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【日本語訳あり】Googleのポッドキャスト「Search Off the Record Ep.86 UX for SEO」に、弊社PMの市川が出演!

更新日: 2024.12.16   公開日:2024.12.04

Google 検索チーム社員が配信するポッドキャストに、株式会社Faber CompanyでミエルカSEO/ミエルカヒートマップのプロダクトマネージャーを務める市川が出演いたしました!

※この動画は、2024年11月に公開されたものです。

▼音声で聞きたい方はこちら▼

市川が今回出演したSOTR(Search Off the Record)は、Google 検索チーム社員が提供するポッドキャストで、John、 Gary、 Lizzi、 Martin が Google 検索の裏側を語るプログラムです。普段は4人のうち数人が出演しますが、ときおりゲストとして、Google 社員や外部のSEO 関係者が出演します。

今回そこに、弊社の市川がUXとSEOについてのアドバイザーとして登場。Google 以外の人がゲスト出演するのは非常に稀で、日本人では弊社取締役の鈴木謙一に続いて2人目です。

今回、Googleから特別に許可をいただき、その内容を記事でお送りします。ぜひ最後までお読みください!

▶︎鈴木謙一が出演した放送回はこちら:The Story of Kenichi Suzuki

▶︎英語での文字起こしなどはこちら:Search Off the Record: A discussion of UX for SEO

John Mueller(ジョン・ミューラー)
Google LLC / Search Advocate John Mueller(ジョン・ミューラー)Google 検索リレーションチームのリーダー。スイスのチューリッヒオフィスに勤務。YouTubeでのオフィスアワーやツイッター、カンファレンスなどでSEOに取り組む人たちと積極的にコミュニケーションを図っている。
X(旧Twitter)
▶︎https://x.com/johnmu

Lizzi Sassman(リッズィ・サースマン)
Google Search Team Technical Writer Lizzi Sassman(リッズィ・サースマン)Google Search Team のテクニカルライター。Google検索セントラルに所属。
▶︎https://www.okaylizzi.com/
X(旧Twitter)
▶︎https://x.com/okaylizzi

市川 莉緒
株式会社Faber Company ミエルカSEOヒートマップ プロダクトマネージャー/PM 市川 莉緒株式会社Faber Companyに新卒入社後、クライアントのCROコンサルティングに従事。 その後自社のWebサイトのディレクションを担当し、1.5倍のCVR改善に成功。 現在は自社ソフトウェアの開発マネジメントまで幅広く担う。 2023年海外カンファレンス初登壇。
X(旧Twitter)
▶︎https://x.com/RiRiIchikawa

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はじめに:市川の経歴とポッドキャスト出演のきっかけ

Lizzi: こんにちは。Google検索チームがお届けするポッドキャスト、サーチ・オフ・ザ・レコードの新しいエピソードへようこそ。私はLizziで、今日はJohnと一緒です。こんにちは、John。

John: こんにちは。

Lizzi: そして今日はRioも一緒です。こんにちは、Rio。

Rio: こんにちは、Lizzi。こんにちは、John。

Lizzi: お会いできて嬉しいです。最後に会ったのはBrightonSEOだったと思いますが、多分2年前ですよね?[1]

Rio: そうですね、2年ぶりです。

Lizzi: あの時にRioに直接お会いして、UXとSEOについてのポッドキャストを収録しようというアイデアを思いついたんです。こうした素晴らしいアイディアは、イベントで直接会っているからこそ生まれたものだと言えますよね。

実は、私たちが初めて会った時にも、とても興味深い話がありました。その時は、私にとって初めてのSEOカンファレンスだったのですが、Rioも確か、ほぼ初めてのSEOカンファレンスだったんですよね?

Rio: その通りです。初めての参加でした。

Lizzi: その時に、RioのバックグラウンドがSEOではなくUXであると教えてもらったのですが、どのようにしてSEOの世界に入ったのか、少し教えていただけますか?

