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【金融(銀行・保険・証券)7選】オウンドメディア成功事例をまとめてみた

更新日: 2024.11.25   公開日:2023.01.22

シリーズ形式でお伝えしているオウンドメディア業界別事例。今回は、金融機関・金融サービス提供企業に関連するオウンドメディアを紹介します。自社のオウンドメディアに活用出来るポイントをぜひ見つけてください。

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金融商品は日用品と違って「良さそうだ」と思ってすぐに買ってもらえるものではありません。また、生活や人生と密接に関わるものであり、長期に渡ってかなりの金額を投じることになるものです。それ故にユーザーは「よく調べて、知ってから購入したい」「失敗したくない」という思いを持っています。

日本の金融資産の多くは「貯蓄」だと言われます。「資産を運用する」という概念そのものを学校等で学ばないことも大きいと思いますが、金融リテラシーを高めてもらわない限り、資産運用はもちろん金融商品(保険含む)を契約してもらえない可能性が高いのです。そのための啓蒙コンテンツを発信することで、ユーザーからの信頼を勝ち取り、長期的な関係性を構築することが重要ではないでしょうか。

当社の金融系お客さまにおける取組事例のまとめページもできました。 よりリアルな声をご覧いただけます。

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金融(銀行・保険・証券)にまつわるオウンドメディア事例7選

では、具体的に事例を見ていきましょう。

①   確定拠出年金スタートクラブ

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株式会社りそな銀行が運営している、個人型確定拠出年金(iDeCo)に関する情報を届けるオウンドメディアです。

コンテンツ

  • 「確定拠出年金の基礎知識」

    「会社員でも税負担を減らす制度、あなたはいくつ知っていますか?」「確定拠出年金を知る『目的別おすすめサイト5選』「個人型確定拠出年金 金融機関選択時の注目ポイントは?」など、確定拠出年金をはじめて勉強する方のための情報です。

  •  「資産運用・資産形成」

    「トランポノミクス」「103万円の壁」「シェアリングエコノミー」など、経済情勢の中で話題になっている用語解説です。

  • 「その場で分かる!節税金額を今すぐ確認」

    右サイドに設置されているバナーからアクセスでき、個人型確定拠出年金に加入した場合の節税額を試算することができます。課税所得・年齢・掛け金とメールアドレスを入力すると、メールで試算額が通知されます。


コンバージョン

記事内下部には、おすすめ記事や関連記事を掲載。他に、前述した試算のコンテンツ、個人型確定拠出年金の詳細解説ページ、FPデリバリーサービスページへのバナーリンクが設置されています。

会員登録の導線

オウンドメディアに会員制度があります。登録はメールアドレスだけ。確定拠出年金に関する情報やオウンドメディアの記事更新情報をいち早く入手でき、会員限定のコンテンツを読むことができるなどの特典があります。

ソーシャルメディア(SNS)の利用状況

「確定拠出年金スタートクラブ」専用のFacebookとTwitterのアカウントを持っています。どちらもオウンドメディアの記事更新情報について発信しています。  

②   J-Palette

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株式会社常陽銀行が運営する、女性のお客様向けの金融商品・情報を発信しているオウンドメディアです。

コンテンツ

  • 「マネーお役立ちコラム」

    一人暮らし、結婚にまつわるものから、ペットや子どもの大学受験にまつわるものまで、女性のライフスタイルに関わってくるお金がどれほどの金額なのか、節約術・運用のコツなどについての情報が発信されています。

  •  「お金の統計情報」

    「生活にかかるお金はどれくらい?」というバナーリンクをクリックすると、株式会社NTTデータエービックのサイトに遷移。「各ライフステージで、実際のところどれだけお金が掛かるの?」という疑問に答える統計データが、グラフ形式でわかりやすくまとめられています。

コンバージョン

コンテンツ中に本体サイトの商品紹介ページへのリンクを設置。 ※たとえば、子どもの学費に関する記事の場合は教育ローンページへ、マイホーム購入に関する記事には住宅ローンページへといったように、関連したサービスを紹介しています。

会員登録の導線

インターネットバンキングがありますのでそちらで個人情報は獲得しているようです。金利情報を中心としたメルマガ登録への導線もあります。

ソーシャルメディア(SNS)の利用状況

常陽銀行全体のFacebookアカウントがあります。広報用に使われているようで、金融商品の案内だけでなく、協賛している企画展の情報や、地元・茨城の鹿島アントラーズの選手の協力のもと撮影されたイメージポスターのお知らせもあり、地域密着の企業であることが伝わってきます。

