ECサイトなどのデータベース型サイトに携わっていると、「ファセット検索(ファセットナビゲーション)はSEOに効く」といった情報を目にすることも多いのではないでしょうか?
商品数が増えるにつれて導入を検討しつつも、具体的にどのような効果があり、どのようなリスクがあるのかまでは把握しきれていない、というケースも少なくありません。ここでは、ファセット検索・ナビゲーションの基本から、SEOへの影響と正しい設計の考え方を整理して解説します。

目次
ファセット検索・ファセットナビゲーションとは?
ここでいうファセット(Facet)は直訳すると切り口という意味。アパレルなどのECサイトは、色・サイズ・価格・ブランドなど切り口を変えて探せたり、不動産サイトならエリア・間取り別に物件を探せることがありますよね。そのようなデータを分類・整理するための属性を表しています。

ちなみに「ファセット検索」「ファセットナビゲーション」は、ほぼ同じニュアンスで使われる言葉。データベース型サイトにおいて、複数の条件を組み合わせて絞り込み、目的のページを見つけやすくする機能を指しています。
商品数や情報量が多いサイトはカテゴリだけで探すのが大変なので、複数の切り口で絞り込める便利な仕組みとして、よく活用されているのです。しかしファセット検索の設計は難しく、SEOにも大きく影響します。運用も、専門的な知見が求められるところです。
自社サイトへの設置・改善で悩んでいるなら、一度は内部SEO施策に精通したコンサルタントに相談しましょう。当社・Faber Company(ミエルカ)のSEOコンサルタントでも大歓迎です。ECサイトをはじめ大規模なデータベース型サイトの改善にも慣れています。SEOとUI・UX観点からのファセット設計、サイト全体の内部分析、改善実装まで支援できるのでご相談ください。
・ バイク王&カンパニー 様|内部設計とUI・UX見直しで買取申し込み前年比163%
ECサイトの支援事例▼
・店研創意 様|ECサイトのCVR・売上34%増加に導いたA/Bテスト
・赤ちゃん本舗 様|ECページの露出増、商品クリック数6倍へ!
ファセット検索(ナビゲーション)の必要性
商品やカテゴリが多いサイトでは、ユーザーが目的のページにたどり着きにくくなりがちです。そんな課題を解決する手段として、ファセット検索は非常に有効です。しかし、ファセット検索はユーザー体験(UX)の向上につながる一方で、必ずしもメリットだけをもたらすわけではありません。
UX観点ではプラスに働くことが多いものの、SEO観点ではプラス・マイナスの両面に影響がでるため導入には注意が必要です。
UX観点の効果
ファセット検索は、従来のカテゴリリンクとは異なり、複数の条件を自由に組み合わせた絞り込みができるため、サイトの検索性が大幅に向上します。 この「探すストレスの軽減」が、サイト内の回遊率向上や離脱率の低下に直結し、最終的にはコンバージョン率(CVR)の改善をもたらします。
※ECサイトのCVR改善事例:
回遊率やカート遷移率の改善➡︎売り上げ34%増までつなげたA/Bテスト|店研創意 様
SEO観点の効果
SEOの観点では、ファセット検索によってユーザーが設定した条件ごとのページ(URL)が生成されるため、ロングテールキーワードに対応しやすくなります。例えば、「黒 Tシャツ」のような検索ニーズの高い一覧ページを作成できる点は、大きなメリットといえるでしょう。
一方で、条件の組み合わせによって無数のURLが生成され、インデックスが肥大化するリスクもあります。適切に制御できていない場合、検索エンジンからの評価を下げてしまう可能性があるため、導入・設計には十分な注意が必要です。
SEOに効く、ファセットナビゲーションの正しい設計方法5つ
ファセットナビゲーションは便利な一方で、設計を誤るとSEOに悪影響を及ぼす可能性があります。
重要なのは、どのページをクロール・インデックスさせるかを適切にコントロールすること。ここでは、ファセット検索の正しい設計方法を5つのポイントで解説します。
- インデックスさせるページを限定する
- URL設計を整理する(制御しやすい構造にする)
- noindex・canonicalを適切に使い分ける
- 重要な組み合わせは固定リンクを設置する
