
リードは獲得できても、「この先どんなコミュニケーションで購買意欲を上げていけばよいのか」が分からず、戸惑う方は多いのではないでしょうか。リードナーチャリングは、見込み顧客との信頼関係を築きながら、興味・関心に合った情報を届けて購買意欲を高めていくプロセスです。
ここでは、リードナーチャリングの具体的な進め方からシナリオ例、実際の成功事例までを初めての方にもわかりやすく解説します。
目次
リードナーチャリング(顧客育成)とは
リードナーチャリングとは、獲得したリード(見込み顧客)に対して、メールやSNS、オウンドメディアなどで継続的に情報を届け、商品・サービスへの理解と関心を高めていく取り組みです。
一度の接点だけでは購買に至らない顧客に対し、段階的に関係を深め、最終的な商談・成約へ導くプロセスを指します。

リードナーチャリングでやるべきこと
リードナーチャリングでは、おもに次の3つを行います。
- リードと継続的な接点を持つ
- リードを態度変容させる(興味・関心を高める)
- リードを購買可能性ごとに選別する
この3つを組み合わせることで、リードが自然に検討モードへ進む「育成プロセス」が実現します。具体的な施策としては、次のようなアプローチを実施します。
- ダウンロードした資料に関連する解説メールを送る
- 閲覧者の業種・課題に合わせて、最適な事例記事をポップアップで表示する
- サイトの閲覧履歴に応じて、比較検討フェーズ向けコンテンツへ誘導する
- メール開封・クリック・資料DLに基づき、スコアリングやタグ付けを行う
このように「接点をつくる → 興味を高める → 見込み度で選別する」という一連の流れが、実務におけるリードナーチャリングの基本的な具体策です。
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リードジェネレーション・リードクオリフィケーションとの違い・関係性
リードナーチャリングは、単独の施策ではなく「リードジェネレーション → リードナーチャリング → リードクオリフィケーション」という一連の流れの中で位置づけられます。
まずリードを獲得し(ジェネレーション)、その関心を高めて育て(ナーチャリング)、最終的に商談化の可能性を見極める(クオリフィケーション)というステップで進みます。

