外部リンク(被リンク)の獲得は、自社サイトがSEOで検索上位を獲得するために重要な評価基準のひとつです。しかし現在では、自作自演のリンクを大量に張るなどのスパム行為はGoogleのガイドライン違反とみなされます。ここでは、外部リンクの基本の考え方から、適切にナチュラルリンクを獲得するための方法について詳しく解説します。
目次
外部リンクとは?
外部リンクとは、Webサイトのページ内に張られている別のサイト(ドメイン)のリンクのことを指します。例えば、本ページの下部にある「運営会社」の欄に弊社Faber Companyの会社HPのリンクがあります。こちらはドメインが異なるため、「外部リンク」に該当します。
また、外部リンクはリンクを張っている側(今回の例ではミエルカジャーナル)からも、張られている側(今回の例ではFaber Company)どちらから見ても「外部リンク」と呼びます。
なぜ必要?外部リンクの重要性とSEOへの影響
自社サイトのページURLが別のサイトに外部リンクとして張られている場合、別のサイトで参照されている有益な情報という評価を検索エンジンから受ける可能性があります。検索アルゴリズムの評価指標でいうとPageRank(ページランク と読みます)というものに影響します。 PageRankとは検索エンジンがWebページの重要度をはかる指標のひとつで、外部リンクの数や質によってランク付けされます。以前はブラウザ上のGoogleツールバーなどで確認できましたが、現在は非公開の指標となっています。
似た例として「論文」があります。
論文は、他の学術論文を参考にしながら自身の研究テーマを書き上げるものです。多くの研究者の論文に引用される論文は、価値の高い論文となります。この考え方と同様に、自社サイトが多くのサイトに参照、引用されれば、それだけ質の高いコンテンツであると判断されます。
ただしここで注意したいのが、外部からの被リンクが多ければ評価されるという単純なものではありません。
以前は検索エンジンのアルゴリズム精度の問題で、外部リンクが多ければその分PageRankが上がりやすい時代もありましたが、現在ではSEO評価に良い影響を与える外部リンクとそうでない外部リンクが存在します。
SEOに良い影響を与えるとされている外部リンクの例は以下の通りです。
- リンク元ページのPageRankが高い
- リンク元ページのPageRankが高い場合、リンクを受ける側のページが評価されやすくなります。
- リンク元ページとリンク先ページの関連性が高い
- 外部リンクはリンク先ページと関連性が高いテーマのページからの設置であると効果的です。外部リンクの設置はページを訪れた読み手に対して他のページを紹介する行為のため、関連性の高いページを紹介していた方がユーザーニーズに応えている可能性が高いと考えられます。
- アンカーテキストにキーワードが含まれている
- アンカーテキストとは、ページ内に設置されているリンクに表示するテキストのことです。 画像の場合はalt属性に該当するものですが、いずれの場合も狙っているキーワードが自然な形で含まれているのが理想です。
自社のページが別のサイトで外部リンクとして利用される場合、アンカーテキストまでコントロールできることは少ないかもしれませんが、もし可能な場合は不自然でない範囲で対策しているキーワードが盛り込まれている文言案を作成し、リンクの設置を依頼するとよいでしょう。 - 訪問ユーザーから良く活用されるリンクは重要か?
