SEO担当者にとって、対策キーワードで検索上位に掲載されることは重要なKPIとなっていることも多いのではないでしょうか。上位掲載を実現するためには、日々変化するGoogleアルゴリズムに対応し、効果的なSEO対策を実施することが重要です。
現在では、検索後のユーザー体験(UX)の重要性が非常に高まっています。本記事では、検索上位に対策キーワードで掲載されるための基礎知識やSEO対策、役に立つツールを解説。また、UXを重視したコンテンツ作成の方法や、UXの高いコンテンツ制作体制についても具体的にご紹介します。

目次
- 1)キーワードのジャンルごとの特徴を押さえて対策する
- 2)ユーザー体験(UX)を第一に考えたコンテンツを提供する
- 3)上位表示しやすい検索キーワードを選定する
- 4)ユーザーの検索意図をもとにWebページを作成する
- 5)SEOの内部対策・外部対策を行う
- 6)SEOにとってマイナスの要素を排除する
検索キーワードと検索順位との関係性
現在のSEOで検索上位に対策キーワードで掲載されるためには「ユーザーに役立つコンテンツ」を作成することが非常に重要です。この事は2024年2月2日改定されたGoogle公式のSEOスターターガイドにも明記されています[1]。
・Googleで一番上に掲載されることは誰にも保証できません
検索結果での存在感を高めるには、魅力的で有益なコンテンツを作ることが、このガイドで説明している他のどの方法よりも有効でしょう。魅力的で、役に立つコンテンツといっても、その意味は人によって異なりますが、一般的には以下のような点で共通しています。
文章をよく練り、わかりやすく自然な言葉を使い、誤字脱字や文法的な誤りをなくします。長い文章は段落や章などに分け、全体を見通せるように見出しを付けてください。
新規のコンテンツを作成する際は、たとえ一部であっても他人のコンテンツをコピーしないでください。ご自身の知識に基づいて、自分で作成してください。誰かが公開したコンテンツの焼き直しはしないでください。
公開済みのコンテンツを確認し、必要なら更新し、的外れになったら削除します。
読者から役に立ち信頼できると思われるようなコンテンツを作ってください。たとえば専門知識や豊富な経験を持つ情報発信者が書いた記事であれば、記事の専門性を理解してもらえます。
※引用:Goole検索セントラル
・興味深く有益なサイトにする
・有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成
・スクレイピング
検索上位に掲載されるための施策を行う前に、まずは、「検索キーワード」「検索ボリューム」「検索順位」などの基本的な概念を確認しておきましょう。
[1]Google公式 SEOスターターガイド(Google for Developers)
1位に近ければ近いほどクリック率は増えるため、より多くのアクセスを集めるには可能な限り検索順位を上げるSEO対策が効果的です。1〜10位(1ページ目)に表示されなければインプレッションも少なく、検索ユーザーになかなかリーチできません。10位以内を目指しましょう。
(参考 検索順位と各順位のCTR)[2]
検索順位 |
各順位のCTR(%) |
1位 |
39.8% |
2位 |
18.7% |
3位 |
10.2% |
4位 |
7.2% |
5位 |
5.1% |
6位 |
4.4% |
7位 |
3.0% |
8位 |
2.1% |
9位 |
1.9% |
10位 |
1.6% |
[2]Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2024(First Page Sage)
検索上位に表示する6つのテクニック
検索上位に対策キーワードで掲載されるための基本のSEO対策を6つ紹介します。

