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オウンドメディアの目的やKPIは?運用担当者にインタビュー【3社直撃】

更新日:2023.2.14 公開日:2017.10.18

オウンドメディアやコンテンツマーケティングに関するノウハウは、調べればたくさんあるものの、やはり一番気になるのは「実際にどうなの?」という運用している担当者さんの本音。そこで今回は、実際にオウンドメディアを担当している3名の方にインタビューしちゃいました。

実際のオウンドメディアのKPI設計のやり方を知りたい方はこちらをどうぞ

オウンドメディアの適切なKPIとは?事例からみる運用フェーズごとの設定を解説

インタビューにご協力いただいたオウンドメディア運用担当者さんたち

Mさん:株式会社レアジョブ

RareJob English Lab( https://www.rarejob.com/englishlab/ )ご担当

Yさん:akippa株式会社

アキチャン( https://www.akippa.com/akichan/ )ご担当

Aさん:某食品メーカー

自社商品のブランドサイトとコンテンツ管理のご担当

オウンドメディアの運用体制は?

はじめに、運用体制について聞いてみましょう。

Mさん「編集部は社員1名パートさん1名です。外部のオウンドメディア支援会社にも、運営やコンテンツ制作に協力いただいています。コンテンツ制作については、主に外部のライターさんにお願いしていますが、編集部の社員が取材して記事を執筆することもあります。」

Yさん 「編集部は2名です。私が発行人といって編集長のような立場を務めており、メディアの方向性や企画を決めています。もう一人の社員が、その方向性に添って各記事の内容や構成を決めています。当社のサービスは、駐車場の予約サービスで駐車場は全国にあるため、記事数はとても多くなります。それら全国に渡る情報はクラウドソーシングなども活用し、その他に関しては元社員の外部ライターにお願いしています。」

Aさん 「食品会社なのでメニュー系のコンテンツは、社内で担当部署に作成してもらい、食品成分の解説を行う記事などは専門家の先生にお願いしています。会社全体として義務づけられているのが、発信する情報の粒度やメッセージングを揃えることです。そのため、コンテンツチェック専門の部隊も置いています。」

3人とも外部リソースも上手く利用しつつ、社内でも執筆しているのですね。また、コンテンツの信頼性を高めるためにも、専門家の支援も外せないです。オウンドメディアの運営においては、1~2人でやってるところがほとんどで、リソースは工夫しないとメディア更新もままならないかも。。

オウンドメディアの運用目的は??

では続いて、各社でどのようにオウンドメディアの目的を設定して運営されているかお聞きしたいと思います。

Mさん 「1つめは、英語に興味を持っている方にオンライン英会話やレアジョブを知ってもらい、レアジョブ英会話を使って英語学習をする人を増やすこと。2つめは、少し壮大になってしまいますが、英語を通して自分らしい人生のチャンスを掴んでもらうことです。『英語を手段にチャンスを掴む』というメディアコンセプトの通り、どうやって英語を習得するかだけではなく『英語を習得してどう活躍するか?』という観点での情報発信をしています。」

Yさん 「最終的なゴールは『顧客の獲得=駐車場の予約』です。今後は『ユーザー満足度の追求』という軸も追っていきたいと思っています。検索で上位表示されることに重きを置いていたところを、よりユーザーニーズに添ったコンテンツ制作に注力していきたいです。より多くの人の目に留まり、読んでもらって満足してもらうことで、当社サービスへのロイヤリティ向上につなげたいと考えています。」

Aさん 「当社の場合、オウンドメディア運営のゴールは『店頭に足を運んで商品を買ってもらうこと』です。そして、商品を買ってもらう前提として、『この食材を使ったこの料理を作ってみたい、食べてみたい』と思っていただく必要があります。そのため、メニュー系のコンテンツには特に力を入れています。」

レアジョブさんは直接の収益貢献だけではなくて、ユーザーの夢というか、ありたい姿までコンセプトに据えていらっしゃって素晴らしいですね。ほかのお二人もかなりユーザー目線で、ユーザーのココロを動かすことを意識されてるのだと思いました。

やっぱり気になる、オウンドメディアのKPI

上記のような目的の中、各メディアは何を指標として運用しているのか、そのKPIも教えてもらいましょう。

Mさん 「メディア全体としてはPVUU無料会員登録数を追っています。コンテンツ単位では、その目的に合わせて滞在時間やSNSのシェア数、直帰率など、異なる指標を置いています。」

Yさん 「1コンテンツごとに、検索順位想定される流入数を追っています。また、それらの評価全てを合計した〝オウンドメディア全体のSEOパワー〟も追っています。」

Aさん 「コンテンツで紹介したメニューを実施してもらうことが商品購入に繋げるためのサイトの役割であるため、メニューページのPVを追っています。メニューページのPVを上げるため、食品成分に関するコラム的なものなどメニュー以外の記事にも、必ずメニューページへのリンクは置いています。」

各社とも定量的な数値を設定されて運営されていますね。コンテンツ単位で見るべき指標を変える、というのは当社の提唱する「4つのチカラ」に通じる考え方だなと思いました。

社内でのプレゼンス。オウンドメディアは評価されているのか?

各社様々な想いで運営されているのですが、直接コンバージョンや売上に寄与しない分、社内で理解を得るのが中々難しいというお話も聞きます。みなさんの会社の中ではどう位置づけられていますでしょうか?

