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オウンドメディアの適切なKPIとは?事例からみる運用フェーズごとの設定を解説

更新日: 2024.11.13   公開日:2022.03.31

近年、コンテンツマーケティングに取り組む企業が増えています。オウンドメディア施策を成功に導くためには、「適切なKPI設計」が鍵となります。本記事では、立ち上げ期から改善期に至るまでの各フェーズでオススメのKPIの立て方についてオウンドメディア元編集長の私自身の事例も交えながら紹介します。

オウンドメディアとは

オウンドメディア(Owned Media)とは、文字通り自社で所有するメディアのことです。広義では、Webサイトやカタログ、パンフレット、DMなど、自社でコントロールが可能なメディア全般を指します。

一方で、近年は多くの場合「オウンドメディア=記事型コンテンツを活用したWebメディア」を指します。そのため本記事でも、記事型コンテンツを活用したWebメディアのKPIの立て方を紹介します。

▼オウンドメディアについて詳しくはこちら
5分で理解!オウンドメディアとは? ~事例とともに分かりやすく説明します~

KPIとは

KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。最終的な組織の目標(KGI※第3章で解説)を達成するために設定する中間目標のことであり、KPIを確認することで目標の達成度合いを確認することができます。

KPIは多くの場合、訪問者数や問合せ数など、具体的な数値で設定されます。そのため、KPIはチームや個人が目標達成に向けてどうアクションすべきかといった日々の業務の指針ともなります。

KPIは「KGI」を決めてから

KGIとは、「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。事業やプロジェクトの最終的な目標を指し、KGIを分解して設定したものがKPIとなります。

たとえば、KGIを「セミナー申込数200名」とし、その数値を達成するための施策の1つとしてWebサイトを立ち上げたとします。その場合、KGIは以下のように分解でき、各要素がKPIとなります。

セミナー申込数(KGI)
=サイト訪問者数(KPI)×申込率(KPI)
=(新規サイト訪問者数(KPI)+リピートサイト訪問者数(KPI))×申込率(KPI)
KGIとKPIの関係

このように、1つのKGIに対してKPIは複数あり、どのKPIにより注力するかは、事業やプロジェクトの方針などによって決まります。

フェーズ別!オウンドメディア のKPI設定例

KPIは、オウンドメディアがどのようなフェーズにあるかによっても変わってきます。私自身の経験談を参考事例として交えながら、大きく4つのフェーズに分けてKPI設定例を紹介します。

運用フェーズ

立ち上げ期(メディア立ち上げ~半年)のKPI

新メディアをローンチする前〜ローンチした直後のフェーズです。 既にメディアはあったが今まで放置気味で、これから本腰を入れて運用することになったという場合も、このフェーズに含まれるかもしれません。

立ち上げ期のKPIは、具体的な数値目標よりも、まずは「運用体制の基盤づくり」といった行動目標にすることをおすすめします。

オウンドメディアは、ローンチ後すぐに成果が出る施策ではありません。マラソンのように持久力が求められる施策です。長期間、効率的に走り続けるには、「立ち上げ期の基盤づくりをしっかりと行うこと」が肝となります。

①メディアの運用目的をおさえる

ゴールが不明瞭だと、どこに向かって走ればよいのか分かりません。自社サービスの認知拡大と興味喚起など、メディアを通して何を成し遂げたいかを明確にしましょう。

②ペルソナを設定し、サイトコンセプトを言語化する

オウンドメディアを閲覧してくれる架空ユーザー像(=ペルソナ)を設定することで、どのようなコンテンツを作っていくべきかといった具体的な方向性が定まります。そして、ペルソナ設定ができたら、メディア全体のコンセプトを立てましょう。

③運用体制を整える

運用メンバーの選定と各自の役割を決めます。たとえば、オウンドメディアを運用する際には下記のような業務が必要となります。

  • 全体の統括や進捗管理(ディレクション)
  • ライターの管理
  • キーワード選定や構成案の作成
  • 記事の執筆
  • デザイン(記事中の図表やバナー作成など)
  • 校正、校閲
  • 記事のアップロード作業
  • 数値計測、効果検証、レポーティング

複数の役割を兼任することも可能で、オウンドメディア立ち上げ期には、主要メンバー1〜3名で始めることが多いようです。記事執筆のフローは外注する企業も多くありますが、まずは内製でスモールスタートし、記事の方向性や執筆ルールが固まってから外注するという流れがオススメです。

私が運営していたオウンドメディアは下図のような役割分担をしていました。

メディア運営での役割分担例

④メンバーと認識を合わせる

①②で作成した、メディアの運用目的やペルソナ、サイトコンセプトをメンバーに共有しましょう。さらに、③で決めた運用体制に基づき、誰がどのような役割を担うかもきちんと決めることをおすすめします。そうすることで、目標とずれることなく、全員が責任をもって行動できるようになります。

⑤年間スケジュールを立てる

1年間のアクションプランを前もって立てることもオススメです。メリットは大きく2つあります。

1つ目は、各メンバーが1年間を通じた行動の中で、日々の業務がどんな意義をもっているのかきちんと理解している方が、円滑なコミュニケーションがとれることです。

2つ目は、プロジェクトに関わっていない社内のメンバーにも説明しやすくなることです。特に、組織全体にオウンドメディア運営の意義が浸透していない場合には有効です。

前述したように、オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかる施策です。そのため、プロジェクト外のメンバーは、運用メンバーが日々何に取り組んでいるのか分からず、コストセンターと捉えられる恐れがあります。そうしたリスクを回避するには、中期的なアクションプランをプロジェクトに関わるメンバー以外の人にも発信していくことが必要です。

