SEOに効果的なWebページのタイトル(titleタグ)作成ポイントや手順を解説します。昨今のSEOにおいては、テクニック的なことは通用しなくてなっていますが、検索結果画面でユーザーの目に触れるタイトル文はクリック率や流入に影響する可能性が高いです。しっかり基本をマスターしておきましょう。
目次
タイトル(titleタグ)とは?
タイトルタグとは、Webページを構成するHTMLタグの一つです。そのページが何について書かれたものなのか、ユーザーやGoogleに分かりやすく伝えるのが役割です。書籍のタイトルと同じですね。タイトルタグに設定した文章はWebページで表示されるほか、検索結果にリンクとして表示されます。
タイトル(titleタグ)の確認方法
タイトルに設定されている文章はHTMLソース上で確認できます。<title>と</title>に囲まれている文章がそのWebページのタイトルです。
HTMLソース上のタイトル
ソースを見る以外にも、Webページのタイトルを抽出できるChromeアドオンも多数リリースされています。Webページのタイトルを頻繁にチェックする方はアドオンを使っても良いかもしれません。
※筆者は「SEO META in 1CLICK」というChromeアドオンを使っています。アドオンをクリックするだけですぐにタイトルが分かるのでおすすめです。
それでは、次に 筆者が普段お客様に伝えている基本のポイント(心得)を、7つ紹介します。
タイトル(titleタグ)作成7つの基本ポイント
- 1|文字数は28~32文字程度
- 2|ページ内容を端的に表すこと
- 3|ユーザーが検索するキーワードを使う
- 4|重要なキーワードは前半にもってくる
- 5|記号、数字を使う
- 6|パワーワードを使う
- 7|他のページと被らない文言にする
それでは、作成ポイントを順に解説します。
※「ポイントは知っているので、具体的な手順を知りたい」という方はコチラへスキップ
1|文字数はなるべく28~32文字程度
タイトルに用いる文字数は28~32文字程度が望ましいです。これは検索結果で表示されたときに省略されないであろう文字数になります。 これ以上の文字数になると、検索結果には全文が表示されずに「…」と省略されて重要なキーワードが隠れてしまうことも。
例えば、キーワードが〝SEO タイトル〟の場合、以下のようになります。
○:表示されている(31文字)
【事例つき】SEOに効果的なタイトル(titleタグ)の付け方は?
×:隠れてしまっている(40文字)
あなたのサイトは正しく設定していますか? 今さら聞けないSEO対…
語呂の良いタイトルにしたい場合、40文字近くなることも(あるいはそれ以上も)ありますが、重要なキーワードは検索結果に表示されやすい文字数の範囲に入れておきましょう。
2|ページ内容を端的に表すこと
タイトルだけを読んでもそのWebページに何が書いてあるか分かるようにしましょう。Googleの公式ガイドラインでも正確でわかりやすいタイトルが推奨されています。
引用元:『検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド』
引用元:『検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド』
キーワードを羅列したり、不自然に何度も使ったりするのは推奨できません。あなたが「変な日本語だな」と思ったのであれば、そのタイトルはイマイチだと思ってよいでしょう。
○:自然な日本語
SEOに強いタイトルを作るには?文字数の目安やテンプレートも紹介
×:変な日本語
SEOに強いタイトルとは?SEOに強いタイトルの注意点とSEOに強いタイトルの文字数
同じキーワードを重複して使うと不自然になりやすいですよね。
3|ユーザーが検索するキーワードを使う
メインとなるキーワードは、コンテンツ内容と一致していることはもちろん、ユーザーがよく使う言葉を選んで。目に留めてもらえるよう、その言葉はタイトルにも入れましょう。
ユーザーがどんな言葉で検索しているか調べるには、サジェストキーワードを調査できるツールの使用がおすすめ。 サジェストキーワードとともに月間平均検索数も、ツールで調べます。 〝月間平均検索数が多い=多くの人が検索している〟と考えることができるので、キーワード選びで迷ったときに「より多くの人が使っているキーワードをタイトルに入れよう」と検討できるためです。
たとえば、次のようなツールを使います。
❶「キーワードプランナー」でざっくり調べる
「キーワードプランナー」は基本的に無料で使えます。ただ、Google広告に出稿していない場合、下記のように月間平均検索数が「10万~100万」といった超ざっくりした数値しか表示されず目安しか把握できません。
▲月間平均検索数が
「10万~100万」とざっくりした表示
※広告出稿しているアカウントなら詳細を閲覧可能
細かい月間平均検索数を調査したい場合は、広告出稿しているGoogleアカウントでキーワードプランナーを見るか、筆者は「ミエルカSEO」を使っています。
❷「ミエルカSEO」で検索ニーズまで一挙に調べる
SEOツール「ミエルカSEO」の利用は有料ですが、サジェストキーワードはもちろん細かい月間平均検索数まで見ることが可能です。
▲「ミエルカSEO」で〝SEO〟を調査した結果
※サジェストキーワードや細かい月間平均検索数まで確認できる