このプロセスを押さえておくと、各フェーズで「何をすべきか」「どこまでがナーチャリングなのか」が明確になり、成果につながる施策設計が可能になります。
違いを表でまとめました。
| リードジェネレーション | リードナーチャリング | リードクオリフィケーション | |
| 状態 | 潜在顧客を 「見つけた」段階 | 関心を 「育てている」段階 | 商談可能かを 「見極める」段階 |
| 主な目的 | 見込み顧客の獲得 | 購買意欲の醸成 | 確度の高いリードの選定 |
| 具体的な施策 | 資料DL・セミナー・広告などで連絡先を取得 | メール配信・コンテンツ提供・セミナー案内など | スコアリング・タグ付け・営業引き渡し判断 |
3つのステージは役割が異なりますが、連続したプロセスとして機能することで成果が最大化します。どの段階で何をすべきかを整理することが、効果的なリード育成の第一歩です。
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リードナーチャリングはどの部署が担うべきか
リードナーチャリングは、基本的にはマーケティング部門が中心となって進める取り組みです。ただし、「どの情報を届ければ態度変容につながるのか」や「どの行動を有望とみなすのか」を判断するためには、営業との連携が欠かせません。
具体的には、スコアリングやタグ設計を営業と共同で行うことで、実際の商談経験に基づいた「温度感の定義」を作ります。また、営業部門の商談記録をマーケティング部門へ共有することで、失注理由や頻出する質問をコンテンツに反映させたり、ナーチャリングシナリオの精度を高めたりすることも可能です。
マーケティングが実行主体となりつつ、営業の知見を取り入れる体制が、効果的なリードナーチャリングを実現します。
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具体的なリードナーチャリングの進め方
リードナーチャリングを効果的に進めるには、思いついた施策を個別に実行するのではなく、リードの状態に合わせて一連のプロセスとして設計することが重要です。
ここからは、リードナーチャリングを実務で進める際のステップを、わかりやすく順を追って解説します。
1.キャンペーン(コミュニケーション)の設計
ナーチャリングは、リードの状態に合わせて「どの情報を・どの順番で届けるか」を設計することから始まります。認知 → 関心 → 比較検討 といったファネルを設定し、各段階で必要となるコンテンツや接点を整理します。
リードが最初の接点を持ってから検討に進むまでのカスタマージャーニーを描くことで、いつ・どのキャンペーンを実施すべきかが明確になります。
よく行われるキャンペーンの例
実務でよく行われる代表的なキャンペーン例を紹介します。
| キャンペーン名 | 具体策 |
| ホワイトペーパーDL後フォロー | ダウンロード後3日以内にお礼メール+関連記事やセミナー案内を送付 |
| セミナー参加者フォロー | 開催後アンケート実施、参加者属性に応じた資料送付や個別相談誘導 |
| 休眠リード掘り起こし | 半年以上接点のないリードに、限定コンテンツや新サービス情報を配信 |
| 業種別おすすめコンテンツ配信 | 業種や課題に合わせて、関連事例・導入効果をメール配信 |
| 導入検討度チェック診断 | 診断コンテンツで課題を可視化、結果に応じた提案資料を自動送信 |
| 成功事例シリーズ配信 | 検討中リードへ、同業種の導入成功事例を段階的に配信 |
| ニュースレター | 毎月のコラムや市場トレンド情報を定期配信し、関心を維持 |
| イベント/展示会フォロー | 名刺交換・スキャンした来場者にフォローアップメール+資料送付 |
2.セグメンテーションの設定
リードの属性や行動データに応じてグループを分け、適切なメッセージを届けるための基盤を作ります。業種・役職・興味テーマ・サイト閲覧履歴などでセグメントを切り分けることで、より精度の高いナーチャリングが可能になります。
3.コンテンツの企画と作成
各セグメントが求める情報に応じて、メール、事例記事、お役立ち資料、比較資料、FAQなどのコンテンツを設計します。段階に合わせて「理解を深める」「比較材料を提供する」など役割を持たせることで、リードの態度変容を自然に促進できます。
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4.配信・自動化
作成したコンテンツを、最適なタイミングで届ける仕組みを構築します。MAツールやステップメールを活用し、行動に応じて次のコンテンツを自動で配信することで、継続的な接点と、ムダのないナーチャリングシナリオが実現します。
マーケティングオートメーションによる自動化
マーケティングオートメーションツール(MAツール)は、リードの行動データをもとに最適なタイミングで情報を届ける仕組みを自動化するツールです。フォーム最適化や行動ログの取得、メールやポップアップ配信の自動化など、ナーチャリングに必要なプロセスを一括で管理できます。

例えば、資料をダウンロードしたリードへ関連メールを自動送信したり、特定ページの閲覧後に比較資料をポップアップでレコメンドしたりと、行動に応じたきめ細かいアプローチが可能です。
これにより、担当者の工数を抑えながら、狙い通りのカスタマージャーニーに沿ったシナリオを実現できます。
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5.スコアリングとリード評価
スコアリングは、リードの行動(メールクリック、資料DL、特定ページの閲覧など)や属性に点数を付け、温度感を可視化する仕組みです。これにより、どのリードがどの段階にいるのかを把握し、どのような情報を次に届けるべきか判断できます。適切な評価基準を設けることで、ナーチャリングの精度は大きく向上します。

