共起語は、特定の物事を説明する際に頻繁に使われる言葉や単語を指します。以前のSEOでは共起語をコンテンツに盛り込むだけで検索結果の上位に表示されやすい傾向がありました。
しかし、現在では共起語をメインにコンテンツ制作を行うことは推奨されていません。本記事では、現在のSEO施策では古いとされる共起語の使い方を考えながら、本質的なコンテンツ制作について考えていきましょう。
目次
共起語とは?
共起語は「きょうきご」と読み、特定の物事を説明する際に使われやすい言葉や単語を指します。
例えば、「大学受験」を説明する場合には「科目」や「偏差値」、「センター試験(大学入学共通テスト)」などの単語が頻繁に使われることが予想されます。
これらの単語を「共起語」といいます。特定の物事を説明するために文章を書いていけば共起語は自然と網羅される場合が多いため、過剰に共起語を意識してコンテンツを制作する必要はありません。
共起語とサジェストキーワードの違い
サジェストキーワードとは、検索エンジン上でユーザーが特定のキーワードを検索する際に、セットで検索されやすい組み合わせワードのことです。なお、Googleでは「オートコンプリート」が正式名称です。
例えば、Googleの検索窓に「タクシー」と入力すると、検索候補に「タクシー 料金」や「タクシー 呼ぶ」などの掛け合わせキーワードが表示されます。
これがサジェストキーワード(オートコンプリート)です。あくまでも検索する際にセットで入力されやすい単語が表示されるため、「説明する際に頻繁に使われている単語」を意味する共起語とは異なります。
サジェストや共起語はツールを使って調査をすることが可能です。
共起語と検索結果上の関連キーワード(他のキーワード)の違い
関連キーワードとは、特定のキーワードに関連ないしは連想されるキーワードのことを指します。Google上では、下記のように「他のキーワード」として検索結果の下部に表示されます。
サジェストキーワードと似たキーワードであることがほとんどです。一部違う点については、特定キーワードの検索結果では満足するコンテンツを見つけられなかったユーザーに向けた機能として、再検索を提案する役割があるのではないかと「ミエルカジャーナル」編集部は考えています。
よって、元の検索キーワードを含まないような単語が出現することもあります(上記例でいくと「タクシー」を含まないようなキーワードです)。
共起語をSEO施策で活用するのは古い?
共起語は2016年以前は積極的にSEO施策で活用されており、検索上位を獲得するために共起語が効果的な時代もありました。
しかし、現在では検索アルゴリズムの精度が向上し、ユーザーの検索意図を無視して共起語を大量に盛り込んだコンテンツは評価されません。
そのため、もし現時点でも「共起語を入れれば順位が上がる」という認識を持っている方がいれば、考えを改める必要があるでしょう。
上記の理由から、共起語をメインに活用した新規コンテンツの制作やリライトはおすすめしません。提供するコンテンツのあるべき姿は、ユーザーの検索意図に応える内容かどうか?が最も重要であることを忘れないようにしましょう。
それでも使いたい場合の共起語の調べ方・ツール
前述の通り、共起語はあくまでもコンテンツ制作における補助的な役割に留まり、現在では活用しなければならないものではありません。しかし、それでも共起語を参考にしたい場合は、以下の方法で調べることができます。
検索上位サイトを流し読みして分析する
さまざまな会社から共起語を抽出するツールが提供されていますが、これらのツールは一般的に検索エンジンが評価している(検索上位にある)サイトの内容を中心に分析されています。
そのため、ツールを利用せずとも検索上位にあるサイトを目視で確認し、頻繁に利用されている単語や外せないキーワードを調べることは可能です。
ただし、このやり方で得た共起語情報をもとにコンテンツを作成してしまうと、すでに上位サイトで書かれている内容だけを参考にすることになります。工夫しない限り、コピーコンテンツになってしまったり、内容がちぐはぐなコンテンツになってしまう可能性があります。
読み手のニーズに沿った質の高いコンテンツを制作するためには、上位サイトの内容を参考情報のひとつとして、検索者のインサイトを注意深く読み解く必要があります。
共起語調査ツールを活用する
共起語を抽出できる調査ツールを利用する場合は、上位サイトを目視で確認するよりも手間をかけずに共起語を調べることが可能です。ただし、ツールによって抽出範囲や精度が異なりますので、そのアウトプットは慎重に判断する必要があります。
さらに、ツールを利用した場合は単語のみが抽出されるため、書きたいテーマについて深い理解がないと、読み手の検索意図を判断することはかなり難易度が高いといえます。
また、検索上位サイトがユーザーの検索意図を必ずしも満たせているわけではありません。検索意図に応える適切な情報がないため上位に表示されてしまっているコンテンツもあるからです。あくまでも共起語は検索意図を読み解くための参考情報のひとつとして利用しましょう。
(再掲)共起語をSEOで活用する際の2つの注意点
共起語をSEOで活用する場合は、共起語単体で施策や方向性を決めてしまわないよう注意が必要です。特に気をつけたいポイントについて、改めて詳しく解説します。
1.共起語だけでコンテンツ作成・リライトをしない
本記事を通して何度も記載している通り、共起語はあくまでも読み手の検索意図を読み解くための参考情報のひとつです。新規でコンテンツを作成したり、リライトしたりする際に共起語だけを参考にして内容を執筆することは絶対に避けましょう。
仮に共起語だけを参考にコンテンツの構成や執筆をおこなってしまうと、ただキーワードが詰め込まれただけのわかりにくい文章になってしまう恐れがあります。検索ユーザーはそんな記事を最後まで読むでしょうか?
2.Googleの検索上位サイトが正解とは限らない
コンテンツを作成する際には、対象となるキーワードで検索し、上位表示されるサイトを参考にする方法がよく取られます。
しかし、ここで注意してほしいのが検索結果で表示される上位サイトが必ずしもユーザーの検索ニーズを満たしているとは限らないことです。
検索エンジンによる検索結果はあくまでもGoogleが過去のデータに基づいて現時点で関連性が高いと判断したページで、Web上に存在されているコンテンツしか表示されません。そのため、Web上にユーザーが求めている答えが存在しない場合は、当然検索上位のサイトであっても正解ではありません。
共起語でなく、検索結果分析・アンケートデータ・実地調査を活用してユーザーインサイトを深ぼろう
コンテンツを作成する際には、共起語だけではなく検索結果の分析やアンケートデータ、実地調査などを活用してユーザーインサイトの深掘りを念入りに行うことが重要です。
また、ユーザーインサイトを理解する際にはトピックを分析することも有効な手段になり得るでしょう。ミエルカ(MIERUCA)には共起語調査のために提供していた機能をアップグレードした、トピック分析機能があります。
前述した通り、この分析結果をもって「この単語をいれよう!」という発想になっては意味がありません。対象トピックが不足していることが、ユーザーにとって悪いことかそうでないかを判断し、コンテンツ内にきちんと盛り込むかどうか。それを判断するのは執筆や編集をしているご担当自身です。
様々なものがオンライン化して、ある意味ユーザーとの接点を持ちやすくなった側面もあると思います。できるだけリアルなユーザーの声を聞き、ユーザー理解をしていきたいものです。
Faber Company(ファベルカンパニー )では、ユーザーの検索意図の読み解き方やコンテンツ制作ノウハウを詳しく解説するセミナーを定期的に開催しています。ぜひお役立てください!