CVRが施策前比で116%に向上! 高級食器ブランドECが挑んだ ファクトベースのUI改善
2026.07.31
ロイヤルコペンハーゲン、ウェッジウッド、イッタラ、アラビアやムーミンアラビアなど、主に北欧の高級食器を手がけるフィスカース ジャパン株式会社。日本でのさらなる販路拡大に向けて、Eコマースの強化に注力している。
データに基づく根拠あるサイト改善を行うため、ミエルカヒートマップを導入し、CVR(購入率)が施策前に対して116%になった。ユーザーの解像度が高まり、チームの議論や意思決定の質も変わったという。
同社の営業部にてEコマースを統括する木下氏、金澤氏に、ミエルカヒートマップの導入背景から具体的な改善内容、導入後の変化について話を伺った。
|
この事例の概要 |
|
|---|---|
|
企業名 |
フィスカース ジャパン株式会社 |
|
事業内容 |
高級輸入食器の輸入・卸売、及び小売 |
|
従業員数 |
276名(2025年5月時点) |
|
支援サイト |
|
|
導入サービス |
ミエルカヒートマップ(2023年8月〜) |
|
課題 |
|
|
支援効果 |
|
ECの売上最大化にむけて根拠あるサイト改善をしたい
フィスカース ジャパン株式会社は、高級食器の輸入・卸売、及び小売事業を展開している。手がけているのは北欧のロイヤルコペンハーゲンやイッタラ、アラビア、英国のウェッジウッドなど、日本でも広く知られ、親しまれているブランドだ。
これまで同社の売上の基盤は、百貨店をはじめとするリアル店舗が大きな役割を担ってきた。しかし顧客の購買行動がオンラインへとシフトするに伴い、ECを強化することになった。
現在は、ウェッジウッド、イッタラ&アラビア、ムーミン アラビア、ロイヤル コペンハーゲンの4つの直営オンラインストアを運営しており、利益率の高いこれらのドメインをいかに成長させるかが、会社全体の重要戦略となっている。

(右)WEDGEWOOD公式オンラインストア
営業本部・木下氏の率いるEコマースグループのミッションは、オンラインサイトの売上を最大化すること。サイト改善・強化のほか、認知向上を目的としたブランディング施策からデジタル広告の運用まで、デジタルマーケティング全般を統括する。

営業本部 シニアEコマースマネージャー 木下 恵寿氏
木下氏は、ミエルカヒートマップ導入前の課題を次のように振り返った。
木下氏:
「当社は外資ブランドのため、オンラインストアのデザインは本国のガイドラインに準拠しており、UIを大きく変更することは難しい状況でした。それでも、集客力や購買数の向上を目指してサイト改善に取り組む方針が決まったんです。
そこでまずはサイトを訪れているお客様がどのような動きをしているのか、現状を可視化したいと考えました。
Google Analyticsは活用していたんですが、ユーザーの行動背景までは見えないので、UI改善のファクト(根拠)としては物足りないと思ったんです」
推測ベースで試行錯誤を繰り返すような改修ではなく、ファクトに基づいて仮説を立てて検証・改善したい。ユーザー行動を可視化するツールの導入を検討し、候補に上がったのがミエルカヒートマップだったという。
導入の決め手は、専任カスタマーサクセスの存在
ツールの検討に当たっては、木下氏がかねてより、SEO文脈でFaber Companyの実績を知っていたことからミエルカヒートマップが候補に挙がった。
導入の決め手となったのは、機能の充実以上にカスタマーサクセス(以後CS)の存在が大きかったという。

ミエルカ カスタマーサクセス 平松 千佳
ミエルカヒートマップは、専任のカスタマーサクセスによる伴走支援の手厚さに定評がある。単なるツールの導入にとどまらず、具体的な改善策まで提案してくれるパートナーを求めていた同社にとって、専任CSによる支援体制は決定打となった。