ここまでなら他の多くのツールでも閲覧できますが、「ミエルカSEO」はサジェストキーワードを検索ニーズごとに分類してくれるのが最大のポイントです。
サジェストキーワードが列挙されているだけだと、どのサジェストキーワードについて記事で語るべきか、タイトルに盛り込むべきか迷ってしまいます。一方、下記のように検索ニーズごとに分類されていれば、「ニーズの近いサジェストキーワードをピックアップしよう」と決断することができます。
(※検索ニーズごとの自動分類も可能)
「より多くの人が使っている言葉」を把握し、タイトルに入れればクリック率の向上も期待できます。 一方、社内や業界内だけの専門用語はなるべく使わないようにしましょう。 検索して調べる人は初心者であるケースが多いので、ユーザーに寄り添ってあげてください。
ユーザーが見たときに理解できない言葉があれば、分かりやすく言い換えましょう。Googleも、特に医療関係のサイトに向けて次のような情報発信をしています。
引用元:『医療や健康に関連する検索結果の改善について』
医療関係以外のサイトでも、ユーザーにとって分かりづらい言葉遣いは避けたほうが得です。
4|重要なキーワードは冒頭にもってくる
その記事のテーマとなる重要なキーワードは、なるべく前半に配置しましょう。目立つからです。例えば、本稿の重要なキーワード は〝SEO タイトル〟。それを後半に持って行ったら、検索結果で表示されても目立たないですよね。
○:重要なキーワードが前半にある
【事例つき】SEOに効果的なタイトルの付け方は? プロが解説!
×:重要なキーワードが後半にある
【今さら聞けない】検索順位アップに効果的なSEOのタイトル作成法
タイトル文の後方(右側)に置いてしまうと、検索結果に表示されず[…]と省略されてしまう可能性もあります(前述の【作成ポイント2】を参考に)。声に出して読み上げても違和感を抱かないタイトルを心掛けましょう。
5|記号、数字を使う
検索結果上でユーザーの目に留まりクリックされやすくなるよう、記号や数字を使ってみましょう。 よく使われる記号は墨付き括弧「【】」です。
記事のアピールポイントに対してのみ、囲むことが多いですね(1つのタイトル文に対して、目立たせたい1箇所にのみ使用するのが効果的です)。
墨付き括弧のワード例
- 【図解】
- 【2021年最新】
- 【初心者向け】
- 【成功事例】
○:目立ちやすい例
【成功事例】サイトへの流入数を3倍にした方法を紹介
×:文章にすると逆に伝わりにくい
サイトへの流入数が増えた事例を紹介
誇張されたタイトルにならないよう、目立たせる部分を記事内でしっかり深掘りします。
6|パワーワードを使う
ユーザーがついクリックしたくなるような言葉、いわゆるパワーワードを使ってみましょう。 タイトルはWebページの内容を正確に分かりやすく伝えるためのものではありますが、キャッチコピーとしての役割も持っています。 「あー、わかる!」という共感や「え、うそでしょ!?」という驚きを与えられるようなタイトルを目指しましょう。
「キャッチコピーなんてなかなか思いつかないよ!」という方はまずは下記テンプレートを使ってみてください。下記「」の中が、筆者の推奨するパワーワードです。
- 定量要素:「3倍UP」 「10選」
- 限定要素:「たった1つの方法」 「保存版」
- 読者を限定する言葉:「初心者向け」 「新入社員必読」
- ハードルを下げる言葉:「簡単」 「3分でわかる」 「明日からできる」
パワーワードを使う際は、タイトルと記事内容が大きく乖離しないよう気を付けます。
7|他のページと被らない文言にする
一つのURLにつき一つのタイトルを設定しましょう。他のWebページとの違いを明確にできます。
引用元:『検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド』
タイトルが重複しているケースとしてよく見かけるのは、「記事一覧ページ」や「お知らせページ」です。 記事一覧ページの1ページ目と2ページ目は次のように書くとユーザーにもGoogleにも違いが伝わります。
- 「SEOに関する記事一覧(1ページ目)」
- 「SEOに関する記事一覧(2ページ目)」
お知らせページは「お知らせ」というようにすべてのページが同じタイトルになっているケースを見かけます。お知らせの内容に合わせた固有のタイトルをつけましょう。
作成ポイントの補足
タイトルに入らなかった言葉はディスクリプションへ入れる
タイトルの推奨文字数は前述した通り28~32文字。どうしてもあぶれてしまった言葉はディスクリプションへ入れる方法で補うとGOODです。ディスクリプションとは、検索結果上でタイトルの下に表示されるWebページの説明文のこと。
ディスクリプションは検索順位へ直接影響するとは言われていませんが、ユーザーやGoogleがWebページの内容を理解するのを手助けします。
140文字程度まで表示され、タイトルより文字が小さくて目立たないものの、ユーザーが検索した語句は太字で強調されるようになっています。上の画像でいうと、私は「ヒートマップ」と検索したので「ヒートマップ」が太字になっていますね。
ディスクリプションには、ユーザーが検索しそうだけどタイトルに入りきらなかった言葉を入れて、訴求力のある文章にしましょう。
SEO施策におけるディスクリプションの書き方・CTR改善のための修正法!
