BtoBビジネスでは、検討期間が長いため、コンテンツマーケティングが向いていると言われています。しかし、実際に取り組もうと思っても、「何から始めればいいのか」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。ここでは、これからコンテンツマーケティングを始めたい方や、今の施策を見直したい方に向けて、具体的な実践方法と成功事例を分かりやすく解説。さまざまな企業の取り組みを参考にしながら、コンサルタント目線で、実践に役立つポイントをお伝えします。

BtoBコンテンツマーケティングでやるべきこと
BtoBコンテンツマーケティングで成果を出すには、潜在顧客・見込み顧客から既存顧客に至るまで、各プロセスに合わせたコンテンツ配信が重要となります。
配信するコンテンツ自体が顧客とのコミュニケーションツールとなり、サービス・ブランドの魅力や快適さを感じてもらえるように設計することが大切です。サービスやブランドを気に入ってもらえれば、強い営業をかけなくても選ばれ続ける関係性を築くことができるのです。

たとえば自社サービスで解決できる課題を持っているけど、まだサービス認知はない潜在顧客には課題解決ハウツーなどのノウハウ系コンテンツを制作して配信することで、サービスを知ってもらいます。既存の顧客に対しては利用・活用方法をお届けすることで、サービス継続やリピートにつなげていきます。
- 潜在顧客~顧客のファネル・ジャーニー設計
- プロセス・フェーズに沿ったコンテンツ企画(誰に何を提供するか)
- コンテンツ制作
- 配信方法の決定(SEO、広告、SNS、動画…など)
※実施方法については、次の段落でくわしく解説していきます。
はじめてのコンテンツマーケティングの場合、とくに1人担当だと正しい進め方がわからず戸惑うことが多いと思います。それでも今すぐ成果を出す必要があるなら、伴走してくれるタイプのコンサルタントの導入を検討してください。当社・Faber Company(ファベルカンパニー)は、BtoBのコンテンツマーケティングに高い知見をもつコンサルタントがいます。しっかり伴走してあなたの成功をサポートするので、お気軽にご相談ください。
※関連サービス:ミエルカのコンテンツマーケティング支援
実践の手順
コンテンツの基礎設計から配信、効果測定までの流れをステップごとにわかりやすく解説します。初めて取り組む方でもスムーズに進められるよう、成功のポイントをまとめました。
1.ファネル・ジャーニー設計
はじめに、顧客がどのようなプロセスで契約に至るかを描いて視覚化します。ファネルやカスタマージャーニーのような形式がおすすめです。サービスを認知する前段階から課題を持った潜在顧客がいるはずです。そこから、顧客になってサービスを継続利用するまでの各フェーズに名前をつけておくと、管理しやすくなります。

2.コミュニケーション設計
ファネルやカスタマージャーニーができたら、それぞれのフェーズに合うコンテンツを企画していきます。はじめての方は、どんなコンテンツを使って各フェーズのターゲットとコミュニケーションをとればいいか発想しづらいと思います。よく使われる企画を一覧にしてみましたので、参考にしてみてください。コンテンツ=伝えたいことと考えればおのずとアイデアが出てくるのではないでしょうか?
フェーズ | コンテンツ(伝えたいこと) |
---|---|
潜在顧客(認知前) | ・課題(困りごと)解決コンテンツ |
見込み顧客(リード) | ・課題(困りごと)解決コンテンツ ・製品解説コンテンツ |
MQL・ホットリード | ・製品解説コンテンツ ・開発秘話 ・導入成功事例 ・FAQ ・使い方 |
顧客 | ・使い方の紹介・オンボーディング ・活用方法 ・活用コミュニティ |
3.コンテンツ種別と配信方法の決定
コンテンツの内容が決まったら、それらの配信方法やコンテンツの種類を考えていきます。
フェーズ | コンテンツ | 種別 | 配置方法 |
---|---|---|---|
潜在顧客(認知前) | ・課題(困りごと) 解決コンテンツ | ・コラム ・ホワイトペーパー | ・SEO ・広告 |
見込み顧客(リード) | ・課題(困りごと) 解決コンテンツ ・製品解説コンテンツ | ・コラム ・固定ページ ・セミナー ・ホワイトペーパー | ・SEO ・メルマガ ・ポップアップ |
MQL・ホットリード | ・製品解説コンテンツ ・開発秘話 ・導入成功事例 ・FAQ ・使い方 | ・固定ページ ・セミナー ・動画 | ・メルマガ ・ポップアップ |
顧客 | ・使い方、 オンボーディング ・活用方法 ・活用コミュニティ | ・固定ページ ・コミュニティサイト ・セミナー ・動画 | ・サイト導線 ・メルマガ |
サービス認知前である潜在顧客の連絡先はわからないので、接触するためには課題解決型のコンテンツをコラムにして検索エンジン(SEO)や広告、SNSなどを使って配信することになります。見込み顧客(リード)になると、連絡先などの個人情報がわかるので、メールを使ったり、サイトに訪問した時のポップアップで配信することが可能ですね。確度が高くなったホットリードに対してはセミナーや動画などで実践的な内容を配信するとサービスの魅力を伝えられそうです。
このように、どのコンテンツを誰に、どうやって届けるかを設計していきます。
4.KPI設定
コンテンツと配信方法が決まったら、各コンテンツに対するKPI(中間指標)を決めておきましょう。振り返りの効果分析に必要になってきます。
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検索順位、検索流入数、サービスページへの誘導数
このように、コンテンツごとに設定しておきましょう。
※関連記事:コンテンツマーケティングのKPI/KGIは?効果測定と運用体制のポイント
5.コンテンツ制作と配信
ここまでの1.~ 4.で基礎設計が整ったら、コンテンツ制作と配信を行います。すべてを一度に作り上げるのは難しいため、まずは着手しやすいものから順に取り組みましょう。小さな成功を積み重ねることで、効果的なコンテンツマーケティングが実現します。コンテンツ制作の量を増やすより、品質を担保することをおすすめします。
6.効果分析と改善
コンテンツを配信し、閲覧者が増えてきたタイミングで効果分析を行いましょう。4.で設定したKPIに基づき、成果を評価します。期待通りの成果が得られていない場合は、コンテンツの内容や配信方法を見直す必要があります。
コンテンツ企画・制作 ⇒ 配信 ⇒ 効果分析 ⇒ 改善というPDCAサイクルを繰り返し、精度を高めていくことで、潜在顧客~顧客とのよりよい関係が実現できます。改善を重ねることで、確実に成果を引き出せる体制を築きましょう。
※関連記事:コンテンツマーケティングとは?事例とともに戦略や手順、やり方をわかりやすく解説
BtoBで効果的なコンテンツ事例
ここでは「とりあえず今すぐ制作して配信してみたい」と考える方に、即効性のあるコンテンツの手法を4つ挙げます。ミニマムスタートをしたい方は基礎設計の前にいったん試してみてください。
1.お役立ちコラム
サービスを利用しそうな人たちが抱える課題に対しての解決・ノウハウ系コンテンツは、すべてのフェーズのターゲットに有効です。潜在顧客にはサービスを認知してもらうきっかけになりますし、既存顧客には「ノウハウを持っている信頼できる企業」と感じてもらう「ブランディング」としても役立ちます。オウンドメディアやブログコーナーに設置して、検索エンジンやSNSで配信していきましょう。