Rio: もちろんです。2020年に大学を卒業して、すぐにこの業界に入りました。最初の2年間は、ヒートマップソリューションを使って、クライアントのランディングページやウェブサイトのコンサルティングを行っていました。

私たちは東京を拠点とするデジタルマーケティング会社ですが、同時に、ウェブページの最適化に役立つ独自のSEOプラットフォームやヒートマップツールの開発も行っています。私自身は、ヒートマップツールを使って、クライアントのウェブページのコンサルティングを行っていました。合計で200ページくらいは分析したと思います。

2年くらい前[2]からは、SEOとCROの両方の面で自社ウェブサイトを管理したり、プロダクトマネジメントを行ったりしています。

[1]2022年10月に開催されたBrightonSEO October
参考:BrightonSEOに参加してきた【海外カンファレンス現地レポート1日目】

[2]2024年11月時点

参考:
【最新版】正しいSEOとは?5つのSEO対策とチェックリスト、最新SEO事例も紹介
UI/UXとは?2つの違いとUI改善のコツ3つを事例をもとに解説

CROとは?SEOにおけるUXとの関係性について

Lizzi: CROについて言及していましたが、CROとは何ですか?

Rio:CROはConversion Rate Optimiazaton(コンバージョン率最適化)の略です。SEOは検索エンジン最適化ですが、CROはウェブページのコンバージョン率を最適化することです。

John: なるほど、ユーザビリティに似ていますね。

Rio: ええ、UXとCROは、非常に近い場所にあります

Lizzi: CROは、UXの主要な指標と言えるでしょうか?つまり、ウェブサイトのユーザビリティを向上させる上で、最適化の対象となるものなのでしょうか?

Rio: そう思います。なぜならほとんどの場合、自分のウェブサイトを運用する理由は、ウェブサイトからのコンバージョン率を向上させることだからです。コンバージョン率を向上させるためには、プラットフォーム上で優れたユーザーエクスペリエンスを提供する必要があります。

Lizzi: なるほど。優れたユーザーエクスペリエンスとは、具体的にはどういうことでしょうか?例えば、コンバージョンのためのボタンがあるのに、ユーザーがボタンを見つけられなかった場合、コンバージョンをすることはできないのでしょうか?あるいは、ボタンがページの下部にある場合、どのようにコンバージョンさせるのでしょうか?

Rio: ページの適切な場所へのボタンの配置は、私が常に考えていることの一つですし、CROの非常に重要な戦術だと思います。そして、UXにおいて非常に大切な視点でもあると思います。

ユーザーは、特定の情報を探すためにウェブページを訪れます。ユーザーが探している情報と、自社のウェブサイトで提供している情報が深く関係しる時、あるいはユーザーがそのサイトで提供されている情報に満足している場合、ユーザーがコンバージョンする可能性、あるいはそのページでユーザーにクリックさせたいボタンをユーザーがクリックする確率は、たいてい高くなります。

たとえば、自社サイトで自社製品について紹介しており、その中に「送料無料」などのコンバージョン促進要素があったとします。ユーザーが自社のコンテンツに非常に魅力を感じていて、満足している場合、ユーザーは自社製品について詳しく調べたり、そこで紹介されているものをクリックする可能性が高くなります。

John: UXとSEOは、共通の目標を共有していますか?それとも、SEOは一種分離されていますか?

Rio: UXはSEOにおいて非常に重要な役割を果たしていると思います。これは私がいつも言っていることです。なぜSEOに取り組むのでしょうか?人々がSEOに多くの時間とお金と労力を費やしている主な理由は何でしょうか?もちろん、ページの順位を上げることは、SEOに取り組む理由の一つですし、多くの人がそれを目標としてSEOに取り組んでいます。しかし、この背後にある目的は、より多くのユーザーを獲得し、自社サイトでより多くのセッションを獲得し、最終的にユーザーを自社の顧客に変えることではないでしょうか。

私たちはまず、より多くのセッションを獲得し、より多くのユーザーを得るために、SEOを行う必要があります。しかしそのあとは、自分たちのページを改善し、ユーザーが探している情報を提供することでユーザーを満足させ、ユーザーが最終的に顧客になるようにページを最適化していくことが必要なのです。

カスタマージャーニーは「検索結果」から始まっている

Lizzi: ユーザーエクスペリエンスまたはエンドツーエンドのカスタマージャーニーについて考えるとき、カスタマージャーニーはユーザーが自社サイトにアクセスして商品を購入するところから始まりますか?それとも、たとえば、検索結果ページにいるときなど、その前から始まりますか?

