CTRとは、”Click-Through Rate”の略であり、広告やSEO記事、CTAボタンなどについて、表示回数のうちどのくらいクリックされたかを表す割合です。CTRを高めることで、より効率的に売上や利益を得やすくなります。この記事ではCTRの意味、計算方法や平均値、改善方法をくわしく解説します。
CTRとは
CTRの意味
CTR(Click-Through Rate、クリック率)は、表示回数に対するクリック率の割合です。Web広告やSEO記事、LP・記事コンテンツなどの分野で用いられており、具体的な意味はそれぞれ異なります。
Web広告
リスティング広告やディスプレイ広告など、Web広告が表示された回数のうち、どのくらいクリックされたかを表します。
SEO
検索結果画面に特定のWebサイトが表示された回数のうち、どのくらいクリックされたかを表します。
LP・記事コンテンツ
LP・記事コンテンツ内に設置したCTA(Call to Action 行動喚起を促すリンク・ボタンなど)が表示された回数のうち、どのくらいクリックされたかを表します。
CTRの計算方法
具体的に、CTRは次の計算式で算出されます。
- CTR (%)= (クリック数÷インプレッション数)×100
- クリック数:広告やリンクがクリックされた回数
- インプレッション数:広告やWebサイト、CTAなどが表示された回数
分野ごとに簡単な計算例を紹介します。
Web広告の例
Web広告が1,000回ユーザーに表示され、そのうち30回クリックされた場合、CTRは以下のようになります。
- CTR (%)= (30回÷1,000回)×100 = 3%
SEOの例
Googleの検索結果画面に、自社サイトの記事が500回表示されたとします。そのうち50回クリックされた場合、CTRは以下のとおりです。
- CTR (%)= (50回÷500回)×100 = 10%
LP・記事コンテンツの例
LP・記事コンテンツ内に設置したCTA(資料請求ページへのリンクなど)の場合は、分母はLPや記事コンテンツのユニークユーザーやセッションになります。LPが800セッションで、そのうち40回CTAがクリックされた場合のCTRは以下のとおりです。
- CTR (%)= (40回÷800回)×100 = 5%
CTRの活用場面
CTRは、広告やSEO、Webサイトに設置したCTAなどの効果を評価し、改善する目的で活用されます。CTRが高いほど、その広告や記事コンテンツ、CTAが多くのユーザーに興味を持たれており、大きな売上や利益につながる可能性があることを示します。
CTRが低い場合は、その広告や記事コンテンツ、CTAにユーザーがあまり興味を持っていない可能性があります。タイトル・ディスクリプション・画像・CTAなどのクリエイティブを改善し、CTRの改善を試みます。
CTRとCVRの違い
CTRとCVRの違いは、「何の割合を表しているか」にあります。CTRは広告や記事などが「クリックされた割合」を表す一方で、CVRは「広告や記事内で、目標のアクションに至った割合」を表します。
CVR(Conversion Rate、コンバージョン率)とは、コンバージョン(お問い合わせや注文等)に至った割合を表す指標です。計算式は、用いられる分野によって以下のとおり異なります。
分野 | 意味 | 計算式 |
Webページ | ページを訪れたユーザーのうち、CVに至った割合 | CV数÷アクセス数×100 |
広告 | 広告のクリック数のうち、CVに至った割合 | CV数÷クリック数×100 |
メルマガ | メルマガ内のリンククリック数(またはLPへのアクセス数)のうち、CVに至った割合 | CV数÷クリック数(もしくはLPへのアクセス数)×100 |
例えば、LP内に「資料請求」というCTAボタンがあり、そのボタンをクリックするとフォームに遷移するようになっていたとします。
この場合、「資料請求のCTR」は、CTAボタンがクリックされた割合です。一方、「資料請求のCVR」は、そのボタンをクリックし、かつフォームを入力して資料請求を完了させた割合となります。
参考記事:【初心者向け】コンバージョン率(CVR)とは?計算方法や業界ごとの目安、改善方法や事例まで徹底解説
