LINEマーケティングツールとは、LINE公式アカウントの基本機能を拡張し、リピート化や売上促進、顧客管理や分析、自動対応など業務効率化を実現するツールです。

LINEの月間アクティブユーザー数は9,400万人と、国内人口の約7割が利用していることから（2022年12月時点）、とくにBtoC向けの販促ツールとして注目を集めています。一方、InstagramやTwitterなどSNS運用に注力していても、「LINE公式アカウントの効果的な運用方法がわからない」というマーケターも少なくありません。

そこで本記事では、LINEマーケティングツールの主な機能や比較表、具体的な活用法を図解つきで解説します。LINEを使ったマーケティング方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
※BtoB領域でのLINE活用についてはこちらの記事をご覧ください｡

1．LINEマーケティングツールとは？

LINEマーケティングツールとは、顧客分析や自動セグメント配信によるナーチャリングやアフターフォローなど豊富な機能を用いて、LINE公式アカウントの運用効果を最大化するツールです。

LINEマーケティングツールを活用すると、リピート促進や売上増加、自動化による運用コストの削減や業務効率化など、さまざまなメリットがあります。API接続で利用できるため開発が必要なく、LINE公式アカウントの基本機能を簡単に拡張できる点が特徴です。

拡張機能はLINEマーケットプレイスで検索できますが、他にも多くのベンダーが拡張ツールを提供しています。LINEはプッシュ力が強くメルマガよりも開封率が高いことから、実店舗だけでなく、ECサイトを含め多くのオーナーがLINEマーケティングツールを活用しています。

2．LINEを使ったマーケティング方法

LINEマーケティングツールについて具体的に解説する前に、LINEを使ったマーケティング方法を紹介します。LINEマーケティングツールを先に知りたい方は、「4. LINEマーケティングツール比較11選」をご覧ください。

①LINE公式アカウントの運用

LINE公式アカウント（旧LINE＠）は、登録した友だちにリッチメニューやメッセージを通じ、お店の情報を発信したり、ショップカードやクーポン配布でリピート化を促したりできます。LINEマーケティングツールは、LINE公式アカウントの基本機能を拡張したものがほとんどです。

②LINEミニアプリ

LINEアプリ上に、モバイルオーダー、順番待ち受付・呼び出し、デジタル会員証など飲食店やサロン運営に役立つ機能を提供できるサービスです。LINE公式アカウントとも連携でき、店舗の業務効率化に役立ちます。

③LINEプロモーションスタンプ

広告費を支払うことで、ユーザーに無料または一定の条件つきで提供できるスタンプ。自社キャラクターを使用することで、ブランドの認知度アップやファン化につながります。

④LINE広告

LINEに広告出稿ができるプラットフォーム。配信された広告は、トークリストやLINE NEWS、LINE VOOM、LINEマンガなどに表示されます。ターゲティング設定が可能で広告配信の効果向上が期待できます。

⑤LINE STAFF START

店舗のスタッフがLINE公式アカウントを運用し、LINEを使ったチャットやコール、メッセージ配信などでオンライン接客を行えます。コスメやアパレル、家具など商品情報の提供や販促に効果的です。

⑥Talk Head View

アクセス数が最も多いLINEトークリストの最上部に、動画や静止画の広告配信ができる機能。特に15〜29歳の若年層に効果があり、低価格で配信ができます。

⑦LINEで応募

LINE上のアンケート回答やポイントキャンペーンなど、ブランド認知や購買促進に役立つ機能です。商品のサンプリングを実施するなど、ユーザーとの接点拡大に利用できます。

⑧LINEチラシ

潜在顧客のステータスや生活エリアごとに、個別化した情報を届けられるデジタルチラシサービスです。LINEの利用状況からも情報を最適化します。

⑨LINEポイントAD

友だち追加など指定条件を行ったユーザーに対し、LINEポイントを付与できるサービス。貯めたポイントはLINEスタンプやLINE Payのコード決済に活用できます。

⑩LINE POP Media

ドラッグストアやコンビニエンスストアなど、実店舗に滞在しているユーザーに、LINEトークリスト最上部に広告を掲載できる機能です。商品を目の前にしたユーザーにアプローチできる点が特徴です。

