク施策やSEO施策を始めて約1年後の12月、同社の運営するトラック流通センターの売上は前年同月比3倍以上(323.2%)に達し、過去最高益を達成。自然検索経由の問い合わせは約1.7倍、閲覧履歴ページへのアクセス数も施策実装後、2.21倍に増加しました。
参考:1年で売上3倍!過去最高益を叩き出した中古トラックECサイトの改善施策とは?
まとめ
被リンクはGoogleが検索ランキングを構築する上でも重要な項目です。被リンクは重要ではないという風潮もありますが、実際には現在のSEOにおいても非常に重要であることに変わりはありません。
被リンクチェックは自社の被リンク状況や競合他社の被リンク状況を確認し、より効果的な被リンク施策を行う上で非常に重要な活動です。適切なツールの利用や専門家に相談した上で、現在の被リンク状況を正しく把握し、効果的な被リンク施策を行える環境を整えていきましょう。
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