タイトル(titleタグ)作成5つの手順
ここまでのタイトル作成ポイントを踏まえて、筆者が普段どのようにタイトルを作っているか、手順を紹介しましょう。大まかな手順は5つです。
では、今あなたが読んでいるこの記事を例にして、順に説明します。
この記事は、〝SEO タイトル〟というキーワードを意識して制作していること踏まえてご覧ください。
手順1.狙いたいキーワードを置く
〝SEO タイトル〟というキーワードを検索するユーザーの目に留まって欲しいので、この2つの語句を入れます。
手順2.サジェストキーワードも置く
「ミエルカSEO」を使って調査したところ、〝SEO タイトル〟のサジェストキーワードには〝付け方〟や〝タグ〟〝文字数〟〝記号〟といった語句(ニーズ)があると分かります。
無料ツールでも簡易調査は可能
また、検索上位サイトやQ&Aサイトを見ると、〝titleタグ〟と表現する方も多いようでした。 SEOを考えた場合、ほぼ同義ではありますが、どちらを使うユーザーにも分かりやすいように、今回はtitleタグという語句も使います。
(※記事の中身で触れていることが前提)
手順3.キーワード同士を自然につなげる
これらのキーワード同士を繋げて自然な文章を作ります。 この段階では文字数は気にしなくて構いません。キーワードを含みつつ自然な文章にすることをまずは優先しましょう。
手順4.他サイトとの差別化ポイントをプラスする
他サイトと差別化できる言葉やパワーワードをプラスしていきましょう。 今回の記事では事例を紹介している点が特徴なので、そのことを墨付き括弧で強調しています。
手順5.文字数をチェックする
最後に文字数をチェック。なるべく28~32文字以内に調整したいところ。 文字数がオーバーする場合、私はサジェストキーワードのうち検索ボリュームが小さいものを削除します。 今回は「記号」をタイトルから削除し、その代わりディスクリプションへ入れることにして、以下のように仕上げました。
※2021年春の公開時点で上記のように付けましたが2021年11月に一部変更。2024年6月にも変更をかけました。
タイトル(titleタグ)がSEO対策で重要な3つの理由
SEO対策を行う上で、タイトルの設定が非常に重要な理由は3つです。
理由1.ユーザーとGoogleにページ内容を分かりやすく伝えるため
まず、タイトルを適切に設定することでWebページの内容をユーザーとGoogleに正しく伝えることができます。 Google検索を使うユーザーの多くは、検索結果上でタイトルを見てそのWebページのおおよそのテーマを把握します。
▲例として〝SEO セミナー〟の検索結果。
タイトルからテーマや内容は想像できる。
そして、「このページは自分の知りたい情報がありそう」と思えば、検索結果からあなたのWebページをクリックし、訪問してれてくれます。 もしタイトルがWebページの内容を適切に表現できていなければ、来てほしいユーザーが来てくれないということになりかねません。 ユーザーだけでなく、GoogleもWebページの内容を把握するのにタイトルを参考にしています。
Googleに正しく認識してもらえないと、狙っていたキーワードで上位表示されない可能性もあるのでタイトルは重要です。
理由2.検索順位に影響すると言われているため
Googleが検索順位を決定するアルゴリズムは多岐にわたりますが、特に重視されているのがコンテンツの品質と検索キーワードとの関連性です。
『Webマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)』でタイトルについて言及されていることからも分かるように、具体的なタイトルを付けることでユーザーや検索エンジンは記事内容を想像しやすくなります。そして、検索キーワードとの関連性を伝える手段としても有効だと私は考えます。
理由3.検索結果でのクリック率に影響するため
検索結果で最も目立つ要素はタイトルです。そのため、タイトルはユーザーがそのページをクリックするかどうかに大きく影響します。クリックされやすいタイトルにするためには、次の2つが重要です。
- 「知りたい情報はこのページにありそうだ」とユーザーに感じてもらう
- 他のサイトにはない差別化ポイントを盛り込む
【成功事例3選】タイトル改善で検索順位UP
それでは、実際に「ミエルカSEO」をご利用の企業様で、検索順位が上がった事例を3つ紹介します!