Rio: ユーザーエクスペリエンスの略であるUXは、かなり広義の用語だと思います。ユーザーが経験するあらゆる種類のエクスペリエンスは、ユーザーエクスペリエンス、UXとして定義されます。そのため、ユーザーが自社サイトにアクセスする前後に経験することは、自社サイトまたは自社ビジネスのUXでもあります

Lizzi: ユーザーが自社のビジネス全体をどのように経験しているかということを指しているのかもしれませんね。

私はUXについて考えるとき、UIや、より視覚的なものを考えていることが多いように思います。しかし、カスタマージャーニーが検索結果ページから始まっている場合、ユーザーが最初に目にするのはテキストかもしれません。青いリンクだけなら、ページのタイトル、説明が表示されます。その場合、UXはページの視覚的なレイアウトではなく、どちらかというとライティングという側面になるのかもしれませんね。

Rio: その通りです。

Lizzi: しかし、こうした考えは、私の中にあるライターの視点、つまりテクニカルライターとしての視点からUXについて考えた結果なのかもしれません。私自身のバイアスなのだと思います。

Rio: そうですね。ユーザーが見ているあらゆる種類のテキスト、画像、コンテンツは、自社サイト上にあることもあるし、実際の自社製品である可能性もあります。ユーザーがその製品やサービスを使用することから得られるあらゆる種類の感情や感情は、UXとして言うことができます

Lizzi: エンドツーエンド全体のようなものですか?

Rio: そうですね、そう思います。

Lizzi:自社サイトを見る前も含めた、ユーザーと自社のあらゆる接点、自社サイトに触れているあらゆる接点は、全てつながっているのですね。

Rio: まさにその通りです。

John: UXの観点から、Lizziは私たちのドキュメントで何か取り組んだことがありますか?それとも、他に何か具体的なことをしましたか?

Lizzi: UXをどのように捉えるかによって変わってくると思います。もし私たちがすべてがUXであると言っているなら、多分私がやっていることすべてがUXです…これは今、非常に哲学的な会話になっていますが(笑)。

人々をコンバージョンさせることについて話しているのであれば、私たちのランディングページには「大きな青いボタン」があります。私たちが人々にしてもらいたい主なアクションは、ランディングページのSEOスターターガイドを読むことです。私たちは、多くのユーザーにスターターガイドを読んでほしいと思っているので、それをメインビジュアルの上に置いています。

Google検索セントラルのFV

Lizzi: そして、多くのユーザーが探しているであろう二次的なものとして、ケーススタディ、ヘルプリソース、サーチコンソールがあります。これらは、それぞれのアクションの重要度と共通性に沿って、順番に並べられています。つまり、全員が最初にアクセスすべきものがあるなら、それを真っ先にユーザーに示したいということです。

Google検索セントラルのメインコンテンツ

参考: Googleサーチコンソールとは?できること6つ・使い方の基本をわかりやすく解説!

ドキュメントページのコンバージョンは何を設定するべき?

Lizzi: しかし、Rioが先ほど、人々をコンバージョンさせることについて話してくれましたが、カートに追加するための明確なボタンのようなものがないドキュメントページの場合に、この考え方をどのようにとらえて適用すれば良いのかがわかりません。私たちのページは、何かを購入させるページではありませんよね。

たとえば、ファビコンのドキュメントや構造化データのように、ユーザーにしてもらいたい明確なアクションはあるけれど、ユーザーがそれをしたかどうか分からない場合、私たちはユーザーにどんなコンバージョンをさせようとしているのでしょうか?私たちがユーザーにしてほしいアクションを、ユーザーが実際にやったのかどうか、どのように測定するかについて、Rioの意見を聞きたいです。ユーザーにしてほしいアクションがあっても、「はい、ドキュメントを読んだ後、ウェブサイトにマークアップを追加しました。私は次のステップに行きます」というボタンがあるわけではないので、彼らがそれをしたかどうか分かりませんよね。

私たちは、ドキュメントをきっかけに、ユーザーに行動を起こしてほしいと思っています。しかし、私たちのドキュメントの多くは、ユーザーが実際に行動を起こしたのかどうかを確認できる、eコマースにおける「購入」のような明確な指標がありません。

John: 確か、ページの下部にクイズがいくつかありますよね?

Lizzi: はい、ありますね。

John: それはコンバージョン的なもの、またはテストのように感じますが、それが、ユーザーが最後まで読んだかどうかを確認する一つの手立てではないでしょうか?

Lizzi: それに関しては、ユーザーがどこまでスクロールしたかをGoogleアナリティクスが追跡しているので、そこで確認することができます。今のところ、ユーザーの80%がページの最後まで読んでいるようです。しかし、このスクロール率は本当に最適化すべきなのでしょうか?