ITreview Grid Award 2026LEADERを受賞
※くわしいサービス概要はこちらをご覧ください
一般的に、ECサイトのCV改善は商品ページのUI改修だけで完結するものではなく、SEOなどの集客力向上も含めた総合的な施策が求められる。その点で、SEOにも強みを持つFaber Companyは、ヒートマップ活用にとどまらない包括的な支援が期待できるパートナーだった。
※SEOを詳しく知るなら:【2026年最新】SEOとは?優先度の高い10のSEO対策
CSの知見とヒートマップの活用でCVRがアップ
同社はオンラインストアのTOPページや、キャンペーン用のLP、購入フォームなど様々なWebページにミエルカヒートマップを活用している。
担当CSのFaber Company・平松は、フィスカース ジャパン社と毎月1回の定例会を実施。ミエルカヒートマップで可視化されたユーザーの動きを読み解き、施策の検討と優先順位付け、A/Bテストの実施や振り返りまで、一連のPDCAをともに回す。

施策の振り返りやネクストアクションを整理
こうした伴走支援のもと生まれたミエルカヒートマップ活用事例を、2つ紹介しよう。
活用事例①購入ページの改善で施策前比116%に向上
最初に紹介するのは、英国王室御用達の食器ブランドWEDGWOOD(ウェッジウッド)公式オンラインストアへの取り組み。平松がまず着目したのは、ユーザーが商品を買い物かごに入れた後の購入手続きページだ。
当時の同ページでは、画面左上のヘッダーに、他ページへの回遊を促すハンバーガーメニューが表示されたままの状態だった。

左上にハンバーガーメニューがある購入手続きページ
ミエルカ 平松:
「購入画面まで到達したユーザーは、すでに購入の意志をほぼ固めています。そのため、この段階では購入以外への導線は〝できるかぎり削除する〟がCV改善の鉄則です。すぐに、ハンバーガーメニューを外す提案をしました。他社さまのご支援でも、これでCVRが向上した例があります」

定期的に勉強会を開催し、知見を広げている
ノイズは排除すべきという定石に基づき、ハンバーガーメニューの表示/非表示にわけて、ミエルカヒートマップでA/Bテストを実施した。その結果、平松の読みどおりハンバーガーメニュー非表示のページのCVR成長率が116%になったのだ。

この施策は、ミエルカヒートマップがあればA/Bテストが簡単に実施できることと、小さな改善を積み重ねることの有効性をチームが実感するきっかけにもなった。
活用事例②ユーザー行動の可視化でページレイアウトを最適化。CVR成長率114%
続いては、フィンランドを代表する食器イッタラ&アラビア公式オンラインストアのTOPページ改善事例だ。シンプルで洗練されたデザインだったが、直帰率の高さに課題があった。

まだ直帰率改善前のTOPページ
平松はまず、回遊ユーザーと直帰ユーザーの動きをヒートマップで比較。すると、直帰してしまうユーザーはカテゴリの導線を探して画面をさまようような動きや、検索窓を探す行動が見られたという。
そのため、「導線がユーザーニーズに合っておらず、離脱につながっているのではないか」という仮説を導き出した。

ミエルカ 平松:
「ユーザーは、自分のニーズに合った探し方の入り口を求めているのではないかと考えました。そこで、カテゴリから探せる導線・おすすめ商品への導線を新たに追加していただき、そのレイアウトの最適解を探るためのA/Bテストを実施しました」
その結果、最もパフォーマンスの高いレイアウトを特定し、購入のCVRは1ヶ月で114%成長したのだ。

公式オンラインストアTOPページ
TOPページ改善の取り組みは、ユーザーの求める導線をサイトに追加したことが大きな成果へとつながった。
CVRの改善が売り上げにも寄与
サイト改善の目的はCVRの向上、ひいては売上の最大化だ。フィスカース ジャパン社も例外ではない。
オンラインストアの運用とシステム整備・改善を担う金澤氏は、一連の施策によるCVRの改善が「売上インパクトにつながった」と話す。

