
デジタルマーケティングとは、WebサイトやSNS、広告、メールなどデジタルメディア上の接点を活用し「売れる仕組み」を設計・運用することです。
とはいえ、「どこまでがデジタル、どこまでが対象?」と境界があいまいで戸惑いますよね。人によって境界は少し違うこともあるのですが、筆者が持つ定義と概念で今回はお伝えします。
本記事では、わかりやすい具体例を挙げて、デジタルマーケティングの定義や概念、そして進め方をわかりやすく解説していきます。
目次
- デジタルマーケティングの定義・概念とは?
- Webマーケティングとの違い
- 身近な具体例
- デジタルマーケティング施策の種類・手法
- 1)SEO(検索エンジン最適化)
- 2)リスティング広告(検索連動型広告)
- 3)SNSマーケティング
- 4)コンテンツマーケティング
- 5)メールマーケティング
- 6)ディスプレイ広告(バナー広告)
- 7)動画マーケティング
- 8)ウェビナー(Webセミナー)
- 9)デジタルOOH(屋外デジタル広告)
- 10)LINEマーケティング
- 11)アフィリエイト
- 12)インフルエンサーマーケティング
- デジタルマーケティングの進め方
- Step1)ターゲット・ペルソナの設定
- Step2)現状分析と目標設定
- Step3)戦略立案・施策選定
- Step4)施策実行
- Step5)効果測定・分析と改善
- デジタルマーケティングの必要性と未来
デジタルマーケティングの定義・概念とは?
デジタルマーケティングとは、WebサイトやSNS、メール、デジタルサイネージなど “デジタルを介した接点” を使って行うマーケティング活動(主にプロモーション)全般を指します。オンラインマーケティングとも呼ばれ、近年はWeb以外の動画配信や店頭サイネージまで含むようになっています。

「デジタルが対象なら、逆に “非デジタル” とは何だろう?」と考えたくなりますよね。
展示会やセミナーなどのオフラインイベント、新聞・雑誌広告といった紙媒体、テレビCM、ハガキによるDMなどが典型的な非デジタル施策です。
たとえば展示会で名刺交換をした時点ではまだオフラインですが、その名刺をスキャンしてマーケティングオートメーションに登録し、メールを配信すれば、そこから先はデジタルマーケティングの領域。こうしたオンラインとオフラインの融合が進んでいるため、完全な「非デジタル施策」は現在ほとんど存在しません。それほどまでにデジタルマーケティングは幅広く、日常的な活動になっています。
Webマーケティングとの違い
WebマーケティングはWebサイトや検索、SNSなど Web上のメディアだけを舞台に行う施策の総称です。具体例はWeb広告・SEO・SNS運用など。一方、デジタルマーケティングはそれらに加えてアプリ、メール、デジタルサイネージ、IoTデータ活用など Web外のデジタル接点 も対象となります。デジタルマーケティングの方が広い領域を持っています。
以下のようなものがデジタルマーケティングに当たります。体験したことがあるのではないでしょうか?
身近な具体例
- お気に入りキャラのLINEスタンプを無料でダウンロードしたら、ブランドからメッセージが届いて新商品を知った
⇓
LINE公式アカウント × スタンプ連携 × セグメント配信
- インスタで見かけたオシャレな靴をサイトでチェックしたら、次の日からその靴の広告がよく出るようになった
⇓
Instagram広告 × リマーケティング
- ネットで買ったスキンケア商品がそろそろ無くなりそうな頃に、『そろそろ買い足しませんか?』とメールが届いた
⇓
CRM × 購買データ連動 × メールマーケティング
いずれも、デジタルデータを活用した「デジタルマーケティング」の特徴的なプロモーション活動です。このように、デジタルマーケティングでは行動シグナルにおけるターゲティングなど、「オフラインマーケティング」では叶えられない技術を使っています。
デジタルマーケティングで「売上を上げたい」「顧客を増やしたい」とお考えの方は、ぜひ当社・Faber Company(ミエルカ)のコンサルティングにご相談ください。多くの案件を成功に導いた専門コンサルタントが伴走支援いたします。
デジタルマーケティング施策の種類・手法
ここでは、数あるデジタルマーケティングのなかでも認知度が高い主な手法をまとめました。各施策は種類として存在しますが、完全に分かれているわけでなく、相互で関わり合っているイメージを持って、ぜひ自社の施策立案にお役立てください。
1)SEO(検索エンジン最適化)
検索結果で自社サイトを上位表示させることで、検索エンジン経由のWebサイト流入を増やす施策です。ページ構造や内部リンク・HTMLソース、コンテンツなどを最適化します。検索ニーズが顕在化しているユーザーを24時間呼び込めるため、安定したアクセスを獲得できます。広告費がかからず、成果が積み上がる点で中長期の費用対効果に優れます。
※関連記事:【2025年最新版】正しいSEOとは?5つのSEO対策とチェックリスト、最新事例も紹介
※当社のSEO施策: オウンドメディア「ミエルカマーケティングジャーナル」
2)リスティング広告(検索連動型広告)
