広告受注件数2倍! 流入数も約1.2倍へ。新潟日報メディアネットはなぜサイトリニューアルで成果を伸ばせたのか?

株式会社新潟日報メディアネット 2026.09.01

新潟日報メディアネットが運営する地域情報メディア『ガタチラ』。2020年の公開から3年で目標の月間100万PVを達成したが、その後はPVの伸び悩みとマネタイズという課題に直面していた。

メディアの存在意義を見直すところから始まった本プロジェクトは、新サイト公開後、月間PVが過去最高値を大幅に更新するなど、大きな成果につながっている。2026年4月には月間176万PVを記録し、セッション数(流入数)の前年超えやDiscover経由の流入拡大、検索順位の改善、広告の受注件数倍増も達成している。

プロジェクトの内容から今後の展望までを、新潟日報メディアネットの熊倉氏、高野氏とFaber Companyの川名、岡が振り返った。

この事例の概要
企業名 株式会社新潟日報メディアネット
事業内容 広告事業、新聞販売事業、出版事業、保険事業
従業員数 645名(2026年3月現在)
企業URL https://www.niigata-mn.co.jp/
支援対象サービス 地域情報サイト『ガタチラ
導入サービス ミエルカコネクト(サイトリニューアル)
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ミエルカSEOコンサルティング
※2025年8月〜
課題
  • PVの伸び悩み
  • データに基づく根拠あるリニューアルの実施
  • 持続的なマネタイズの実現
支援効果
  • セッション数(流入数)が前年比119%
  • Google Discover流入のクリック数157%、
    表示回数137%(前年対比)
  • 平均検索順位が14.4位から7.5位へ改善(前年対比)
  • 広告の問い合わせ件数が向上、受注件数は約2倍に増加
  • 運用体制の改善によりコンテンツ開発に注力

地域情報メディアの成長の壁、どう乗り越えるか?

新潟県内で発行部数1位を誇る新聞『新潟日報』グループでは、1942年の創刊時から培ってきた地域とのつながりを最大化すべく、2020年に情報メディア『ガタチラ』をスタートした(企画・運営はグループ会社の新潟日報メディアネット)。

Webチラシを始め、新潟県内の開店・閉店情報やイベントなど、毎日の暮らしに役立つ情報を発信している。

みんなでつくる街メディア「ガタチラ」 

公開から3年後の2023年には、目標としていた月間100万PVを達成し、新潟情報のWebメディアとして存在感を強めてきた。しかし、PVの伸び悩みやマネタイズの課題があり、リニューアルを検討していたという。

決め手は「情報メディアの成長に伴走するパートナー」

そこで同社は、Web制作会社を含めた複数社に相談し、Faber Companyからの提案を採用。その理由を、ガタチラの運用責任者である熊倉氏は次のように語る。

(左から)株式会社新潟日報メディアネット デジタルマーケティング部
部長 熊倉 和哉氏、課長代理 高野 光氏

熊倉氏:
「自社内で感覚的にリニューアルするのではなく、データをもとに根拠ある改善をしなければ、ガタチラのPVが爆発的に伸びないのではないかという懸念がありました。そのため、デザイン性の高いサイトに作り直すというより、メディアの成長のために伴走してくれるパートナーを探していたんです。

Faber Companyの提案は、ガタチラがメディアとしてどうあるべきかの戦略設計の部分から提案してくださり、その点に惹かれました」

Faber Companyのサイトリニューアルは、戦略設計から制作、運用支援までを一貫して行う、ワンストップ体制が特徴だ。

ミエルカ・川名:
「サイトリニューアルでは、Webサイトで何を実現したいのかを定める戦略設計の段階から伴走し、それを軸にデザインや構成、SEOを設計していくことが大切です。その点を評価いただき、ご依頼いただけたことはとても嬉しいです」

