パンくずリストはWebサイトに訪れたユーザーがサイト内のどこにいるかを表したもので、SEO対策においても重要な役割を果たします。本記事では、パンくずリストとは何か、メリットや設置場所など詳しく紹介します。
目次
- 1.パンくずリストとは?
- 2.パンくずリストの種類
- 3.パンくずリストを設置するメリット
- 4.パンくずリストの設置場所はページ下部でも問題ない?
- 5.パンくずリストを設置する際の注意点
- 6.パンくずリストを用いた改善事例
- 7.まとめ
パンくずリストとは?
パンくずリストは、Webサイトに訪れたユーザーの現在閲覧しているページがサイト内のどこなのかをわかりやすく表示したものです。具体的には以下のようなものです。
画像出典:ミエルカジャーナル
パンくずリストはサイトの上部に設置されることが多いです。パンくずリストを設置することで、ユーザーがサイト内のどのページにいるか把握できるので、ユーザーの利便性向上が期待できます。また、SEO対策においても重要な役割を果たします。パンくずリストを設置すべき場所やメリットについては後に詳しく説明していきます。
パンくずリストの由来は、童話「ヘンゼルとグレーデル」と関係があります。「ヘンゼルとグレーデル」では、主人公の兄弟が道に迷わないためにパンくずを置いていったというエピソードがあり、Web上でも同じように、ユーザーがサイト内で迷子にならないために、ユーザーが辿ってきたページを示すものを「パンくずリスト」と呼ぶようになりました。
パンくずリストの種類
パンくずリストには、主に3つの種類があります。
①位置型パンくずリスト
②属性型パンくずリスト
③パス型パンくずリスト
位置型パンくずリスト
位置型パンくずリストは最も一般的なパンくずリストで、ユーザーの現在地を表すものです。位置型パンくずリストは、そのページへの辿り着き方が異なっても、辿り着いたページが同じであれば表示されるパンくずリストは変わりません。
上記の例ですと、
ユーザーA:「ミエルカTOP>ミエルカジャーナル>SEO」
ユーザーB:「SEO」
というサイト内行動をとっており、辿り着いたページは同じです。
この場合、目的とするページへの辿り着き方は異なりますが、表示されているパンくずリストは変わっていません。ユーザーが訪問したページがどのカテゴリで、どの階層なのかという現在地の把握が確認できます。コンテンツやサイトの階層構造が多いサイトによく使われています。
属性型パンくずリスト
位置型とは異なり、属性型パンくずリストはユーザーによって表示されるパンくずリストが変化します。
上記の例ですと、
ユーザーA:「中古車>200万円以下の中古車」
ユーザーB:「中古車>7人乗りの中古車」
というサイト内行動をとっており、辿り着いたページは同じです。
上記は中古車販売のサイトですが、ユーザーAは中古車の中でも「200万円以下の中古車」を探して、「ヴェルファイア」という車種に辿り着きました。それに対し、ユーザーBは「7人乗りの中古車」を探して、「ヴェルファイア」という車種に辿り着きました。
このように、両者は同じページに辿り着きましたが、過程は異なります。
属性型パンくずリストは、最終的に閲覧しているページにどのような過程で辿り着いたかを示すものです。つまり、ユーザーによってパンくずリストは異なります。検索フィルターのような役割を担っているため、ECサイトや不動産のサイトなどによく使われています。
パス型パンくずリスト
パス型パンくずリストはWebサイトで見られることが少ないパンくずリストです。これは単純に、ユーザーが閲覧したページの履歴を表しているパンくずリストだからです。
パンくずリストを設置するメリット
パンくずリストを設置するメリットは2つあります。
①SEOに好影響を及ぼす
②ユーザーが使いやすいサイトになる
SEOに好影響を及ぼす
パンくずリストを設置することはSEO対策においても重要です。なぜなら、自分のサイトの中身を検索エンジンがクローリングしやすくなるからです。クローリングとは、Googleの検索エンジンロボットである「クローラー」がWebページを巡回してコンテンツの内容を認識することです。
最新のSEOを学ぶなら:正しいSEOとは?5つのSEO対策とチェックリスト
そもそも検索の仕組みは、検索エンジンが
①クローリング(コンテンツの認識)
②インデックス(クローリングした情報を整理整頓してデータベース化)
③ランキング(検索結果の表示)
という流れで行われます。
画像出典:検索エンジンとは|Googleの仕組みや上位表示を目指すSEO対策を解説!