一言コメント

女性のライフスタイルが多様化するなかで、増え続ける女性のお客様ニーズに応えて情報発信を強化しようと生まれたメディアです。検索キーワードから読み取ることのできる、求められている記事を作成することで役に立ち、「相談しやすい雰囲気」を醸成することを目標にしています。当社支援の情報は以下事例ページもご参照ください。

☑参考:常陽銀行さまコンテンツ施策事例

③   d-labo

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静岡県・神奈川県を主な営業エリアとしている、スルガ銀行株式会社が運営するオウンドメディアです。「夢とライフスタイルをテーマとしたインターネット支店」と謳うdバンク支店のコンセプトに沿った情報が発信されています。

コンテンツ

  • 「あのヒトに訊く」

    大ヒット映画を生んだ名プロデューサーから、五輪に出場したアスリートまで、さまざまな世界のフロントランナーへ取材し、夢をカタチにするまでの過程をインタビュー。

  • 「ハジメテ体験」

    d-labo編集部が気になる趣味に体当たりで挑んでレポートしている企画。挑戦しているものは、ダイビング、ヨガ、楽器、着物コーディネートなどさまざまです。

  •  「マネー」

    「大統領と同じ腕時計を付ける」「ボディガードを雇う」「プライベートジェットで出張する」など、一度は憧れたことがあるものはいくら掛かるのか?をテーマにした情報発信です。

コンバージョン

自己実現を促す記事では自己投資のための資金の借り入れ方法を案内、海沿いに家を建てた人の特集記事の下部には住宅ローンの紹介をしていたりといったように、関連する金融商品や別コンテンツへリンクしています。

会員登録の導線

メールマガジン会員を募集しており、メールアドレスのみで登録することができます。最新のイベント・セミナー情報が配信されるようです。

ソーシャルメディア(SNS)の利用状況

「d-labo」専用のFacebookとTwitterのアカウントを持っています。2017年4月からはInstagramも開設しており、これまでのSNS発信よりカジュアルな投稿を増やしていくようです。

一言コメント

観光客向けに地元の温泉を紹介する「井伊部長の温泉グルメ探訪」、「働くって?」というテーマに迫りつつ、夢を叶えた人たちのキャリアパス・ターニングポイント・自己投資などについてインタビューで掘り下げる「Job labo」なども運営しています。どのメディアもぱっと見たイメージは銀行という固いイメージはなく、「地域密着であり、お客様の人生に寄り添うパートナーでありたい」という姿勢が伝わってきます。  

④   ライフネットジャーナル

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ライフネット生命保険株式会社が運営するオウンドメディアです。

コンテンツ

旬なプロフェッショナルへのインタビューから、ライフネット生命スタッフの日々の活動まで、さまざまな角度から「人生と仕事とお金について考える」メディアです。執筆者は同社の出口会長や岩瀬社長だけでなく、別で運営されていた「社員ブログ」から転載することで、さまざまな社員が「執筆者」になっています。

コンバージョン

コンテンツ下部に置かれているのは、関連/おすすめコンテンツのリンク、サイドエリアには「よく読まれる」コンテンツ一覧のリンクを配置。

会員登録の導線

オウンドメディア、本体サイトともに会員という概念はありませんが、保険料のシミュレーションを行えるようになっています。シミュレーション後には「検討のためにメールで見積もり内容を送付」「申し込み」「資料請求」「保険プランナーに相談」から、アクションが選べるようになっています。

ソーシャルメディア(SNS)の利用状況

企業としてはFacebook、Twitter、LINEビジネスコネクトのアカウントを持っています。特筆すべきはLINEとFacebookメッセンジャーの使い方で、わずか1分でぴったりの保険が見つかる「ほけん診断」機能や、生年月日・性別・保険商品の入力だけで簡単に算出できる「保険料見積り」機能などが用意されています。

参考URL

「ライフネットジャーナルオンライン」の前身は、以前から発行していた広報誌「ライフネットジャーナル」。その広報誌を見た方から好評の声が多く、より手軽に読めるように情報を一元化して誕生したのがこのオウンドメディアです。

☑参考:ライフネット生命保険がオウンドメディアを立ち上げた理由とは

⑤   保険の教科書

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ファミリーコンサルティング株式会社が手掛けるオウンドメディアです。

コンテンツ

「生命保険」「学資保険」「社会保障制度」などのカテゴリ毎にコンテンツを用意。カテゴリ名を選択すると、まとめページが立ち上がります。たとえば「生命保険」カテゴリなら「STEP1:まずは自分に生命保険が必要か知ろう」「STEP2:自分にどれくらい保障が必要か計算する」「STEP3:自分にあった生命保険の選び方」といったように、読者のステージにあわせたステップと関連記事が案内されています。執筆者はファミリーコンサルティング社員の「金融のプロ」です。

