株式会社JTBパブリッシング様に導入理由と活用ポイントをインタビューしました
2019.10.24
市ヶ谷に本社を置く株式会社JTBパブリッシング様は、2018年8月にミエルカヒートマップを導入し、同社が運営するWebメディア「るるぶ&more.」のスポンサード記事の効果測定、新規提案に活用しています。この度はミエルカヒートマップチームの岡本が、デジタルコミュニケーション事業部の荒川真澄氏、中山弘毅氏、菊川愛理氏に導入理由や活用のポイントをインタビューしました。
(以下、発話は敬称略)
JTBパブリッシング様のご紹介
メディアプロモーションチーム マネージャー 荒川真澄氏
営業チームの統括、代理店の新規開拓、協業の提案を担当
荒川:弊社の事業ドメインは「旅行・ライフスタイル情報サービス」です。代表的な出版物はガイドブックの「るるぶ情報版」。こちらは世界で最も発行点数の多い旅行ガイドシリーズとしてギネス世界記録TMにも登録されています。旅行ガイドの他にも、鉄道・アウトドアなどに代表される趣味の分野、こども向けの知育教材といったライフスタイル情報を幅広く取り扱っています。出版事業の他に、もうひとつの柱となっているのがソリューション事業です。地方自治体や企業の皆さまが抱えている課題を、弊社の企画力・編集力はもちろん、JTBグループのネットワークを活かした提案によって解決しています。その中でも、「るるぶキッチン」は他社にはない弊社ならではのメニューのひとつです。
岡本:「るるぶキッチン」はどのようなソリューションなのでしょうか?
荒川:「るるぶキッチン」は、弊社が運営しているバルスタイルの飲食店です。全国の自治体・企業の皆さまが訴求されたい食材を用いたメニューの提供や、イベントを実施することで、食を通じた地方活性化をお手伝いさせていただきます。弊社では「るるぶキッチン」を書籍やWebに続く第3のメディアに位置づけており、本とWeb、そしてリアルな店舗を立体的に組み合わせたソリューション提案をしています。
ご紹介が最後になりましたが、近年最も力をいれているのはデジタルサービスの領域で、2018年度は「るるぶ&more.」「るるぶkids」という2つのメディアを立ち上げました。このうち、「るるぶ&more.」でミエルカヒートマップを活用させていただいております。
Webメディア「るるぶ&more.」の特徴
中山:「るるぶ&more.」は20代、30代の女性に向けた旅とお出かけ情報メディアです。「かわいい!きれい!真似したい!」というコンセプトのもと、昨今その世代がやっているSNS映えを意識して、写真のクオリティに気を使ったコンテンツづくりをしています。記事の内容も旅行だけではなく、日常的にるるぶのコンテンツに触れてもらうため、週末や会社帰りに「今週末はどんなフェスがやっているのかな?」と調べたくなるような情報を中心に紹介しています。SNS映えを意識しているためか、スイーツやカフェ、タピオカなどが特に人気のコンテンツで、トレンドに敏感なユーザーに注目されているメディアです。
岡本:記事を拝見しましたが、どれも目をみはる写真ばかりでした!
「るるぶ&more.」のコンテンツ紹介
導入前の課題
中山:主な導入理由は「クライアントへの新しい報告指標が欲しかった」でした。
岡本:「報告指標」ですか?
事業戦略チーム 担当マネージャー 中山弘毅氏
Webサイトを横断したデータマーケティングを担当
中山:ミエルカヒートマップの導入以前は、GoogleアナリティクスとGoogleタグマネージャーで取得した読了率を計測していました。しかし数値だけなのでわかりづらく、記事範囲を厳密に指定してデータ取得をしていなかったため、指標として活用が難しかったです。ある時、「読了率がきちんと取れる媒体であれば申し込みます」という案件が発生したのをきっかけに上席に掛け合ったところ「ツール導入が営業活動の手助けになるなら」と了承を得たのがスタートでした。また、「るるぶ&more.」は2018年4月に立ち上げたばかりの新しいメディアでしたので、PV数やユーザー属性など、広告営業において他社メディアに引けを取る部分がありました。そこでPV数やクリック率の他に報告できる新しい指標がないかと考えていた中、読了率と熟読率を含めたヒートマップを報告指標に用いて、他社メディアとの差別化を図ろうと考えました。
皆さまのヒートマップ活用方法
中山:「長すぎる記事の下の方は読まれず、下の方のリンクはクリックされないのでは?」。これはクライアントや広告主、代理店、私たち制作側に共通する悩みです。このような不安を払拭するため、同じようなボリュームの記事を過去事例として用い、納得していただくために一役買ってくれています。ヒートマップが含まれていることをお申し込みの条件にされる方もいらっしゃいますので、当時のタイミングで導入して良かったです。
メディアプロモーションチーム 菊川愛理氏
広告営業として記事内容の提案から校正、ミエルカヒートマップを活用したレポーティングを担当
菊川:私は主にスポンサード記事のレポート用に、読了率と熟読率の分析に活用しています。同様のデータはGoogleアナリティクスでも確認できますが、クライアントのリテラシーも様々なので、誰が見ても直感的に理解できるように、画像でダウンロードしたミエルカヒートマップのデータを切り貼りして、PV数や熟読率の数値変化の原因と改善提案をまとめたレポートにしています。「この記事では画像内に数値を入れたものがよく読まれていたので、次はその数値を活かした切り口で記事を書いてみませんか?」のように提案に活かしています。
岡本:色と数字の直感的なデータなので、誰が見てもわかりやすいですよね。
菊川:「こういうものがあるんだ!」と興味深く見ていただける方もいらっしゃいますね。提案時の資料でご紹介すると好感触です(笑)
中山:ヒートマップデータは非常に興味深く、クライアントも注目します。しかし「データから何を見るか(読み解くか)を最初に捉えておかないと「楽しい」だけで終わってしまいますよね。そこで私たちは、「発信者が訴求したいポイントがきちんと熟読されているか」をまずチェックします。また、記事内に店舗ページへの遷移を目的としたリンクがあれば、その周辺の熟読率におかしな現象が発生していないかも見ています。
岡本:「おかしな現象」ですか?
