SEOは大きく、内部施策・コンテンツ施策・外部施策の3つに分類されます。この中でも外部施策については、「何をすればよいのか?」と悩まれる方が多いのではないでしょうか。
外部施策というと、被リンク獲得の印象が強いかもしれません。しかし、実際にはそれ以外にも多くのアプローチがあり、第三者からの信頼・評価(SNSや口コミなどの言及)を積み重ねることで、サイトの価値を高めていく重要な取り組みです。
「具体的に何をするの?」「本当に効果があるの?」そんな疑問をお持ちの方向けに、ここでは外部対策の基本、内部施策との違い、代表的な5つの施策を解説していきます。

目次
SEOの外部対策とは
SEOの外部対策(外部施策)とは、自社サイトの外から評価を高めるための施策のことです。代表的な施策は、他のサイトからの「外部リンク(被リンク)」や、SNS・口コミなどでの言及です。

Googleなどの検索エンジンは、多くの人から紹介・引用されるサイトを「信頼性が高い」と判断します。つまり、外部リンクやSNSでの話題化は「信頼の票」として検索順位に影響を及ぼします。
ただし、外部施策だけ行っても効果は出にくいと考えられています。内部施策・コンテンツ施策でサイトの構造や内容を整え、外部施策で信頼を積み上げる。総合的な施策のバランスが、SEO成功のカギとなります。
※関連記事:
・【2025年版】SEOとは?5つのSEO対策をわかりやすく解説!具体事例も紹介
・外部リンクとは?被リンク・内部リンクとの違いやSEO効果・対策方法
SEO内部施策との違い
内部施策と外部施策はどちらもSEOに欠かせませんが、「サイトの内側を整えるか」「外側から評価を高めるか」という点で大きく違いがあります。それぞれの特徴を、次の表で整理してみましょう。
| 目的 | 自社サイトの構造・内容・HTMLを最適化して、検索エンジンに正しく理解させる | 他サイトや外部メディアからの信頼・評価を高める |
| 対象範囲 | 自社サイトの内部 (HTML構造、キーワード、コンテンツ、リンク構造など) | 自社サイトの外部 (被リンク、SNS、メディア掲載など) |
| 主な施策例 | ・タイトル・メタ情報の最適化 ・HTMLの最適化 ・サイト構造の改善 | ・被リンクの獲得 ・SNSでの拡散 ・外部掲載・プレスリリース |
| 評価軸 | ・コンテンツの専門性 ・利便性 ・クローラビリティ | 外部からの信頼性・権威性・人気度 |
| 効果の出方 | 比較的短期的に効果が見えやすい | 中長期的に信頼が積み重なることで効果が出る |
| 運用主体 | 自社内でコントロールしやすい | 他社サイト・外部要因が多くコントロールしにくい |
内部と外部では取り組む領域も性質も異なりますが、どちらも検索順位に影響する重要な要素です。外部SEOは他サイトの関与があるためコントロールしにくい面もありますが、適切な対策は可能です。次の章で具体策を解説します。
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SEO外部対策で目にする専門用語
この先の具体策にも登場する、外部施策用語の意味をまとめました。知らない単語がある方は確認しておいてください。
| バックリンク(被リンク) | 他サイトから自社サイトへ貼られたリンク。Googleは「第三者からの信頼」として評価する。 |
| サイテーション(Citation) | リンクなしでも、ブランド名やサイト名が他サイト・SNSなどで言及されること。 |
| メンション(Mention) | サイト全体の信頼度を示す指標。高いサイトからの被リンクほど評価されやすい。 |
| ドメインオーソリティ (Domain Authority) | サイテーションの一種で、SNSや記事内で自社名がテキストとして登場すること。 |
| アンカーテキスト | リンクが設定された文字列。リンク先の内容を示す言葉としてSEO評価に影響する。 |
| リンクビルディング | 被リンクを増やすための活動全般。自然リンクを得るためのコンテンツ設計が重要。 |
| リンクスパム | 被リンクを増やすための活動全般。自然リンクを得るためのコンテンツ設計が重要。 |
| リンクスクリーニング | 被リンクを分析し、不自然なリンクやスパムリンクを検出・整理する作業。 |
| リンク否認(Disavow) | Googleに「このリンクは評価対象にしないでほしい」と申請すること。スパム対策の一環。 |
| E-E-A-T | 「経験・専門性・権威性・信頼性」を評価するGoogleの品質基準。外部からの評価とも深く関係する。 |
上記用語はSEO外部施策を語る上で頻出する単語です。理解した上で次章の「具体策」で学んでいきましょう。
SEO外部対策の具体策5つ
検索エンジンからの信頼を高めるためには、「外部から自然に評価される仕組み」をつくることが大切です。ここでは、初心者でも実践しやすい代表的な外部対策を5つ紹介します。

1.リンクしやすい環境づくり
読み手のサイトやブログ・SNSで紹介されやすいように、リンクコピー機能やシェアボタンを設置しましょう。▼ 以下の画像が参考例です ▼

