LPOとは?具体策やSEO、EFOとの違いをわかりやすく解説 松井 優樹 2023.03.17 2024/11/21 CRO CVR改善ヒートマップ LPOとは? LPO施策を行う上で必要な準備 今すぐできるLPOの具体策5つ(初級編) LPO施策の評価方法 LPO成功事例:申し込み数が1.83倍に!株式会社RITA-STYLE様 LPOの重要性 LPO成功の鍵 LPOとはlanding page optimization(ランディングページ最適化の略です。ページに到達したユーザーが求めている内容に合わせて、掲載する情報や見せ方を工夫したり、流入元となる広告を改善したりすることで、CV率を上げるマーケティング手法を指します。ここでは、LPO施策を紹介するとともに、CROやSEOやEFOとの違い、LPOを行う上で便利なツールなどについても解説します。 ヒートマップ無料トライアルはこちらから LPOとは? マーケティングにおけるLPOとは「Landing Page Optimization」の略称で、LP(ランディングページ)の最適化を意味します。ランディングページの内容やデザインを改善し、閲覧者に最適化することで広告効果を上げたり、CV率を改善します。 LPの定義は2種類ある 実は「LP(ランディングページ)」には、広義と狭義の2つの意味があります。 広義の意味での「LP(ランディングページ)」は、Webサイトの中で訪問者が最初にアクセスして「着地」したページのことです。GA4などのアクセス解析ツールにおける「LP」はこちらを指すことが多いです。 一方、狭義の「LP(ランディングページ)」は、広告をクリックした時に開く、1枚の縦長のページのことを指します。商品購入や申込、問い合わせなどの目標(コンバージョン)達成に特化したページで、内容も普通のWebページに比べてかなり絞られています。 一般的にLPOは、狭義のLP(ランディングページ)を最適化することを指します。つまりLPOとは、広告から流入したユーザーに合わせて、届ける情報や見せ方を工夫することで、コンバージョンレート(CVR)=目標達成率を上げるマーケティング手法のことを指すのです。 CRO、EFO、SEOとの違い LPOとよく似た言葉に、CRO、EFO、SEOがあります。 LPO CRO EFO SEO 正式名称 Landing Page Optimization Conversion Rate Optimization Entry Form Optimization Searc Engine Optimization 意味 ランディングページ最適化 コンバージョン率最適化 フォーム最適化 検索エンジン最適化 施策 ランディングページ内のデザイン改善やCTA文言の最適化 サイト全体でみたデザイン改善やページ遷移導線の最適化 フォームの入力項目の最適化や入力数の調整 サイト構造の最適化や記事コンテンツのリライト 目的 CV率を上げる CV率を上げる CV率を上げる 流入の増加やリード獲得 CROはサイト全体を通したコンバージョン率改善施策を、EFOはページ内のフォームを改善する施策を指します。CROやEFOとLPOは、コンバージョン率を改善する、という目的は同じですが、改善の対象が異なるのです。 一方SEOは、自然検索における検索結果で上位に表示させ、流入の増加やリード獲得などを目的とする施策です。目的が集客になるため、LPOやCRO、EFOとは違う種類の施策となります。 LPO施策を行う上で必要な準備 アクセス解析ツール、ヒートマップツール、ABテスト(A/Bテスト)ツールを導入する LPO施策を行う際には、現状把握、施策の立案・検証、目標達成度の測定ができるツールを導入するのがおすすめです。なぜなら、現時点での課題がわからなければ施策を立てることができず、施策を実施できても、その効果を計測することができなければ、本当に改善できているかどうかを確かめることができないからです。 現状把握や目標達成度の測定に便利なのは、アクセス解析ツールです。代表的なものはGoogle Analytics 4で、サイト全体や、それぞれのページごとの現時点でのアクセス数、ユーザー数、コンバージョン数などを確認できます。サイト内で、どのページを改善すべきなのかを把握することができます。 施策立案におすすめなのはヒートマップです。ユーザーがどこをよく読み、どこでページを離脱し、どこをクリックしたかを視覚的に把握できるため、ユーザー視点に立った現状把握や施策立案が可能になります。 施策の検証におすすめなのがABテスト(A/Bテスト)ツールです。 ABテスト(A/Bテスト)とは、施策を実施する前後のパターンを、ユーザーに同時に適用し、どちらがより多くコンバージョンを獲得できるかを比較するテストのことです。厳密には、次の2種類があります。 ・ABテスト(A/Bテスト) 一つの要素を変更したパターンを2つ以上比較して、どれがより良い結果を出すかを確認するテスト方法 ・多変量テスト 同時に複数の要素(例えば、見出し、画像、ボタンの色など)を変更して、その組み合わせが全体のパフォーマンスに与える影響を測定するテスト方法 行う施策によって、どちらの手法を使うかを選ぶ必要はありますが、どちらにしろABテスト(A/Bテスト)を行うことで、その施策が本当に効果があるのかを本番環境への適用前に検証することができるため、導入した方が良いと言えるでしょう。 ミエルカヒートマップには、ヒートマップ機能の他に、ABテスト(A/Bテスト)機能も搭載しています。ご興味のある方は、ぜひ一度お試しください! ヒートマップ無料トライアルはこちらから ツールを使ってページの状態を把握する ツールを導入したら、まずはページの現在の状態を把握しましょう。定量的な面と、定性的な面の2つの観点から、ページを分析するのがおすすめです。 定量的な把握:アクセス解析ツールでコンバージョン率を出してみる ページの状態の定量的な把握には、コンバージョン率を出してみることがおすすめです。 【コンバージョン率=(コンバージョン数/アクセス数またはユーザー数)×100】 Google Analytics 4などのアクセス解析ツールで、それぞれのページのアクセス数やユーザー数を確認することができます。 改善施策を行なったあとに、コンバージョン率が高くなっていれば、LPOは成功したと言えるため、必ず現時点でのコンバージョン率を出してみましょう。 定性的な把握:ヒートマップツールでデータを見てみる 定量的な把握ができたら、次は定性的な把握です。ヒートマップツールを使って、ページのどんなところがよく読まれているか、どこで離脱しているのか、どこがよくクリックされているのかなどを確認しましょう。 ヒートマップデータを見ていきなり施策を立案するのは、かなりハードルが高い作業です。最初のうちは、施策を考え出せなくても良いので、まずはどんなデータになっているかを見てみることが重要です。ヒートマップデータを活用した施策については後述しますので、そちらもご参照ください。 業界の平均コンバージョン率や競合サイトのページデザインを調査する 前述した通り、LPOは、LP(ランディングページ)におけるコンバージョン率を最適化することです。しかし、コンバージョン率は無限に高まるわけではありません。業界や商材によって、コンバージョン率は異なります。 ページの現状把握ができたら、自社が所属する業界や、扱っている商材でのLP(ランディングページ)が、どれくらいのコンバージョン率になるのかを確認しましょう。ある程度の相場を知ることで、大体どのくらいコンバージョン率を上げなければいけないのか、見当をつけることができます。 また、関連キーワードで検索して表示された広告などを、いくつか確認してみるのもおすすめです。他社のLPでどんな点が訴求されているのか、企業ごとに異なるポイントはどこなのかを知ることで、自社LP(ランディングページ)を改善する際に役立てることができます。 最終目標(KGI)と中間目標(KPI)を決める 最後に、事業の目標や相場のコンバージョン率から、最終目標となるコンバージョン率を決めましょう。また、その最終目標を達成する足がかりとして、中間目標を設定すると良いでしょう。中間目標については、「◯月までに◯%にする」という時期的な中間目標と、「このコンバージョン率を達成するために必要なアクセス数/ユーザー数/コンバージョン数」といった、コンバージョン率を構成する数字についての中間目標の2種類があると、施策が立てやすくなります。 LPOを行う上での準備はこれで完了です。次章ではいよいよ、LPO施策をご紹介します。 今すぐできるLPOの具体策5つ(初級編) 初級LPO施策は、すぐに行動に起こせる施策がほとんどです。もしまだ取り組んでいない施策がある場合は、ぜひすぐにでも着手してみることをおすすめします。 ①FVの文言の最適化 ユーザーは、訪問したページを読み進めるかどうかを、3秒〜5秒の間で判断すると言われています。そのため、まずはファーストビュー(最初にWebページで目にする範囲)に載せる文言等を工夫し、一人でも多くページを読み進めてもらうようにすることが重要です。 FVで訴求すべきことはたくさんありますが、特に、商品やサービスの競合優位性をFVでアピールできているかどうかは、必ず確認すべきです。 また、サービスの商材とユーザーの属性によって、「具体的だがピンポイントな表現」や「抽象的だが広い表現」またはその中間など欲している情報や感情は人それぞれです。そこに合わせて、「短いキャッチーな文言で、最低限伝えたい情報を伝えるのか」「あえて少し情報を残すような言い回しで、興味を持たせるのか」などを考えていく必要があります。 ②レイアウト最適化 LPOにおいては、ページのレイアウトを変えるだけで、コンバージョン率が大きく改善されることも珍しくありません。 例えばFVであれば、 ・文言をFVの中央に置くのか ・フォームをFVに入れるかどうか ・イラストやGIFをFVに入れるかどうか ・それぞれの配置はどうするのか などのアイディアが考えられます。 どの手法が最も自社の強みや商品の魅力を伝えられるのか、社内で検討してみましょう。また、いくつかのアイディアに絞られたら、ABテスト(A/Bテスト)を使った検証を行うのも効果的です。 一方、FV以下については、ユーザーの悩みを改めて明示し、商品やサービスのメリットを際立たせるなど、コンバージョンを促せるようなレイアウトにすべきです。特にFV直下は、離脱率が高くなりがちなセクションなので、情報やコンテンツを精査する必要があります。 ③コンテンツ情報量の最適化 LP(ランディングページ)でよくやってしまいがちなのが、「情報の載せすぎ」です。自身の商材やサービスに自信があるからこそ、言いたいことが伝わっているか不安になり、ついついユーザーが求めている情報以上のことをサイト上で表現しようとしてしまうのです。 しかし実際には、Webサイトを見に来ているユーザーは、そこまでの情報を求めていないことも多くあります。 例えば医薬品の場合、含まれている成分を強くアピールしがちですが、実際には「その医薬品を服用することでどんなメリットがあるのか」という結果の方が大切、というユーザーが多くいます。 「ユーザーはどんな情報を求めているのか」「どこまでを伝えるべきなのか」を、ヒートマップ等を活用しながら把握し、情報を載せすぎないように注意しましょう。 ④CTAボタンの最適化 CTA(Call to Actionの略)は「行動喚起」という意味で、「商品の購入はこちら」や「お問い合わせはこちら」など、コンバージョンを促すボタンのことをCTAボタンと言います。 CTAボタンをページの中で目立たせることで、ユーザーに気づいてもらいやすくなり、コンバージョンを促すきっかけになったり、コンバージョンしたいけれどボタンが見つからないからページを離れる、という現象を防ぐことができます。 CTAボタンの改善例としては、以下のようなものがあります。 ・ボタンの大きさを大きくしてみる ・ボタンの色を、サイトのメインカラーの反対色にしてみる ・ボタンに記載するテキストを太字にしてみる ・ボタンの位置を変えてみる(特に、熟読率の高い場所に入れるとGOOD) ▼参考記事 CTAとは?思わずクリックしたくなる3つの成功事例とすぐできる5つの改善施策 ⑤ページ速度の改善 ページ速度を改善することも、大切なLPO施策の一つです。広告をクリックした時に、なかなかページが開かないと、ユーザーは内容をみる前に直帰してしまいます。ページ表示速度が問題ないかどうか、まずはページ速度計測サイトなどで確認してみましょう。Googleが提供している Page Speed Insightであれば、無料でページ速度を計測できます。 効果的ですぐにできる施策としては、画像を軽くしたり、ページ内に掲載しているコンテンツの量を削ったりといったものがあります。 ABテスト(A/Bテスト)で検証してみる ここまで紹介してきた施策は、どれも代表的なものですが、どの施策が改善対象サイトにあっているかは、誰にもわかりません。 そこで、ABテスト(A/Bテスト)を行い、その施策が本当に効果があるのかを確認する必要があります。 よくある間違いが、施策をいきなり本番環境に適用し、過去のデータと比較して効果検証するというやり方です。こうしてしまうと、万が一その施策がコンバージョンに対して悪影響を及ぼしてしまうものだった場合に、コンバージョンの大幅な減少や収益の縮小に繋がってしまいます。 また、時期による変化の激しい業界などでは、コンバージョンの変化が施策によるものなのか、時期によるものなのかを判別できず、施策の効果を正確に把握できなくなってしまいます。施策の効果を正しく計測するためにも、ABテスト(A/Bテスト)をできる限り行いましょう。 ミエルカヒートマップにはABテスト(A/Bテスト)機能も搭載しています。まずは無料トライアルにお申し込みください。 ヒートマップ無料トライアルはこちらから LPO施策の評価方法 定量的な評価:コンバージョン率を出してみる LPOの定量的な評価には、アクセス解析ツールなどを使って、コンバージョン率を出してみることがおすすめです。施策を行う前と比べて、コンバージョン率が高くなっていれば、LPOは成功したと言えます。 また、ABテスト(A/Bテスト)を行っている場合は、ABテスト(A/Bテスト)の管理画面で、施策を行う前後でのコンバージョンの差を確かめることができます。 定性的な評価:ヒートマップデータを見てみる LPOが成功した、あるいは失敗した時は、その原因を調査することが必須です。