動画SEOとは、動画コンテンツを検索エンジンが理解しやすくする手法で、動画の検索結果でのランキングを向上させることを目指します。これは、適切なキーワード、タイトル、説明、トランスクリプトなどを使用して行われます。
この手法は、視覚的なコンテンツの人気が高まる中でますます重要になっています。適切な動画のSEO戦略は、ウェブサイトへの訪問者を増やし、ユーザーエンゲージメントを向上させ、最終的にはコンバージョン率を高めることにつながります。この記事では動画SEOについて解説していきます。
目次
YouTubeのSEO施策とは
ひとことで言うと、いかにYouTubeで上位に表示されて動画を再生してもらえるか考えること。GoogleでのSEOと変わりません。YouTube上で検索したとき、検索上位に表示させることで、多くのユーザーに視聴してもらうことが目的です。 近年、YouTubeチャンネルを始める企業も増えている印象です(2023年時点の、僕の肌感覚ですが)。
しかし、ただ動画をアップロードしただけで十分な視聴回数を得られるかというと…そうではありません。大量のコンテンツが生み出されるYouTube上にはライバルも多く、一筋縄ではいかないのが現実です。
YouTubeでの検索上位表示を狙うなら、それなりのYouTube SEO対策を練る必要があります。もちろん、動画のタイトルや概要欄にキーワードを詰め込む…などという小手先のテクニックは通用しません。
やっておいて当たり前レベルの基本的テクニックはありますが、それ以外にも「アルゴリズムを理解する」「キーワードを選定して意図をつかむ」「意図に応えて支持を得られる動画をつくる」など。本稿では、YouTubeコンサルタントの中山が、するべきことをまとめて解説します。
YouTube検索でアルゴリズムが見ていると考えられるモノ
YouTubeのアルゴリズムで、僕が意識している3つを紹介します。
[1]関連性
タイトルや概要欄、動画の中身と検索キーワードが、しっかりマッチしているのは基本中の基本です。が、意外に抜け漏れがあるものです。
たとえば、「新橋 サウナ」で検索すると、1位の動画タイトルには「新橋」「サウナ」がありますが、2位には「新橋」がありません。もったいないですね。
You Tubeにおける検索キーワードを意識したキーワード選定方法については、こちらで詳細をまとめています。合わせてご覧ください。
▶YouTubeで”検索”を意識したときの5つのキーワード選定方法
[2]パフォーマンス
動画のパフォーマンス…つまり、どれくらい見られたか?離脱されなかったか?も大事です。再生時間と再生回数の表面的な数値に加え、視聴者維持率にも注目しましょう。
視聴者維持率とは、視聴者が動画をどれくらい見続けたかを示す指標で、高ければ高いほど良いです。「離脱されにくい=視聴者の興味を維持できている=動画のパフォーマンスの高さの証明」になります。 視聴者維持率は何%が良いのか?に明確な回答はないですが、目安は以下。
- 10分前後の動画:40%はほしいところ
- 7~8分の動画:45%あれば及第点
- 50%を越えたらかなり良い…と考えてOK
ちなみに、YouTubeの検索結果は総再生数順に並ぶわけではありません。再生数が低くても上位表示することはザラです。YouTubeは新しいコンテンツを比較的ポジティブに評価する傾向があるので、それも理由の一つです。
よって、「競合の再生数が凄い…勝てる気がしない…」などと、あきらめる必要はありません。
[3]ユーザーのフィードバック
フィードバックには、直接と間接の2種類あります。当然、どちらもアクティブであるほど良い傾向です。
- 評価(高い or 低い)
- コメント数
- SNSへのシェア
企業の運営するチャンネルだと、コメント欄が荒れたらどうしよう?という気持ちから閉鎖の方向に流れがちです。ただ、筆者はオープンにするほうが良いと考えます。
理由は「よほどの事がない限り誹謗中傷はないし、仮に荒らしコメントが来ても非表示にできる」から。万に一つのリスクを恐れて、視聴者からのフィードバックの機会を閉ざすのはもったいないです。
※感謝や賞賛のメッセージが届くこともあり、むしろ励みになります。
- 最後まで視聴したか
- 関連動画をクリックしたか
こちらは、YouTubeアナリティクスで調べる部分です。 視聴者維持率がひとつの指標となるでしょう。動画を観た視聴者の行動はアルゴリズムの1つに入っている可能性があります。
そもそもエンゲージメントの高い動画(視聴者にポジティブなアクションを沢山起こしてもらえる動画)が好ましく、SEOの観点からもメリットがあると僕は考えています。
YouTubeに最適化した動画とは?