ユーザーが入力した検索キーワードに合わせてテキスト広告を表示し、Webサイトへ集客する手法です。「今すぐ解決したい」という顕在層に即アプローチでき、設定直後から効果が見込める即効性が特長。入札単価や配信期間を細かく調整できるため、予算管理と効果測定がしやすい点も利点です。1)のSEOと合わせて対策することで、相乗効果も見込めます。
※関連記事:【初心者向け】リスティング広告とは?費用や効果の出やすい業界から自分で運用を始める方法まで徹底解説
3)SNSマーケティング
X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSで情報発信や広告運用を行い、フォロワーとの双方向コミュニケーションを通じてブランドへの共感を育てます。拡散力が高く、話題化すれば短期間で大きな認知を獲得できるのが魅力。口コミ効果による信頼醸成やファン化にも向いています。
※関連記事:【2025年最新】SNSマーケティングとは?やり方や戦略の立て方、事例から最新トレンドまで徹底解説
※当社のSNSマーケティング施策(X):ミエルカくん (@Mieruca_kun) / X
4)コンテンツマーケティング
ユーザーにとって有益なコンテンツ(情報)を提供して興味を集めて認知を上げ、最終的に購買行動へつなげるアプローチです。検索流入やSNSのシェアによって継続的に見込み顧客を獲得でき、自社の専門性・信頼性を高められます。メール・LINEマーケティングのネタとしても活用できます。ストック資産として長期的に効果を生む点がメリットです。
※関連記事:コンテンツマーケティングとは?事例とともに戦略や手順、やり方をわかりやすく解説
※当社のコンテンツマーケティング施策:オウンドメディア「ミエルカマーケティングジャーナル」
5)メールマーケティング
メルマガやターゲティングメールで情報やクーポンなどを送り、リピート購入やアップセルを促進します。開封率・クリック率などのデータが取得でき、ツールを使うことでOne to Oneでの最適化が可能。低コストで既存顧客との関係を深めやすいのが強みです。
6)ディスプレイ広告(バナー広告)
Webメディアやアプリの広告枠にテキスト・画像・動画バナーを掲載して、視覚的に訴求する広告施策です。潜在層にも広くリーチできるため、ブランド認知の拡大に有効。リターゲティング配信で再訪を促し、購買確率を高められます。
7)動画マーケティング
YouTubeやTikTokなどで動画コンテンツを配信して認知を上げたり、サービス理解を高め顧客とコミュニケーションを取る手法です。ストーリー性を持たせることで理解と共感を促進でき、SNS拡散や検索表示で幅広い層に届きます。再生数や視聴維持率を分析してPDCAを回しやすい点も特徴です。
※関連記事:コンテンツマーケティングの”動画”活用事例を4つまとめてみた
※当社の動画マーケティング施策:youtube「ミエルカチャンネル」
8)ウェビナー(Webセミナー)
Zoomなどを使ってオンラインで開催するセミナー形式のコンテンツで、講演と質疑応答を通じて深い情報提供が可能です。会場費が不要で全国から参加者を集められ、録画アーカイブを後日活用できる拡張性もあります。参加者のサービス理解を深め、商談化率向上に寄与します 。
※当社のウェビナー施策:セミナー・イベント情報の一覧
9)デジタルOOH(屋外デジタル広告)
駅ビジョンや大型LEDスクリーンなど屋外デジタルサイネージに動画や静止画を配信する広告形態です。高い視認性と臨場感で幅広い不特定多数へ一気にリーチでき、ブランド想起を強力に高めます。地域や時間帯、天候に応じてクリエイティブを切り替えられる柔軟性も利点です。
10)LINEマーケティング
LINE公式アカウントを通じてメッセージ配信やクーポン配布、チャット対応を行い、ユーザーとの接点を深める施策です。開封率が高く、即時性のある情報伝達が可能。セグメント配信やステップ配信で来店・EC購入を効率的に促進できます。
※関連記事:LINEマーケティングとは?活用方法・ツール比較・効果的な施策を解説
11)アフィリエイト
広告主がブログや比較サイトなどの第三者メディアに広告リンクを提供し、パートナー(アフィリエイター)がそれを設置します。クリックや購入など成果が発生した場合にのみ広告主が報酬を支払うため、固定費を抑えつつ露出を広げられるのが特長です。
12)インフルエンサーマーケティング
SNSで影響力を持つインフルエンサーに商品・サービスを紹介してもらい、フォロワーの共感と拡散を狙う施策です。広告色が強すぎない体験談やレビュー形式で届けられるため、信頼感と購買意欲を同時に高めやすいことが特長。フォロワー属性に合わせたインフルエンサーのキャスティングが成功の鍵となります。キャスティングを行う業者も存在します。
以上、代表的なデジタルマーケティング施策を12種類ご紹介しました。
例えば、コンテンツマーケティングを伴わずにLINEやメール配信だけを続けると、配信ネタがすぐに枯渇しがちです。このように各施策は単独では限界があるため、目的やフェーズに合わせて複合的に組み合わせ、相乗効果を狙うことが成果への近道となります。
デジタルマーケティングの進め方
ここまでの前章で、主要な施策の概要をつかめましたか?
