マーケティングにおけるCRO(コンバージョン率最適化:Conversion Rate Optimization)とは、自社サイトのCVR(コンバージョン率:商品購入や資料請求などのサイト目標の達成率)を最適化する施策を包括的に指す言葉です。
一言でCROと言っても、その内容は多岐にわたります。コンバージョンを上げるためには、様々な観点から対策を講じる必要があり、「どこから手をつければ良いかわからない」という方も多いでしょう。
そこでこのページでは、CROを行う上で、まず最初に確認すべき重要な3つの観点や、CROの実際の流れについて解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
CRO(コンバージョン率最適化)とは
CRO(コンバージョン率最適化:Conversion Rate Optimization)とは、サイト全体の構成や各ページの内容・デザインなどを改善することで、商品購入や資料請求などの目標(コンバージョン)達成率を最適化するWebマーケティング施策のことです。
LPO・EFOとの違いは、改善の対象範囲
似た言葉として、LPO(ランディングページ最適化)や、EFO(フォーム最適化)がありますが、その違いは、改善の対象範囲の違いにあります。
CRO:サイト全体を対象にしたコンバージョン率の改善
LPO:LP(ランディングページ)を対象にしたコンバージョン率の改善
EFO:フォームを対象にしたコンバージョン率の改善
このように、改善の対象範囲が異なるだけで、目的は全て同じなのです。言い方を変えれば、LPO(ランディングページ最適化)やEFOは、CROの中の1つの方法だと言うことができるでしょう。図にすると、このような形になります。
このように、一言にCROと言っても、その方法や施策は多岐にわたります。「CROって思ったより難しそう」「何から手をつければ良いのだろうか」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで次章では、CROを行う際に重要な3つのチェックポイントをご紹介します。初心者の方でも簡単にチェックすることができますので、まずはこの3つの観点からサイトをチェックしてみましょう。
まずはここから確認!CROで重要な3つの観点
CROを行う際には、「CTA」「フォーム」「導線」の3つを中心に改善を行っていきます。CROを行う前に、まずはこの3つの観点から、サイトの現状を把握してみましょう。優先度が高い順に並んでいるので、順番に解説していきます。
CTA
・見つけやすい場所にあるか
・見つけやすいデザインになっているか(色、サイズなど)
・CTA内、およびCTA周りのテキストは、クリックのハードルを下げるものになっているか
例:「お申し込みはこちら」→「1分で入力完了!」「期間限定!無料お見積もりはこちら」
最初は、「このボタン目立たないな」と言った、感覚的な気づきでも構いません。挙げられるだけ挙げてみましょう。
フォーム
フォームの入力開始から送信完了までのユーザー数の推移はどうなっているか
・入力開始したユーザー数と送信完了したユーザー数に乖離がある場合は、
フォームの入力項目やデザインの改善を検討
例:入力項目の数を減らす、入力完了までの段階を示すデザインを導入する
・ユーザー数の乖離がない場合は、フォームに到達するまでの導線の改善を検討
ユーザー数などの定量的なデータがない場合は、「このフォーム、入力するのに時間がかかるな」と言った、定性的な気づきでも問題ありません。改善できそうな部分がないかどうか、サイト訪問者の視点に立って探してみましょう。
導線
・ランディングしてからコンバージョンするまでのユーザー数の遷移はどうなっているか
・ランディングした次のページへの遷移がどのくらいあるか
・各ページの中で、どのページへ遷移した場合にコンバージョン率が高いか
・各ページの中で、コンバージョンしたユーザーがどのくらいいるか
・どのページが最も熟読率が高いか
・コンバージョンポイントがあるページへ遷移するボタンやリンクが最適化されているか
・見つけやすい場所にあるか
・見つけやすいデザインになっているか(色、サイズなど)
・CTA内、およびCTA周りのテキストは、クリックのハードルを下げるものになっているか
こちらも、ユーザー数などのデータがない場合は、「このリンク、わかりづらいな」と言った、感覚的なもので構いません。問題がどこにあるのか、大まかな予想を立てることが大切です。
これら3つの観点で、改善できそうなポイントを一通りチェックしたら、次はいよいよ改善施策です。次章では、この観点をもとにどう改善を行うのか、CROの流れについて紹介します。
CRO(コンバージョン率最適化)の流れ
