リッチリザルトは、通常の青色リンクだけの検索結果よりも高度な機能を持ち、検索結果に「画像やカルーセルなどテキスト以外の要素」を含めることができます。そして、リッチリザルトはCTRに強く影響を与える可能性があり、サイトの種類や業種によっては、リッチリザルトに表示されることで大きなSEO対策効果が望めます。サイトの内容に合わせて必要なものを選び、マークアップしましょう。
リッチリザルト(リッチスニペット)とは?
アヤカ:リッチリザルトってよく聞くけど、どういう意味なんですか?
コマル:これは、当初はリッチスニペットと呼ばれていたんですが、今はこの名称に変更になりました。意味は変わらず、「通常の青色リンクだけの結果よりも高度な機能を持っていて、検索結果に「画像やカルーセルなどテキスト以外の要素」を含めることができます」
通常検索だけではなくて、画像検索おいても「何のページなのか(商品orレシピ)」を示すバッヂであったり、在庫情報や値段などの情報が表示されることも
アヤカ:見たことあります。
コマル:あと、最近では料理の手順が音声検索結果として採用されることもあって、これも一種のリッチリザルトと言えます。名称変化のとおりスニペット(検索結果ページ)よりリザルト(結果)として定義が広くなっている感があります。
アヤカ:では、リッチリザルトのメリットってあるんですか?
コマル:まず、言葉の通り検索結果がリッチになるのでユーザーの目にとまりやすくなります。目にとまるということはつまりCTRが高まります。
例えば、希少な商品を探している際に検索結果に「在庫あり」と記載されていたら優先的にクリックしたくなりませんか?頭の中で「在庫あるかなー」って考えながら検索してるなら尚更ですよね。
アヤカ:なるほど、たしかに。
コマル:また、検索意図にマッチしたユーザーの流入が期待できるかもしれません。
低カロリーの料理を探している人にカロリーが提示されているサイトがあればそのユーザーが探している情報か否か事前に示せますよね。検索結果自体にユーザーが探しているかもしれない情報に関わる要素が提示される可能性があるということです。
アヤカ:でもそれって、検索結果画面だけで完結するユーザーがいるなら、記事がクリックされないパターンってないんですか?
コマル:良い質問ですね。たしかに当時はそういう風に言われていました。でも、今の例、レシピであれば、カロリーが表示されているっていうのはそこで何かが解決するわけではないので、クリックするテンションが上がるか下がるかだけの問題です。で、ここで問題なのは、例えばFAQ(よくある質問)っていうリッチリザルトがあります。質問に対してその答えも検索結果に出てしまうものです。
アヤカ:あ、ありますね!
コマル:で、そうすると実際にそのサイトに入らなくても検索結果画面だけで解決してしまうから。でも、結果だけでいうとセッションは減りませんでした。確固たる明確な理由はわかりませんが、おそらくリッチリザルトって情報のちょい見せなので、もっと読みたくなるというテンションがあがるというだけだからです。で、リッチリザルトの影響でセッション及び売上がさがった例は僕は聞いたことがありません。
アヤカ:へ〜ないんですね。
コマル:加えると、FAQのようなコンテンツはセッションを目的としているわけではなく、ユーザーの疑問に答えることが目的なのでセッションしなくてよいです。コミニュケーションコストが下がって人件費がさがったという話もあります。(FAQをみつけられなかったユーザーが電話やメールで問い合わせてきたことへの対応が必要だから)
なので、結果としてはそのような懸念は考えなくても良いかと。
アヤカ:それは、クエリによって変わるものではないんですか?
コマル:クエリによっても変わることはあるかもしれませんが、例え、他サイトより順位が低くてもクリック率で上回る可能性すら秘めています。
あと、最後のメリットとしては、通常検索以外での流入経路も増やすことができるかもしれません。たとえば、Googleが提供する機能として「しごと検索」があります(これは求人情報が記載されているページを検索する機能)その機能内に採用されたり画像検索などがリッチになれば、画像検索経由で流入してくれる人がでてくるということです。
アヤカ:これって、画像検索でバッヂがついていなくても流入経路は増えるんですか?
