Google Analyticsで検索流入キーワードが分からなくなってしばらく経ちました。今回は検索エンジンのSSL化の経緯も整理しつつ、 この(not provided)問題、今後流入キーワードが見えない時代に取り得るSEO戦略について考えてみます。※2017年12月25日追記
(not provided)とは?意味とGoogle検索とYahoo!検索のSSL化の流れ
(not provided)とは、直訳すると「提供されていない」、つまりGoogle Analyticsでサイトへの流入キーワードを見たときに把握できない状態のことです。
まず、各検索エンジンの動向について簡単に整理しておきます。
Google検索のSSL化が発表されたのは2011年10月。日本でもSSL化が公式で発表されたのは2012年3月。2013年9月にはGoogleアカウントにログインしていない状態でも検索がSSL化されています。この辺りからGoogle検索の流入キーワードはほぼ分からなくなっているのではないでしょうか(=not providedになっている)。
一方、Yahoo!も遅れて2015年8月に検索のSSL化を発表。2016年4月には、2017年3月までにYahoo!JAPANサービスを常時SSL化することを発表しました。
よって、2014年以降くらいからGoogle Analyticsで見えていた流入キーワードはYahoo!検索からのキーワードがメインです(Yahoo!だけしか見えていない、ということに気づいてない方も多いかも)。Yahoo!検索のSSL化は時間がかかっていたようで2016年9月頃から2016年12月頃にかけて進んできたものと思われます。
※このあたりは当社)鈴木謙一のブログで詳しくまとめられていますので合わせてご参照ください。関連コンテンツもいくつかあります。
どれくらいのスピードで(not provided)割合が増えているのか?
上記の流れを把握した上で、とある当社管理サイトのGoogle Analyticsで(not provided)の割合を見ていきましょう。
▼2016年12月時点
2016年4月時点では、71%でした。同12月時点では約90%が(not provided)になりました。。
急速に(not provided)割合が増えています。これで、Google Analyticsではほぼ流入キーワードが分からない状態といっても過言ではないかと。2017年11月に再度チェックしてみたら、98.7%ほどが(not provided)になっていました。もうほとんど見えないですね。。
1分復習:Google Analyticsの分析レポートはどう見る?
突然ですが、Google Analyticsでの分析方法、皆さんはマスターしていますでしょうか。以下の動画から、分析レポートの見方について学習できます。
このようなGoogle Analyticsの具体的な設定・使い方については、Draw(ドロー)の動画教材で詳しく解説しています。(解説者はWebアナリストとして有名な小川卓です!)
他にもSearch Consoleの使い方や、Webマーケティングの基礎を動画で学習できるので、ぜひ無料でお試し学習をして理解を深めましょう。
検索流入キーワード把握にはサーチコンソール「検索アナリティクス(検索パフォーマンス)」を
そもそも流入キーワードを把握することは「どのような意図をもってWebサイトに訪れているか」というユーザーニーズを知る上で、有用な手段の1つでした。
代替する手段はいくつかありますが、現在では Googleサーチコンソール(旧 Webマスターツール)の「検索アナリティクス」(現 検索パフォーマンス)を活用する 事が第一歩になるのではないでしょうか。意外とGoogleサーチコンソールを管理サイトに導入していないWebマスターが多い印象ですので、もしまだという方はすぐに導入することをオススメします。
こちらがGoogleサーチコンソールの画面です。(旧バージョン)
簡単にサーチコンソールの見方と使い方を説明しておきます。
- クリック数、表示回数、CTR、掲載順位のチェックは見たいものにチェック。
- クエリ単位やページ単位などに絞って、状況を確認します。
例)「●●」というキーワードを含むクエリでチェック
例)/xxxx というカテゴリ配下だけでのキーワードチェック - 「デバイス」によるキーワードの違い(=PCとモバイルでの検索傾向が異なるケース)が顕著な場合がありますのでこちらもフィルタしてチェックしておきましょう。
ただし、この「検索アナリティクス」には3つだけ課題点があります。
-
キーワード(クエリ)は画面上999件までしか閲覧できない
→少し規模の大きなサイトを運営していると圧倒的に数が足りません…。ディレクトリ単位でサーチコンソールを導入する方法もありますが、かなり手間になりそうです。
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閲覧(データ保存)期間が90日前までしかない→
つまり「去年の今頃がどうだったのか」が閲覧できないのです。定期的にCSVダウンロードして保管する方法もありますが、手間と忘れずにやるのが大変です。
(12か月まで閲覧できるようにするという話も出ているらしいですが…)※2018年1月30日追記新しいサーチコンソールにて「検索アナリティクス」は「検索パフォーマンス」と名称を変更して、16ヶ月間の保存となりました。順次、新しいサーチコンソールは展開されるとのこと。これによって保存期間における課題点はなくなりましたね。。参考情報はこちら。 -
Google Analyticsと連携しても検索キーワード別の「直帰率」「滞在時間」「CV率」はわからない。
→Google Analyticsはサーチコンソールのデータが取り込めるようになったのですが、流入キーワードが分かってもコンバージョン(CV)しているキーワードがわからないなどの施策を検討するうえで重要な指標を見ることができません。収益につながるキーワードが分からないのはイタイですね。。
ここは若干宣伝ですが(笑)
当社提供のコンテンツマーケティング&SEOプラットフォーム「MIERUCA(ミエルカ)」であればGoogle Analyticsとサーチコンソールのデータを連携して、 検索キーワードを自動で13ヶ月以上保存し、一度に5,000件まで検索キーワードの閲覧が可能です。さらにはGoogle Analytics情報とサーチコンソール情報を掛け合わせたデータ閲覧、分析も合わせて可能です。 さらには、該当ページのアクセスやコンバージョンを増やすための改善案まで提示してくれます!
こちらがMIERUCAの画面イメージです。(サイトレポート機能)
上記画面はとある1ページのデータ閲覧画面です。GA情報とサーチコンソールのデータからページ改善の方向性をレコメンドしてくれます!トライアルでも連携すれば提案を確認することができますので、ご希望の方はお問合せください。
▼MIERUCAのトライアルご希望の方はこちらから
検索流入キーワードが見えない時代のSEO戦略とは?
現状はサーチコンソールの検索アナリティクス(現:検索パフォーマンス)を活用すれば、キーワード毎のインプレッションやクリック数から施策の方向性を見極めることに支障はなさそうです。ただ流入キーワードが分かっても、流入キーワード別CV率・直帰率などが確認できないことは施策を進める上で多少の影響がありそうですね。
このような状況下で取るべきSEO戦略とはなんなのか。本質的に「 ユーザーにとって有益な情報を提供すること 」というWebマスターのやること自体は大きく変わらないのではないか、というのが私の考えです。
(諸先輩方も言っていますし、当たり前やんけ!というツッコミは承知の上ですが…)
こうした情報に右往左往せずに、ユーザーのことを考え、情報発信する力をWebマスターは持たないといけないのではないでしょうか。私も現時点で使える情報を活用して、ユーザーのみなさまにとって有益な情報発信に努めていきます!
おわり
著者プロフィール

月岡克博(つきおかかつひろ)
SFA導入コンサルからCRMベンダーのセールスに転身し、営業マネージャーに。 その後Faber Companyジョインし営業部長を経て、現在はマーケティングを担う IMC部を設立、セミナー登壇やミエルカブログ編集などの活動がメイン。
Twitter:@tsuuky09