このワンストップ支援を支えているのが、ミエルカコネクトによるチーム体制である。

今回は、プロジェクトマネージャーを川名が務め、SEOコンサルタントの岡がSEO戦略を担当、メディア戦略の設計やデザインは、ミエルカコネクトに登録しているプロフェッショナル人材がアサインされた。

(左から)Faber Company(ミエルカ)
川名 麻央、SEO コンサルタント 岡 章浩
マーケター 今里氏

マーケター 今里氏

リクルート・楽天での多くの事業開発・グロースを経験したのち、株式会社しんさくらラボを経営し、新規事業開発とプロジェクト推進の支援を実施。
BtoB、BtoC問わず、東証一部上場企業から、スタートアップベンチャー、自治体など、幅広い領域ビジネスのプロジェクトを担当し、経営者の伴走者として、事業推進と自走できる基盤づくりを支援。

マーケター 前田氏

マーケター 前田氏

デザイン業界15年以上。フリーランス10年以上経験後、2023年 奈良のデザイン会社代表取締役。
見た目・スタイリングだけのデザインではなく、マーケティング・ブランディングを理解したデザイン制作を意識。企業・商品・サービスが売れるための施策を企画提案していく。

プロジェクトメンバーの今里氏、前田氏(ともにミエルカコネクト登録)

サイトのリニューアルの
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取り組み1.メディアの存在意義と方向性の再定義

今回は、メディアの戦略設計から新サイト公開までの約8か月間を、プロジェクトのフェーズ1と位置づけた。

まず、戦略設計のプロセスを見ていこう。

具体的には、メディアの存在意義と方向性の再定義を行った。

ガタチラの運営には、当然マネタイズも欠かせない。しかし近年、ネット広告のみで安定した収益を得ることは難しい。Webメディアは、広告収益を追うあまりPV偏重に陥り、コンテンツの質が下がってしまうという構造的なジレンマを抱えやすいのだ。

ガタチラは、こうした構造的な課題を見据え、広告収益のためのPV追求ではなく、コンテンツ自身の魅力によって地域の生活者に「信頼され」「利用される」という新しい価値を打ち出す方針を定めた。

マーケターの今里氏が中心となり、情報収集手段の変化やユーザーの行動変化といった全国的な傾向に加え、ローカル広告の出稿状況や新潟県特有の課題も踏まえて、ガタチラがどのようなメディアであるべきかを議論した。

この戦略設計には、熊倉氏らとディスカッションを重ねながら2か月をかけたという。

ミエルカ・川名:
「ガタチラのコンセプトを決めるにあたり、新潟のWebメディアだけでなく、大阪など他地域のメディアのコンセプトや特徴についても今里さんがまとめていきました。

そのうえで、目指す方向性とガタチラの強みを言語化し、『みんなでつくる街メディア』というコンセプトへ絞り込みました」

▼ガタチラで議論したこと(一例)

Why(なぜ) 「地域の人と店・企業・行政を最短距離でつなげる
生活情報インフラ」を目指す
What(なにを) ガタチラによる情報流通により、
新潟に誘発される状態(アウトカム)の設計
How(どうやって) 明確な編集方針とサイト構造の改善により、
メディアの信頼×収益の両立を目指す

あわせて、ガタチラにはチラシ情報の価値を最大限に引き出し、より多くの生活者に届けるという目的もあった。新聞社グループにとってチラシの売上げは大きな収益源のひとつであり、ガタチラもWebチラシの活用を念頭にスタートしたという経緯がある。

一方、チラシは情報の鮮度が限定的で、SEOの観点からストックコンテンツになりづらい。新聞社グループの資産であるチラシをWebメディアでどのように扱うかも論点となり、最終的にはファーストビューにチラシ情報のカテゴリーを置くかたちで着地した。

取り組み2.カテゴリー構造に注力したSEO

メディア戦略を踏まえて、SEOの方針も定まった。

SEO戦略を担当したFaber Companyの岡は、3年で月間100万PVまで成長したガタチラのポテンシャルを踏まえ、カテゴリー構成に着目した。カテゴリー構成を最適化することは、ユーザーの利便性を向上するだけでなく、Googleのサイト評価に好影響を与えることにもつながる。