コマル:しごと検索に採用される可能性もありますし、あと特別枠があるんですよ。普通のオーガニック検索ではなくて、例えばレシピだったら4つくらい特別枠に採用されたりだとか。なので、色々な意味合いで流入経路増やすことができるかもしれません。
リッチリザルトとして表示させるには?
アヤカ:リッチリザルトとして表示させるにはどうしたら良いんですか?
コマル:まずはGoogle検索デベロッパーガイドといった公式のドキュメントがあるので、そちら確認することを推奨します。
https://developers.google.com/search/docs/data-types/article?hl=ja
このドキュメントの中にリッチリザルトに必要な要件などが記載されています。リッチリザルトを表示させる前提として、リッチリザルトの対象となるコンテンツタイプでなければいけません。当たり前の話ですが、レシピのリッチリザルトを表示させたいのであればレシピを扱っているページである必要がある、商品であれば商品を扱っている必要がある、イベントであればイベント扱っている必要があるとか。
その上で基本は構造化データをマークアップする必要があります。構造化データとはGoogleのクローラーにテキスト情報やコンテンツ内容を適切に理解してもらう記述・マークアップをすること。で、リッチリザルトが表示される権利を得るためは、この構造化マークアップをする必要があります。つまりちょっとしたコードを記載しなければなりません。ただそんなに難しい内容ではないです。
この構造化データに関しては詳しく別途解説している動画があるので参照ください。
【構造化データとは?】テストツールやメリット・デメリットを徹底解説
https://www.youtube.com/watch?v=-OdyvYU-A5E
アヤカ:ふむふむ。
コマル:もしくはSearch Consoleでデータハイライター機能を利用してリッチリザルト対応することができます。
データハイライターを利用しすればコードを書かなくても構造化マークアップしたのと同等の結果を得られます。ただし、全てのリッチリザルトに対応しているわけではありません。
- 記事
- イベント
- 地域のお店やサービス
- レストラン
- 商品
- ソフトウェア アプリケーション
- 映画
- テレビ番組のエピソード
- 書籍
これらアイテムタイプがデータハイライターがサポートしているリッチリザルトです。
これら以外アイテムタイプではデータハイライターは利用できず構造化マークアップをする必要がある。そして機能的に縛りがある部分もあるので、コードが理解できるなら構造化マークアップの方をおすすめします。
構造化データをマークアップ、データハイライターを利用してください。この双方対応していなくてもリッチリザルトが表示されるケースもあります。ですが稀なので、表示させる可能性をあげたいのであれば対応した方がよいでしょう。
アヤカ:SEO初心者であれば、データハイライターだけで十分ですか?それともまだ足りないですか?
コマル:いや、初心者であればデータハイライターで十分だと思います。ただ、データハイライターって画像を見ながらその画像に当てはめていくんですよ。
だから逆に使いづらいという人も聞くことがあります。
アヤカ:ではできる限り、構造化データで自分でマークアップした方が良いんですね。
コマル:そうですね。そこまで難しくないですし、構造化データの方が僕個人的には使いやすいと思っています。
リッチリザルトの種類
アヤカ:では、リッチリザルトの種類はどういうものがあるんですか?