一次情報やグラフ、図解を含む信頼性の高いコンテンツは、自然に引用されやすくなります。また、有識者インタビューや取材記事など「引用したくなる情報源」を増やすのも効果的です。
2.業界サイト・ポータルへの寄稿・掲載
専門性の高い業界メディアやポータルサイトへ寄稿し、記事を掲載してもらうことで、信頼性の高い被リンクを獲得できます。また、企業名や担当者のプロフィールが掲載されることで、ブランドの権威性や専門家としての認知向上にもつながります。
特に、自社の得意なテーマ・分野に関する情報発信を定期的に行うことがポイントです。定期的に記事を公開することで、メディア側に「継続的に有益な情報を提供する企業」と認識され、紹介や取材の依頼が得やすくなる効果も期待できます。
3.プレスリリース・メディア露出
新サービスやイベントの告知や受賞情報だけではなく、一次情報に基づくコンテンツを作成し積極的にプレスリリース配信サイト(例:PR TIMES)で発信しましょう。例えば自社会員にアンケートを実施した調査結果や、取材コンテンツなどがおすすめです。

報道機関やメディアに取り上げられると、自然な形でリンクやブランド名が拡散されます。
プレスリリース配信サイトだけでなく、自社でもリリースメール配信リストを整備し、継続的にアプローチしていくことがおすすめです。
4.SNS・UGCでの言及を誘発(サイテーション対策)
SNSやブログで自社名が自然にポジティブな言及をされる「サイテーション」を増やすと、検索エンジンが信頼度を高く評価します。
レビュー投稿やハッシュタグキャンペーンなど、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を促す仕組みが効果的です。リンクがなくても、ブランド名の登場回数が多いほど認知度・評価向上につながります。
※関連記事:サイテーションとは?SEO効果の有無や被リンクとの違いも解説
5.被リンクのモニタリング・スパム対策
定期的にGoogle Search Consoleで被リンク状況を確認し、不自然なリンクをチェックしましょう。悪質なサイトからのリンクは、検索評価を下げるリスクがあります。
見つけた場合は「ディスアボウツール(リンクの否認)」でGoogleに無効化を申請します。

Googleサーチコンソールの「リンク」でリンク元ドメイン・ページを確認した上で、無効化したいリンク元ページをリスト化してアップロードします。

例えば、自分の前の担当者が過去にリンク売買を行っていた可能性もあります。否認すべきか検討するときは以下の記事をお読みください。
※関連記事:身に覚えがないスパムリンクが張られている、否認するべきか?
心配がある方は、SEOコンサルタントにリンクスクリーニングを依頼することもおすすめです。
以上、5つの施策は外部対策の基本を解説しました。
外部対策は、自社だけではコントロールしにくい分、地道な積み重ねが大切です。正しい方法で継続すれば、信頼性と検索評価の両方を着実に高められます。
次の章では、実施の際に気をつけたいポイントや注意すべきリスクについて解説します。
外部対策で注意すべきポイント
外部対策は、やり方を誤ると評価を下げてしまうリスクもあるため、注意したい点をまとめました。
不自然な被リンク購入やリンクスパムによるペナルティのリスク
Googleでは、リンクの売買や意図的なリンク操作を「リンクスパム」として禁止しています。一見手軽に見える「被リンクの購入」や「相互リンク営業」は、ペナルティの対象となる可能性があります。評価を下げるだけでなく、最悪の場合はリンクスパムによるペナルティを受けて検索結果から除外されるケースもあります。特にリンク購入は絶対に避け、リンク販売業者から営業を受けた際も、きちんとお断りするようにしましょう。
長期的な施策であるために効果検証が困難
外部対策は、短期間で成果が見えにくい施策です。被リンク数の変化は確認できますが、検索順位への影響を正確に測定することは難しく、評価が反映されるまでには時間がかかります。焦らず、1年〜3年といった中長期の視点で信頼・認知を積み上げていくことが大切です。
それでも外部施策が重要なのは、昨今のAI普及によって、誰でも一定品質のコンテンツを作りやすくなったためです。企業間のコンテンツ力の差が縮まりやすい環境では、サイト内部のコンテンツだけで差別化することが難しくなっています。
だからこそ、外部からの評価や紹介といった第三者の信頼を獲得する取り組みが、今後ますます価値を持つようになります。上司や上長にもこの特徴を理解してもらい、時間をかけて取り組む重要施策として認識・承認を得ておくことが大切です。
外部対策は専門性が高く、難しい
どのサイトからリンクを得るか、どんなコンテンツが引用されやすいか、どのリンクを否認すべきかなど、判断にはSEOの高度な知識が必要です。
もし社内で対応するのが難しい場合や、正しい方法に自信が持てない場合は、信頼できるSEO会社やコンサルタントに相談するのも有効です。専門的な分析や運用のサポートを受けながら、安全で効果的に外部対策を進めましょう。
SEO外部対策は「信頼を集めるための活動」
SEO外部対策は、単なるリンク集めではなく、自社やコンテンツへの信頼を少しずつ積み上げていく活動です。即効性はありませんが、継続することで検索エンジン・ユーザーの双方から評価され、長期的に大きな成果へとつながります。
内部施策でサイト構造整え、コンテンツ施策で検索者に必要な情報を提供し、外部施策で評価される。このバランスを意識しながら、コツコツと運用を続けていきましょう。
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