3．LINEマーケティングツールの主な機能

LINEマーケティングツールの主な機能について、7点解説します。

①ポップアップ

Webサイト上に滞在するユーザーの行動データを分析し、離脱するタイミングを狙い、LINE公式アカウントの友だち登録を促す機能です。

②ユーザー分析

登録した友だちの流入経路、属性、アンケート回答による関心、LINE公式アカウント上の行動履歴などを分析する機能が搭載されています。

③セグメント配信

ユーザー分析でセグメントを作成し、特徴や関心事項にあったメッセージ配信で、ナーチャリングができます。

④ステップ配信

何らかのアクションを行った友だちに対し、メッセージを定期的に自動配信する機能です。ナーチャリングやリピート化の促進に役立ちます。

⑤レポート・ダッシュボード

ダッシュボードでは対応ステータスや施策の効果、利用率などを一元管理でき、レポートで成果を確認できます。

⑥外部連携

自社のCRMやSFA、基幹システムなどと連携できる機能です。より詳細な顧客分析やコミュニケーションが実現します。

⑦自動化（シナリオ／チャットボット）

あらかじめQ&Aやシナリオを設定し、チャットボットで対応を自動化できます。一問一答形式による自動対応で、スタッフの業務効率化を図れます。

4．LINEマーケティングツール比較11選

LINEマーケティングツールを11選で紹介します。それぞれの機能については、各項目で紹介しています。

名称	特徴	料金
Liny	友だちのセグメント化で効果的かつ効率的なアプローチを実現	問い合わせ
MicoCloud	集客からロイヤルカスタマー育成までを一元管理	問い合わせ
DECA for LINE (旧: LIBERO)	確度の高い友だち獲得と顧客エンゲージメントを実現	問い合わせ
Atouch	LINEで簡単にECショップが作れる	初期費用：0円 月額料金：9,800円〜
Lステップ	LINE公式アカウントで反応や成約率を高める豊富な機能を搭載	初期費用：0円 月額料金：2,980円〜
LOYCUS	LINE公式アカウント運用の自動化と可視化を実現するMAツール	初期費用：5.5万円 月額基本料：2.2万円〜 運用支援：8.8万円〜
DMMチャットブースト ①for EC ②for店舗 ③CV	①Shopifyアカウントと連携でLINEから個別アプローチ ②実店舗のLINE公式アカウント運用を効率化 ③コンバージョン率が増加するAIチャットボット	①月額$249、友だち数での従量課金 ②問い合わせ ③初期費用0円、運用費用0円、完全成果報酬
COMSBI SaaS	複数店舗や商業施設向けのLINE CRMツール	問い合わせ
L Message	月1,000通までのフリープランなら集客や販促を無料で自動化	初期費用：0円 月額費用：0円〜
Penglue	離脱ユーザーをLINEに誘導するチャットボット広告	初期費用：0円 月額費用：0円 完全成果報酬（上限50万円）
CScloud	複数のスタッフと共有しながらLINEの自動応答と有人対応を実現	問い合わせ

※各機能や料金については2023年4月時点での各社公式サイトを参照しています。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。

①  Liny(リニー)

特徴	友だちのセグメント化で効果的かつ効率的なアプローチを実現
機能	流入経路分析や自動Q&A機能の活用で、友だちをセグメント化し個別化した販促アプローチを実施 アプローチ後、行動分析でステップ配信など次のアクションを実行 セグメントごとに表示するリッチメニューの入れ替えが可能
料金	問い合わせ
URL	https://line-sm.com/

②MicoCloud(ミコクラウド)

特徴	集客からロイヤルカスタマー育成までを一元管理
機能	サイト離脱者に対しLINEに誘導し、後追いするステップ配信機能で取りこぼしを防止 新規登録者に対し診断を実施し、結果に応じてレコメンド配信 来店予約をLINEでスムーズに完結し、スピーディな成約を実現
料金	問い合わせ
URL	https://www.mico-cloud.jp/function

③ DECA for LINE (旧:LIBERO)

特徴	MA/CDP基盤を活用したLINE特化型マーケティングオートメーション
機能	Web行動履歴×LINE取得データ×貴社DBを活用したセグメント配信 多様なデータで実現するシナリオ設計・パーソナライズ配信・自動配信 LINE内でアプリケーションを構築できるカスタマイズ開発
料金	問い合わせ〜
URL	https://deca.marketing/service/cloud/line/

④ Atouch(エータッチ)

特徴	LINEで簡単にECショップが作れる
機能	LINEだけで簡単にネットショップ開設可能 無形商品も販売可能､在庫管理機能なども保有 販促機能ではユーザーセグメントごとのカスタムメッセージの配信も可能
料金	初期費用：0円、月額料金：9,800円〜
URL	https://atouch.jp/

⑤ Lステップ

特徴	LINE公式アカウントで反応や成約率を高める豊富な機能を搭載
機能	サイト閲覧数やクリック数など、アクションに対しスコアリングを発生させ、スコアに応じてセグメント配信を実施 視認性が高いカルーセル・ボタンパネルによるコンテンツ作成で導線を作成 友だち追加用のQRコードを複数発行し、流入経路分析を実施。追加された場所によって異なるシナリオを配信
料金	初期費用：0円、月額料金：2,980円〜
URL	https://linestep.jp/lp/01/

⑥ LOYCUS(ロイカス)

特徴	LINE公式アカウント運用の自動化と可視化を実現
機能	友だち追加やコンバージョンなどイベントに対し、メッセージ配信や対応ステータス変更などアクションを自動化 カスタマイズ可能なセグメントごとにデータを蓄積し、最適なタイミングで最適なオファーを自動提供 ダッシュボードで対応ステータスや効果を可視化
料金	初期費用：5.5万円 月額基本料：2.2万円〜 運用支援：8.8万円〜
URL	https://loycus.jp/