例えば、ページの途中で探し求めていた情報を見つけた場合や、リンクを他の人に送信する場合などは、ページを最後まで読む必要はありません。ドキュメントを読んでいる人にはさまざまな目標があります。同僚にその情報を送信したいと思っているのであれば、その人はリンクを送信した時点で目標を達成しており、リンクの送信こそがドキュメントにアクセスした理由です。クロールバジェットのドキュメントを最初から最後まで読んで、クイズに答える必要はありません。例えば、そのドキュメントを読むのに15分かかる時、私はそのユーザーに、わざわざ15分かけてそのドキュメントを読んで欲しくありません。おそらく、ページを読む時間が長いほど、必ずしもすべてのページにとって、最後まで読んでもらうことは必ずしも良いことだとは限らないのだと思います。

これこそが、私が苦労していることの1つです。ユーザーにはさまざまな目標があり、ドキュメントも様々な長さのものがあるため、指標という観点から言えば、すべてのページを2分間読むことは、少なくとも私たちのサイトでベースラインではありません

Rio: 実は私も、そうしたドキュメントのコンバージョンポイントについて深く考えたことはあまりありません。しかし、ドキュメントの主な目的は、ドキュメントに書かれている内容について人々に知ってもらうことです。そして、特にGoogleのドキュメントのようなものは、SEOを始めたいとき、SEOについて学びたいとき、SEOについてもっと深く知りたいとき、専門家を含めた多くのユーザーが、Googleドキュメントを調べます。

コンバージョンポイントとして設定できるものとしては、すでにあるかどうか分かりませんが、[共有]ボタンまたは[リンクのコピー]ボタンです。これらのボタンは、ユーザーが実際にコンテンツに関与していることを示す良い指標になると思います。ユーザーがドキュメントの内容に満足している場合、またはドキュメントに書かれている情報が役に立つと思った場合は、ユーザーは誰かと共有したいと思うでしょう。チームや会社にいるSEOの初心者に共有したい場合はなおさらです。こうしたボタンは、コンバージョンポイントとして非常に良いポイントになると思います。

Lizzi: 確かに、それは良いポイントですね。使いやすさに関する満足度評価についてはどう思いますか?「役に立った」と「役に立たない」がありますが、そのクリックも見るべき指標になるでしょうか?私の考えでは、コンバージョン統計のようにはならなくとも、ユーザビリティが良いか悪いかを測定するのに役立つと考えています。

Rio: ええ。ユーザーが満足しているかどうか、またはコンテンツに夢中になっているかどうかを知ることができると思います。

John: それに、ユーザーが必要なだけそのドキュメントを読んで、自分なりの意見を持っているということを示しているのかもしれないですね。それ自体が目標の一つでもありますよね? たとえ「このページには満足できなかった」と言われたとしても、ユーザーがその判断を下すための情報は提供できたということだから。

Rio: はい。そう思います。

Lizzi: ただ、同じ指標でも、全く違う意味を持つことがあるので、ページごとの文脈を考慮した上で分析しないといけないですよね。そういった意味で、場合によってはとても難しいことだと思います。

たとえば、ページの削除に関するドキュメントの評価は非常に低くなっています。そのページに寄せられているコメントを読むと、ユーザーがページや画像、または個人情報を削除する実際のプロセスに不満を持っていることがわかります。必ずしもドキュメントページの問題ではありません。この問題は、ドキュメントとプロダクトの関係の中で、非常に一般的な問題です。ユーザーはレポートや機能自体に不満を持っているのでしょうか?それともドキュメントの書き方が悪いのでしょうか?もしかしたらそのドキュメントは、その状況でテクニカルライターが提供できる最善の情報であり、こうした状況に対処するためには根本的な問題を解決する必要があるのかもしれません。

しかし、おそらくこうした問題は、低評価のコメントを見て、なぜユーザーがそんなに不満なのか、そしてそれを改善するために何を修正する必要があるのかを理解するために、ある種探りを入れる必要があるという、良い例だと思います。それは書き方なのでしょうか?ページのレイアウトなのでしょうか?プロセス自体なのでしょうか?たとえば、URLを削除するためのボタンが見つからなかった場合、私たちはユーザーがアクションを進められるよう、ボタンを大きくしなければなりません。そしてそのボタンのクリック率は、私たちが見ることができるコンバージョンレートの一つなのかもしれません。

John: 私たちのドキュメントは、ウェブ上のコンテンツに関しては、多くの人が持っていない例外である可能性もありますね。商業的に活動しているほとんどの人は、人々に物を買ってほしいと思っています。

Lizzi: それは良い議論のポイントですね。Rioが分析したヒートマップのもので、eコマースではなかったサイトはありますか?Rioがヒートマップを分析していたとき、それはすべてショッピングを意識したものだったのでしょうか?それとも、ニュースや記事のような他の種類のコンテンツもありますか?

