CMSとは、Content Management Systemの略で、ウェブサイトのコンテンツを管理、編集するためのシステムを指します。テキスト、画像、ビデオなどのメディアを効率的に管理し、ウェブサイトの更新を容易にするためのツールとして設計されています。
このようなシステムは、非技術者でもウェブサイトのコンテンツを自由に操作できるようにすることで、ウェブサイトの運営を手軽にし、時間とリソースを節約します。SEO対策を行うのも大抵このコンテンツマネジメントシステム上です。
この記事ではCMSについて解説していきます。
目次
CMSとは?
「Contents Management System」の略語で、HTMLやCSSの知識が無くともWebサイトを簡単に管理・更新できるシステムです。今や多くの企業で導入されており、オープンソースのものから大規模Webサイトを管理できるようなものまで、規模や目的によって千差万別なCMSが存在します。そこで今回は、オウンドメディアの構築・運営にあたっておすすめのCMSを6つ紹介していきます。
☑︎まずはコンテンツマーケティングの基本を知る:成功するコンテンツマーケティングとは?
CMS導入のメリット・デメリット
おすすめのCMSを紹介する前に、CMS導入のメリット・デメリットについて簡単に整理しておきます。
◆ CMS導入のメリット
- HTMLやCMSの専門知識が無くてもオウンドメディアの更新や運営が可能
- 多様なプラグイン(拡張機能)で開発工数を下げられる
- 指定時間投稿、更新変更履歴の管理など運用上のサポートもある
◆ CMS導入のデメリット
- 各CMSの機能や設定方法を学習する必要がある
- カスタマイズの柔軟性がCMSの仕様に依存する
- サービスによって初期費用/月額費用等の構築のコストが発生
Web担当者であってもHTMLのコーディングまでできる人は少ないと思います。コンテンツアップ作業に手間が発生して、施策が継続しないようであれば本末転倒です。
これからオウンドメディアを構築する場合は、運用しやすくするためのCMS運用はマストではないでしょうか。では、具体的に各CMSを見ていきましょう。
オウンドメディア構築におすすめのCMS 6選
① WordPress(ワードプレス
CMSで一番有名と言っても過言でない、オープンソースのCMSがWordPress(ワードプレス)です。「WP」「W/P」と略されたりします。
◆ 特徴
- なんといってもオープンソースなのでライセンス無料!
- テンプレートやプラグイン(拡張機能)が豊富にある
- 解説本、まとめ記事などが多くあるのでそれらを参考にできる
- セミナーや勉強会も頻繁に開催されている
◆ 企業での導入実績
◆ 費用
- 前述の通り無料です。 ※最近ではレンタルサーバを契約するとWordpressがセットになっているものも。
◆ こんな企業におすすめ
- 柔軟にサイトをカスタマイズしたい
- HTMLやCSSについてある程度の知識がある管理者がいる ※ カスタマイズには一定以上のWebサイト周辺知識が必要なため
◆ 関連リンク
一番の課題は「セキュリティ」に関してでしょうか。Wordpressのセキュリティ脆弱性に関連したニュースがでたりもしています。ありがちなのがバージョンアップを放置してしまうケース。脆弱性を攻撃されているのは古いバージョンのまま運用している場合が多いのではないでしょうか。WordPress運用時にはバージョン管理やアップデート等も重要です。
② はてなブログMedia
個人向けブログサービスで人気の 「はてなブログ」の企業版といえるサービスです。
◆ 特徴
- 一般のブログユーザーをターゲットにしてきたサービスの発展版であるため、設定・更新が簡単
- 専門家からも高い評価を受けているSEOの強さ
- オプションメニューとして、クオリティの高い記事をはてなブロガーに寄稿してもらうことも可能
- 月間4,500万ユニークユーザーの「はてな」サービスを運用してきた安定性・堅牢性
◆ 企業での導入実績
◆ 費用
- こちら非公開となっています。
◆ こんな企業におすすめ
- CMS初心者にもとにかく使いやすいサービスがいい
- コンサルを含めたコンテンツ制作の支援も欲しい
- SEOの最適化やサーバ管理等はしたくない(SaaS、クラウドタイプでの運用) ※クラウドタイプでありながら、本ドメイン配下のディレクトリに入れられたり、 本サイトとパンくずをつなげられたりします。
③ Movable Type(ムーバブルタイプ)