⑦ DMMチャットブースト

特徴	①Shopifyアカウントと連携でLINEから個別アプローチ ②実店舗のLINE公式アカウント運用を効率化 ③コンバージョン率が増加するAIチャットボット ※DMMチャットブーストは3種類あります
機能	①LINEからECサイトの商品購入、商品自動表示、決済や通知機能などを搭載 ②配信数無制限、対応自動化、CRM機能などを搭載 ③AIチャットボットが離脱ユーザーを継続的に接客する機能などを搭載
料金	①月額$249、友だち数での従量課金 ②問い合わせ ③初期費用0円、運用費用0円、完全成果報酬
URL	https://chatboost-ec.dmm.com/

⑧ COMSBI SaaS

特徴	複数店舗や商業施設向けのLINE CRMツール
機能	LINEアカウントをポイントカードとして活用し、ポイント利用者の行動を詳細に分析。情報を活用してセグメント配信が可能 期間限定クーポンの発行や利用店舗を限定したクーポン作成など、豊富なクーポン発行機能を搭載 顧客台帳機能で、属性や利用店舗、所持ポイントを確認
料金	問い合わせ
URL	https://comsbi-saas.com/

⑨ L Message

特徴	月1,000通までのフリープランなら集客や販促を無料で自動化
機能	友だち追加情報や属性、行動履歴を自動取得 チャットボットによる対応やステップ配信、アフターフォローやリマインド業務の効率化を実現 URL分析、クロス分析、コンバージョン分析で現状を可視化
料金	初期費用：0円、月額費用：0円〜
URL	https://lme.jp/

⑩ Penglue(ペングル)

特徴	離脱ユーザーをLINEに誘導するチャットボット広告
機能	AIがWebサイト上のユーザーの離脱パターンを学習し、離脱のタイミングを予測しポップアップバナーを表示してLINEに誘導 LINE登録後、チャットボットでWeb接客しコンバージョンを後押し ユーザーを後追いしプッシュ通知で継続的にアプローチを実施
料金	初期費用：0円、月額費用：0円、完全成果報酬（上限50万円）
URL	https://penglue.jp

⑪ CScloud(シーエスクラウド)

特徴	複数のスタッフと共有しながらLINEの自動応答と有人対応を実現
機能	友だちとのトーク画面の共有機能で、対応業務を効率化 社内コメント機能で申し送り事項やエスカレーションを記録 タイムライン形式で応対利益を残し、過去のやり取りを管理
料金	問い合わせ
URL	https://www.cs-cloud.jp/

5．【図解】LINEマーケティングツールの具体的な活用法

LINEマーケティングツールの具体的な活用法を、3点紹介します。

①サロンの初回登録者にはリピート用の限定クーポンを配信する

サロンのLINE公式アカウントに登録した新規ユーザーに対し、限定クーポンを配信するとリピート化を促せます。

「友だち追加」というアクションに対し「限定クーポン配信」をあらかじめ設定しておくことで、自動配信が可能です。「1ヶ月以内のご来店で10％OFF」など、期間を限定しお得情報を提供すると再来店につながりやすくなります。

ちなみに、上記はLINE公式アカウントの基本機能でも可能です。LINEマーケティングツールで拡張機能を活用するなら、診断コンテンツの作成がおすすめです。診断コンテンツの結果に応じて配信するクーポンを変えることで、お客様の悩みや好みに応じたお得情報を提供できます。

②特定地域の物件を探している見込み顧客へ新着物件をお知らせする

行動履歴やアンケート回答などを自動でタグづけするLINEマーケティングツールでセグメント化しておくことで、特定地域の物件を探しているユーザーに新着物件の自動配信ができます。セグメント配信はユーザーの特徴に合わせた内容をお届けできるため、開封率やコンバージョンの向上につながります。

③よくある質問への自動応答後に自動的にアクションを行う

一問一答形式で対応できるよくある質問に関して、チャットボットで自動応答するようLINE公式アカウントの基本機能を設定しておくと、対応工数を削減できます。

さらに、LINEマーケティングツールを活用すると、よくある質問への応答後に行動履歴などの情報を蓄積し、あらかじめ設定したアクションを自動で行うことができます。

6. LINEマーケティングツールの効果最大化のためにはWeb接客も重要！

LINEマーケティングツールを活用するには、LINE公式アカウントの友だち数を増やす必要があります。LINE広告の活用や、QRコードを使った実店舗での誘導などが効果的です。Webサイト上では、ポップアップ表示によるWeb接客で、LINE公式アカウントへの登録を誘導できます。

コンバージョンミエルカは、ノーコードで簡単にポップアップやチャットボットを設置できる「Web接客ツール」です。テンプレートも豊富にあり、月額1万円から利用できます。LINE公式アカウントや拡張ツールを活用している場合、Web接客ツールの導入もあわせてご検討ください。