- ファセット検索結果ページのHTMLも最適化する
正しい設計法1.インデックスさせるページを限定する
絞り込めるすべてをインデックス対象にするのはおすすめしません。
検索需要や実装条件を踏まえて限定することが大事です。主な判断ポイントは以下の通りです。
※インデックスとは:Googleなどの検索エンジンにWebページが登録され、検索結果に表示される候補になること
3軸以上の組み合わせ・検索ニーズの少ない条件は基本noindexにする
3軸以上の条件は検索需要が極端に少ないことが多く、多くのサイトでは評価対象外とされています。また、価格帯における「〇円以上」なども検索需要が少ないため対象外にすることがほとんどです。
|
|
|
|---|---|
※需要あるもののみ |
|
※noindexの設定解説(3つの方法):①robots metaタグ、②HTTPレスポンスヘッダー設定、③WordPress設定手順
※くわしい記事:
・noindexとは?タグの書き方や設定、活用法
・robots.txtの書き方・設定法(記述例のサンプル付き)
なお、明確な検索ニーズがある場合はファセット検索ではなく特集ページとして別途用意するのが一般的です。
特定条件のみを評価させる設計は難しい場合が多い
例えば「黒」のみ検索需要がある場合でも、「色」ファセットの中で黒だけを評価対象とし、他の色を除外するような制御はシステム上難しいケースが多くなります。実装可能な場合もありますが、基本的には制御しにくい前提で考える必要があります。こちらも特集ページなどが望ましいでしょう。
在庫数(データ数)も判断基準に含める
検索ニーズがあっても、対象となる商品数が少ないなどユーザーにとって価値の低いページの場合は上位表示が難しくなります。例えば「黒 Tシャツ」で競合が多数の商品を扱っている中、自社の在庫が数点しかない場合などは、評価対象に含めない判断も必要です。
組み合わせ数がどの程度になるかを事前に把握する
特にエリアを含むデータベース型サイトでは、組み合わせ数が膨大になります。例えば職種やエリアを掛け合わせると数万〜数十万単位のページが生成されるため、それらを評価対象とするか慎重に判断する必要があります。生成されるページ数とクロールバジェットから判断しましょう。
※クロールバジェットとは:1つのWebサイトに対して割り当てられたクローラーの処理上限のこと
使用しているシステムの仕様を確認する
EC構築ツールによっては、特定の組み合わせを評価対象にする機能が用意されていない場合があります。その場合は、カテゴリ設計を工夫することで、疑似的に組み合わせページを作成する方法も検討します。例えば、Tシャツという第一階層カテゴリの配下に「黒 Tシャツ」という第二階層カテゴリを設計する、といった形です。
正しい設計法2.URL設計を整理する(制御しやすい構造にする)
ファセットナビゲーションでは、パラメータのルールを統一し、順序の違いによって別URLが生成されないように設計することが重要です。
例えば順序の違う、
- 「?color=black&brand=nike」
- 「?brand=nike&color=black」
ページ内容が同じでも別URLとして扱われるため重複の原因になり、評価の分散リスクがあります。
あらかじめURL設計を整理しておくことで、robots.txtやnoindexによる制御もしやすくなり、不要なパラメータをまとめて管理できるようになります。
※ディレクトリ(サブディレクトリ)とは:同じドメインの中でコンテンツを階層分けして管理するURL構造のこと
正しい設計法3.noindex・canonicalを適切に使い分ける
ファセット検索結果のインデックス制御では、noindexとcanonicalの使い分けが重要です。
検索ニーズがなく不要なページはnoindexでインデックスを防ぎ、内容が類似しているページについてはcanonicalを設定して正規URLに評価を集約しましょう。
これによって重複による評価分散を防ぎ、検索エンジンに正しくページの優先順位を伝えることができるからです。
※くわしい記事:
・noindexとは?タグの書き方や設定、活用法
・ URL正規化するためのcanonical(カノニカル)タグとは?