シックス・アパート社が提供している、Wordpressより前から存在する歴史あるCMSです。MT(エムティー)とも呼ばれています。
◆ 特徴
- 国内で5万サイト以上の導入実績がある
- セキュリティ面や脆弱性のリスクが少ない
- 1サービスで複数のサイト管理が可能
◆ 企業での導入実績
◆ 費用
- ソフトウェア版:90,000円
- クラウド版の場合:月額5,000円〜 ※その他いくつかのプランがありますので詳細はこちら。
◆ こんな企業におすすめ
- セキュリティ第一、脆弱性は限りなく少ないほうがよい
- 実績と安心感がサービス選定の決め手になる
- 全国にコミュニティが存在するので身近に相談できる人がいるほうがいい
◆ 関連リンク
同社が運営するsix apartブログはオウンドメディアを運営しているご担当であれば一度はご覧になったこともあるでしょう。オウンドメディア勉強会も主催されていて、ユーザーへの情報提供を心がけていらっしゃいます。こうしたところにサービス提供姿勢も現れているのではないかなと思います。 ※耳寄り情報※ 2017年7月24日追加 2017年7月14日、オウンドメディアに最適なMovable Typeのテンプレートが配布されていました!
レスポンシブ対応、投稿者別カテゴリ、TOPページの無限スクロールなどのほしい機能が満載です。
④ RCMS
株式会社ディバータが提供する多機能CMSサービス「RCMS」です。
◆ 特徴
- 多言語対応(※同一コンテンツの多言語情報を登録するだけで、表示側ではユーザーにより選択された言語のコンテンツで出力可能)
- アンケートや簡易メルマガ機能などWebマーケティング関連機能が充実している
- 会員制サイトなどDBと連動したオウンドメディアを構築したい
- デバイスごとにコンテンツの出し分けが可能
◆ 企業での導入実績
◆ 費用
- スタンダードプラン:初期費用40,000円/月額費用10,000円~ ※参考
◆ こんな企業におすすめ
- オウンドメディアの目的に会員登録や顧客育成などCRM要素が含まれている
- 日本語での手厚いサポートが欲しい
◆関連リンク
会員制サイトや掲示板サイト、さらにはECサイトまで構築できてしまうところがRCMSの一番の特徴でしょうか。情報コンテンツのみではないオウンドメディアをお考えであれば一考の余地があるCMSかと思います。
⑤ Ameba Ownd
個人向けブログサービス「Ameba blog」でおなじみの株式会社サイバーエージェントが提供しているサービス「Ameba Ownd」です。
◆ 特徴
- たった3ステップの作業で誰でも簡単にオウンドメディアを作ることができる
- SEOやOGPの設定は、Amebaの中のスペシャリストがAmebaブログで得た知見を活かして行っている
- WordPressやはてなブログからであれば、ブログのインポート機能を使って記事を一括移行させることができる
◆ 企業での導入実績
◆ 費用
- 無料ではじめられます。
◆ こんな企業におすすめ
- ビジュアルも良く見せられるブログ形式のオウンドメディアを構築したい
- 自社でサーバ等のインフラが整備できない小規模事業者(アパレル、美容室、飲食店など)
◆ 関連リンク
アメブロを更新するようなイメージで、手軽に更新が可能です。スマートフォンなどのデバイスからも運営可能なのでパソコンが置けないような小規模店舗などでも運用ができます。
その分、その他のCMSと比べると自由度は落ちますがこれで十分という方もいるのではないでしょうか。
⑥ Tumblr
アメリカで生まれたメディアミックス・ウェブログサービス「Tumblr」です。
◆ 特徴
- SNS的な機能も併せ持っており、Twitterのように他のユーザーをフォローしたり、リブログ(Twitterでいう「リツイート」)ができる
- アプリからでも簡単に記事の投稿が可能
◆ 企業での導入実績
◆ 費用
- こちらも無料で使えます。
◆ こんな企業におすすめ
- 国内だけで無く海外の消費者もターゲットにしている ※全世界でTumblrユーザーは推定2億人と言われています。
- デザイン性の高い商材や高級商材を扱っている
◆ 関連リンク
オウンドメディアの成功事例を知っておこう
これからオウンドメディアを本格的に始める方は、先人の成功事例を読んでおくと良いです。
コンテンツ制作の基本的な考え方から成功ノウハウまで、事例を分かりやすい漫画記事にしてみました。
ぜひ読んでくださいね。
▶︎【マンガ解説&事例50選】初心者向けに業界別オウンドメディア構築/制作/作成の成功事例まとめ
ドメインとか文字数って関係あるの?