Rio: 私が分析したページのほとんどは、広告のランディングページです。eコマースサイトやサービスサイト、その他のページ、サービスサイト、そしてSEO記事にもつながります。必ずしもeコマースサイトだけではありません。eコマースサイトは本当にシンプルで、コンバージョンポイントも、ユーザーが物を購入したかどうかという、非常にシンプルなものになります。

ランディングページも似たようなものです。ユーザーを実際のサービスページや製品ページに誘導している場合、実際のページに誘導するボタンのクリック数もコンバージョンポイントになります。そして、SEO記事では、ほとんどの場合、ページで何かを宣伝しています。ユーザーは自分の製品を宣伝したり、自社サイトで他の誰かの製品を宣伝したりするため、購入ボタン、問い合わせボタン、デモのリクエストボタンのクリックなどがコンバージョンポイントになります。ランディングページには、非常に多くの異なる種類のコンバージョンポイントがあるのです。

Lizzi: サーチコンソールのヘルプセンターのドキュメントにおいては、レポートを開くことがコンバージョンになるでしょう。例えばURL検査ツールに関するページでは、コンバージョンポイントは「そのツールを開いて使用してください」になります。しかし、それもまた二次的なものなのかもしれません。

Rio: ええ、そういったケースもあると思います。

参考: LP(ランディングページ)とは?役割、メリットをわかりやすく解説

UXとSEOが相反するケース 〜キーワードの詰め込みはNG〜

John:UXとSEOが相反するケース、例えば、UXのために行った施策が、SEOにとっては良くない、というケースを見たことはありますか?

Rio: 人々がSEOのために行う施策の中で、UXには良くないと感じるものがいくつかあります。たとえば、コンテンツのランキングを上げることができると思って、コンテンツにたくさんのキーワードを詰め込んでいる人がいるのをたまに見かけます。今日ではほんの数人しかいないと思いますが(笑)。しかし、それはUXという観点から言うと非常に良くないことなのです

私が担当していたある顧客は、コンテンツの順位が上がることを期待して、ページの中にたくさんのキーワードを詰め込んでいましたが、実際にはページ上で多くの混乱を引き起こしていました。実際、本当に読みにくかったのです。そのコンテンツのユーザー行動データを可視化したところ、本当にひどいものでした。そこで私は彼らに、そのページ上の、文脈的に意味をなさない、不要なキーワードをすべて削除するように提案し、結果として、コンバージョン率の向上に繋がりました。

Lizzi: SEOの面でも何か良い影響がありましたか?彼らの順位は向上しましたか?

Rio: 彼らはすでにかなり高いランキングに位置していたので、実際のところ、SEOにプラスの影響はありませんでした。言い方を変えるならば、この施策はSEOに悪い影響を及ぼさなかったのです。その顧客は、キーワードを詰め込むことがSEOに良いと信じていました。彼らは、「本当にキーワードをすべて削除しても大丈夫ですか?コンテンツの順位に悪影響を与えたくありません」と心配していたのです。しかし実際には、そうした心配は杞憂に終わりました

Lizzi: つまり、順位の面では悪い影響はなかったのですね。キーワードの詰め込みをやめた時、彼らは「これらのキーワードを削除したら、順位が下がるだろう」と思っていましたが、実際には起こらなかったと。

Rio: はい、起こりませんでした。

John: それは素晴らしいですね。

Rio: ええ、SEOとUXの両方に良かったと言えると思います。

John: なるほど、でも全てのキーワードを削除してボタンだけにするのは、あまりにも極端だから、避けた方がいいでしょうね(笑)。

UX向上の鍵はGIFや動画?

Lizzi:UXの別の観点として、煩雑なレイアウトよりも、合理的で洗練されたレイアウトが良いという、ある種のバランスのようなものはありますか?例えば、段落、段落、段落のようにテキストの多いランディングページがあって、ボタンが見づらい場合、UXを考えるとあまり良くない、といったことはありますか?

