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BtoBマーケティングとは?戦略・手法や成功事例、必要なスキル、最新トレンドなどを徹底解説

更新日: 2025.11.4   公開日:2023.06.06

BtoBマーケティングで成果を出せていますか?

リードは獲得できても商談につながらない、施策が場当たり的になっている・・・・・・。
そんな悩みを抱える担当者は少なくありません。
本記事では、BtoBマーケティングの基本プロセスから、事業タイプ別の具体的な施策(SaaS・製造業・サービス業など)、さらに成果を上げた企業の成功事例まで解説します。

そして、2025年からのBtoBマーケティング最新トレンドである生成AI対策コミュニティ活用についても紹介。マーケ初心者の方や、成果が出ずに悩んでいるマーケターは、ぜひ参考にしてください。

BtoBマーケティングとは?

BtoBマーケティングとは、法人向け製品・サービスの成約を最大化するために、リード獲得から育成・商談化までの一連のマーケティング活動のこと。

リードとは、見込み顧客の情報で、一般的に企業名や部署名、氏名、電話番号、メールアドレスなどがあたります。BtoBマーケティングは、より確度の高いリードを営業に渡すために重要な活動です。

※関連記事:BtoBのリード獲得に有効な15の施策と獲得単価(成功事例あり)

BtoBとBtoC、マーケティング活動の違い

まずは、BtoBとBtoCのマーケティングを比べてみましょう。

BtoCは、おもに利用や購入する本人が意思決定することが中心で、体験価値やデザイン性、機能、価格訴求が効きます。マーケティングでは、SNS・動画・広告・EC/店舗で、知る→欲しくなる→買うまでを短いサイクルで設計します。

一方BtoBは、企業同士の取引です。契約や購入には、社内の複数部門での合意が必要なため、検討期間(リードタイム)が長いと言われています。そのためマーケティングでは、リード獲得→リード育成→リード選別、商談化を営業と連携して進める必要があります。

顧客が重視するのは、導入効果や費用対効果、リスク対策といった根拠ある情報です。マーケティングでは、広告宣伝に加えて、事例・比較資料・ウェビナーなどのコンテンツの発信を行います。また、獲得したリードに対し、MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)を使ったメールコミュニケーションも、おもな打ち手の1つです。

マーケティングオートメーション(Marketing Automation/MA)とは?

マーケティング活動を自動化するツールやシステムのこと。メール配信、顧客データ管理、リード育成などを効率化し、パーソナライズされたコミュニケーションを実現します。
観点BtoB(企業向け)BtoC(個人向け)
意思決定複数部門で合意本人が決定
検討期間数週〜数か月当日〜数日
主な目的商談創出・受注・継続購入・リピート
主なチャネル広告、ウェビナー、展示会、SEO、
資料DL、メール/MA
広告、SNS、動画、SEO、
EC/店舗、アプリ
コンテンツ事例、比較表、FAQ、サービス資料、
ノウハウ資料
レビュー、UGC(※)、
ビジュアル訴求、機能訴求、価格訴求

※UGC(User Generated Content)は、企業ではなくユーザーが自発的に作成・投稿するコンテンツのこと。SNSの投稿、レビュー、口コミなどが該当し、商品やサービスの信頼性を高めます。

Faber Company(ミエルカSEO)のコンサルティングは、BtoBマーケティングにも精通しており、多くの企業様をサポートしています。BtoBマーケティング活動について相談してみませんか? 

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BtoBマーケティングのプロセスと戦略設計

BtoBマーケティングで成果を出すには、基本に忠実なステップを踏み、そこから改善していくことがおすすめ。ここでは、現場で再現しやすい一般的なプロセスを解説します。

1)現状分析

商品理解と顧客理解を行い、誰のどの課題にどんな価値を届けるのかを明確にします。競合分析で差別化となる軸を把握し、保有メディア・リード・コンテンツ・活用ツールなどの資産の棚卸しも行いましょう。過去の施策分析と営業関連数値の把握(商談数、受注率、単価、滞留など)から、改善仮説と優先度を整理します。

2)目標設定

事業の目的を明確化して、そこから目標を設定していきます。経営側からトップダウンで降りてくるケースも多いです。

目標は、KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)として数値化し、人員・期間・法規制などの制約条件の整理を行い、現実的な達成可能性と優先度を固めましょう。

3)戦略策定

市場・顧客・競合の情報収集を行い、購買プロセスに沿ったシナリオ(見込み客が初めて自社を知ってから受注に至るまでの流れ)を設計します。

初回接触から受注までのKPI(Key Performance Indicator :重要業績評価指標)を定め、SEO・広告・イベント・コンテンツなど手法を選択します。手法が決まったら、外部パートナーとなるベンダー選定と役割を定め、費用見積りを集めたら予算申請まで進めます。

KGIとKPI

KGIとKPIは、代表的な目標指標です。KGIが最終ゴールであり、KPIはその達成のための中間指標です。たとえば、マーケティング部のKGIとして「年間1,200件のリード創出」を設定した場合、「月間Webサイト訪問数10万PV」「資料DL数200件」「ウェビナー参加者150名」といったKPIを設定します。各KPIを追うことで施策の効果測定が可能になり、PDCAを回しながらKGIの達成を目指します。