コンバージョン

各記事の最後には、関連情報がまとめられており、無料でダウンロードできるEbookのダウンロードリンクが貼られています。中には、71ページもあって読み応えのありそうなものもあります。その他に「保険無料相談事例集」のリンクもあり、実際に保険相談をされた方が加入した保険とその理由を余すことなく記載しています。

会員登録の導線

オウンドメディアにも本体サイトにも、特に会員ページは設けていないようです。

ソーシャルメディア(SNS)の利用状況

「保険の教科書」専用のFacebookとTwitterのアカウントがり、内容は記事の更新情報の告知が主です。  

⑥   kabu.studio

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三菱UFJフィナンシャル・グループのネット証券会社であるカブドットコム証券会社が運営するオウンドメディアです。

コンテンツ

  • 「株初心者入門」

    株の基本知識が無い方向けに、3分間の動画で投資の基本を理解できるコンテンツです。「IPOについて」「投資信託について」「FXについて」などのテーマがあります。

  • 「商品特長・取引テクニック」

    同社で取り扱っている商品の特長や、おすすめの取引テクニックが動画で解説。

  • 「サポート情報」

    口座保有ユーザーが利用できるコミュニティサイト「教えて! kabu.com」やプロの機関投資家と同様レベルのトレーディングができる「kabuステーション®」などのサービスについて動画で分かりやすく解説しています。

コンバージョン

各コンテンツの下部には、関連動画の表示はもちろん、セミナー情報の案内や口座開設への誘導があります。

会員登録の導線

オウンドメディア、本体サイトには会員ページはありませんが、サービス申込みには無料の口座開設が必須です。口座開設を検討層に向けては「はじめての方へ」というコンテンツを設けて、わかりやすくサービスを案内しています。

ソーシャルメディア(SNS)の利用状況

カブドットコム証券全体でFacebook、Twitter、Youtubeのアカウントを持っています。Facebookはプレスリリース配信的な使い方、Twitterは株価情報発信、Youtubeでは「kabu.studio」のコンテンツとしても使われている3分動画をまとめているなど、用途を分けて使っているようです。

一言コメント

「カブドットコム証券のサービスを検討している」方向けのメディアのため、自社商品の紹介の割合も高めです。1コンテンツあたりの情報量が多いものの、動画でシリーズ形式にすることで見やすく学びやすくなっています。  

⑦   INNOVATION HUB

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株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)がオープンイノベーションのために開設したオウンドメディアです。

コンテンツ

「フィンテック」「ブロックチェーン」「ロボット/人工知能」「IoT」などのテーマに添って記事が掲載されています。「革新的なアイデアは、あらゆる情報の『編集』から生まれる」との考えの元「最先端のテクノロジー情報をいち早く入手し公開する」ことをモットーにしています。日本国内に限らず世界各国の情報を紹介しています。

コンバージョン

特徴的なのは右サイドにある「ビジネスパートナー登録」のバナーリンクです。これは、メディアの運営目的のひとつに「ビジネスパートナーシップを目的とした企業情報の登録」があるからで、MUFGグループ企業と協働し、新しいサービスを創り上げていくことに関心を持っているユーザーが登録できるようになっています。

会員登録の導線

オウンドメディアには会員ページはないようです。

ソーシャルメディア(SNS)の利用状況

MUFG全体ではFacebookアカウントがあり、キャンペーンや新サービスのお知らせなどニュースリリース的な用途で使われています。  

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金融はまだまだ多くの人にとって、難しい・分からないというイメージを持たれがちな分野ではないでしょうか。かくいう私も「資産運用しないとな」とネット証券の口座を作ったはいいものの、数年以上放置しています(苦笑)私の両親にも時間があるのだからやってみたらと勧めてみたのですが、私がやったこともないので強くも言えず。。 やはり「知識の有無」が行動に影響していると思います。

そのため、専門知識を噛み砕いてわかりやすく伝え、ユーザーの資産形成に関連する疑問や課題へ応えるコンテンツが重要です。 また、情報発信を通して信頼感や安心感(相談しやすさ)を感じてもらうこと、金融周りで悩んだら想起されるようなブランド、メディアになることも大切でしょう。充分な情報提供をした上で、コンテンツに訪れたユーザーへのじょうほう「試してみたい」と思ってもらい、次のアクションに誘導できるようなライトなコンバージョンポイント(メールマガジン、無料セミナー、ホワイトペーパーなど)を用意しておくことで、長期的なリレーションが構築できるようになることが重要そうです。

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本記事の著者
月岡 克博
月岡 克博
執行役員/エグゼクティブマーケティングディレクター
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