Rio: それは内容によると思います。そのコンテンツの目的が、たくさんの情報を提供することであるならば、段落の間にたくさんのボタンを配置するのは難しいかもしれません。しかし、ユーザーが退屈することなくコンテンツと触れ合えるように、画像や動画、またはあらゆる種類のクリエイティブを追加することができます。たくさんのボタンを配置することがUXを向上させるための唯一の答えではありませんが、画像のようなビジュアルアセットなどを追加することで、ユーザーはコンテンツにさらに惹きつけられ、コンテンツに満足する可能性が高まります。ユーザーが読み続け、スクロールダウンし続け、最終的にボタンを見つけてコンバージョンするというケースもあります。

John: つまり、ページにGIFを追加するとUXが向上するということですね。

Rio: 実際に向上するかどうかはわかりませんが、UXの側面から見て、悪い影響や何かがあるとは思わないですね。

Lizzi: 実は以前、GIFをドキュメント内であまり多用すべきではないという話を聞いたことがあります。個人的な意見だったのか、それともどこかのベストプラクティスで読んだのか覚えていないので、もしかしたらどこで読んだのか調べる必要があるかもしれませんが…GIFは点滅や動きがずっと続いて気が散ってしまうし、一時停止できないので、集中して読まなければいけないドキュメントを読むときに、静かな読書環境を妨げるかもしれないとのことでした。なので私は、アクセシビリティの観点から、一時停止や再生ができる動画ループの方が良いと考えています。それがUXやSEOに直結するかどうかは分からないですけどね。

Rio: それは確かに納得できる話ですね。個人的には、段落と段落の間にGIF画像を挿入して困った経験はありません。ただし、画像の品質がかなり悪いと、それがUXの悪化に繋がるという側面はあると思います。GIFは、ぼやけたり、画質が悪くなったりすることがあるので、質を保つのがとても難しいですよね。そうした質の悪いGIFを設置した場合は、UXは悪くなると思います。ただ、GIFそのものがUXに悪影響を与えるかという点に関しては、正直わからないですね。個人的には、GIF自体がUXに悪い影響を及ぼすとは思いません。

Lizzi: GIFを載せた時と動画を載せた時のA/Bテストを実施することで、UXに良い影響があるかどうか、または悪い影響があるかどうかを測定できますか?

Rio: はい。A/Bテストは、あらゆるケースで絶対に行うべきです。ただ、以前実際に、動画ではありませんが、画像をGIFに置き換えたことがあり、コンバージョン率が向上したことがありました。

ミエルカSEOのLPでは、FVにGIFを入れることで、コンバージョン率が高くなりました。
実際にメインビジュアルをGIFにしてコンバージョン率が上がった、ミエルカSEOのLP

John: ただし、キーワードを全て削除して、より多くのGIFを追加する、という極端な施策は行わない方が良いですね。

Lizzi: そうですね、場合によりけりだと思います。ユーザーエクスペリエンスの向上で大切なのは、その文脈でそのユーザーにそのGIFを追加することが、意味をなすのかどうかを見ることだと思います。ランディングページにGIFを載せるのは変かもしれませんし、逆にユーザーの役に立つかもしれません。たとえば、製品の使用方法を示すために非常に重要かもしれません。ユーザーが「ああ、それがその製品の機能だ。これをここにおくことで、こう動くのか」とユーザーに思わせることができれば、そのGIFは彼らがコンバージョンするのに役立ったと言えるでしょう。

日本は海外に比べて、ビジュアルでの訴求が多い

John: さてRio、UXのために行っていることの中で、日本独特だという施策を見たことがありますか?それとも、UX向上のための施策は世界共通ですか?

Rio: 日本の人々がUXのために何か特別なことをしているかどうかはわかりませんが、日本のユーザーの行動やUXのトレンドについて、1つだけユニークなものがあります。おそらく意図的ではないのですが、日本人は、動画やたくさんの画像のようなビジュアルアセットをコンテンツに載せることを好みます

以前、段落ごとにビジュアルコンテンツがないものと、ビジュアルコンテンツが複数ある記事で調査をした時、複数の画像を含むコンテンツの方が、ユーザーエンゲージメント率が高くなりました。日本では、画像やビジュアルアセットを含むコンテンツをたくさん見かけます。しかし、英語で何かを検索したり、英語のドキュメントを読んだりするとき、ビジュアルアセットを豊富に掲載しているページはめったに見かけません。おそらくそれは、日本と他の国で人々がどのように反応するかの違いの一つであると言えるでしょう。

Lizzi: 日本のコンテンツと比較して、英語のコンテンツでは、サイトのナビゲーションや人々がページからページへ移動する方法に違いはありますか?