事例1.〝洗車〟で5位→1位へ!
「洗車」というビッグキーワードで5位から1位にランクアップしたトヨタモビリティパーツ様の事例です(2021年 春時点)。
トヨタモビリティパーツ様のタイトル改善ポイント
- ❶ユーザーが検索するキーワードを入れた
- 「洗車」のサジェストキーワードには「やり方」や「道具」などがありました。
そのため、それらのキーワードを自然に含むようにしています。また、自分で洗車することは一般的に「手洗い洗車」と呼ばれているので、「洗車」を「手洗い洗車」に置き換えました。 - ❷自然な文章にした
- 日本語として自然な文章になるように、接続詞を入れて書き換えました。
- ❸他社との差別化ポイントを記載した
- 改修した当時、「洗車」で上位表示されているサイトには著者不明の個人ブログのようなWebページも沢山ありました。そこで、差別化するべく「プロの技をご紹介」という文言を足して、情報の信頼性をアピールしました(実際に、洗車の専門家が解説)。
その他に、ディスクリプションの改善やFAQ構造化データマークアップなども行っています。※ディスクリプションや構造化データマークアップは順位の決定要因ではありません。
事例2.〝ベルト 切り方〟で8位→4位へ!
「ベルト 切り方」で順位アップに成功したのはミッド・インターナショナル様です。この記事で改善したのはタイトルのみ。しかも「(動画解説あり)」というたった8文字をプラスしただけで8位→4位まで上昇しています(2021年 春時点)。
ミッド・インターナショナル様のタイトル改善ポイント
- ❶パワーワードを追加した
- 動画や図解などは、記事内容を分かりやすくできる強力なアイテム。
この記事は、ベルトの切り方を解説する動画が埋め込まれていたのに、それをタイトルでアピールしていなかったので、【動画付き】と追加しました。
事例3.〝SEO セミナー〟で4位→1位へ!
3つ目の事例は弊社Faber Company「ミエルカ マーケティングジャーナル」。〝SEO セミナー〟という時事性の高いキーワードを意識して作った記事の成功事例です。タイトルの改善で、4位から1位へ上昇しました。(2021年 春時点)
2020年の1月と3月の2回に分けてタイトルを改善しました。
ミエルカ マーケティングジャーナルのタイトル改善ポイント
- ❶最新情報であることをアピール
- セミナーやイベントは、新しい情報が求められます。
そこで、その時点での西暦である「2020年」という年号を入れて最新情報であることが一目で分かるようにしました。
さらにディスクリプションには「〇月の開催日程」と表記して、こまめに変更しています。
もちろん、Webページの内容もきちんと最新の情報に書き換えています! - ❷サジェストキーワードを追加した
- 一度目のタイトル改善だけでは順位が上がりきらなかったため、3月に二度目の改善を行いました。
〝SEO 講座〟というサジェストキーワードを発見したので、タイトルに取り入こんだのです。
〝セミナー〟とほぼ同義語ですが、自然に加えたので違和感がないし、〝講座〟で検索する方からもクリックされやすいタイトルになりました。
【リスク】タイトルの変更タイミング
タイトルの最適化はSEO対策をする上での必修科目です。業種、業界、企業規模問わず、すべてのWebページで行うべきだと私は思います。何より、少ない工数で大きな効果を期待できるのが、タイトルタグ最適化の最大のメリットです。ただSEOへの影響度が高いぶん、検索順位の下落リスクもあります。
「改善予定のタイトルを見て欲しい」「実際にサポートして欲しい」という方は、ぜひご相談ください。3日間の「ミエルカSEO」無料体験期間中は、相談も¥0なのでお気軽に。入力フォームから相談事項を入れて、【無料で試してみる】ボタンを押してください。
追記:titleタグが書き換えられたら?
2021年8月頃、「titleタグの記述とは異なるタイトルが検索結果に表示されている」という事例が増えているようです。Googleは、タイトル修正のアルゴリズムを広範囲に渡って調整した可能性があります。書き換えが不適切だった場合は、検索結果のクリック率に悪影響を与えることもあるため、クリック率の直近の変化に注意を払ってください。書き換えられないようなtitleタグのつけ方は、Google公式の検索セントラルで言及しています。
「どう見ても変な書き換えられ方をされてる」場合は、検索結果からフィードバックを送りましょう。くわしくは、弊社Faber Company 取締役である鈴木謙一の記事も併せてご覧ください。