CROは、全部で5段階に分かれます。順番に解説していきます。
1. 現状を把握する
前述した3つの観点を中心に、現状の詳細を把握します。具体的にどこが見づらいのか、といった定性的なものから、コンバージョン率や遷移率などといった定量的なものまで、一通りチェックしておきましょう。現状把握が細かければ細かいほど、施策も立てやすくなるので、しっかり時間をかけましょう。
また並行して、改善のための環境を作っておくと良いでしょう。具体的には、GoogleAnalytics4、ヒートマップツール、ABテストツールの3つを導入しておくと、非常に便利です。
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2. 理想の状態を考える
現状を把握したら、次は理想の状態を考えます。施策がスムーズに進むよう、チームで話し合いながら考えると良いでしょう。どのページにどれくらいユーザーを遷移させたいのか、どれくらいのコンバージョン数(またはコンバージョン率)が必要なのかなどを、過去のデータや業績の目標から割り出します。
3. 理想とのギャップを確認し、ギャップを埋めるための小さな目標(KPI)を設定する
理想の状態と現状を比べ、ギャップがどのくらいあるのかを確認し、改善のための小規模な目標を立てていきます。どのページでどのくらい離脱率をさげるべきなのか、どのページにどのくらい追加で遷移させたいのか、どのCTAでどのくらいコンバージョン数を上げたいのか等、細かくチェックしていきましょう。
CROにおいては、この目標設定(KPI設定)をどれだけ細かく正しく設定できるかが、成功の鍵と言えます。地味な作業ではありますが、チームで手分けしながら、ひとつひとつ洗い出していきましょう。
4. 改善すべきギャップに優先順位をつけ、施策を立案し、ABテストで検証する
改善目標が立てられたら、優先順位をつけ、ひとつひとつ施策にうつしていきましょう。具体的には、以下の順番で行なっていきます。
- 1. それぞれのギャップについて、なぜそのギャップが生まれるのか、仮説を立てる
- 2. それぞれのギャップについて、どう改善したら目標を達成できるか、施策を立てる
- 3. コンバージョンへの影響が大きい順に並べ替える
- 4. 改善する前と後のデザインを両方用意し、ABテストを行う
ここで注意してほしいのが、ABテストは必ず行った方がいい、という点です。
ABテスト以外の検証方法として、デザインを本番環境で変え、一定期間そのまま運用し、過去と比較する、というものがあります。よく見かける検証方法ですが、これはお勧めできません。なぜなら、競合状況や広告予算の変化、季節性などにより、ユーザーの行動パターンや属性が変化するためです。同一条件で検証するためにも、ABテストを行うことをお勧めします。
5. ABテストの結果から、要因分析を行い、次の施策を立案する
ABテストの結果を確認し、なぜそのような結果になったのか、分析を行いましょう。
目標を達成できていたら、仮説はあっていたのかどうか、なぜ達成できていたのかを考え、ユーザー行動の理解のための材料として蓄積していきます。一方達成できていなかったら、その原因を考え、達成の為の施策を再度考え、目標達成できるまでABテストを行います。
GoogleAnalytics4やヒートマップを使うと、ユーザー行動が可視化できるので、分析がやりやすくなるでしょう。
ABテスト実施後によく起こる現象として、「結果がよかったものを本番実装するだけで終わってしまい、結果の分析を行わない」というものがありますが、必ず分析は行うようにしましょう。ABテストの分析結果は、ユーザー行動の理解のための材料として、新たにページを作るときや、別のページを改善する時に役立てることができます。最初は面倒に感じるかもしれませんが、必ず分析し、結果をまとめておきましょう。
ミエルカでは、CROコンサルティングもご提供しております
ここまで、CROの意味や、重要な観点、実際の流れについて説明してきました。CROは小さな施策の積み重ねです。施策を地道に、真面目に継続していくことが、CRO成功の鍵と言えます。しかし、自社でそこまでのノウハウやリソースがない、と悩まれる方や、面倒だと感じてしまう方も多いでしょう。
ミエルカでは、ツールの他に、CROコンサルティングもご提供しております。UX調査やアクセス解析、継続的なABテストの運用など、CROに関する一連の業務を、弊社専門人材が全てご支援させていただきます。また、コンバージョン改善のPDCAが軌道に乗った後のフェーズのお客様については、CV改善の内製化支援もさせていただいております。
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