1)キーワードのジャンルごとの特徴を押さえて対策する
検索上位に掲載されるには、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツ作成が不可欠です。検索意図のジャンルとそれぞれの特徴を押さえてページ・コンテンツを制作することが効果的です。
検索意図は以下4つのジャンルに大別されます。
ジャンル | 検索意図 | キーワード/検索意図の例/ 対応コンテンツ |
Doクエリ | 〜をしたい | SEOツール 導入 →SEOツール導入したい →SEOツールの機能・トライアルなど導入したくなるコンテンツ |
Buyクエリ | 〜を買いたい | PCチェア 通販 →PCチェアを購入したい →PCチェアの写真・機能・デザイン・口コミを掲載する買いたくなるページ ※Doクエリの派生 |
Goクエリ | 〜へ行きたい・アクセスしたい | Googleサーチコンソール ログイン →管理画面に入りたい →公式サイトだとわかり、ログインできるページ |
Knowクエリ | 〜を知りたい | SEO対策とは →そもそもSEO対策が何なのかを知りたい →知りたいことがすべて載っているページ |
対策したいキーワードのジャンルを把握することで、ユーザーの検索意図を把握し、コンテンツに含めるべきトピックを洗い出しやすくなります。
2)ユーザー体験(UX)を第一に考えたコンテンツを提供する
Google の自動ランキングシステムは、優れたユーザー体験(UX)を提供するコンテンツを高評価するように設計されています[3]。そのため、検索エンジンからの評価を第一に考えるのではなく、UXを重視したコンテンツを作成することが重要です。
UXの向上につながる手法の一例として、「経験や実体験に基づいた知識を盛り込む」、「読み手であるユーザーの特徴に応じて文章の書き方やデザインを変える」などがあります。特に経験や実体験に基づいたコンテンツは、独自性を持たせることにも繋がり、良質なコンテンツとして判断されやすいとGoogleのMartin Splitt(マーティン・スプリット)氏もミエルカチャンネルのインタビューの中で述べています。
鈴木:質の低いコンテンツに共通するパターンはありますか?
Martin Splitt:すべてを挙げることはできませんが、いくつかあります。例えば、他の人のコンテンツの言い回しを変えただけだったり、いくつかの記事をまとめたりしたものです。こういったものは、新しい価値を生み出していないので、良いアイデアとは言えません。また、過度にニッチなコンテンツも良くありません。「2024年のベストなローンチェア」のようなコンテンツにどれほどの価値があるでしょうか?昨年良かったローンチェアは今年も良いかもしれないですよね。
専門的な記事を書くなら、意味や価値があるトピックを探し出さなければなりません。例えば「スイスの最高の休暇先」や「2024年のスイスのベストホテル」などは、おそらく他の人がすでに記事を作成していると思いますが、新しい価値を生み出す可能性はあります。他の人が作った記事を見て、「シャレーや山小屋の情報があまりない」ということに気づけば、実際に自分で体験したり、すでに経験した他の人に記事を書いてもらうことで、独自のコンテンツを作成することができます。インターネット上で見つけた情報を寄せ集めて新しいコンテンツを作成するだけでは、通常は価値がありません。
大事なのはユーザーがどう感じるかであり、より役立つコンテンツ、より良い体験をつくれるかどうかです。そのためには、SEO担当者やライター、デザイナー、Webディレクター、その道の専門家(たとえば法律系のコンテンツであれば弁護士)など、コンテンツ作成の関係者が一丸となって、「どうすれば良いユーザー体験をもたらせるか」を考え抜くことが重要です。
[3]有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成(Google検索セントラル)
3)上位表示しやすい検索キーワードを選定する
検索ボリュームが大きいキーワードほど、大手企業のドメイン(≒知名度や権威性などが高い)や競合サイトが重点的に対策している傾向があります。したがって、サイトを立ち上げてから十分な期間が経っていない、もしくはSEO対策を重点的に開始し始めてから間もないフェーズでは、検索ボリュームが少ない(50〜500程度)キーワードを狙うことがおすすめです。

流入を少しずつ増やしながら、サイトの成長させ、中長期的には検索ボリュームが大きいキーワードでも上位掲載されやすくなります。
4)ユーザーの検索意図をもとにWebページを作成する
検索意図を満たす記事を作成する方法は様々ありますが、特に手軽かつ効果的な方法を紹介します。
- 検索キーワードのジャンルをもとに、大まかなニーズを把握する
- サジェストキーワードや関連キーワードからに、具体的に知りたいトピックを理解する
- 検索上位のページを分析し、実際にユーザーの満足度が高いコンテンツの傾向を押さえる
- Q&AサイトやSNS等をもとに、上位ページが網羅できていないユーザーの検索意図を把握する
- 1〜4、および自社オリジナルの知見を踏まえてコンテンツを作成する
上記の流れに沿うことで、ユーザーの検索意図を満たしつつ、競合よりも質の高い記事を作成しやすくなります。
5)SEOの内部対策・外部対策を行う
内部対策は「Webサイトの内部で行うSEO対策」、外部対策は「外部サイトを通じて行うSEO対策」です。内部対策と外部対策を実施することで、対策キーワードで上位掲載されやすくなります。
SEOの内部対策
主な内部対策として、「クローラビリティの改善(構造化データのマークアップなど)」や「インデックスの最適化(重複コンテンツの削除など)」、「ページエクスペリエンスの最適化(ページの速度向上など)」が挙げられます。
※関連記事:
【動画】インデックスとは?SEOの基礎、検索エンジンの仕組みを学ぼう
構造化データマークアップとは?メリットやデメリット、設定方法などを詳しく解説
SEOの外部対策
一方で外部対策の主なものとして、良質な被リンクやサイテーション(インターネット上で自社サイトの情報に言及されること)の獲得が挙げられます。
6)SEOにとってマイナスの要素を排除する
検索上位に掲載されるには、プラスの要素を増やすと同時に、マイナスの要素を排除することも大切です。なぜならば、マイナスの要素によってGoogleからペナルティを受けてしまうと、順位が上がりにくくなるためです。
Googleからペナルティを受ける要因(マイナス要素)として、主に下記が挙げられます。
- 低品質なコンテンツ(重複コンテンツや他社のコピペ記事など)を公開している
- 低品質な被リンク(外部から購入した被リンクやスパムリンクなど)がある
現時点でペナルティを受けていない場合でも、今後のリスクを考慮して対処することが不可欠です。
検索上位に対策キーワードで掲載するのに役立つSEO無料ツール【分野別に紹介】
本章では、検索上位掲載に向けたSEO対策に役立つ無料ツールを分野別に紹介します。
【キーワードの検索ボリューム調査】
Google広告キーワードプランナー