金澤 謹司氏
金澤氏:
「グローバル本社が評価するのは、あくまで売上 売り上げへのインパクト。導線を整えて商品ページへの遷移率が上がっても、購入につながらなければ意味がありません。
商品ラインナップや広告の出稿状況など外部要因による変動はありますが、ベースとなるCVRが底上げされたことで、以前よりも高い水準で売上 売り上げにつながる成果を出せるようになっています」
CVRの最適化には、流入を増やすプロモーションと、購入を促すサイト改善の両輪が必要だ。
同社では、サイトの土台が整っていない状態でのプロモーション強化に踏み切れず、施策の優先順位が決められないという状況があったという。現在は、ヒートマップを活用したサイト改善が進んだことで、その懸念が解消。土台が整い、広告などへのプロモーションも前向きに議論できるようになった。
ファクトを起点にチームの意識変革を実現
定量的な成果に加え、チームの意識にも大きな変化が生まれた。木下氏は、根拠を持って施策を回せるようになったことを最大の変化として挙げる。
木下氏:
「以前は経験と推測ベースでのUI改善だったため、数値が向上しても、本当にベストな改善策だったのか、判断する術がありませんでした。しかしミエルカヒートマップ導入後は、ユーザー行動に基づいて仮説を立て、A/Bテストをできるようになった。根拠をもって、その時点で最善の施策を回せるようになったのは大きな変化です。
改善案をすぐにWebサイトへ実装するのではなく、事前にA/Bテストで検証することで、施策の効果を明確に判断できるようになり、無駄な実装コストの削減にもつながっています。
また、『この場所にこの要素を置くことで、お客様の体験はどう変わるのか』を意識するようになりました。例えば、イッタラのページ上部のスライダーは、ミエルカヒートマップで注目度の高さが分かり、現在は週に1度の頻度で更新しています」

サイトは作って終わりではなく、変化し続ける有機物であるという認識もチーム内に浸透。ひとつのブランドで得た成功体験を、他ブランドへ横展開する動きも加速している。
金澤氏:
「もともとは、当社の視点で訴求したい順番に情報を並べていて、お客様が何を求めているのかの視点が足りていませんでした。ところが、ヒートマップデータを根拠に情報の順番を入れ替えると、CVRが変わる。こんなに変化するものなのかと驚きました」
CS担当の平松も、同社の変化を実感している。
ミエルカ 平松:
「ユーザー行動を可視化しても、企業によっては施策の継続が難しく、PDCAサイクルがストップしてしまうケースはよくあります。
しかし、フィスカース ジャパンの皆様は、木下様・金澤様の体制作りにより、ミエルカヒートマップによる検証・施策の実施というサイクルが定着しています。最近では、私からの提案の実装だけでなく、現場起点で『ヒートマップを見てこう感じたから、ここを直したい』と自走されています」
ブランド体験を次世代へ
サイト改善の先に同社が見据えるのは、長年愛されてきたブランドの継承だ。
同社が扱うブランドは、今大きな転換期を迎えている。日本での顧客層は40代以上が中心で、なかでも1980〜90年代のバブル経済期に憧れの洋食器として広く浸透した時代の顧客層が厚い。
この既存顧客層やファン層を起点に、幅広い世代へブランドの認知をどのようにつないでいくかが、重要な課題となっている。
デジタルでの購買が当たり前の世代に選ばれるには、生成AIなどの新技術も柔軟に取り入れながら、常にサイトをアップデートし続ける必要がある。顧客のニーズを汲み取り、サイトの課題を一つひとつクリアにしていく改善プロセスは欠かせない。
木下氏:
「グローバルの戦略を見据えつつ、現場での地道な改善の手も緩めない。その両軸を大切にしたいと考えています。引き続き平松さんの知見もいただきながら、A/Bテストなど自分たちでできるところは内製化を進め、自走できる組織を目指していきます」

CS担当・平松のコメント
ヒートマップは、ユーザー行動を可視化するツールですが、データ自体が意味をもつわけではありません。重要なのは、データを起点にチームで対話を重ね、ユーザー理解を深めることだと思います。フィスカースジャパンの皆様は、メンバー全員がデータを共通言語に、仮説に基づきユーザー心理を思考する文化が築かれた好例です。このような体制こそが、施策の再現性と継続的なCVR改善の原動力だと感じています。
「自走できる組織」を目指す木下様・金澤様のビジョンを支えるべく、知見の提供にとどまらず、判断の拠り所になれるよう、引き続き伴走してまいります。
企業プロフィール
社名フィスカース ジャパン株式会社
事業内容高級輸入食器の輸入・卸売、及び小売
導入時期ミエルカヒートマップ(2023年8月〜)








.jpg)





.png)
