※関連記事:コンテンツマーケティングのKPI/KGIは?効果測定と運用体制のポイント

年間マーケティング計画の参考例

マーケティング計画は、単一ではなく複数のシナリオで用意しておくのが安心です。

想定されるグッドケース/バッドケースを踏まえ、あらかじめ予算配分や打ち手を仕込んでおくことで、急な方針転換にも対応しやすくなります。

計画時は自社・業界・顧客業界の年間イベントや繁忙期を把握することが重要です。たとえば3月決算の企業では、概ね下記のような年次スケジュールで動くことが多いです。

4)施策の実行と結果の分析

3)で選定した手法を実行します。

SEOや広告などのプロモーション、広報活動、展示会の出展、ウェビナーやメール等のリード育成を計画通り実施しましょう。KPIに基づき、集客・リード獲得・商談化の指標を追い、仮説通りかを検証します。成果とコストを可視化し、成果が出ている施策の強化と改善点の特定を次サイクルに反映しながらPDCAを回していきましょう。

※関連記事:BtoBのリード獲得に有効な15の施策と獲得単価(成功事例あり)

5)営業との連携

BtoBマーケティングでは、営業部門との連携が欠かせません。営業部門とは定期的に情報交換を行い、商談化率や受注率を確認しながら、質の高いリードを獲得できているか検証しましょう。

営業から得た顧客の声や商談での気づきは、マーケティング活動に反映します。また、MAやCRM、SFAなどのツールでデータを一元管理し、マーケティングと営業の成果を可視化できる仕組みを整えることも重要です。

CRM(Customer Relationship Management)とは

顧客情報や購買・行動履歴を一元管理し、顧客との良好な関係を構築・維持するための考え方、およびシステムのことです。
SFA(Sales Force Automation)とは

営業活動のプロセスを可視化・自動化し、効率と生産性を向上させるための情報システムです。顧客情報、商談履歴、進捗状況などを一元管理し、データに基づいた営業戦略の立案を支援します。

以上、5つのステップを基本とし、自社に合わせてプロセスを設計して実行していきましょう。これらのプロセスは、年に1度は見直しを行うことがおすすめです。

BtoBマーケティングの代表的な施策

マーケティング施策は、目的によって選ぶ打ち手が変わります。

ここでは認知、リード獲得、リード育成、それぞれのフェーズで成果につながりやすい施策を整理します。

認知フェーズでは、市場に自社の存在と提供価値を広く知らせ、指名検索や比較の土台となる想起をつくります。交通広告・動画やSNS・TVCM・プレスリリースなどを活用します。

リード獲得では、匿名の潜在顧客を実名化し、見込み客データを獲得していきます。Web広告やSEO、ホワイトペーパー、展示会などが効果的です。見込み客の関心を強め、商談化していくリード育成では、メルマガやWeb接客、ウェビナーなどを実施しましょう。

※関連記事:BtoBのリード獲得に有効な15の施策と獲得単価(成功事例あり)

事業タイプ別・おすすめマーケティング施策

続いては、事業タイプ別のおすすめ施策を解説していきます。

SaaS(Software as a Service)業界のおすすめ施策

  • 認知:テレビCM、タクシー広告
  • リード獲得:SEO、リスティング広告、ホワイトペーパー、無料トライアル、展示会
  • リード育成:ウェビナー、メールマガジン

施策のポイント

SaaSは、顧客が検索で情報収集しながら比較検討することが多いため、オウンドメディアやリスティング広告で見込み客を集めることが有効です。資料ダウンロードでリードを獲得しましょう。

獲得したリードには、ウェビナーやメールマガジンで製品の使い方や導入事例を継続的に届けます。こうして顧客の理解と関心を深めることで、自社の課題と製品の価値を結びつけやすくなり、商談化の確度が高まります。

※リード育成のウェビナー例。

資料(ホワイトペーパー)ダウンロードの手法については、以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。

※関連記事:ホワイトペーパーとは?作り方・活用法・集客戦略を動画付きで解説

SaaSは、顧客が製品を実際に試せることが大きな強みです。関心が高まったタイミングで無料トライアルへ誘導し、実際に操作してもらいながら導入後のイメージを持ってもらいましょう。トライアル期間中は、操作サポートや活用事例の提供を通じて、製品価値をより深く理解してもらうことが商談化のカギとなります。

予算に余裕がある場合は、テレビCMやタクシー広告などで認知を広げる手法もあります。

※関連記事:【初心者向け】リスティング広告とは?費用や効果の出やすい業界から自分で運用を始める方法まで徹底解説

なお、月数千円の低単価製品と数百万円の高価格の製品では、マーケティング手法が大きく異なります。自社の商材の価格帯やターゲット層に応じて、施策を選択することが重要です。

