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2023年のSEOとは?最新動向を抑えた施策をプロが解説

更新日:2024.11.19 公開日:2022.12.23

SEOコンサルタントもしています大木です。今回は私から2023年のSEOを、2022年の振り返りと共にお話ししたいと思います。

2023年のSEO対策

2022年の話題の振り返り

2022年のSEO関連トピックをざっと振り返ってみたいと思います。2022年は年末にあった発表がいくつか話題になりました。ヘルプフルコンテンツシステムが日本語圏に及んだこと、リンクスパムアップデート、そしてEEATです。

また新たな兆候としてAI vs AIの動きも見られました。これは検索ランキングシステムの一部としてのAIと、コンテンツ生成ツールとしてのAIがどちらも発展してきたと言う事です。そして総括としてはSNSの影響をGoogleやYahoo!などの検索エンジンが大きく受けた年だったと言えます。いくつかかいつまんで振り返ってみましょう。

※基本的なSEO対策の方法はこちらをご覧ください。

ヘルプフルコンテンツシステム

ヘルプフルコンテンツシステムとはユーザーの期待に応え、満足度の高いコンテンツであるかどうかを判別する検索ランキングシステムの1つです。具体的にじゃあ何がユーザー満足度のシグナルとなるのか、というとそこは開示されていません。

ですが例えば

  • リンク
  • サイテーション
  • 検索クリック率
  • 滞在時間
  • 再訪率
  • SNS上のシェア数

などなどを総合的に機械学習している可能性があります。いずれにしても我々が考えるべきは「ユーザーが満足したかどうか」です。

参考:ヘルプフルコンテンツ アップデート対策としてコンテンツ削除は本当に効果があるのか?

リンクスパムアップデート

リンクスパムアップデートとはAIによるスパム防止システム「SpamBrain」の導入を指します。Googleはじめ様々なプラットフォームでは大量のスパムのデータを独自に所有しています。

その使い方は例えば「これらの特徴に何%以上当てはまるコンテンツや行動が見られればスパムとみなす」の様なもの。このスパムブレインも恐らく近しいものだと考えられます。疑わしいリンクは無効化されます。リンクスパムアップデートは2022年12月に実施されましたので、検索順位が大きく下がった場合はもしかしたらリンクの一部がGoogleによって無視された可能性があります。

E-E-A-T(ダブルE-A-T)

E-E-A-T(ダブルE-A-T)とは従来のGoogleの品質評価者ガイドラインで主な指標としていたE-A-Tを少し改訂したものです。E-A-Tとは

  • 専門性(Expertise)
  • 権威性(Authoritativeness)
  • 信頼性(Trustworthiness)

の頭文字をとったもの。そこに新たに「経験(Experience)」を加えてEEATとしたよ、という発表がありました。

要するに

  • 本当に経験したの?
  • 自分で買ったの?
  • 行ったことあるの?
  • 実際に自分で使ってみたの?

といった「語るにふさわしい経験をしているか」を問うもの。これは新しい概念ではありません。Googleの品質評価ガイドラインには最初からこのような評価指標は複数回登場しています。

またユーザー視点で考えてもごく当然ですよね。新しい概念としてのEEATではなく、表現を変えたぐらいに捉えると良いでしょう。経験者にしか分からない内容を織り込むことはより重要になってきていると言えます。

参考:【E-A-Tとは】EATを意識したSEO対策のススメ[動画解説]

ビジュアルコンテンツ

2022年、Google検索結果では記事ごとのサムネイル画像など、とにかく画像の差し込みが増えました。検索結果画面における画像の扱いは以前からも段階的に増えています。検索ユーザーからの反応がよほど良いことは明らかです。ビジュアルコンテンツはSNSでは大量に日々投稿されています。これらと検索エンジンは競合しているわけで、当然ユーザーもビジュアル要素の充実を求めます。そして検索エンジンも検索結果画面に画像を大量に差し込むことが増えています。

またGoogleレンズの画像検索とテキスト検索を組み合わせたマルチサーチ(multsearch)機能もリリースされました。ビジュアル起点の検索体験を提供していると言うことです。

この様な大きな流れが起こっているので、我々としてもぜひ乗っかりたいところ。今後はコンテンツにビジュアル要素を入れられるだけ入れていくことが重要です。

  • 行ってみた
  • 買ってみた
  • 作ってみた
  • 使ってみた
  • 食べてみた

など画像で説明するということですね。これこそ上記に挙げた「E-E-A-T」に新たに追加された「経験」を裏打ちするものであるとも言えます。このような情報があると画像検索SEO被リンク獲得にも繋がりやすいため大変お勧めです。