原因を調査することで、次のLPO施策のヒントを得られたり、より効果的な施策を見つけたりすることができます。 そこでおすすめなのがヒートマップです。熟読率やスクロール率、クリック率の3つの観点を掛け合わせて、なぜコンバージョン率が上がったのか/下がったのかといった原因を深く掘り下げていくことができます。 弊社では【ミエルカヒートマップ】というツールを提供しております。1700社以上のお客様にご利用いただいておりまして、現在無料トライアルも実施中です。各種機能を一度試してみたいという方はぜひ一度トライアルからお申込みしてみてください。 ヒートマップ無料トライアルはこちらから また、事例も取り上げておりますので、興味ある方は見てみてください。 ▼アテンションヒートマップを活用した事例はこちら【注文数が143%に!】株式会社利他フーズの松下様に活用方法をお聞きしました ▼スクロールヒートマップを活用した事例はこちら【代理店必見】株式会社キーワードマーケティング様のヒートマップ活用方法を紹介! 【CVR150%改善!】ユーザーの気持ちを考え抜く。後藤ブランド株式会社様の改善事例 LPO成功事例:申込数が1.83倍に!株式会社RITA-STYLE様 「人生を変えるほど痩せるプライベートジム」を営業理念にする株式会社RITA-STYLE様は、九州地方を中心にパーソナルジムを展開する企業(2020年3月7日、東京都渋谷区にもOPEN)です。 以前はジムの料金に関するコンテンツをページの下の方に設置していましたが、ヒートマップを見たところ、非常によく熟読されていることが判明、「料金コンテンツの下にCTAを置く」という施策を実施することになりました。 実際に料金表の下にCTAを設置したところ、パーソナルジムの無料カウンセリング申込み数が1.83倍に増加。CTAボタンの位置を変えるのは初級施策の一つですが、初級施策だけでもこれだけCVRは変わるので、まだLPOを行っていない企業はすぐに取り組むことをおすすめします。 もっと詳しく知りたい方はこちら ヒートマップ無料トライアルはこちらから LPOの重要性 現代の企業活動において、LPOは必須であると言われています。その理由を2つご紹介します。 ①Web上での企業活動の活発化 インターネットの普及により、消費者の多くがWeb上で消費活動を行うようになりました。それに合わせて、多くの企業もまた、Web上でビジネスを展開するようになりました。結果として、Web上での顧客獲得競争が激化しており、ただWebサイトを作るだけでは、顧客獲得や収益の増加が難しくなってしまっています。 LPOは、限られたアクセス数の中で、最大限の成果を得ることを目的とした施策です。顧客獲得競争が激化している今、どの企業にとっても必要不可欠であると言えるでしょう。 ②費用対効果を高められる LPOは、きちんと施策を行えば、大きな成果を得ることが可能です。Webサイトのコンバージョン率を高めれば、売上増加や顧客獲得に繋げることができます。 もし広告を出している場合、その広告をクリックした時に表示されるLP(ランディングページ)のLPOを行えば、同じ広告費でより多くのコンバージョンを獲得できるようになり、費用対効果を上げることに繋がります。限られた予算の中で、最大限の収益を獲得することができるようになるため、まだLPOを行っていない企業は、ぜひすぐに着手することをおすすめします。 最後に:LPO成功の鍵 ここまで、LPOについて解説してきました。最後に、LPO成功の鍵をご紹介します。 LPO成功の鍵は、「改善を継続すること」 LPOを成功させるためには、「改善を継続すること」が大切です。 そもそもLPOは、小さな改善の積み重ねです。改善を途中で諦めてしまうことは、コンバージョン率や収益もそこで成長が止まってしまうということを意味します。 地道にコツコツ、改善を進めていくことが、LPOを成功させる秘訣と言えるでしょう。 工数削減のために、AIも利用しよう! AI (人工知能) や機械学習の発展により、LPOは今後ますます高度化していくと予想されます。例えば、ユーザーの行動履歴や属性に応じて、最適なランディングページを自動的に生成する技術などが期待されています。 なおミエルカヒートマップでは、AIが自動でヒートマップデータを解析し、改善案を提案する機能を搭載しています。改善施策を考える手間を省いたり、ちょっとした隙間時間に改善施策を立てたりすることが可能になりました。ご興味のある方は、ぜひ無料トライアルにお申し込みください。 ヒートマップ無料トライアルはこちらから 編集者情報 松井 優樹 成城大学経済学部卒。 トランス・コスモス株式会社にて越境EC関連の店長業務に従事。その後楽天株式会社にてフリマアプリのWebプロモーションを担当。愛知トヨタ自動車にてディーラーのWeb領域全般を管理する経験を経てFaber Companyへ。 趣味はサウナと旅行。 この記事をシェアする