前回の記事で 、HRテック系オウンドメディア32社について実施した、25項目に渡る調査結果を紹介しました。今回はそれをさらにSEO観点でスコアリングし、スコア上位のオウンドメディアに特有の傾向を分析してみました。600個上のキーワード調査から判明した、上位のオウンドメディアの特徴とは?これからオウンドメディアを立ち上げようとお考えの企業や、さらに強化していきたい企業におすすめのデータとなっています。ぜひご覧ください。
- 調査対象:タレントマネジメント並びに関連システムを提供する、上場企業または資金調達実績のある企業32社
- 調査項目:ドメイン形態、運用期間、記事本数、更新頻度、お役立ち資料の数など25項目
- 調査期間:2022年11月~12月
- 調査方法:各オウンドメディアを目視にてチェック
追加調査の概要
調査方法:上記メディアに対し、人事やバックオフィスの興味関心が高いと思われる下記のキーワードおよびサジェストキーワード600個について、ミエルカSEOを使い各オウンドメディアの順位を計測。(2022年12月調査時点)
- タレントマネジメントシステム
- 年末調整
- インボイス制度
さらに下記のルールにてスコアを算出
- 1位を20点、20位未満を0点として点数を付与
- 点数に検索ボリュームを掛け合わせ、100で割ったものをスコアとする
- 「スコア1000以上」のグループと「スコア1000未満」のグループに分けて各項目を比較
>> この調査をPDFでダウンロードする(フォーム入力不要)
目次
成果が出ているオウンドメディア、11の特徴
はじめに、成果が出ている、つまり上位表示ができているオウンドメディアの傾向として以下の11個の特徴がありました。
- サブディレクトリである
- 記事本数が500以上ある
- 月28本以上更新している
- コンテンツのバリエーションが豊富である
- ホワイトペーパーなどのダウンロード資料がある
- お役立ち資料の数が30本以上ある
- YouTubeチャンネルを運用している
- 執筆者情報がある
- 監修者情報がある
- お役立ち資料とサービス資料DLの入力項目を分けている
- お役立ち資料とサービス資料DL後の挙動を分けている
一方で、成果とはあまり関係が見られなかった項目は下記です。
- 運用年数
- Twitter/インスタの運用
以下に、それぞれのデータを見ていきたいと思います。
特徴その①サブディレクトリである
オウンドメディアの運用形態について、スコア1000以上のグループでは約8割が「サブディレクトリ」であるのに対し、スコア1000未満のグループでは、約7割にとどまりました。また、スコア1000未満のグループでは「別ドメイン」も一定割合存在しました。
サブディレクトリ型の方がやや優勢であることがわかります。
特徴その②記事本数が500以上ある
記事本数についてはスコア1000以上のグループでは6割が「500本以上」であったのに対し、スコア1000未満のグループでは2割にとどまりました。「多ければ良いというものでもない」という話を普段からしている筆者ですが、やはり「本数」は重要なようです。
不必要な記事を増やす必要はありませんが、本数が多いということは、それだけ多様な読者のニーズに応えられる専門的なメディアであるといえます。
特徴その③月28本以上更新している
更新頻度については、スコア1000以上のグループでは「月間28本以上」という割合が4割と最も多くなりました。いっぽう、スコア1000未満のグループでは「4より小さい」が約4割を占めました。更新頻度は上述の本数とも密接に関わってきますね。リソース的に可能なら、更新頻度を上げることは成果につながるといえそうです。
特徴その④コンテンツのバリエーションが豊富である
スコア1000以上のグループは、「調査コンテンツ」や「インタビューコンテンツ」の割合が、スコア1000未満のグループよりも高くなりました。「動画コンテンツ」については同程度です。こちらも、情報の形式が複数あることで、多様な読者の情報ニーズを満たしているのだと推測できます。
特徴その⑤ホワイトペーパーなどのダウンロード資料がある
ホワイトペーパーなどのダウンロード資料の有無についても、スコア1000以上のグループと、スコア1000未満のグループでは差が見受けられました。ホワイトペーパーは作成するのに手間もかかりますが、メルマガ登録よりも読者の目的にアプローチしやすく、CVRも高められます。また、作成したホワイトペーパーはオウンドメディア以外にも活用できるというメリットがあります。