また動画も同じく重要です。2022年にはGoogle Search Consoleに動画のインデックス状況をレポートする「動画ページ」項目が追加されましたが、ページ内の関連動画の埋め込みも重要です。

ビジュアル要素を扱う上での注意点として、これらはもちろん関連性のあるビジュアルでないといけません。同じような画像を何枚差し込んでもインデックスされない事が増えているので注意しましょう。altタグも可能なら入れて下さい。キーワードは無理に入れるような真似はせず、その画像を簡潔に説明する方が良いでしょう。

参考:画像SEOの施策9選|altタグ設定やデータ形式、注意点も解説

AI(検索ランキングシステム)

2022年もGoogle検索ではAIが検索ランキングの裏側で大いに動いていたと考えられます。

主に4つあると言われており、

  • 言語の理解と生成を行うMUM
  • 意味を理解するためのBERT
  • 検索キーワードとコンテンツを理解し相互に関連づけるNeural Matching
  • 単語とコンセプトの関連性を理解するRankBrain

があります。検索者の意図をより深く理解し検索の満足度を少しでも上げるための仕組みですね。検索クエリ、コンテンツそれぞれ単語レベルで理解をしていると(理屈の上では)言えます。

実際に検索結果では明らかに検索クエリの一部が含まれていないWebページが上位表示されたり強調スニペットに選ばれる場面は数多く見かける様になりました。そのようなコンテンツの単語を一つ一つ折っていくと、やはり関連する専門用語などが豊富に含まれ、かつ文章として筋の通ったものである事が多いと感じます。

またどちらかというとテールワードの様な少しニッチなクエリで見られやすい現象の様にも見受けられます。

このような状況から言えるのは、より検索ユーザーを満足させるために考えられる全ての情報を、テキストやビジュアル問わず詰め込む事が重要と言う事。逆に関連しない情報は極力含まない、純度の高いものに仕上げるという事です。

AI(コンテンツ生成)

2022年に入りAIによる自動生成コンテンツってSEO観点ではどうなの?という議論が増えた様に思います。特にChatGPTが話題になりましたね。

GoogleはAI生成コンテンツを否定的に見ています。今後爆発的に増える事は既定路線と言えますし、今からその状況を想定しておきたい所です。今後はAIの自動生成コンテンツや人とAIの連携によるコンテンツが入り乱れて競争することになります。今から「AIを使った高品質なコンテンツ」を作ることに慣れておくことを推奨します。

AIは主にウェブ上のオープンなコンテンツを元に機械学習をします。一方でクローズドなコンテンツや、ウェブ以外の情報は人間が取得する方が早いです。役割分担としてはコンテンツの企画立案と一次情報取得、ビジュアル素材の調達などを人間が、残りのテキストを全てAIが担当すると言ったものになりそうですね。

また記事を書くライターなどはAIにどの様な命令構文を使えば意図通りのコンテンツが生成されるかの知見が今後は求められることになりそうです。

2023年のSEOで重要なこと

ここからは2023年のSEOの考え方をお伝えします。2022年に色々な話題が巻き起こったものの、SEOで2023年にやるべきことは大して変わりません。AIが発展したからと言っても、SNSの影響が拡大しているからと言ってもやはり考えるべきはユーザーの満足度が最優先。そして作ったコンテンツを広める努力をするということなどになります。戦術寄りの話にはなりますが、いくつか重要なものをピックアップしてみましょう。

良いコンテンツづくり

今のSEOは主に三部制で行う事が理想的です。前半戦がコンテンツ作り、中盤戦が広報、後半戦がリライトなどでフレッシュネスを維持する事です。まずは良いコンテンツを作ること。良いコンテンツの定義は年々変わります。

ヒントとなるのは2022年末にGoogleの発表で注目された「ヘルプフルコンテンツ」と「EEAT」の概念。

まずユーザーにとってヘルプフル(役立つもの)であるか、ユーザーの期待に応え満足できるものかどうかが最重要です。加えてそのコンテンツを語るだけの専門性や信頼性、そして経験があるのかどうか。なければ自身が専門家になるか、専門家の監修を挟むなどで対応したいところです。経験を示唆する上では画像や動画といったビジュアルによる説明を充実させる事も重要です。

参考:成功するコンテンツマーケティングとは? 手順、事例をわかりやすく、簡単に解説

広報活動

コンテンツは作って終わりではありません。今のSEOでは作った後に認知を拡大する事が必要になってきています。コンテンツを作ったらSNSなどで何度も繰り返しシェアする事が大事です。プレスリリースや広告を出稿しても良いでしょう。