Mさん 「従来の広告とは異なりターゲットに自然な形でコンテンツを届け、認知を広げられることがオウンドメディアの価値だと思っています。最近では『メディアを使って何かできないか?』と社内で聞かれることも増え、ユーザーとコミュニケーションを取る手段として社内で認められている実感があります。また社員にも英語学習者が多いため『あのコンテンツが役に立った!』と、声をかけてもらうこともよくあります。」

Yさん 「会社として追うべき指標の中にオウンドメディアの数字も含まれているので、重要な取り組みという認識はされています。随時レポーティングされているので、売上に貢献しているとも理解してもらっているかなと。ただ、今後は売上向上だけでなくユーザーの満足度を指標として追っていくとなると、より息が長い取り組みになると思うので、非効率な施策だと見られないように理解を求めることが必要だと思っています。」

Aさん 「ユーザーに向けても、社内に向けても『Webサイトの役割とは何か』という問いは常に持っています。最近は営業職の方から『店頭の販促物にサイトコンテンツを二次利用したい』『チラシに掲載したサイトURLのアクセス分析をしてもらい、それをバイヤーにフィードバックしたい』といった依頼の声もよく貰えるようになり、役立つ情報や参考になるコンテンツが存在する場所として、オウンドメディアを認識してくれていることを嬉しく思います。」 各社とも社内で一定の理解を得られているようですね。社内からオウンドメディアを使って「●●できないか?」と言われるくらいになると社内プレゼンスも高まるのでしょう。発言力や存在感を出すためにも、まずはアクセスを稼ぎ、人の集まるメディアにしないといけないですね!

とはいえ、オウンドメディアにおける課題ってありますよね?

運用をもう少し掘り下げてお聞きしたいのですが、実際やっていて大変なことや課題などはありますか?

Mさん 「当社のオウンドメディアの果たすべき役割として『ユーザーと接触し、サービスの認知を上げること』と『認知してもらった人に実際にサービスを使ってもらうこと』の2つがあると考えています。前者については、検索やSNSで接触の機会をどう増やし続けられるかが課題であり、メディア全体とコンテンツ単位で最適化に向けた施策を実施していく予定です。後者についても、今後は内容だけではなくサイト設計も含めて、PDCAを回していく必要があると考えています。」

Yさん 「現状の課題は、月に150本以上のコンテンツを制作しながら1記事ずつ効果測定を行うことに、とても時間が掛かってしまっていることです。ダッシュボードツールなどを利用しつつ、運用の効率化を考えなければなりません。その他の課題としては、『(場所名)_駐車場』といったキーワードで検索をしている、ニーズがある程度顕在化したユーザーにしか接触できていないことがあります。もっとユーザーのお出かけニーズに寄り添う記事を増やして『アキチャン』というメディアのブランド力を高めていきたいです。」

Aさん 「商品ごとにブランドサイトを持っているのですが、よくコンテンツが見られているサイトとそうでないサイトがあることがわかっています。PV数の多いコンテンツの要因を分析して、見られるサイトづくりを進めていきたいです。その他の課題としては、担当者の育成問題があります。私自身、異動してきてはじめてコンテンツマーケティングという言葉について知り、勉強する中で予想以上に専門職であることに驚きました。今後は研修プログラムを作るなど、魅力あるコンテンツ制作を進められる担当者の育成体制を整える必要があると思っています。」

結構オウンドメディアは作りっぱなしになっているところも多いと思うのですが、各社とも「振り返り」と「改善」に課題がありそうですね。また社内体制構築(インハウス化)のご相談も多くいただくのですが、1人の編集長に依存しすぎるのもリスクだとすると、後継者や担当者の育成が課題にもなりそうです。

当社ではMIERUCAをベースとした、コンテンツ制作体制構築の支援もしておりますのでご相談くださいませ(宣伝)

―――Mさん、Yさん、Aさん、オウンドメディア運営の現状について色々お聞かせいただいてありがとうございましたm(_ _)m

オウンドメディア運用のリアルをまとめると…

実際にオウンドメディアを担当しているご担当にお話を聞きましたが、みなさんご自身と「同じことで悩んでいる、課題を持っている」と感じたのではないでしょうか。お話を聞いて思ったことは、

・意外と少人数(~3名)で運営している
・定量的な目標(PV、CVなど)と定性的(「好きになった」などの態度変容)な目標
・時間と工数が少なくてPDCAを回すところに課題あり

というところでしょうか。

コンテンツやオウンドメディアの役割は、企業の業種・業態によってさまざまです。当然ながら追うKPIや、抱えている課題も異なります。とはいえ、共通で悩まれるようなことも多いと思いますので、他社での取組事例を自社に取り込めるかどうか、取り込むならどう工夫するかを考えるキッカケになったなら嬉しいです。

最後になりましたが、ご協力いただきましたMさん、Yさん、Aさんに(心の中で)拍手をお願いします!!

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著者PROFILE

月岡 克博
月岡 克博(つきおか かつひろ)

SFA導入コンサルからCRMベンダーのセールスに転身し、営業マネージャーに。その後Faber Company営業部長を経て、マーケティングを担うIMC部を設立。現在は執行役員として、ミエルカのプロダクトマネージャーやセミナー登壇などの活動をメインに行っている。
■ 講演実績:マーケティングアジェンダ/日経クロストレンドForum 他■Twitter:@tsuuky09

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