正しい設計法4.重要な組み合わせは固定リンクを設置する
検索ニーズがあり評価対象とするファセット検索結果は、必ず内部リンクが張られている状態にすることが重要です。どこからもリンクされていなければ検索エンジンに正しく認識されにくくなります。すべての組み合わせをカテゴリページ上に配置するとUI/UXに悪影響が出るため、どのページをリンクとして設置するかはあらかじめ基準を決めておく必要があります。
評価対象のページは、商品や求人などの詳細ページから、関連する一覧ページへの戻りリンクとして設置しましょう。リンクを増やしすぎてユーザー体験を損なわないようには注意してください。
また、XMLサイトマップに評価対象のページを登録する場合は、必ず内部リンクとセットで行うことが前提です。内部リンクがない状態でサイトマップのみに登録すると、「検出 – インデックス未登録」として扱われる可能性が高く、期待した評価につながらないため注意しましょう。
※くわしい記事:
・内部リンクとは?定義とSEOに効く貼り方・注意点
・XMLサイトマップとは? 設置推奨サイトの特徴・作り方・確認法
正しい設計法5.ファセット検索結果ページのHTMLも最適化する
ファセット検索の結果ページを評価対象とする場合は、HTML要素の最適化も重要です。
タイトルやH1に加えて、パンくずや本文テキストも検索条件に合わせた内容にして設置することで、検索エンジンにページの内容を正しく伝えることができます。
また、ページ内の内部リンク設置位置にも注意しましょう。特に「黒×Mサイズ」など2軸などの組み合わせページでは、どのリンクをどこに配置するかによって評価や回遊性に影響が出ます。関連している内容付近にリンクを設置するなど、SEOとUXの両面を考慮して最適化しましょう。
※くわしい記事:
・HTMLタグを基礎からおさらい。SEOに必須のタグを事例付きで紹介
・メタタグ(meta tag)とは?書き方と例文
ファセットナビゲーションは正しく設計して、UXとSEOを両立しよう
ファセットナビゲーションは、ユーザーにとっての利便性を高める一方で、設計を誤るとSEOに悪影響を及ぼす可能性がある機能です。重要なのは、検索ニーズやデータ量を踏まえて評価させるページを選び、適切に制御・最適化していくことです。
こうした設計にはSEOとシステムの両面の知識が求められ、実装や運用の難易度も決して低くありません。自社だけで判断するのが難しい場合は、内部設計に精通した専門家に相談することで、リスクを抑えながら効果的な運用が可能になります。ファセット検索(ナビゲーション)を正しく活用し、UXとSEOの両立を目指しましょう。
UX・内部SEO施策による成功事例
参考までに、当社のSEOコンサルティングで成果を出した事例を1つ紹介します。
バイク王&カンパニー様|
内部設計とUI・UX見直しで買取申し込み前年比163%

株式会社バイク王&カンパニーは、もともとバイクの買取が主力事業でしたが、購入から売却までのトータルプロデュースを行う総合バイクサービスへの転換を目指していました。しかし、当時のWebサイトは「バイク」や「バイク買取」といった重要キーワードで50位圏外に沈んでいたほか、自社名である「バイク王」でも上位表示できておらず、サイト構造の複雑化や古いドメインの課題を抱えていました。
そこで買取サイトと小売サイトを統合し、新たなポータルサイトとしての全面リニューアルを実施することに。
パンくずリストや内部リンクの最適化、重複コンテンツの整理など50~60項目に及ぶ内部SEO施策を進めるとともに、買取相場や在庫情報などユーザーが求める情報へスムーズにアクセスできるよう、UXの改善にも取り組みました。
その結果、「バイク」「バイク買取」のキーワードで検索順位2位を獲得し、サイトのPV数は約4倍に成長。さらに、買取関連の申し込み件数は前年比163%まで向上し、問い合わせの90%以上がWeb経由になるなど、UXとSEOの施策が事業成果に大きく貢献しました。ユーザー視点でサイト構造と導線を見直したことが成功の大きな要因となった事例です。
※この事例全文はこちら📰 ↓
内部設計とUI・UX見直しで買取申し込み前年比163%|バイク王&カンパニー様