2.お役立ちホワイトペーパー
お役立ちコンテンツはコラムで配信するだけではなく、少しまとまった冊子型のeBookにして配信することもおすすめです。ホワイトペーパーはフォーム入力によるダウンロード形式にすれば、リードを獲得できます。ミエルカの場合は、海外セミナーの情報レポートなど、貴重なコンテンツをホワイトペーパーで無料提供しています。

3.事例コンテンツ
実際にサービスを導入いただいているお客様へのインタビューを、事例コンテンツとして公開しましょう。サイト訪問者に自社と似た課題や業種の事例を知ってもらうことで、具体的なイメージを持ってもらいやすくなり、お問い合わせなどのコンバージョンを後押しします。また、有名企業の導入事例は、信頼感を高めるだけではありません。検索ニーズも高く、新規ユーザーの獲得にも効果的です。

4.セミナー動画(常時閲覧可能)
開催済みのセミナーがある場合は、その内容を録画・編集し、いつでも視聴できるオンデマンド動画として公開しましょう。ノウハウ解説、製品紹介、導入事例など、内容のジャンルは問いません。
動画はリード獲得にも効果的なコンテンツです。ホワイトペーパーのような読み物を好む層もいれば、動画での情報収集を好む層もいます。同じ内容を複数の形式で展開することで、より多くの見込み顧客にアプローチできます。

成功事例
ここからはBtoBコンテンツマーケティングの成功事例をご紹介します。どの事例も、潜在顧客や見込み顧客の獲得から、成約に至るまでのコミュニケーションを丁寧に設計しています。ぜひ参考にしてみてください。
インフォコム株式会社
BtoBオウンドメディア立ち上げ!Web広告の1/3の費用で1.4倍のリード数に

インフォコムでは、リード獲得強化のためにコンテンツマーケティングを本格導入。導入初期はターゲット像の明確化と顧客ニーズの整理から始め、記事制作・効果検証を繰り返しながら改善を重ねました。
その結果、SEO・オウンドメディア経由のリード獲得数が実施前の16倍に。今では、営業との連携を強め、リードの質の向上に注力しています。
※この事例記事:担当者1名でもツールを活用しながらBtoBオウンドメディア立ち上げ!Web広告の3分の1の費用で1.4倍のリード数を獲得した手法
ソーシャルデータバンク株式会社
BtoBオウンドメディアでCV1.6倍

LINE公式アカウント運用「Liny」では、Web経由のリード獲得を目的にオウンドメディア「LINE活用ブログ」を立ち上げ。初期段階ではリソース不足に悩みつつも、外部パートナーとの連携でコンテンツ制作体制を確立しました。記事配信の継続とSEOの成果により、安定的なリード獲得を実現。
その結果、SEOを実施して1年間でコンバージョン数が1.6倍に成長。CVRも1.5倍に増加し、営業部門からも好評をいただくオウンドメディアとなっています。
※この事例記事:BtoBオウンドメディアでCV1.6倍!SEO&ヒートマップとサポートで実現する、ユーザーファーストなコンテンツSEOとは
地道な実施が大きな成果に
コンテンツマーケティングは、すぐに成果が出る施策ではありません。しかし、教科書どおりの基本をコツコツと積み重ねることで、やがて大きな成果につながります。実際、オウンドメディア経由のインバウンド(お問い合わせ・資料請求)だけで安定した集客を実現している企業もあります。まずは無理のない範囲で始め、小さな成功を体験してみませんか?
コンテンツマーケティングは、小さな成功を重ねながら継続的に育てていきましょう。
「何からはじめていいかわからない」そんな方はぜひ、ミエルカコンサルティングにお問い合わせください。体制づくりやツール選定からご相談に応じることが可能です。