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SEOとはどう違う?企業が動画オウンドメディアを作るときに押さえるべき観点

公開日:2022.12.02

どうも明坂です。企業で動画を活用したい、YouTubeやTikTokの動画メディアで情報発信したい、と考えていらっしゃる方はここ数年増加しているのではないでしょうか。実際私もYouTubeの戦略や企画を考えるのを手伝ってほしいと言われることがここ数年増加しました。

動画とはいえコンテンツの形式の1つにすぎないはずですが、過去行われてきたSEO的なコンテンツ制作やコンテンツマーケティングと何が違い、成功しないのであればその要因はなんなのか。本記事ではその内容を紐解いていきます。

SEOとはどう違う?企業が動画オウンドメディアを作るときに押さえるべき観点

明坂 真太郎

著者:明坂 真太郎 (あけさか しんたろう)

システムエンジニアとしてSIer、Webベンチャーを経て、2013年にリクルート入社し、デジタル領域のプロモーション全般を担当。2017年より株式会社テレビ東京で番組コンテンツにおける、マス、デジタルを横断したプロモーション・ブランディング等のマーケティング戦略・企画を担当。

動画メディアが伸びる背景

コロナ禍になって、最初に緊急事態宣言が発令されてから気づけば丸二年以上が経過し、多くの方の生活が新たな式用に変化しました。中でも大きく変化した行動の一つに、在宅時間の増加に伴いネット上のメディア利用時間が急拡大したということがあります。

主なメディアの平均利用時間
総務省データより引用。緩やかな成長だったネット利用時間が、令和以降大きく伸びている(https://www.soumu.go.jp/main_content/000765135.pdf

テレビ業界で働いている私が言うのもなんですが、テレビのコンテンツが面白いかどうかに関わらず、決まった時間に放送され、巻き戻しも早送りもできないテレビ(リアルタイム)放送は、好きな時に好きなように見られるネット上の動画と比べると不便です。

おうち時間の増加という生活の変化がなかったとしても、利便性という点で優れるネット上のコンテンツを視聴する時間が年々増加していたことは想像に難しくありません。

消費者側の変化だけでなく、コンテンツの提供者も増加しました。緊急事態宣言以降、わかりやすいところでは、多くの芸能人、お笑い芸人やスポーツ選手などが自らのYouTubeチャンネルを立ち上げ、現在も多くの方が継続してコンテンツを作り続けています。

コンテンツが増えれば視聴者もまた増えます。今後、飲食店の営業時間や音楽ライブなどイベントが以前と変わらない営業に戻ったとしても、これらの背景からネット上のメディア利用時間は減らないでしょうし、成長するネット動画メディアにコンテンツを投じていきたいと考える企業も増加して然りだと思います。

VOD利用
VALUES社の調査データより引用。2020年以降TVerやNetflix、Disney+などの動画サービスでユーザー数が大きく増加している。(https://manamina.valuesccg.com/articles/1667

自社オウンドメディアの落とし穴

「流行っているみたいだから、You Tubeチャンネルやりたい!」

その行動力は素晴らしいのですが少し待ってください。2015年ごろにあったオウンドメディアブーム、当時多くの企業がオウンドメディアとして自社でメディアを立ち上げましたが、その後更新が停止されたものも多くあります。

もちろん「となりのカイズさん」や「SUUMOジャーナル」など現在も継続して活動され支持されているメディアもありますが、その成功と失敗の差をポイントとして理解し、戦略を持って事に当たらなければ、また同じことが繰り返されかねません。

となりのカイズさん
となりのカインズさんより引用(https://magazine.cainz.com/

SUUMOジャーナル
SUUMOジャーナルより引用(https://suumo.jp/journal/

念のためオウンドメディアの定義を確認しておきますが、広告料などを支払わず、無償でコントロールできるものはオウンドメディアです。自社のWebサイトはもちろんのこと、自社で運営しているSNSアカウントもまたオウンドメディアです(SNSごとの規約や、何かしらの影響によりアンコントローラブルになる可能性はあります)。ネット上だけでなく、たとえばリアルの店舗や、はたまた新聞社にとっては自社が発行する新聞もオウンドメディアと言えます。