特徴その⑥お役立ち資料の数が30本以上ある
スコア1000以上のグループでは、お役立ち資料の数が「30本以上」の割合が60%でした。いっぽう、スコア1000未満のグループでは2割にとどまりました。読者の情報ニーズに合わせて、お役立ち資料をカスタマイズすると、CVRは高くなります。
たとえば「BIツール 比較」と検索してくるユーザーには「サービス資料」ではなく「BIツール比較表」を提示するなどです。お役立ち資料を複数作成するメリットは、このように各記事のパフォーマンスを向上できる点にあります。
特徴その⑦YouTubeチャンネルを運用している
YouTubeチャンネルを運用している割合も、スコア1000以上のグループでは8割となりました。いっぽう、スコア1000未満のグループでは半数にとどきませんでした。記事にYouTube動画を埋め込むことで、ユーザー体験が向上し、結果としてランキングが上昇することも多々あります。
筆者の感覚では、BtoBでもコロナ禍以降、YouTubeでの情報収集、情報発信が爆発的に増えている印象を受けます。ユーザーが受動的に情報収集でき、かつ倍速再生などで「タイパ(タイム・パフォーマンス)」も良いので、動画コンテンツはこれからもニーズが高まると推測されます。
特徴その⑧執筆者情報がある
スコア1000以上のグループでは8割が「執筆者情報」を掲載していました。いっぽう、スコア1000未満のグループでは半数にとどまります。E-E-A-Tに代表されるように、コンテンツを「誰が」「どのようにして」作成したのかは、かなり重要になってきています。
特徴その⑨監修者情報がある
上記とも連動しますが、「監修者情報」の有無も、スコア1000以上のグループでは6割、スコア1000未満のグループでは2割弱と明確に分かれました。HRやバックオフィスの領域では、法改正も頻繁に起こるため、専門家の監修は必要不可欠になっています。
コンテンツ制作に専門家の監修を取り入れられていない企業は、早めに環境を整えていくことを推奨します。
特徴その⑩お役立ち資料とサービス資料DLの入力項目を分けている
前編でも触れましたが、お役立ち資料とサービス資料でダウンロードフォームの入力項目を差別化しているメディアも存在します。お役立ち資料について「5項目未満」という割合が、スコア1000以上のグループでは2割に対し、スコア1000未満のグループでは8%でした。
またサービス資料の入力項目が「10項目以上」という割合が、スコア1000以上のグループでは6割なのに対し、スコア1000未満のグループでは36%となっています。
特徴その⑪お役立ち資料とサービス資料DL後の挙動を分けている
資料DL後の挙動にも差分が見られます。お役立ち資料については、スコア1000以上のグループでは約8割が直DLであるのに対し、スコア1000未満のグループでは44%にとどまっています。
反対にサービス資料については、スコア1000以上のグループの4割は「後日メール」で、スコア1000未満のグループでは24%になっています。意識的にフォームの入力項目やDL後の挙動に差をつけているかどうかが重要である、ともいえます。
まとめ:守・破・離。成果を出しているメディアを参考にしよう
補足すると、今回調査したのはあくまで32メディアですので、これらすべてを実践したからといって、オウンドメディアの順位が向上するとは限りません(ずるい! といわれるかもしれませんが)。ただし、「競合との差分を分析し、差分を埋める努力をする」というのは、SEOにおいて非常に重要な考え方です。
スコア1000以上のメディアにおいて冒頭で述べた11個の特徴がみられたことは事実です。今回の調査を参考にし、自社で採り入れられそうな項目があれば、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
ミエルカSEOでは、競合の流入キーワードや競合の見出し要素を簡単に可視化可能です。無料トライアルやデモセミナーも実施していますので、ご興味がありましたらお申し込みください。
>> この調査をPDFでダウンロードする(フォーム入力不要)
「ミエルカ」は何がデキる?