- 読み手がよくクリックする外部リンクの方が、全くクリックされないリンクに比べて評価は高くなりやすいと筆者は考えています。なぜなら、クリックされるリンクというのはそれだけ読み手にとって価値が高いものであると推測されるからです。
そのため、リンク集やフッターなどに設置されたリンクよりも、メインコンテンツ内で適切にリンクを設置してもらうことが重要です。
被リンク・内部リンク・サイテーションとの違い
外部リンクと関連して「被リンク」や「内部リンク」「サイテーション」などの言葉も耳にしたことはないでしょうか。ここでは、それらの言葉の意味や外部リンクとの違いについて紹介していきます。
外部リンクと被リンクの違い
被リンクとは外部リンクの種類を表す言葉で、外部のサイトから あるサイトに向けて設置されたリンクのことを「被リンク」といいます。逆に、あるサイトから外部のサイトに向けて張るリンクを「発リンク」といいます。
また、SEOの文脈で外部リンクと表現する場合は、「被リンク」を指す場合が多いですが、近年では「外部リンク対策」など外部リンクの売買を連想させることから、外部リンクという単語自体があまり使われなくなっています。
外部リンクと内部リンクの違い
外部リンクと内部リンクの違いはドメインをまたぐかどうかです。外部リンクは自社サイトと外部サイト間のリンクなので、ドメインはそれぞれ異なります。一方、内部リンクはリンク元とリンク先のドメインが同じです。
外部リンクとサイテーションの違い
外部リンクは、外部サイトのページにアクセスできるリンクがサイト内に設置されている状態ですが、サイテーションはリンクが設置されず、外部サイトや特定の事柄について言及されることを指します。要するに文字だけが書かれている場合です。また、サイテーションはメンションとも呼ばれます。
☑︎サイテーションについて詳しく:サイテーションとは?SEO効果の有無や被リンクとの違いも解説
SEOにおける外部リンク(被リンク)を増やすための5つの方法
前述の通り、被リンクを増やすことはPageRankを高める効果があります。しかし、被リンクを増やすことだけを目的にして、リンクを購入したり自作自演でリンクを増やしたりする行為はGoogleが定めるガイドラインに反します。
被リンクを増やす場合は、あくまでも外部のサイトが自社サイトのページを参照したくなるような質の良いコンテンツを作り、ナチュラルリンク(自然なリンク)を獲得できるように努めましょう。
ナチュラルリンクを獲得するための方法をいくつか考えてみます。
方法1. 自社管理の別サイトから誘導リンクを設置
自社で管理しているサイトが複数ある場合は、それらの社内サイトから被リンクを集めたいサイトへのリンクを設置する方法があります。
自社で管理しているサイトであれば、自社サイトと関連性の高いサイトとしてリンクを設置しやすく、PageRankにも良い影響を与えやすいでしょう。また、提携会社からリンクを設置してもらう方法もあります。
もしすでに外部リンクを設置している場合は、リンク切れが発生していないか定期的に確認することと、リンク切れが起きていた場合は速やかに修正することも重要です。
リンク先のURLが変更になった場合は、301リダイレクトが適切に行われているかも確認しましょう。ただし、301リダイレクトを行う場合は、関連性の低いページへリダイレクトしても被リンクの効果が出にくいため注意が必要です。
方法2. 外部リンクを設置してもらいやすいコンテンツを作成する
良質なコンテンツを作り、他社のサイトから自社サイトへナチュラルリンクを設置してもらえるよう努めることは被リンクを集める上で最も重要です。
被リンクを集めやすいコンテンツの例としては以下が挙げられます。
- 研究・調査・統計データなどの一次情報
- 用語解説
- イベントレポート
- まとめ情報
- ツール紹介
- ニュース
- カオスマップ(業界地図) など
被リンクを集めやすいコンテンツ=他社サイトに参考にされやすいコンテンツ
また、外部サイトからの被リンクを集めることで、自然検索だけではなく参照元サイトからの流入増加も期待できます。
方法3. 記事寄稿やプレスリリースで外部サイトから被リンクを設置してもらう
外部サイトへの「記事寄稿」は公開先のサイトからの被リンクを獲得できる有効な手段のひとつです。
また、プレスリリースサイトに自社サイトのリンクを設置してもらう方法もありますが、この場合は直接的な被リンクよりも、プレスリリースによる拡散により認知が拡大し、別の外部サイトでのリンクの設置やサイテーションを期待する方がいいでしょう。プレスリリースはあくまでも広報活動による認知拡大を狙う方法といえます。
方法4.取材などで外部と連携してコンテンツを作成する
知識がある専門家に取材してコンテンツを作成することも、実は被リンクの獲得に効果があります。
なぜかというと、外部の専門家へ取材すると取材先から「という記事で紹介されました」というように記事を紹介する形での被リンクをもらえることが多いからです。