CTRを分析・改善する重要性
CTRが重要である理由は、SEO記事や広告において、どの部分を改善すべきかを絞り込むことができるからです。
CTRが低い場合、SEO対策や広告運用などの施策にコストをかけていても、肝心の中身を見てもらえていない状態を表します。中身を見てもらっていないため、当然ながら注文や問い合わせなどのコンバージョンも少なくなります。記事タイトルや広告の出稿文・クリエイティブを改善し、中身を見てもらえるようにする必要があります。
逆に、CTRが高いけれどCVRが低い場合は、記事やLPの中身に問題があることがほとんどです。一人でも多くCVしてもらえるよう、改善していく必要があります。
このように、CTRが低い要因を分析したり、CTRとCVRを比較することで、どの部分を改善するかを絞り込むことができ、結果として、売上げや利益を大きく増やすことができるのです。
CTRの平均値
この章では、広告とSEOに分けてCTRの平均値を紹介します。
広告における業種別の平均値
海外マーケティング会社の調査によると、全業界におけるGoogle広告の平均CTRは、検索で3.17%、ディスプレイで0.46%であり、数年前と比べて上昇しています[1]。主な業種における、検索広告およびディスプレイ広告(GDN)のCTRは以下のとおりです。
業種 | 検索広告のCTR(%) | ディスプレイ広告のCTR(%) |
自動車 | 4.00 | 0.60 |
カスタマーサービス | 2.41 | 0.51 |
Eコマース | 2.69 | 0.51 |
教育系 | 3.78 | 0.53 |
求人サービス | 2.42 | 0.59 |
金融・保険 | 2.91 | 0.52 |
健康・医療 | 3.27 | 0.59 |
法律 | 2.93 | 0.59 |
不動産 | 3.71 | 1.08 |
技術 | 2.09 | 0.39 |
旅行・観光 | 4.68 | 0.47 |
SEOにおける検索順位別の平均値
海外マーケティング会社の調査によると、Google検索の検索結果画面における順位別のCTRは以下のとおりです[2]。
検索順位 | CTR(%) |
1位 | 39.8% |
2位 | 18.7% |
3位 | 10.2% |
4位 | 7.2% |
5位 | 5.1% |
6位 | 4.4% |
7位 | 3.0% |
8位 | 2.1% |
9位 | 1.9% |
10位 | 1.6% |
ただし、業種や検索キーワードによってもCTRの平均値は変わるため、クリック率を高める場合には状況に合わせた対応が必要です。弊社のSEOツール「ミエルカSEO」には、世の中のWebサイト(≒平均値)と比べてCTRが低いページを洗い出し、ピンポイントで対策できる機能(サチコミエルカ)が搭載されていますので、こちらの活用もおすすめです。
[1] Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!](WordStream)
[2] Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2024(First Page Sage)
CTRを改善する(上げる)6つの方法
CTRを改善するには、主に以下6つの方法が効果的です。1〜2つ目の方法は全分野に共通して役立つ方法、3〜5つ目は広告に特化した方法、6つ目はSEO対策に特化した方法です。
適切なキーワードを用いる
リスティング広告や自然検索のSEOでは、適切なキーワードの選定が重要です。CTRが低い場合、「知りたい情報がリンク先や広告、記事内に含まれていない」とユーザーに想起させている可能性があります。
この場合、商品やサービスを利用するユーザーが持つニーズや、使用する検索語句を分析することが重要です。広告テキストやSEO記事のタイトルに、検索クエリと合致するキーワードやユーザーが持つニーズとの関連性が高いキーワードを含めることで、クリックされやすくなります。
A/Bテストを実施する
CTRの改善には、A/Bテストを活用することが効果的です。たとえば、異なるバージョンの広告を同時に表示し、ヘッドラインや説明文、画像、CTAなどの要素を変えて、どちらがより高いCTRを獲得できるかを比較します。