▼WebメディアのよくあるSEO課題

課題 ・記事(情報)は多いが整理が不十分で、検索エンジンが評価しづらい
・検索順位が低いため、流入につながらない
対策 検索ニーズを調査・分類し、ユーザーニーズに適したカテゴリー設計を行う

GA4、Google Search Console、外部ツールなどのデータをもとに、流入傾向や検索需要の高いキーワードを分析。この分析結果とメディア戦略や検索ニーズを踏まえて、大カテゴリーを設計し直し、「地域名+カテゴリー」で評価されやすい構成へと変更した。

それに合わせて、URL構造を「エリア>カテゴリー>記事」の階層構造へ整理し、カテゴリー間・関連記事への内部リンクも最適化を行った。また、記事の移行方針(残す記事・削除する記事のルール化)も整理した。

なお、カテゴリー構成やURL構造の変更に伴い、検索順位やオーガニック流入が一時的に減少するリスクが想定された。現在の検索評価を維持できるよう、サイト構造やURL設計、内部リンクの見直しといったSEO施策を実施したうえでリニューアルを行った。

ガタチラの施策一例

課題1:エリア×カテゴリーのサイト構造が弱い
施策:エリア配下に検索ニーズの高いカテゴリーを配置し、「地域名+カテゴリー」で評価されやすいサイト構造に
課題2:カテゴリー名・分類が、ユーザーや検索エンジンにわかりづらい
施策:「ショップ→ショップ・施設」「ガタスポ→スポーツ」のように、検索意図へあわせた名称に変更
課題3:重複・粒度が不適切なカテゴリーが存在する
施策:カテゴリーの統合、不要カテゴリーの整理を行い、カテゴリー構成を最適化

リニューアルの成果は?セッション数伸長、検索順位も上昇

2026年4月、リニューアルしたサイトを公開すると、さっそく同月には月間176万PVを記録し、過去最高値を大幅に更新した。セッション数も直近1年余りで最も多い約129万セッションとなり、その後も前年同月比では5月130.1%、6月122.3%と前年を上回る水準を維持している。

クリック数・表示回数を見ると、Web検索における順位改善に加え、Google Discover流入の大幅な伸長がサイト全体の流入を押し上げている傾向が見られた。

※Google Discover:ユーザーの検索履歴や閲覧履歴を参考に、パーソナライズされた情報を自動で表示する機能。スマホのGoogleアプリや、Chromeブラウザで新しいタブを開いたときの検索窓の下に掲載。

キーワード(KW)の順位についても、調査対象の375KW中、5位以内が106KW(+18.2%)、10位以内が133KW(+15.5%)まで改善しており、全カテゴリーで順位が上昇している。

ミエルカ・岡:
「サイトリニューアルでは、一般的に公開直後の2〜3か月でトラフィックが一時的に下がる傾向があります。Googleがページを再度クロールし評価するインデックスの期間にあたるためです。しかし今回は、想定していたほどの落ち込みはなく、Discoverも大きく伸びています。集客できる記事・読まれる記事が公開されていることの表れだと実感しました。

メディアのポテンシャルがしっかりありますし、評価され始めているタイミングだと考えています。ここからさらに伸びていくのではないでしょうか」

他にも、熊倉氏らはSNSによる情報発信を強化。とくにInstagramではフォロワー数が大きく伸びるなどの成果が見られ、県内の情報を扱うアカウントとして認知が広がっている。

また、LINEでもよく読まれている記事を配信し、サイト流入につなげている。

広告の受注件数が2倍。社内外で『ガタチラ』の注目度がアップ

リニューアルの効果は、広告営業の成果や社内外の反響にも表れている。

熊倉氏:
「広告の受注件数も約2倍ほどになっており、マネタイズの面でも成果が出ています。広告の営業部署が積極的に取引先へ提案するようになったのは大きな変化です。以前と比べ、社内で能動的にガタチラを使ってくれる機会が増えました」