6.効果測定と改善
ナーチャリング施策は、配信して終わりではなく、結果を分析し改善することで精度が上がります。
メールの開封率・クリック率、コンテンツの閲覧数、リードのスコア推移などを確認し、シナリオやコンテンツの改善を行いましょう。また、営業からのフィードバックや商談記録を反映することで、より実践的で効果的なナーチャリングに進化させることができます。
リードナーチャリングの指標・KPI
リードナーチャリングは、短期的に成果が見えにくい施策のため、適切な指標(KPI)を設定して進捗を管理することが重要です。最終的なゴールは商談や受注ですが、ナーチャリング自体の良し悪しは、途中のプロセス指標によって把握する必要があります。
特に、メールの反応やコンテンツ閲覧状況、スコア推移などは 「リードの態度変容が進んでいるか」を測る重要なサインとなります。 ナーチャリングでよく使われるKPIは以下のとおりです。
| 指標 | KPIの例 |
| メール | 開封率、クリック数、解除率 |
| コンテンツ | ホワイトペーパーDL数、記事閲覧数、動画視聴率 |
| 接点 | セミナー参加数、フォーム送信数 |
| 行動 | 特定ページ(料金・事例など)閲覧回数、複数接点の有無 |
| スコア | スコア上昇率、ホットリード数の推移 |
| ナーチャリング全体 | 商談に至ったリード数・割合 |
これらの指標を継続的にモニタリングすることで、シナリオの改善効果が明確になり、ナーチャリングの質を高めることができます。
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リードナーチャリング成功事例「コクヨ株式会社」

ここからは、リードナーチャリングの成功事例を紹介します。
文房具は普遍的で類似製品も多く、ブランドの知名度があっても「次はこれを買おう」といった指名買いやリピート購入につなげることは意外と難しい領域です。コクヨ様も同様の課題を抱えていました。
そんな中、コクヨ様のInstagram公式アカウントに「高校の勉強にはノートとルーズリーフ、どっちがいいのか本当に迷っています」という高校生からの質問が届きます。 この「リアルな悩み」に対し、コクヨ様はストーリーズでアンケートを実施。すると、1日で約500件もの回答が寄せられ、大きな反応がありました。

アンケート結果を「コクヨマガジン」で分かりやすくまとめ、再度Instagramで紹介したところ、フォロワーからは「自分の回答が役に立って嬉しい」といった声が集まり、外部からも「私も同じことで悩んでいた新高校1年生です」という共感の反応が届きました。

この取り組みによって、「ユーザー一人ひとりの声を大切にするブランド」という好意的な印象が強化され、ファン化が進む結果につながりました。
このように、日々の小さなコミュニケーションを積み重ねることが、ブランドへの信頼形成につながり、最終的には指名買い・リピート購入・優良顧客の増加へつながります。
まだリードナーチャリングに取り組めていない企業こそ、こうした身近な施策から始めてみることをおすすめします。
※参考記事:
・「ライトユーザーをファン化したい!」コロナ禍や障害もユーザーと共に考える「コクヨマガジン」双方向メディア運営術
・SNSとの“バズ連携”で検索上位を連発! SEOマーケターとタッグを組んだコンテンツとは? | 成果につなげる! コンテンツマーケティング最前線(Web担当者Forum)
リードナーチャリングを成功に導く2つのポイント
リードナーチャリングは、個別施策をただ積み重ねれば成果が出るわけではありません。リードの状態を正しく把握し、仮説と検証を繰り返すことで、成約につながるシナリオ設計が可能となります。リードナーチャリングを成功に導くために欠かせない2つのポイントを紹介します。
正しいKGI・KPIなどの目標設定
リードナーチャリングに限らず、施策を成功させるには 具体的な目標設定が欠かせません。成果を確認するだけでなく、「どの施策が効果的だったのか」「どの段階でリードの態度変容が起きているのか」を評価できるようになるためです。
リードナーチャリングでは、アクセス数・資料ダウンロード数・セミナー参加数・メール反応率など、プロセスごとのKPIを明確に設定することが重要です。これらを定期的に確認することで、どの施策が最も成果につながっているのかが把握でき、改善の優先順位も判断しやすくなります。
データが蓄積されていけば、「どの施策を実施すれば、どの程度の態度変容が見込めるのか」といった効果予測も立てられ、より精度の高いナーチャリング設計が可能になります。
継続的な改善による最適化
ナーチャリングは、一度設計しただけで終わるものではありません。配信結果、サイトの行動ログ、営業からの商談フィードバックなどをもとに、シナリオやコンテンツを定期的に見直すことで、リードの態度変容をより確実に促せます。
「よく見られているページ」や「反応が高いメール」といったデータから改善を重ね、リードの興味に沿ったコミュニケーションへと最適化していきましょう。
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