大手競合ひしめくSEOチャネルを攻略し、リード獲得数1.7倍に貢献。AI検索時代も活きるオウンドメディア戦略とは

ソリマチ株式会社 2026.08.25 2026/8/26

会計・労務ソフトなどのバックオフィス関連のソフトウェア市場は、競合企業が多く、SEO・検索面においても激戦区だ。

パッケージ型の経理・会計ソフトを開発・販売するソリマチ株式会社では、検索流入をのばすべく、本格的なコンテンツSEOをスタート。

担当者2名という限られたリソースでミエルカSEOを活用し、約1年半で確定申告関連のキーワード群で月間3万以上もの流入を獲得。リードとなる無料体験版のダウンロード数は前年比1.7倍に達した。

同社でSEOを担当する浅田氏に、成果につながったオウンドメディア戦略について話を伺った。

この事例の概要
企業名 ソリマチ株式会社
事業内容 中小企業・個人事業主・農業経営者向け会計・給与・ 販売管理ソフトの開発・販売
従業員数 国内205名、海外100名
企業URL ソリマチの経営応援通信 https://sorimachi.co.jp/column/
導入サービス ミエルカSEO(2025年1月〜)
課題
  • オウンドメディアへの自然検索流入が少なかった
  • 認知層・潜在層へのアプローチ手段がなかった
  • SEOの社内知見が少なく、情報収集・戦略立案が属人化しやすい状況だった
支援効果
  • 「確定申告 いつまで」のキーワードで、月間インプレッション130万超、流入最大3万を獲得
  • リード(無料体験版ダウンロード数)が前年比1.7倍に
  • 社内から「検索に社名が出るようになった」などの評価の声

自然検索流入が少ない状態からコンテンツSEOをスタート

ソリマチ株式会社は、中小企業や個人事業主向けの経理・会計ソフトを開発・販売するソフトウェアメーカーだ。競合企業がクラウド型へシフトするなか、同社はパッケージ(買い切り)型のソフトウェアに注力する。

なかでも、農業経営者向け会計ソフトは国内でも数少ない製品として知られ、JA(農業協同組合 )のお墨付きを受けている。本社のある新潟に約100名規模のサポートセンターを構え、エンドユーザーへの電話サポートを手厚く提供している点も特色だ。

ソリマチ 公式サイト

そんな同社では、オウンドメディアとして『ソリマチの経営応援通信』を運営。そのSEOは、Web・CXマーケティングチームが主導している。

同チームはWeb広告の運用から、リード獲得後のナーチャリング、さらには保守サポートの加入促進といったLTV向上施策まで、デジタルマーケティングの一連の流れを一気通貫で担う部署だ。

ソリマチ株式会社 セールス&マーケティング本部
Web・CXマーケティングチーム 浅田 氏

SEOを担当する浅田氏がソリマチに入社した当時、オウンドメディアではSEOを意識したコンテンツ制作をほとんど行っていなかった。

既存ユーザー向けのメルマガに掲載したリンクや、ブックマーク経由でのアクセスが中心で、自然検索からの流入は少ない状態だったという。集客の主軸はリスティング広告だったため、認知層や潜在層へのアプローチ手段としてSEOの強化が求められていた。

SEOを本格化するにあたり、浅田氏がまず検討したのがミエルカSEOだった。

かねてから、Faber Companyの動画やブログに触れるなかで、第一想起として浮かんだという。他ツールとの比較検討の結果、直感的に操作できること、サポートの手厚さ、無料トライアル期間中に運用イメージを持てたことが決め手となった。

浅田氏:
「使いやすさやサポート体制、そして毎月のカスタマーサクセス定例を通じて、SEOやWebマーケティングの知見・最新情報を継続的に得られる点を総合的に評価し、導入を決めました」

営業を担当したFaber Company(ミエルカ)の笠原は、提案にあたって「ツールで何ができるか」よりも「どう運用するか」に重点を置いたと振り返る。

Faber Company セールス 笠原 秀将

ミエルカ 笠原:
「浅田さまは、SEOのご経験をお持ちです。そのご経験を活かし、担当者が2名という限られたリソースのなかでミエルカSEOをどのように活用・運用していくかを重点的に提案しました」