高野氏:
「他部署から『新しい企画があるので、ガタチラで一緒にできないか』という相談が増えています。その流れに乗じて、さまざまな部署の会議にガタチラチームも参加し、社内での認知をどんどん広めているところです。ユーザーからの情報提供や感想も増えた実感があります」

知見の蓄積につながる、伴走×ディスカッション

こうした成果の背景には、新潟日報メディアネットとFaber Companyの継続的なディスカッションがあった。プロジェクトを通じて、熊倉氏・高野氏それぞれに新たな気づきがあったという。

熊倉氏:
「ペルソナ設定をはじめとする基本的なメディア設計が足りていなかったことを痛感しましたし、GA4などの数値だけでなく『どれだけ人が実際に動いたか』まで見る重要性にも気づかされました。

たとえばイベントの記事を見てもらえても、実際に足を運ぶ人が少なければ、クライアントは満足してくれません。人が実際に行動を起こすメディアを目指すべきという観点を、あらためて認識しました」

高野氏は、SEOで大きな発見があったと話す。

高野氏:
「SEOは、自分たちなりにやってきたつもりでしたが、実際にはほとんど手をつけていないのと同様の状態だったことがわかり、とても衝撃を受けました。

一方で、ベンチマークとしている他メディアと比較したとき、思っているほどSEOに差がないこともわかりました。『では、どこを強化すれば追いつけるのか』が自分のなかで明確になり、とても良かったです」

川名も、今回のプロジェクトを振り返る。

ミエルカ・川名:
「まずは、PVが伸びていることが嬉しく、リニューアルの良いスタートを切れたと思います。デザイン面への評価のほか、情報整理によってガタチラが使いやすくなったという声もいただきました。定性的な評価もいただけたことは、大きな手応えを感じています」

質の高いコンテンツで新潟県No.1の情報メディアを目指す

最後に、ガタチラの今後の展望を聞いた。

熊倉氏:
「安定したWebメディアの運営には、さまざまな施策が必要です。生成AIやAI検索により、従来の検索からの流入は今後減っていくでしょう。そうしたなかでも、人気のあるサイトはPVを維持し続けています。ガタチラも、独創性にあふれ、ユーザーから求められるメディアを目指していきたいですね」

高野氏:
「とくに回遊率をもっと伸ばしていきたいです。さらに今後、GEO(生成AI検索対応)に取り組むうえでも、ユーザーが何を求めているかを徹底的に追求し、応えていくことが大切だと考えます。

たとえばガタチラのグルメ記事は、実際に足を運んだり、電話で話を聞いたりと丁寧に取材しています。情報の質を高め、県内1位のWebメディアを目指します」

また熊倉氏は、地方の新聞社・テレビ局だからこそ発揮できるポテンシャルを挙げた。

熊倉氏:
「リソースの兼ね合いなどもあり、地方の新聞社やテレビ局は取材した情報を紙面や放送だけにとどめてしまう傾向にあると感じます。しかし、WebサイトやSNSの活用など情報の発信方法を工夫すると、情報を届けられるユーザーの数や幅を今以上に広げられます。

新潟日報グループも新しい挑戦を進めており、より積極的にさまざまな領域へとチャレンジしていきたいと感じています。自分たちで取材し、他のメディアには真似できない独自のポジションを作っていくことが重要です。変化に慎重な業界ですが、その先にある、新しい事業展開の可能性や社員のモチベーション向上につなげたいです」

Webメディアに完成形はない。セッションの推移やユーザーの評価を見ながら改善を重ねる歩みは、まだ続く。Faber Companyは、ガタチラの成長に今後も伴走していく。

企業プロフィール

  • 社名
    株式会社新潟日報メディアネット

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