YouTubeのアルゴリズムが何を好み、何を高く評価するのか…はブラックボックスなのでシンプルな答えはないですが、ハッキリしていることがあります。
それは「エンゲージメントの高いコンテンツを提供する」こと。
つまるところ、視聴者が面白いと感じるコンテンツをYouTubeは高く評価します。よって、アルゴリズムよりもターゲットに刺さるのか?見たくなる動画か? を第一に考えましょう。エンゲージメントの高いコンテンツとは、以下を満たす動画です。
- 「高評価」が多い
- 「総再生時間」が長い
- 「視聴者維持率」が高い
- 「後で見る」をされやすい
- 「コメント」が多い
なかでも重要なのが、総再生時間と視聴者維持率です。再生回数ではなく、再生時間です。
再生されても「つまらない」と思われて、すぐ離脱される動画では、再生数は多いけど、総再生時間は積みあがらず、エンゲージメントは高くない、と判断されます。逆に再生回数は平均だけど、最後まで視聴される動画は総再生時間が伸びやすく、アルゴリズムに評価されやすくなります。
テクニカルなYouTubeのSEO施策(動画単位/チャンネル単位)
テクニカルな部分にも触れておきましょう。以下に紹介する内容は、これをすれば検索上位間違いなし!という施策ではなく、やって当たり前な必要条件とお考えください。
「動画単位」でのYouTubeSEO4つの施策
1.メタデータ(タイトル、概要欄、タグ、ハッシュタグ)を書く
Google と YouTubeに動画内容を適切に伝えるために、テキストの補足は必須です。
タグは他の動画のサイドバーに関連動画として表示されるのに使われますし、ハッシュタグは検索時に使われます。
2.タイムスタンプとチャプター機能を書く
概要欄に下記のようなタイムスタンプを記載しましょう。
目次の役割を持たせられます。
また、タイムスタンプの始まりを 00:00 に設定すると、下記のようなチャプター(動画の区切り)が有効になります。これによって、視聴者は観たい場面へジャンプできるようになって便利です。
3.カードを設定する
YouTubeのカードとは、あらかじめ設定しておいた動画ページを5秒間ポップアップ表示させられる機能のこと。視聴者にアクションを促す=エンゲージメントを高める方法として効果的です。
上手く使えば、他の動画や再生リストに誘導でき、一人当たりの再生回数、総再生時間を伸ばせます。設定すると、動画の右上にカードが表示されます。
このカードを視聴者がクリックすると動画も表示されるので、観て欲しい動画コンテンツを案内することができるのです。
4.サムネイルの勝ちパターンを見つける
動画は、サムネイルのクオリティーでCTR(クリック率)が大きく左右されます。 ジャンルや視聴者属性も関係するので、サムネイルに正解はありません。
色やテキスト数、文字の色、表現の方法をABテストで検証して、自社ならではの勝ちパターンを見つけましょう。
検証期間に決まりはありませんが、およそ1〜2週間あれば傾向は十分つかめるかなと僕は思います。
- 4%:合格ライン
- 5%:OKライン
- 6〜8%:ナイスなライン
- それ以上:グレイト
YouTubeの場合 下記は、うちが運営する「ミエルカチャンネル」で行ったサムネイルの改修のビフォーアフターです。
左がビフォーで右がアフター。右のほうがメッセージが瞬時に目に飛び込み、クリックしたい気持ちになりませんか?施策後にCTRが2%向上した例もありました。
超大事なわりに、適当なクオリティで済ませている企業チャンネルは非常に多い印象です。以下の3つは、サムネイル制作時に思い出してほしいことです。
- 1.スマホで読めるか?