私は、下図のような3カ月ごとの年間スケジュールを立てて、社内に発信していました。

メディア運営の年間スケジュール

コンテンツ制作初期(半年~1年)のKPI

運用体制の基盤ができたら、いよいよコンテンツ制作です。
このフェーズは、ある程度コンテンツの量を確保したい期間です。なぜなら、ユーザーがメディアに訪問した際に、コンテンツ数が少なくスカスカの状態だと、「このメディアで情報は得られるのだろうか…?」といったネガティブな印象を受けかねないからです。

そのため、コンテンツ制作の初期フェーズでは、KPIを記事の作成本数や公開本数に設定します。まずはメディア内のコンテンツを充実させましょう。社内にすでにあるコンテンツ(例えば、用語集やQ&Aコーナーなど)をオウンドメディアに集約するといった既存コンテンツを活用する方法もオススメです。

ここでの記事数の目標は私の場合、各カテゴリで5〜10本にしていました。ターゲットキーワードから新たに記事を作成するのはもちろん、社内に元々あった音声コンテンツや資料をテキスト化して、記事本数を増やしていったのです。

コンテンツ制作中期~コンテンツ改善前期(1年~1年半)のKPI

記事数が増え、ある程度読み応えのあるメディアになった後は、集客数の向上に取り掛かります。ようやく、SEO施策の本格始動です。自然検索からの流入が増えることで、メディアはローコストで安定的な集客を獲得することができます。

このフェーズでのKPIは、PV(ページビュー)数や訪問者数になります。効率的かつ効果的にSEOに取り組むために、ツールの活用やSEOを専門としている外部機関への相談も検討してみると良いでしょう。私の場合、人的サポートも充実しているSEOツール「ミエルカ」を利用していました。

☑︎ミエルカ|コンテンツマーケティング・SEO自動化ツール

このフェーズでは、記事の品質向上も意識したいところです。せっかくユーザーに訪問してもらっても、こちらが伝えたい情報を読んでもらえないまま離脱されていては意味がありません。

そこで、ページあたりの滞在時間やスクロール率、熟読率、記事間の回遊率もKPIにします。ユーザー行動を意識したこうした数値はGoogleアナリティクスで計測可能ですが、ヒートマップツールも活用するとさらに詳しく分析できます。

☑︎関連記事:Googleアナリティクスって何ができるの?
☑︎関連記事:5分で理解。ヒートマップとは?

コンテンツ改善後期~活用期(~2年以内)

ある程度集客が増えてきたら、組織にとってより重要なKPIをみていきましょう。

たとえば、売上に直結する商品やサービスの購入数、問合せ数、サービスサイトへの総客数などです。こうした指標の数値を伸ばすうえでキーとなるのが「CTA(Call To Action※コンバージョンポイント)」です。CTAの改善については、下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

☑︎関連記事:CTAとは?3つの成功事例とすぐできる5つの改善施策

オウンドメディア成功のために必要なこと

オウンドメディアは、自社にとって資産となる施策である一方、成果が出るまでに時間がかかります。その長期戦に耐え、成果を出すためには、3つのポイントをおさえることが重要だと考えています。

①負荷を分散する

メディアが大きくなるまでは、他業務と兼務しながら携わるメンバーも少なくないでしょう。そうした中、無理なく運用し続けるには、一人当たりの負荷を分散していくことが大事です。

例えば、社内の専門家・有識者であっても執筆を丸ごと1本担うのは大変ですし、文章は得意でないというケースもあります。その場合は「質問に対して音声で回答してもらう」という録音取材などはオススメです。そうすれば回答者は1時間程度の工数ですみ、執筆者は専門家でなくても大丈夫です。また、自分で調査するよりも時間を節約できます。

ライター不足に悩むこともあると思いますが、自社サービスをよく知る人(会社のOBやOG)に、執筆や編集協力を仰ぐのも有効でしょう。

②社内の理解を得る

オウンドメディア運用の意義が組織全体で浸透していない場合、成果が出るまで懐疑的に思うメンバーもいるかもしれません。そのような場合、運用目的や長期的に取り組む必要がある施策だと根気よく伝える必要があります。

「検索順位で1ページ目に表示された」「CVがでた」など、小さくても成果が出たらこまめに共有し、着実に目標達成に向けて進んでいることを発信していきます。そうすることで、少しずつ組織内で理解が得られるようになり、協力してくれる人や応援してくれる人も増えていくはずです。

③ツールや専門家をうまく活用する

記事がたくさんあったとしても、それがユーザーに届かなければ意味がありません。長期的なコストパフォーマンスを考えた時、SEO施策は必須になってきます。

SEOを意識した記事の作成にはコツがいるので、有料ツールを活用したり、外部の専門家に頼りながら、成果につながる記事作成をしていきましょう。軌道にのるまでといった期限を設けて、コンサルタントを導入するのもオススメです。

☑︎関連記事:新宅がオススメ!コンテンツマーケティングツール5選【2022年最新版】

オウンドメディアのKPI設定に迷った場合

他の会社の人はどうしてるのかな?が気になったらこちらをどうぞ!

各フェーズでのオウンドメディアKPI設定で迷ったら、私も利用していたツール「ミエルカ 」を提供するFaber Company(ファベルカンパニー)に相談してみてください。個別にオウンドメディア を確認した後、最終的に売上へつながっていくKPIを提案してくれます。さらに、施策の実行にも伴走してくれます。

質問・相談は、30分程度の無料オンライン相談も対応してくれるので、下記のフォームから気軽に問い合わせてみることをおすすめします。

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本記事の著者
新宅千尋
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監修者
竹田 夢子
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