オウンドメディアの基本はこちら:
https://mieru-ca.com/blog/tag/ownedmedia/

昨今、多くの企業がWantedlyで自社のストーリーや社員インタビューを公開し、採用広報を促進させたり、他にもnoteに企業名で記事を投稿したりしています。そういった意味では、企業によるオウンドメディア活用機会自体は拡大し、当たり前になりつつあるとも言えます。

前述した企業による運営メディアにせよ、Wantedlyやnoteにせよ、継続している背景にはしっかりと企業としての目的があり、かつ利益を生んでいる、または投資に値すると判断されているためです。当然YouTubeチャンネルというオウンドメディアを運営するにあたっても、どのような価値を生み出すのか定める必要があります。

動画オウンドメディアの目的設定

さて、それではどのような目的設定が適切でしょうか。思いつくままに羅列してみると、既存製品の売上拡大、認知獲得、顧客コミュニケーション、収益メディア化、ブランディング、採用広報などがあると思います。このままだと目的や顧客の状態が入り乱れている状態なので、整理して以下のようにしてみます。

動画オウンドメディアの目的設定

SEOにおけるコンテンツ制作についても、カスタマージャーニーごとのクエリを洗い出し、検討プロセスに沿った課題の解決策をコンテンツとしてアウトプットしていく必要がありますが、考え方としてはそれと大きく相違ありません。

カスタマージャーニーマップ
テンプレートダウンロード

ビジネスや製品の特性によって、どの部分に注力するべきかも様々です。例えば、とてもニッチな工業製品を販売する企業であれば、多くの人からの認知を獲得しても、そもそもの対象となる顧客が少ないので、認知獲得より理解促進や顧客サポートのコンテンツのほうが相対的に重要になるでしょう。

また、求人や不動産メディアなど、他社との差別化がし辛いコモディティなサービスにおいては、より多くの認知や興味喚起、はたまたメディアとしての継続利用を促し、利用ニーズが発生したタイミングで想起してもらえるよう接触頻度を上げる、と言った目的設定が必要です。

動画の強みと弱みを理解し、中長期的に育てる

動画には、テキストでは表現できないような機微も含め、多くの情報量を得ることができることや、文字を読むことに頭を向けずとも受動的に情報が得られるといった強みがあります。

情報の深さや受け取れる人の広さ、共にテキストよりも秀でた部分がある一方で、構成、カメラ、画面の構図、カットの仕方からテロップの入れ方などなど、制作またはディレクションにおいて多くの知識が必要です。やる気があれば自社内で担当者にスキルを身に着けてもらってもいいですが、PremiereProやFinalCutProをはじめとする動画編集ソフトを使いこなせるようになるにも一朝一夕にはいきません。

かと言って制作部分を外注したとしても、相応にコストがかかります。動画コンテンツを作るのはテキストコンテンツを作るより大抵の場合、大変なわけです。

制作に大きなコストが掛かる以上、それに見合ったリターンを予め定義し、投資対効果が合う計画が作れていなければ、前述したブーム時のオウンドメディアのように運営を継続することはできません。目的と投資対効果を定めたうえで、さらにはSEOと同じく中長期的な目線でコンテンツを育てていく計画が必要です。

You Tubeのアルゴリズムを理解する

企業が動画オウンドメディアとしてYouTubeチャンネルを運営する上で、重視するべき指標は何でしょうか。再生回数、チャンネル登録数、平均再生時間、CTRなどが主な指標としてあります。

You Tube SEO(VSEO)についてはこちら:
YouTubeのSEO施策を完全網羅で解説 ~アルゴリズムの傾向、キーワード選定法、ユーザーに好まれる動画の作り方について~

動画コンテンツの目標を仮に認知獲得とした場合、一人でも多くのターゲットにリーチをしたいので再生回数をKPIとして追いたいものです。再生回数を増やすためには、表示回数を増やさないといけませんが、チャンネルを作成したてでチャンネル登録者0の場合、ひとりでに表示回数が増えることに期待はできません。

例えば、既存のSEOプロセスと同様に、YouTube上での検索ニーズが存在するテーマの動画を作り、検索ユーザーに露出させていくこと。あるいは、既存顧客とメルマガやSNSでコンタクトできるなら告知を流していく、といった施策を講じることが重要です。