適切なパンくずリストを設置することで、検索エンジンに対して、サイト内にあるページの論理的な階層構造を伝えることに役立ちます。コンテンツが階層構造で伝わり、クローリングしやすくなることに寄与します。
ユーザーが使いやすいサイトになる
パンくずリストを設置することで、ユーザーが使いやすいサイトになります。なぜなら、ユーザーは目的としているページに素早くアクセスできるからです。画像出典:ミエルカジャーナル
たとえば、ユーザーがTOPページではなく、SEOというカテゴリのページに来たとします。しかし、SEOというカテゴリで求めていた情報がなければ、ミエルカジャーナルというカテゴリに戻り、再度探し直すことができます。
このようにパンくずリストがあれば、自分がサイト内のどこにいるか、そのページがどのカテゴリなのかを視覚的に理解でき、ユーザーは興味のあったページを素早く辿り着けます。
パンくずリストの設置場所はページ下部でも問題ない?
パンくずリストの設置場所はSEOに影響しません。パンくずリストはページ上部に設置することが多いですが、ページ下部に設置しても問題はないです。
なぜなら、Googleはパンくずリストを
①クロール対象の内部リンクの発見
②リッチリザルト
という2つの目的で利用するからです。
リッチリザルトについての詳しい説明はこちらの記事で解説しています。
また、スマホ向けページでは、ページ下部に設置することをオススメします。スマホはPCよりも画面が小さいので、ページ上部にパンくずリストを置くと、伝えたいメインのコンテンツが下に下がってしまうからです。そうすると、知りたい情報に辿り着くまでに時間が掛かり、ユーザー体験を悪くしてしまいます。
パンクズリストの設置場所に関する詳しい説明はこちらの記事で解説しています。
パンくずリストを設置する際の注意点
パンくずリストを設置する際に意識してほしいポイントは以下の2つです。
①サイト内の階層構造をわかりやすくする
② パンくずリストの中にSEOを意識したキーワードを含める
サイト内の階層構造をわかりやすくする
階層構造をわかりやすく設計しましょう。理由はサイト内コンテンツの内容、場所、量を検索エンジンに伝えるためです。また、わかりやすい階層構造は、ユーザーにとってもサイトの使いやすさにつながります。
画像出典:内部リンクとは?【SEO専門家監修】最適化のコツや注意点
上記のように階層構造を意識すると、関連するページのつながりを伝えることができます。
パンくずリストのアンカーテキストはSEOを意識する
パンくずリストのアンカーテキストはSEOを意識しましょう。なぜなら、アンカーテキストのキーワードはユーザーにも検索エンジンにも、ページを理解させる役割があるからです。アンカーテキストとはリンク内に表示されるテキストのことです。下記の場合、「ミエルカTOP」「ミエルカジャーナル」「SEO」というテキストのことです。
ここで注意してほしいのが、無理矢理SEOキーワードを入れないことです。重要なのはそのキーワードがユーザーの閲覧に役立つかどうかです。ユーザーのことを最優先で考え、可能であればキーワードを含めましょう。
パンくずリストを用いた改善事例
パンくずリストを改善した結果、1年で売上3倍、過去最高益を叩き出した中古トラックECサイトの事例を紹介します。中古トラック専門のECサイトで、充実したトラック関連のコンテンツはあるものの、「中古トラック」のキーワードで常にGoogle検索結果の2ページ目にいました。
そこで弊社は、ユーザーニーズに合わせたパンくずリストを設置することを提案しました。具体的には、ユーザーがどのように中古トラックを選ぶのかをヒアリングし、現在のパンくずに含まれる「地域名」を取り除き、「モデル名」を追加しました。これは、ユーザーの利便性を考えた時にサイズや車種がわかるモデル名の方が重要だったからです。
その結果、検索順位も上がり、施策を始めて約1年後の12月、売上は前年同月比3倍以上(323.2%)に達し、過去最高益を達成しました。
まとめ
本記事では、パンくずリストについてご紹介しました。パンくずリストは、ユーザー・SEO対策にとって重要な役割を果たします。
パンくずリストを設置する際は、ユーザーのことを最優先で考え、可能であればSEOを意識したキーワードを含めましょう。是非、パンくずリストを用いて、サイト設計をおこなってください。
著者PROFILE
国内最大手美術品オークション会社で営業職を経験の後、FaberCompanyに加わる。現在はカスタマーサクセスチームで、MIERUCAを活用した企業の課題解決を支援している。スパイ映画とウィスキーが好き。