(文字が小さすぎないか) - 2.目で視認しやすいのか?
(黄色背景に白文字等になっていないか) - 3.文字数が多すぎて読む気が失せないか?
(クリックするかしないかは瞬時に判断される)
チャンネル単位の You Tube SEO 5つの施策
1.概要欄を書く
空っぽになっているチャンネルがありますが、もったいなさすぎます。だれが、何の目的で、誰向けに、どうなって欲しくて発信しているチャンネルなのか…?をしっかり記載しましょう。公式サイトURLやSNSリンク、お問合せのメールアドレスもオススメの記載情報です。
2.動画の説明欄を書く
その動画の内容をテキストで補足できる場所です。関連リンクや動画の導線を設けることもできます。
ときどき、全ての動画に同じ文章が掲載されているチャンネルがありますが、SEO視点でいうとあまりオススメできません。内容とテキストの乖離が生じるからです。
3.ヘッダー画像を設定する
設定しなくても問題はないですが、せっかく会社の看板でやっているYouTubeチャンネルなのですから、キレイに整えておくのが良いでしょう。見た目の印象で「チャンネル登録するか、しないか」を決めることもあるものです。
4.ロゴを設定する
ヘッダー画像と同様です。せっかくですから、ここの手間もいとわないように。
5.再生リストを作る
ある程度、動画本数が貯まってからで構いませんが、カテゴリで分類しておくことをオススメします。特定のテーマに興味を持った視聴者がまとめて過去動画を見るときの助けにもなります。
You Tube動画を拡散する2つの方法
良い動画コンテンツをつくり、やるべきSEO施策も実施したら、露出効果を高めるために、できる限り拡散しましょう。
1.ブログやオウンドメディア記事に動画を埋め込む
自社のオウンドメディアがあれば、記事に動画を埋め込むのも良いでしょう。視聴者のためにもなりますし、オウンドメディアの記事から動画コンテンツへの被リンクが増えることにもなります。
2.SNSで拡散
SNSで拡散される=順位に影響する…とは考えにくいものの、メンション(話題にされる機会)が増える、視聴回数が増える、というプラスの効果はあります。動画公開時に自社SNSを駆使して拡散にするのはマストです。
YouTubeアナリティクス(YouTube Analytics)で動画を分析・改善する
本記事ではYouTubeアナリティクスの使い方、見方については割愛しますが、施策の効果があったかどうかは、YouTubeアナリティクスで確認しましょう。効果が現れていれば、必ず数字に跳ね返ってきます。
YouTubeはSEOだけに取り組んでいればいいのか?
ここまで散々、YouTubeに関するSEOについて語っておいてなんですが、じつはYouTubeはSEOさえやっていれば安泰…ではありません。むしろ、YouTubeは検索以外の流入が大半で、検索流入は意外に少ないのです。 チャンネルにもよりますが、検索経由は10%以下になることも多いです。
では大半のトラフィックはどこから生じているかといいますと、以下のような感じ。
- ブラウジング
トップページやホーム画面、登録チャンネルのフィードからのトラフィック - チャンネルページ
自分のYouTubeチャンネルページ、他のYouTubeチャンネルページ、トピックチャンネルページからのトラフィック - 関連動画
他の動画の横、または動画再生直後に表示される関連枠
…このように、YouTube特有の流入経路のほうが重要だったりします。 ですので、アルゴリズムを理解し、キーワード選定で意図をつかむだけで満足することなく、『視聴者が喜ぶ、視聴者の期待に応える動画』を作ることにパワーを注いでほしいです。
YouTubeチャンネルの運用で迷っている方は、お気軽にご相談ください。
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