施策1.キーワード戦略の見直し(ビッグキーワードからテールワードへ)

ソリマチが実施したSEO施策は、次の3つだ。

一般的なコンテンツSEOでは、まず検索ニーズを整理し、ターゲットキーワードを選定していく。しかしソリマチの場合、自然検索流入が少ない状態だったため、「最初のキーワード選定は手探りだった」と浅田氏は振り返る。

まずは流入数の増加を目指し、検索ボリュームの大きい「確定申告」関連のキーワード群(55キーワード)を設定した。確定申告の中でも、自社製品が強みを持つ「青色申告」を中心にトピッククラスター(※)を構築していった。

※トピッククラスター:
サイト構造、ピラー記事・クラスター記事の設計、内部リンク設計などを通して、サイト全体で専門性を伝えるための情報設計のこと。

※関連記事:
検索回数の調べ方と調査ツール、SEO対策キーワード選定方法
トピッククラスターとは?SEOで成果につなげる作り方・内部リンク設計・失敗例(Youtube)

ミエルカSEOの「サジェスト・インテンション」で検索ニーズを可視化。
2・3月の確定申告シーズンになると、月間検索数は約550万に跳ね上がる

しかし、SEO、検索面における競合環境は厳しかった。競合企業が、膨大な記事数をもって検索上位を占有しており、ビッグワードを狙う戦略では検索順位が付かなかった。

同社を担当するFaber Company(ミエルカ)のカスタマーサクセス・深水は、定例ミーティングを重ねるなかでキーワード戦略を見直したという。

ミエルカ 深水:
「ビッグワードではなく、コンバージョンに近いテールワードを優先し、検索ボリュームは少なくてもニッチなニーズに対して、検索上位を狙いましょうという方向に舵を切りました」

Faber Company カスタマーサクセス 深水 純

そこから浅田氏は、「青色申告 減価償却(月間平均427、3月は1,173)」「確定申告 遅れた場合(月間平均4,800、3月は44,133)」のようなテールワードで独自性のある記事を公開。

テールワードの記事を着実に積み上げながら、ビッグワード記事への内部リンクを充実させることで、サイト全体の評価向上を狙った。

狙ったテールワードで上位掲載ができるように

施策2.コンテンツ制作体制(専門家監修で品質を担保)

続いての施策は、コンテンツ制作体制の構築だ。記事の制作フローは、次の3パターンを使い分けている。

  1. 税理士が構成〜執筆を担当
    SEOの知見を持つ税理士にキーワードを提供し、構成案から執筆まで依頼。確認後公開
  2. 浅田氏が構成を作成→ライターが執筆→税理士が監修
    ライターへ執筆を依頼し、信頼性担保のために税理士監修を付けて公開
  3. 浅田氏が構成〜執筆→社労士が監修
    労務関連コンテンツなど、浅田氏自身が執筆し社労士監修ののち、公開

会計・税務はYMYL(※)領域にあたるため、E-E-A-T(※)の観点から原則、専門家監修をつけている。

※YMYL:
Your Money or Your Lifeの略語で「人の生活や人生に影響を与える可能性がある情報やページ」のこと
※E-E-A-T:
Googleの「検索品質評価ガイドライン」に提示されているWebサイトやコンテンツの品質評価基準のこと。「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の頭文字を指す。

※関連記事
YMYLとは?SEOでEATが最も求められる領域となる対象ジャンルは?【動画解説】
E-E-A-T(旧EAT)とは?SEOへの影響・Googleの評価基準を解説

浅田氏:
「ハック的な方法よりも、読者の役に立ち、信頼性がある記事を公開していけば、検索順位がついてくると考えていました。また、どんなに業務が忙しい時期でも月4本の記事公開を徹底し、1年間継続しました」

施策3.テクニカルSEO(サイト構造、内部リンク)

3つめの施策が、テクニカルSEOだ。サイト構造とサイトデザインを改修したことが、検索順位が付き始めた転機の1つになった。

あわせて、継続的な記事の公開により、内部リンクの設計にも厚みが出てきた。「テールワードの記事からビッグワードの記事へ内部リンクを設置したことが、サイト全体の評価向上にも寄与したのではないか」と、浅田氏は分析している。