コマル:こちらも一覧がGoogle検索デベロッパーガイドにありますので見てください。
https://developers.google.com/search/docs/data-types/article?hl=ja
ただし、英語版が最新版であり、日本語版は少し更新が遅れるかもしれません(最新の情報ではない)こともあるので注意してください。
で、このGoogle検索デベロッパーガイドで紹介されているリッチリザルト対象のアイテムタイプの中からいくつか紹介させていただきます。
商品
商品のレビューや価格や在庫情報などを通常検索や画像検索に表示されます。
レシピ
レシピの調理時間やカロリーや手順などが通常検索や画像検索に表示されます。更に検索結果内のレシピ枠(特別枠)に採用される可能性もあり、非常に目立ちます。
FAQ
特定のトピックに関する質問と回答の一覧が通常検索に表示されます。
各質問をクリックすると回答が表示される形です。
求人
しごと検索と呼ばれる機能内に自サイトのページが表示されます。
しごと検索は求人情報が記載されているページを検索する機能、主に求人系サイトであれば対応すべきリッチリザルトですが、一般サイト内に記載している求人情報でもしごと検索内に表示される(そこに乗る)こともあるので求人に力を入れている企業であれば利用してもよいかもしれません。
パンくずリスト
ページ内に設定されているパンくずリストが通常検索に表示されます。
該当ページがどの階層・カテゴリに属しているかひと目でわかるようにあります。
アヤカ:けっこう種類たくさんあるんですね。
コマル:そうですね。紹介したタイプ以外にもリッチリザルトに対応されているアイテムタイプは沢山あります。ご自分の取り扱っているサイト・コンテンツに対応したアイテムタイプが存在するかをまず確認してみてください。
で、今いくつか例を紹介しましたが、タイプによって全く見え方異なりましたよね?
リッチリザルトは種類によって表示領域やインパクトが全く異なるので業種によっては対応が必須といえるもの(レシピ系サイトやECサイトや求人サイト)もあれば、パンくずのように見え方インパクトが低いものがあるのでこのような違いがあることも覚えておくとよいでしょう。
リッチリザルトの注意点
アヤカ:リッチリザルトの注意点ってありますか?
コマル:これもいくつかあります。
- リッチリザルトは、関連したクエリでないと表示されない
例えば「クッキー 作り方」と検索すればレシピに関連したリッチリザルトが表示されますが、「クッキー ビスケット 違い」では、レシピ系のリッチリザルトは表示されない。レシピを探す意図と知識を探す意図の差によるものです。同じページ内に同じコンテンツが用意されていたとしても検索ユーザーの意図に近いものでないと検索結果に表示されないです。 - 正しく対応したとしても(構造化マークアップ&データハイライターを設定した)必ずしもリッチリザルトとして表示されるわけではない
表示されるか否かはあくまでGoogle任せであって、クエリとマッチしていて、リッチリザルト対応をしていて、Googleが表示させる価値があると判別しなければリッチにリザルトされません。 - ガイドラインを守る必要がある
各アイテムタイプごとにガイドラインが定められています。例えば、「商品に関するマークアップは単一の商品ページに有効で、商品カテゴリにマークアップしてはいけない」「レシピに関するマークアップは特定の料理の作り方に有効で、パーティのアイデアのようなコンテンツ内にマークアップしてはいけない」
で、今回はわかりやすいように一部を紹介しましたが、もっとたくさんあります。
で、このガイドラインに違反してしまうとリッチリザルトに表示される権利が剥奪される可能性もあります。
アヤカ:これ一つ間違えたら手動対策にもなりかねないですね。
コマル:そうですね。ただ、手動対策といっても順位を落とすとかそういうペナルティではなくて、あくまでリッチリザルトに表示する権利を剥奪することです。
アヤカ:なるほど、コンテンツ削除とかはないんですね。
コマル:そういうことは全くないので、大丈夫です。リッチリザルトはCTRに強く影響を与える可能性があります。そして、基本的にデメリットはありません。
ご自分の取り扱っているサイト・コンテンツに対応したアイテムタイプが存在するなら是非対応検討してください。
アヤカ:非常に勉強になりました。ありがとうございます!
動画出演者PROFILE
前職でSEOに出会い2010年にFaber Company入社し10年以上SEOに携わり続けてきた専門家。 内部SEO対策を中心にUX設計・セミナー講師などの職務を受け持ち、最新情報に加えクライアントの生の相談を元に培った深い知見を使いコンサルタント・SEO顧問として現在も活動中。 SEOコンサルタントとして分析してきたWebサイトは800を超える。
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