Rio: その点では違いはないと思います。視覚的なコンテンツだけです。

Lizzi: より画像やイラストが多いのですか?

Rio: そうなんです。

John: なるほど。

Lizzi: 面白いですね。

UX向上でやりがちなミス 〜キーワードの詰め込みやカルーセルの設置はよくない?〜

John:UXに関して、人々が犯しているよくある間違いにはどんなものがありますか?実際のところ、そのようなものはあるのでしょうか?それとも、人々はただ違うことをしているだけなのでしょうか?

Rio: キーワードの詰め込みは間違いなくその一つです。まだ何人かがそうした施策を行っているのを見かけますが、確実にその施策は間違っていると思います。それから、カルーセルを置いているケースもたくさん見かけますが、実際にはUXに悪影響を及ぼしていると考えています。ユーザーは、他の画像を表示するために、ボタンをクリックし続けなければならないからです。私が読んだ調査によると、ユーザーは実際にはカルーセルをそれほどクリックしないそうなので、ユーザーに提供したい情報がたくさんある場合、カルーセルはあまり良い方法とは言えないでしょう。

Lizzi: ユーザーが何度もクリックする必要がないように、遅延読み込みなど、他のフローを実行する方が良いでしょうね。このカルーセルがあるウェブサイトには、他にどんな代替案がありますか?UXにとって何がより良いでしょうか?

Rio: コンテンツに画像を配置する方が良いですね。

Lizzi: 画像を複数並べるということですか?

Rio: その通りです。もし多すぎる場合は、減らすべきだと思います。提供する情報が多すぎると、ユーザーが混乱する可能性があるからです。

Lizzi: もしそのページが「画像、画像、画像、画像、画像」のようであれば、ユーザーが離脱してしまうということですね。

Rio: そうですね。

Lizzi: 面白いですね。私たちのサイトやサービスにはカルーセルはないはずですよね?今、私は、「今すぐにカルーセルを削除したいのだけど、私たちのサイトにカルーセルがあったかしら?」と思っているのですが(笑)。

John: カルーセル構造化データがありますよね?

Lizzi: はい。検索結果のカルーセル、つまりカルーセル機能ですね。リッチリザルトとして表示されるUXパターンのようなものです。興味深いですね。

UXの観点から、ジッピー、つまり展開するタイプのコンテンツの折りたたみについてどう思いますか、Rio?これは良いですか?あまり良くないですか?

Rio: 特定の理由で使用している場合は、必ずしも悪いとは思いません。たとえば、たくさんの質問と回答があるFAQページがある場合、それをクリップせずにすべてのコンテンツを表示することはもちろんできません。その場合は、探している質問や情報を見つけやすくするために、回答を折りたたんだ方が良いでしょう。

ミエルカヒートマップのトップページ。FAQセクションはアコーディオンで折りたたんでいる。
ミエルカヒートマップのトップページ。FAQセクションはアコーディオンで折りたたんでいる

Rio: しかし、やりすぎると、ユーザーがそのコンテンツをクリックできる、つまり開いて中身を確認できることに気付かない可能性があります。なので、ユーザーに必ず気づいてもらいたい、非常に重要な情報を提供している場合は、折り畳まない方が良いでしょう。それはUXというよりも、情報提供の方法に近いと思います。

Lizzi: 私も、ページをよりスキャンしやすくするため、あるいはコンテンツがよりミニマルに見えるようにするために、項目を折りたたんでいるのをよく見かけます。そうしたサイトは、ある意味、折りたたまれているものを、詳細を見るために開く必要があります。しかしたとえば、そのコンテンツを見逃したらどうなるでしょうか?または、Command + Findを実行できなかったらどうでしょうか?

本当に長いページで、Zippyの後ろに隠れているため、探しているものが見つからないとします、それはSEOの観点からは影響がないということでしょうか、John?それとも、別の角度からどのように見ていますか?