記事からリード獲得・契約が実現。無料DL数は前年比1.7倍

実直な取り組みから約1年、変化が現れた。

確定申告シーズンに差し掛かったタイミングで、それまで圏外だったキーワード群の検索順位が大きく上昇。コンテンツへの流入数が大きく伸び、リード獲得にもつながった。

浅田氏は「検索ボリュームに囚われ過ぎない、キーワード選定の大切さを実感しました」と振り返る。

また、担当のカスタマーサクセス(CS)の深水もキーワード選定におけるPDCAの重要さを次のように語る。

ミエルカ 深水:
「SEOで成果を出すには、継続することと同じくらい、キーワード戦略を変える判断も重要です。検索ニーズの調査やお客さま理解をもとに仮説を立て、競合環境を見ながらキーワードを柔軟に見直していく。浅田様と一緒にその判断を積み重ねてきたからこそ、今回の成果につながったと感じています」

2025年度の無料体験版ダウンロード数は、広告などとの複合効果ではあるものの、前年比1.7倍を達成した。

また、社内の反応にも変化が現れた。営業メンバーから「検索にソリマチの社名が出るようになった」という声が届くようになったほか、『ソリマチの経営応援通信』経由のリードが契約につながったケースも生まれているという。

ファインダビリティスコアが3倍に

なおソリマチでは、SEOの指標の1つに、ファインダビリティスコアを採用している。

ファインダビリティスコアとは、対象とするキーワード群の検索順位状況をスコア化し、SEO観点でのWebサイト全体の「ファインダビリティ=見つけやすさ」を表す指標である。

現在、ソリマチのファインダビリティスコアは、ベンチマークとする競合企業の同スコアの約50%まで伸びた。これは、ユーザーとの接点(見つけられる機会)が競合の約半分の水準まで追いついたことを意味している。スコアは、1年以内に70%水準まで引き上げることを目標に掲げている。

※関連記事: ファインダビリティスコアとは?SEOのKPIとしてモニタリング&Webサイトを改善していこう

独自性の高い記事でAI検索対策(LLMO/AIO/GEO)にも着手

浅田氏は、次のフェーズとして3つの施策を見据えている。

1つ目は、独自性の高いコンテンツへの転換だ。AI検索の普及により、ハウツー系の記事は生成AIが回答を完結させてしまい、サイトへの流入につながりにくくなりつつある。一次情報や専門家の知見を盛り込んだ、AIにも参照されやすいであろう独自性の高いコンテンツが必要だ。リライトも月1本のペースで着手し始めており、既存記事の底上げにも取り組んでいく。

浅田氏:
「独自性が高い記事であれば、おのずとAIにも引用されるだろうと考えています。SEOと並行して、質の高い独自コンテンツの制作を継続していく方針です」

2つ目は、AI検索への対応(通称:LLMO/AIO/GEO)だ。農業向け会計ソフトについては、AI検索での露出がすでに一定程度確認できているが、それ以外の製品・キーワード領域での露出強化が直近の課題となっている。テクニカル面の整備を中心に、CS・深水との検討を進めている段階だ。

3つ目は、記事の量産体制の整備と社内知見の底上げだ。現状は浅田氏がSEOを主導しているが、今後は人員を増やしながら制作本数を拡大していきたいという。

※関連記事: GEO(生成エンジン最適化)とは?AI時代のSEO対策・基本を解説

浅田氏:
「ミエルカSEO導入から1年半を経て、運用のスタイルが整いつつあります。リード獲得からナーチャリングまで一気通貫で取り組めるチーム体制だからこそ、将来的にはブランディングとSEOを連動させていきたいと考えています。それが将来的なAI検索対応にもつながっていくのではないでしょうか。

ソリマチの強みは、お客様に寄り添った製品開発と活用サポートです。マーケティングチームとしても、自社の特色を意識した情報発信を継続していきます」

Faber Companyでも、SEOの支援に加え、流入からのCV改善、AI検索対応など、次のフェーズに向けた支援を引き続き進めていく。

企業プロフィール

  • 社名
    ソリマチ株式会社
  • 事業内容
    中小企業・個人事業主・農業経営者向け会計・給与・販売管理ソフトの開発・販売
  • サイト
    https://sorimachi.co.jp/column/
  • 導入時期
    2025年1月〜

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