Google広告キーワードプランナーは、キーワードの調査・選定を支援するツールです。キーワードの検索ボリュームや広告単価などを分析できます。
実際に広告を運用しなければ無料で利用できますが、利用するには条件があります。具体的には、Google広告へのユーザー登録などが必要です。また、実際に広告出稿していないアカウントの場合、検索ボリュームは大まかな数字しか表示されない点にも注意です。
Googleトレンド

Googleトレンドでは、「一定期間のうちに、どのようなワードの検索ボリュームが最も多かったか」が分かります。また、検索窓に入力したキーワードが一定期間にどのくらい検索されているかが、0~100のスコアで表示されます。
【アクセス解析】
アクセス解析とは、Webサイトの訪問者に関するデータを数字で分析することであり、分析対象としてPV数や流入経路、滞在時間などが挙げられます。SEO対策では、「Google Search Console(グーグルサーチコンソール)」と「Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4)」が必須のツールです。
Google Search Console (グーグルサーチコンソール)

Google Search Consoleでは、どんなキーワードで検索されているか、自社サイトのインデックス状況、リンク状況、平均掲載順位(検索順位)などを確認することができます。
Google Analytics4(グーグルアナリティクス4)

一方Google Analytics 4では、Googleの検索エンジンにおける各ページの表示回数やPV数、CTAのクリック率(CTR)などがわかります。
参考:
【2024年最新】Google Analytics4(グーグルアナリティクス4)とは?何ができる?わかることから主機能を紹介
Google Analytics 4(GA4、グーグルアナリティクス4)とは?UA(Universal Analytics)との違いや移行するメリット・デメリットを解説
【初心者向け】GA4の設定・導入方法と基本的な使い方
【検索キーワードの調査】
ラッコキーワード

検索キーワードの調査では、前述したキーワードプランナーの他にラッコキーワードなどの無料ツールが活用されます。キーワード調査のツールでは、調査対象となるキーワードの検索ボリュームやサジェストキーワード、共起語、上位掲載記事の見出しなどを分析できます。
【検索順位の調査】
検索順位チェッカー

あるキーワードについて、対象ページの検索順位を調査する際にも無料ツールが役立ちます。主なツールとして検索順位チェッカーが挙げられます。
同ツールでは、検索窓に調査対象のURLと最大5個のキーワードを入力すると、Google、Yahoo、Bingそれぞれの検索順位を一括で確認できます。また、スマホ版の検索順位を確認することも可能です。
【内部対策・外部対策】
PageSpeed Insights

内部対策では、PageSpeed Insightsが役に立ちます。PageSpeed Insightsでは、サイトの表示速度を100点満点のスコアで可視化できます。また、表示速度が必要な部分と具体的な改善方法も分かります。
Link Explorer

外部対策(被リンクチェック)では、Link Explorerなどのツールが役に立ちます。同ツールでは、被リンク数や直近における増減、被リンク元のDA(ドメインの強さ)などを分析できます。
まとめ
検索上位に対策キーワードを掲載するための方法は時代と共に変化しています。その時々によって特定のテクニックが強かったタイミングや、今とは違うリンク評価システムが強かった時代など様々な歴史があります。
一方で、普遍的な価値を持つ要素もあります。それが「ユーザーに役立つコンテンツ」を提供することです。この要素はGoogleのコアアップデートが行われても、引き続き現在も重要だとGoogleから明言され続けている要素です。
Google側の「ユーザーに役立つコンテンツ」を評価するという方向性、ユーザー行動を把握する技術の発展を考えると現在、検索上位に対策キーワードを掲載するためには「ユーザー」を中心に考える必要があるのではないでしょうか。
もちろん、ミエルカSEOなどのSEOツールで検索サジェストキーワードや検索クエリタイプなどを定量的な情報を把握するのは今も重要です。それらの定量的なデータからユーザーの定性的な特徴を捉えて、ユーザーに役に立つコンテンツをそのジャンルの専門家と共に作るというフローが今のSEOに必要な方法と言えるのではないでしょうか。
ぜひSEOツールを有効活用しながら、ユーザー体験の良いコンテンツを制作してみてください。