  • とにかく人目に触れる
  • 思い出して貰う
  • 使って貰う
  • 買って貰う

などの回数をいかに増やすかが重要になります。そしてシェアしやすい、したくなる要素をコンテンツ内にいかに用意できるかも重要です。写真や図解、グラフ、表などはシェアされやすい要素でもあります。

細かい点で言えば、情報を要点だけまとめたものも拡散されやすい要素です。

例えば

  • 特定商材の「お買い物マップ」
  • 「引越し前のチェックリスト」と言ったリスト
  • 「化粧水の選び方3ステップ」と言った手順の解説

などですね。

フレッシュネス

フレッシュネスは新しさを指します。これはSNSの影響が強く、SNSのように最新情報に常に触れられるユーザーからすると、検索結果に最新情報がないことは大きな不満となりやすいのです。

もはやフレッシュネスを通り越してリアルタイム性が重要でさえある状況になりつつあります。例えばSNSで話題になったトピックはすぐに記事に反映し、インデックスのリクエストを送っておくぐらいでも良いかも知れません。

また最新情報だけでなく、記事は常に内容を改訂していきましょう。

  • 内容が正しいか
  • 分かりやすいか
  • 専門用語に注釈などは必要か
  • 使いやすいか
  • レイアウトは見やすいか

などなど「ユーザーが満足できるか」を基準に考えてみると良いです。

インデックス促進

2023年は引き続きインデックスさせる技術も必要になります。サイトごとのクロールバジェットとは別で、優れたコンテンツで溢れかえる現代ではインデックスがそもそもされづらくなってきています。

またインデックスされてもあまり重要でないと判断されたページはインデックスから削除される動きも増えています。

このようなことから、検索クローラーに発見されやすくする工夫が必要です。

  • XMLサイトマップには必ずURLを入れる
  • インデックスさせたいページへのより多くのリンクを検索クローラーに示す
  • 特に重要なページはサイト構造の上位階層(トップページやカテゴリトップなど)からリンクする

などを推奨します。

重要なページほど内部被リンクが多くなる「傾斜」の設計をできると良いです。これはGoogle Search Consoleで内部リンクの項目を見れば、重要な順に内部リンク本数が多いかどうか分かりますので、ぜひチェックしてみてください。

参考:【動画】インデックスとは?SEOの基礎、検索エンジンの仕組みを学ぼう

ライブ配信

ライブ配信は生放送のことであり、映像や音声をリアルタイムで届けるコンテンツの一つの形態です。

  • YouTubeライブ
  • インスタライブ
  • Twitterスペース
  • Tiktokライブ

など様々なプラットフォームがライブ配信機能を提供していますよね。5Gなど通信環境が整ってきた今ではライブ配信のハードルは下がり、需要は伸びています。

そしてライブ配信はSEOにおいてもかなり重要です。テキストだけとかショート動画だけよりも没入感が桁違いであり、そこから別のコンテンツに誘導したり何かを販売することに向いています。

要するに視聴者の態度変容が起こりやすく、「背中を押せる」コンテンツなのです。

で、ライブ配信の回数や延べ視聴者数などは、訪問数や被リンク数やサイテーションの数、指名検索数といったSEO関連指標にかなり相関します。要するに長期的に取り組めばSEOにも影響している、そんな施策ということ。今後数年でよりSEOとの連動が注目されると考えられます。

2023年のSEO総括

2022年のSEO界隈はAIビジュアル要素フレッシュネスなどの重要度が増した年だったと思います。記事内では書きませんでしたがGoogleが動画コンテンツをどの様に理解しているかが公式に明らかにされたこともありました。

フレッシュネスの重要性の高まりなどにも言えますが、検索エンジンはSNSと競合しており、SNSのリアルタイム性やビジュアルコンテンツの増加などがそのままGoogleなどの検索エンジンにも波及している状況です。ならばSEOではなくSNSに注力した方が良いのではという質問もよく頂きますが、必ずしもそうとは言えません。

というのもメディアには役割があるからです。SNSではより即時性が高く、コミュニケーションを取りやすく、互いにコネクトしやすい。

他方、検索結果ではロングフォームなコンテンツが好まれます。従ってSNSでまず情報の一部を知って貰い、深く知りたい人向けにロングフォームなコンテンツを提供するというメディアのプランニングができると良いかと思います。

本記事の著者
大木
大木
SEOコンサルタント・デジタルマーケター
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