Google検索において、価値が高いとアルゴリズムが評価したコンテンツがランキング上位表示されるのと同様に、YouTubeにおいては、平均再生時間が長いコンテンツが視聴者を満足させていると判断され、レコメンドや関連動画にてより多く表示される傾向があります。

YouTubeチャンネルでの指標

大抵のデジタル広告において表示回数が増えれば増えるほど、ターゲティングがゆるくなり、CTRが下がる傾向にあります。同じように、YouTubeのアルゴリズムにおいても、表示回数が増えれば増えるほどCTRや平均再生時間は低下します。表示回数が拡大してもなお高い平均再生時間を出すポテンシャルを持った動画、つまりはマスに受ける動画が必然的にレコメンドされやすくなります。

チャンネル登録者数もまた重要な指標として注目されがちです。チャンネル登録者は一度そのチャンネルのコンテンツに触れ、購読する判断をしているため、チャンネル内の他の動画がレコメンドされやすかったり、新たな動画が優先的に表示されたりします。

表示回数の増加につながることはもちろん、一見の視聴者よりCTRも高くなりがちであるため、チャンネル登録者数はベースとして一定の再生数に変わる指標とも言えます。もし、多くの人にリーチして視聴してもらうことを目的とするなら、またはメディアとして継続的にコンテンツを視聴してもらおうとするなら、CTRや平均再生時間や再生からの登録率を向上させるため、企画、構成、サムネイルなどを日々PDCAすることが重要です。

ビジネスと親和性のあるコンテンツ企画

動画というフォーマットに対する強みと弱みについて前述しましたが、テキスト、動画といった差はあれどコンテンツです。何かしら視聴者が視聴時間を投じるに値するアイデアがなければいけません。

YouTubeというと様々なエンタメ企画やチャレンジをするバラエティ的なYouTuberをよくニュースなどで目にするので、エンタメ要素が必要かと思ってしまいがちですが、狙って面白いものを作り続けるのはプロでも簡単なことではありません。うまく企業の強みを活かしたコンテンツを企画する必要があります。

以下にて例を出しながら考えてみます。

1.人気フォーマットとかけ合わせ、エンタメに昇華

「有隣堂しか知らない世界」は、神奈川を中心に東京などで約40店舗を展開する書店チェーンの有隣堂が運営するYouTubeチャンネルです。

有隣堂しか知らない世界
有隣堂しか知らない世界:https://www.youtube.com/@yurindo_yuseka

チャンネル名からもわかる通り人気テレビ番組「マツコの知らない世界」よろしく、書店ならではの書籍や文具、雑貨などのマニアックな知識を元に、商品を実際の書店員が紹介します。

ポイントは、ただ既存の番組フォーマットを転用するだけでなく、マツコさんのポジションをブッコローというミミズクのキャラクターが担っていることです。マツコさんと同様に歯に衣着せぬ毒舌で書店員の方と掛け合う様子は、以前テレビ神奈川で放送していたsaku sakuという人気番組の雰囲気にも通じるところがあり、2022年11月時点で18万人以上のチャンネル登録者がいます。

2.専門性の強みを活かした検証企画

「ホルモンしま田」チャンネルは、群馬県の焼肉屋さんが運営するチャンネルです。

ホルモンしま田
ホルモンしま田:https://www.youtube.com/@yurindo_yuseka

料理を作る風景、レシピの紹介など、料理をテーマにしたYouTubeチャンネルは多くあり、人気のジャンルです。このチャンネルは「味の素」「一味唐辛子」「わさび」など様々な調味料で1ヶ月熟成肉を作ったり、様々な粉を使って唐揚げを作って食べ比べるといった、肉の専門家ならではの検証・実験企画を多く行われています。

料理自体は誰でも行えることかもしれませんが、日頃から肉を扱っているプロフェッショナルが行っているということで、一段引き込まれるものがありますし、実験の工程も厳密で、飲食店としての信頼感も垣間見えます。

3.仕事風景をそのまま出す

「詰まり抜き王子」チャンネルは、名古屋にある排水管洗浄、詰まり抜きなどのサービスを提供するスカイウォーカー株式会社が運営するチャンネルです。

詰まり抜き王子チャンネル
詰まり抜き王子:https://www.youtube.com/@TumarinukiOuji

詰まり抜きとは、台所やトイレなどの下水を流す排水管がゴミや油などによって詰まってしまうことがあり、詰まりをマンホールなどから高圧洗浄の管を入れて開通させるといった作業です。