しかし、やみくもに施策を始めても成果につながりません。筆者が関わったマーケティングチームにおいても、流行りの施策に飛びつき、成果を出すことができない「手段の目的化」が発生している事例を目にしました。
これより示すステップを参考に、自社に最適な施策を選定し、着実に実行していきましょう。
Step1)ターゲット・ペルソナの設定

まずは狙う市場を複数パターンで洗い出し、優先度を付けてターゲットを決めます。次に各ターゲット像を具体的なペルソナとして描き、年齢・課題・情報収集行動などを可視化しましょう。誰にどんな価値を届けるのかを深く理解することで、後工程の施策選定がブレません。
※関連記事:ペルソナとは?意味や設定方法、事例をわかりやすく解説
Step2)現状分析と目標設定
自社WebサイトやSNSのデータなどを確認し、ターゲット別にどの接点が機能しているかを把握します。その上で売上に関与している成果ポイント(閲覧・送客・CV・リード獲得)など達成すべきKPIを設定します。現状と目標のギャップを明確にすると、打つべき手が明確になります。
Step3)戦略立案・施策選定

カスタマージャーニーなどを作成し、フェーズごとに「誰に・何を・どう伝えるか」を整理。接点(検索、広告、オウンドメディア、SNS、メールなど)ごとに最適なデジタル施策と役割を割り当てます。こうして全体像を設計してから個別施策へ落とし込むことで、正しいコミュニケーションを実現できます。
※関連記事:初めての「カスタマージャーニーマップ」基本と作り方・例~無料テンプレート付き~
Step4)施策実行
Step3の戦略に基づき、コンテンツ制作・広告配信・SNS運用などを具体的なタスクとスケジュールに落とし込み、チームで実行します。運用フローと担当範囲を明確にし、進捗を定点観測。設計通りに施策が回る体制づくりが成果への近道です。
Step5)効果測定・分析と改善
Step4で実施した結果をStep2で定めたKPIと照合し、施策ごとの効果を数値で評価します。成果が芳しくない箇所は原因を掘り下げ、クリエイティブ改善やチャネル変更など打ち手を検討。仮説検証型でPDCAを回し続けることが、継続的な成果向上を生み出します。
Step4〜5は月次などの短いサイクルでPDCAを回し、Step1〜3は半期・年次といった長いスパンで見直します。この二層構造で進めると、現場の俊敏性と全体最適の両立が図れます。デジタルマーケティングは「一度で正解を出す」ものではなく、走らせながら磨き上げます。思考停止に陥れば、施策を動かしていても原因不明のまま成果が頭打ちになりがち。デジタルマーケティングの最大の武器である豊富なデータを読み解き、検証と改善を重ねることで、施策の精度と成果を高めていきましょう。
デジタルマーケティングの必要性と未来
デジタルマーケティングは、これからも生活とビジネスの「当たり前」としてますます存在感を増していきそうです。生成AIや自動化ツールが加わり、「こうすれば響くはず」という勘を、すばやくデータで裏付けられる世界へと進化していくでしょう。
さらに、店舗体験やイベントといったオフライン施策とオンライン接点をシームレスにつなぐ“オムニチャネル”が標準に近づきます。
大切なのは最新トレンドを追いながらも「誰に、どんな価値を届けるか」を見失わないこと。データと創意工夫を味方に、試し・学び・磨きを繰り返す姿勢こそが、これからの成長を支えてくれます。
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