中山:例えば、熟読率が高いエリアのボタンのクリック率が極端に低いなどです。単にリンクボタンが目立っていない可能性もありますが、リンクボタン前後の文脈の関連性に改善の余地があると判断できるので、再検討の材料にしています。
岡本:非常に興味深いです。
中山:このように見れば「記事の下の方にあるリンクは押されないのでは?」と悩むクライアントに安心してもらえます。
岡本:その他にも活用のポイントはありますか?
中山:参照元や流入元によるユーザー行動の変化は注目したいポイントです。弊社のSNSアカウントやサイトを経由して記事に流入したユーザーと、自然検索やクライアントのメルマガ、広告経由で流入したユーザーによる数値の変化を抑えていきたいです。
岡本:その通りですね。ファーストビューでの離脱率など、流入元によってユーザーの動きに大きく差が出ている印象を受けます。荒川様はどのようにご活用されていますか?
荒川:スタッフがまとめてくれた内容を見て、最初に狙った通りの記事訴求ができているか、ヒートマップデータを一つの結果として照らし合わせています。例えば、「訴求したいポイントが読み飛ばされていた一方で、期待していなかったポイントがきちんと読まれていた」場合には、そこに次の打ち手のヒントがあるように思います。クライアントへのレポート報告を次回提案の機会と捉え、「良く読まれていた内容をさらに深堀りした企画を一緒にお持ちしよう」などとスタッフと相談する時にも、ヒートマップデータが施策の裏付けとなってくれます。
岡本:ありがとうございます。菊川様はクライアントと直接お話をすることが多いと思いますが、導入後の変化はありましたか?
菊川:コミュニケーションツールのように、記事の良し悪しの指標を共有できたのがよかったです。また、他の営業メンバーは記事を拡散させるために他媒体のおすすめ枠に掲載するアイキャッチ画像を、記事の中で最も熟読率が高い画像にしていました。
岡本:おすすめ記事のサムネイルを厳選するための指標としてヒートマップを活用するのは面白いですね!
今後の目標と施策
中山:弊社のキャンペーン紹介などの編集記事のコンバージョン改善に活用していきたいです。現在ミエルカヒートマップを主に活用しているのはスポンサード記事ですが、プロモーション費用をかけているキャンペーン紹介記事です。せっかくサイトに訪問していただいても、どこで離脱しているのかをスポンサード記事以上にしっかりと見ていかないと、サイトの成長につながらないので、できる限り早く編集記事でも活用できるようにしたいです。
中山様よりコメント
中山:非常にわかりやすく、今まで可視化できなかったものをわかりやすく手軽に見せてくれるツールです。自分たちのような出版、Web媒体出身ではないメディア運営者にとって、GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーの難しい指標を用いずに、誰でもデータ読み解けるようになるのが私たちの環境に合っています。広告営業を担当するメディアプロモーションチームにメンバーの増員があり、その中にはWebやレポート業務にはじめて携わる者もいますが、ツールへの苦手意識がなさそうで安心しています。
菊川:ミエルカヒートマップは使いやすいので、Googleアナリティクスを開いて読了率の説明をするよりも「ここを押して、次はここ。」と、簡単に説明ができるものいいですね。
岡本:本日はありがとうございました!
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企業プロフィール
社名株式会社JTBパブリッシング様
詳細株式会社JTBパブリッシング様は市ヶ谷に本社を置く出版社です。代表的なガイドブックの「るるぶ情報版」は世界で最も発行点数の多い旅行ガイドシリーズとしてギネス世界記録TMにも登録されています。旅行ガイドの他にも、鉄道・アウトドアなどに代表される趣味の分野、こども向けの知育教材といったライフスタイル情報を幅広く取り扱っています。出版事業の他にもソリューション事業を展開し、地方自治体や企業の皆さまが抱えている課題を、弊社の企画力・編集力、JTBグループ様のネットワークを活かした提案によって解決されています。