その作業風景を大きな編集や演出なく公開しているのですが、多く再生されている動画で200万回以上、チャンネル登録者は5万人以上います。

この例で述べたいことは、普段業務で行っている些細なことにもコンテンツ力は秘められているということです。詰まり抜きをしている風景がそのままコンテンツになると思う方がどれだけいらっしゃるでしょうか。しかし、たしかに見てみるとなんとなく怖いもの見たさというか、開通したときのすっきり感があります。

上2つで出した例とくらべ、巧みに設計された企画で作られているコンテンツではありませんが、それでもこれだけ登録者がいれば、愛知県で排水管詰まりが起こった際にこのチャンネルを想起して仕事の依頼につながることもあるのではないでしょうか。

高いエンタメ力や企画力がなくてもヒットコンテンツは作れるという発想は、常に頭に入れておきたいところです。

このコンテンツの何が魅力なのか、要素を分解して考える

私も仕事柄、普段からいろいろなコンテンツを自ら視聴・体験しますし、さまざまなコンテンツのファンと触れ合ったり、どのような部分に価値を感じたり、期待しているのかインタビューしたりすることも多いです。

視聴者の話を聞くなかで、多くのファンがいるような人気コンテンツには、人気コンテンツたりえるコンテンツの強みがあり、視聴者の中でコンテンツに対するブランドがしっかり形成されていることが多くありました。

コンテンツの強みとは

動画におけるコンテンツの強みは、分解すると情報の価値と映像の魅力に分けられるのではないかと私は思います。SEO向けのコンテンツは、どちらかというと左側の情報の価値にフォーカスした、課題(検索ニーズ)の解決コンテンツが多いと思いますが、映像においては右側の演出や出演者から伝わる雰囲気もまた、重要になってきます。

情報の価値と違って模倣や価値再現が難しく、映像制作の難しさにはなりますが、多くのヒットコンテンツをインプットし、理解していくことで生み出せるものもあるのではないでしょうか。

SEOについてはこちら:正しいSEOとは?5つのSEO対策とチェックリスト

ビジネスの目的に沿ったチャンネル戦略を

今回挙げた例は、認知獲得や商品販売におけるプロモーションや、収益メディア化と言った目的で運営されているものであったため、動画の再生数、チャンネル登録数が多いものをあげました。

しかし、オウンドメディアの目的はプロモーションだけではなく、既存顧客のサポートやファンとのコミュニケーションもまた重要な目的の1つです。

人材関連のサービスを提供するエン・ジャパンでは、広報の方が社員へのインタビューやインターンのカリキュラム紹介などを行うYouTubeチャンネルを運営されています。テキストよりも更に雰囲気が伝わりやすい動画というフォーマットが活かされており、こういったインナーブランディング、採用広報目的で運営されるオウンドメディアも今後増えるのではと思います。

しみねーのWelcome!エン・ジャパン

SEOにおいてもそうですが、コンテンツは一朝一夕に結果が出るものではなく、戦略を立てた後に半年、1年と時間をかけて成長させていくものです。であるからこそ、目的や投資対効果が不明瞭であると継続性がありません。ビジネスの目的に沿ったゴールを見据え、視聴者にもビジネスにも価値のあるコンテンツ制作に取り組まれるのがよいのではないでしょうか。

Faber CompanyではWebサイト改善の無料相談も受け付けています。ユーザービリティ向上についても承っていますので、お気軽にご相談ください。

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著者PROFILE

明坂 真太郎  (あけさか しんたろう)
明坂 真太郎 (あけさか しんたろう)

システムエンジニアとしてSIer、Webベンチャーでのキャリアを経て、2013年にマーケターとしてリクルートへ入社。タウンワークをはじめとした求人メディアのデジタル領域における集客プロモーション全般を担当。
2017年より株式会社テレビ東京(株式会社テレビ東京コミュニケーションズより出向)。総合マーケティング局に所属し、テレビ東京の番組コンテンツにおける、マス、デジタルを横断したプロモーション・ブランディング等のマーケティング戦略・企画を担当。

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