John: SEOの観点から言うと、それは問題ないと思います。なぜなら、人々が検索する主な情報は、おそらくすぐに表示されるからです。例え、答えがどこかにドリルダウンされていたとしても、それはユーザーが、検索していない限り、答えを知らないようなものです。質問を見つけて、それを広げることと同じなので、SEOには問題なさそうです。

Lizzi: ジッピーを用いている場合は、視覚的な階層で、そのコンテンツの重要性を示そうとしているのだと思います。Zippyの後ろにある場合、隠されているものはそれほど重要ではないとユーザーに知らせているようなものです。もしその情報が重要なのであれば、私たちはそれをより大きく、またはより大きなフォントで表示していたでしょう。

UX向上にはヒートマップが必須

John: まとめに入りますが、SEO担当者がUXまたはコンバージョン率の最適化を始めるためにすべきことが1つあるとしたら、それは何だと思いますか?どこから始めたらいいと思いますか?

Rio: これは私がお話したかったことです。自社製品を宣伝したいわけではないですが、ヒートマップツールは非常に役立ちます。UXの改善、コンバージョン率の改善(CRO)を行う際に、常にヒートマップツールが必要です。ヒートマップツールは、基本的にページ上のユーザーの行動を視覚化するもので、ユーザーがコンテンツのどの部分を読んでいるか、どのボタンをクリックしているか、またはユーザーがコンテンツのどの部分でページを離れているかなどを示してくれます。ユーザーがコンテンツにきちんと触れられているかどうか、または提供している情報に満足しているかどうかを実際に知ることができるのです。

ヒートマップでページ内のユーザー行動を可視化

Rio: たとえば、ユーザーに気づいてもらいたい、ユーザーに理解してもらいたい、ユーザーに宣伝したい情報を掲載しているとします。ところが、自社商品について宣伝している部分をユーザーが実際には読んでいなかった場合、ユーザーをコンバージョンさせる方法はありません。そこに労力をかけることは、時間の無駄です。ユーザーがどんな情報に触れ、コンテンツとどのように接点を持っているかを知ることは非常に重要であり、ヒートマップツールはそれを可視化してくれます。

Lizzi: ページ上のどこで、ある種の視覚的な要素のように、ユーザーがどこでどんな行動をとったのかがわかるのですね。例えば、Googleアナリティクスでユーザーがページの80%に到達していることがわかっても、「このページの80%はどこなのか?」「彼らはどこにいるのか?」と考える必要があります。ヒートマップデータは、ページ上のまさにその場所を教えてくれるので、80%がどの部分かを必ずしも調べる必要がないのですね。

Rio: まさにそうです。ヒートマップの分析は非常に簡単です。Lizziが言ったように、Googleアナリティクスを使用する場合、ユーザーがコンテンツの80%を読んでいるかどうかを知るために設定を行う必要がありますが、ヒートマップにおいてそうした設定は一切必要ありません。JavaScriptタグを1つ挿入するだけで実装でき、ウェブページ上のユーザーの行動に関するデータを取得し、「ユーザーはここを読んでいる」または「ユーザーはここを読んでいないので、修正する必要がある。より多くのユーザーがその情報に触れられるように、この情報をより高い場所に配置する必要がある」と学ぶことができます。

John: とても本当にクールですね。そうしたデータは調べるべきだと思います。ぜひ試してみてください。

Lizzi: 私は今、SEOスターターガイドをヒートマップツールに入れて分析して、彼らが私の膨大なドキュメントの100%を読んでいるかどうかを確認したいです。

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John: 今回は本当に有益な回でしたね。Rio、参加してくれてありがとう。今回のエピソードはこれで終わりです。そして、もう一度、参加してくれてありがとう、Rio。もし何か質問やコメントがあれば、どこで見つけることができますか?

Rio: 私はいつもX、以前のTwitterにいます。Twitterと言うのに慣れているので、Twitterと言いますね(笑)。発音するのがかなり難しいので、RiRilchikawaと検索してください。私はいつもTwitterにいるので、Twitterで検索すれば、私を見つけることができます。

John: わかりました。絶対にリンクを追加します。みなさん聞いてくれてありがとう、さようなら。

Lizzi: バイバイ。

Rio: バイバイ。

John: 私たちはこれらのポッドキャストのエピソードをとても楽しんでいます。リスナーの皆さんも、楽しんでいただけたでしょうか。ご意見・感想がありましたら、LinkedInでメモを送信するか、次のイベントで私たちに話しかけてください。そしてもちろん、いいねと購読を忘れないでください。ありがとうございました。さようなら。

\鈴木謙一が直々に執筆!/

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監修者
鈴木 謙一
鈴木 謙一
取締役 Search Advocate
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