SEO記事やLPに関しても同様に、タイトル・CTAの言い回しや画像などをテストすることでCTRの向上を見込めます。「複数パターンをテスト→効果を比較→改善」というサイクルを回すと、継続的にCTRを改善し続けることが可能です。
ターゲットを見直す
広告の場合、ターゲット設定の見直しも重要です。自社商品・サービスに対して興味関心や購買意欲を持たないユーザーに広告を表示することで、CTRの低下を招くためです。
広告が自社のサービスや商品に合ったターゲットに表示されることで、CTRの改善が期待できます。商品・サービスや外部環境の分析、STP分析などを実施し、改めて自社商品・サービスにニーズを持つターゲットを定義すると効果的です。
リスティング広告やSNS広告では、国や地域、年齢、性別、興味・関心、ライフイベントなど、詳細なターゲティング機能が利用可能です。こうした機能を使用する場合、広告の表示設定(場所、デバイス、属性、日時など)を定期的に見直し、自社のターゲットとは異なるユーザーに広告が表示されないようにすることも重要です。
広告のクリエイティブを改善する
クリエイティブ(見た目や内容)を改善することも重要です。
大前提として、ターゲットのニーズや興味関心を前提とした改善が求められます。単純に商品・サービスの良さを紹介するのではなく、ユーザーの悩み・不安を解決できる旨(ベネフィット)を訴求したり、顧客満足度や実績などを具体的な数字データ込みで紹介したりすると効果的です。
また、テキストの色やフォント、ボタンのデザインといった視覚的要素の工夫もCTRの向上につながります。加えて、購入決定に不可欠な情報(サポート情報や価格など)を広告や記事内のCTA等に含め、ユーザーに具体的な行動を促すことも効果を発揮します。
広告表示オプションを有効活用する
広告表示オプションとは、Google広告やYahoo!広告で、広告テキストとは別に電話番号や住所、特定のWebページへのリンクなどを表示できる機能です。
これにより、広告テキストには収まりきらない情報を伝えつつ、広告の表示範囲が大きくなるため、ユーザーの目にとまりやすくなります。また、広告表示オプションを設定することで、検索エンジンから高い評価を得られ、掲載順位が上がることも期待できます。
特に、サイトリンク表示オプションやコールアウト表示オプションは、広告の占有面積を増やし、短いフレーズで商品・サービスのベネフィットや魅力を効果的に訴求するため、CTRの改善に役立ちます。各広告プラットフォームで利用可能なオプションを把握し、適切に設定することが重要です。
ディスクリプションを改善する
SEO記事のCTRを高める場合、ディスクリプションの変更が効果的です。具体的には、「限られた文字数で、記事内に何が書かれているかを理解してもらうこと」や「自分にとって必要な情報であることを理解してもらうこと」が重要です。
【事例紹介】ディスクリプション改善でCTRが2.6倍に!
実際に弊社では、上記の要素を意識してディスクリプションを改善し、「SEOセミナー」という検索キーワードで、CTRを1.19%から3.13%までアップさせることに成功しました。
セミナーの日程と対象者を明示した結果、ターゲットとなるユーザーにページの内容を想像してもらいやすくなったことが、CTRの向上につながったと考えられます。くわしくは、以下の記事をご参照ください。
関連記事:メタディスクリプションとは?文字数と書き方、SEO効果、クリック率などを事例付で解説
まとめ
CTRは広告やSEOにおいて、タイトルやディスクリプション(説明文)、画像、LPなどのクリエイティブの品質を簡易的に確認できる便利な指標です。CVRの改善と比べ、比較的早く結果が出るため、PDCAを回しやすいことが特徴です。また、CTRを改善することは、CVRを上げることにも繋がります。
広告やSEO、LP運用などの施策に取り組まれている方で、まだCTRを確認されていない方は、今すぐ確認することをおすすめします。
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