現在Faber Companyに所属している前田が前職で携わっていたトラックのECサイトでは、この方法で取材先であるメーカーや宮内庁からの被リンクを獲得した実績があります。
このような工夫もしながらオウンドメディアを運用した結果、平均検索順位3.3位を保持し、Webサイトの流入数を7倍まで引き上げることができています。被リンクに限らず、専門家や知識のある企業と連携したコンテンツはサイトの信頼性を高めることにもつながります。
方法5. SNSを活用する
Facebookやはてなブックマークなどに代表される多くのSNSからの外部リンクには、nofollowタグ(リンク評価の受け渡しが行われないタグ)が記載されていることがほとんどですので、直接のPageRankの上昇は見込めない場合が多いです。
しかし、SNSの特徴である拡散性の高さを利用することで、キュレーションサイトやそれ以外の外部サイトからの被リンクを獲得できる可能性があります。
☑︎SNSを活用するならこちらも参考に:SNSマーケティングのやり方や戦略の立て方を事例を交えてわかりやすく解説
外部リンクに関する注意点
外部リンク(被リンク)を獲得する場合は、外部サイトが自然に自社サイトを参照する形が推奨されています。
被リンクを獲得したいからとリンクを購入したり、無作為に関係のないサイトからの被リンクを獲得することは基本的には効果が見込めないうえ、場合によってはGoogleからペナルティを受ける可能性もあります。知らず知らずのうちにペナルティを受けることがないよう、どのような行為が違反になるかを把握しておきましょう。
自作自演や外部リンクの購入は検索ガイドライン違反につながる
検索順位を上げることを目的に購入したリンクや、自作自演で外部リンクを増やすことはGoogleのガイドラインに違反します。
過去のSEOでは外部リンクの量が多ければ多いほど検索順位が上がるような仕組みになっており、スパムリンクが大量に張られるサイトも多く見られました。しかし、2012年のペンギン・アップデートにより現在ではガイドライン違反の対象となり、リンクの効果が無効化される場合や、手動・自動ペナルティ対象となって検索順位に悪影響を及ぼす場合があります。
過去に違反行為を行った場合は対策が必要な場合も
過去にガイドラインに違反する施策を行っていた場合は、サイト全体の外部リンクを一度見直したうえでリンクの否認を行うべきケースもあります。
しかし、リンクの否認はPageRank評価に有効な外部リンクも削除してしまう危険性があるため、慎重に行う必要があります。また、ガイドラインに違反しているリンクとそうでないリンクを見極めるのは、リンクの精査に慣れていないと難しい作業です。
もし有効な外部リンクを削除してしまった場合、検索順位にネガティブな影響を与える可能性もあるため、リンクの否認を実施する場合は専門知識がある企業ないしは専門家に相談することをおすすめします。
※Faber Companyでは被リンク精査や否認作業のご支援もサービスとして実施しています。ぜひ、ご相談ください。
▶︎被リンクの精査を相談する
外部リンクを精査してSEO施策が成功した事例
Faber Company(ファベルカンパニー)でSEOのコンサルティング支援を行った 株式会社バイク王&カンパニー様では、事業に直結する「バイク」や「バイク買取」などほとんどのキーワードで50位圏外でした。
この原因のひとつとして考えられたのが、意図していないうえに関連性もない外部リンクが多数存在していることでした。
そこで、まずはこれらの関連性のない外部リンクをひとつひとつ解除する作業を試みることに。しかし、1年経っても関連のない外部リンクが一掃されることはなく、最終的には新規ドメインを取得し、一からサイトを新設する対策方針に変更しました。
この事例のように、関連性のない外部リンクを完全に排除できないほど複雑化してしまったサイトの場合は、サイトを新規で立ち上げ直すことも視野に入れる必要があります。
それらの施策の影響もあって、PV数は以前の約4倍に成長。さらに、事業に直結する「バイク」や「バイク買取」といったキーワードの検索順位が2位まで上昇することに成功しました。
SEOにおける外部リンクの重要性
外部リンクの獲得は、現在でも検索上位に表示させるために重要なファクターです。良質なナチュラルリンクを獲得するため、ユーザーニーズを満たした高品質なコンテンツを発信しましょう😉
著者PROFILE
ダイレクトマーケティング会社を経て、株式会社CARTA COMMUNICATIONS入社。メディア広告支援や新規事業立ち上げを経験後、TikTok For Business広告事業の日本展開およびマネジメント業務に従事し、TikTok For Business Awardにて2年連続プラチナ賞を獲得。2021年より独立し、デジタルマーケター・ライターとして活動中。