オウンドメディアを始める方によく聞かれる質問として、以下の2点があります。
- 「どこのドメインに置けばいいか?」
- 「コンテンツの文字数は関係あるか?」
オウンドメディアを自社サイト or サービスサイトのドメイン配下に設置するのか、別ドメインで作るべきなのかという問題もありますね。 どちらもメリット・デメリットがあるので一概には言えないのですが、サイトのテーマ性を高め、既存サイトのパワーも高めるという意味合いでは、既存ドメイン配下に設置することをオススメしています。
ドメイン配下でもデザインテンプレートを全く別にして、別のサイトのように見せているような企業さんもあります。前述のぐるなびさんの「みんなのごはん」は本サイトのドメイン配下に存在していますね。もちろん「本サイトとサーバーを別にしたい」など別ドメインにしないとできないこともあります。ケースに応じて選択すべきでしょう。
あと「コンテンツは何文字くらいがいいのか?」というご質問も多くあります。 これは、「そのコンテンツを読んだユーザーが満足するのかどうか」という観点で考えてください。知りたいことがあって、解決したい悩みや問題があってコンテンツに来訪したユーザーが、その目的を達成して、満足して帰ってくれるかどうか。 500字で十分ならそれでいいですし、逆に1万字でも語りきれないこともあるでしょう。コンテンツの内容によって文字数は変わるのではないでしょうか。
とはいえ、何かについて詳しく語ろうと思ったら2,500~3,000字程度は必要な気もしています。またスマートフォンでのアクセスが大半になることを考えると「移動や待ち時間などのスキマ時間に読める分量」ということも意識するとそれくらいなのかなと思っています。
…ちなみにこのコンテンツは6,000字超ありますw
また、オウンドメディアを進める上で疑問点が出た場合は、ぜひ僕たちプロの経験を利用してください。
ミエルカでは30分無料相談会を実施しており、皆様の質問に直接お答えする機会を設けています。
オウンドメディアの戦略とCMSの特徴を照らし合わせてベストなプラットフォーム選定を
CMSと一口に言っても、それぞれ特徴は異なり、提供企業によって強みも変わります。特に後半に紹介したOwndやTumblrは自社ドメインでの運用ではないので、前述の通りでコンテンツを増やしていくことによるSEO効果は自社ドメイン内にコンテンツを置くよりも薄くなってしまいます。
今回は毛色が違うので除外しましたが、他にもCMSはたくさんあって、株式会社のれんが提供する「NOREN」や株式会社ジゾンが提供する「Heartcore(ハートコア)」といった大規模サイト向けのもの、Hubspot(ハブスポット)のようなマーケティングオートメーション的な機能も兼ね備えたCMSもあります。
☑︎ミエルカはハートコアさんと連携しました!:ハートコア連携リリースはこちら
中長期的な戦略として「なぜコンテンツマーケティングを始め、オウンドメディアを構築するのか」を明確にして、そのプラットフォームとなるCMSは慎重に選ぶべきでしょう。運用途中でCMSを移行するのは労力的にもコスト的にも大きな負担です。実際に運用している方の声も聞くなどして情報収集し、目的に合った納得のいくものを選択してください。
著者PROFILE
SFA導入コンサルからCRMベンダーのセールスに転身し、営業マネージャーに。その後Faber Company営業部長を経て、マーケティングを担うIMC部を設立。現在は執行役員として、ミエルカのプロダクトマネージャーやセミナー登壇などの活動をメインに行っている。
■ 講演実績:マーケティングアジェンダ/日経クロストレンドForum 他■Twitter:@tsuuky09