SaaS/ソフトウェアの成功事例集

製造業・メーカーのおすすめ施策

  • 認知:大規模展示会
  • リード獲得:展示会、SEO、ウェビナー、業界専門メディア
  • リード育成:メルマガ、ウェビナー、個別デモ

施策のポイント

製造業やメーカーの施策で最も効果的なのは、展示会への出展です。

同業界の商材は高額で検討期間が長く、複数の担当者が意思決定に関わるため、信頼構築が何より重要だからです。展示会では、実際に実機を見て触れてもらえるため、技術力を訴求しやすく、その場で複数の担当者とも関係を築けます。展示会で獲得した名刺には、数日以内にお礼メールと資料を送り、定期的なメルマガで接点を保ちましょう。

業界専門メディアの活用も有効です。専門メディアの読者は、すでにその分野に関心を持つ見込み客が集まっています。記事広告やホワイトペーパーの掲載を通じてリードを獲得し、自社のメルマガやウェビナーで関係を深めていきましょう。

ニッチな専門領域の場合、SEO対策もおすすめです。検索する人の数は少なくても、競合も少ないため上位表示しやすく、具体的な課題を持った見込み客を獲得できます。「○○の選び方」「△△ 比較」など、検討段階で調べられるキーワードを狙いましょう。

※関連記事:【2025年版】SEOとは?5つのSEO対策をわかりやすく解説!具体事例も紹介

リードを獲得した後は、ウェビナーや個別デモで製品の詳細を伝え、検討を前進させます。ウェビナーは新規リード獲得にも活用でき、「○○の選び方」などのテーマを開催することで、まだ接点のない見込み客とも出会えます。

メーカーの成功事例集

サービス業のおすすめ施策

  • 認知:SNS、プレスリリース
  • リード獲得:SEO(ブログ)、ウェビナー、ホワイトペーパー、事例コンテンツ
  • リード育成:ウェビナー、メルマガ、動画(YouTube等)

☞施策のポイント

コンサルティングやWeb制作などのサービス業は、伴走支援の質や制作プロセスも提供価値の一部です。しかし実物を手に取って確認できないため、見込み客は「本当にこの会社に任せて大丈夫か?」と不安を抱えています。

その不安を解消するのがコンテンツの活用です。自社のノウハウや実績を発信することで、契約前から専門性や信頼性を伝えられます。

具体的な施策としては、まず顧客のよくある悩みに答えるブログ記事から始めるのがおすすめです。検索で見つけてもらいやすく、継続的に見込み客を集められます。次に実際の支援事例を公開し、「どんな課題を、どう解決したか」を具体的に示しましょう。

お役立ち資料(ホワイトペーパー)のダウンロード提供や、ウェビナー・YouTube動画でプロセスや成果物を見せることで、より深い信頼感も築けます。

サービス業の成功事例集

BtoBマーケティングの成功事例

続いて、各社のBtoBマーケティング成功事例をご紹介します。

成功事例は、“そのまま真似る教科書”ではなく、自社の勝ち筋を見つけるためのヒント集です。課題・手法・前提条件・成果の順に分解して読み解き、何が効いたのかを自社の体制や予算、期間に合わせて再現していきましょう。

※関連記事:BtoBのコンテンツマーケティング|4社のオウンドメディア担当者に成功の秘訣をインタビュー

インフォコム株式会社様の成功事例(SaaS)

医療機関や大手企業向けのITソリューションの提供、電子コミックの展開、新規事業創出など、多方面で存在感を発揮するインフォコム株式会社。

同社では、BtoB向けSaaSプロダクトのリード獲得強化のため、コンテンツマーケティングを実施。施策の初期はターゲット像の明確化と顧客ニーズの整理から始め、ブログの記事制作・効果検証を繰り返しながら改善を重ねました。

その結果、SEO・オウンドメディア経由のリード獲得数が実施前の16倍になったといいます。

※関連事例:Web広告の3分の1の費用で1.4倍のリード数を獲得した手法
※関連記事:成果が出る!BtoBコンテンツマーケティングの実践方法と成功事例

株式会社カオナビ様の成功事例(SaaS)

タレントマネジメントシステムを提供する、株式会社カオナビ様。コスト面が課題だった広告中心のリード獲得施策を、オウンドメディア中心に切り替えた施策が成功につながりました。

取り組み前と比較すると、リード獲得コストの半減・獲得数は100倍・受注額は3倍という素晴らしい成果につながっています。

施策実行の効率化もうまく進み、Faber Companyの支援と「ミエルカSEO」のツールを使うことで若手マーケターでも施策を担当できるようになったそうです。

※関連事例:リード獲得コストが半減、リード獲得数は取組前の100倍、受注額は3倍に!株式会社カオナビ様の成功事例

株式会社ラクーンコマース様の成功事例(BtoBのEC)

認知の低さと集客に課題を感じていたため、Web上での情報発信を強化する取り組みを始めた株式会社ラクーンコマース様(BtoB向けの衣料系ECサイト)。

まずオウンドメディアを始め、毎日のように記事を更新した結果、Webサイトへのアクセス数が前年比300%、マーケティング1人体制でありながらも、月30本以上のコンテンツを制作されています(「ミエルカSEO」ツールを活用することで実現)。

当社・Faber Companyをはじめとする、外部に相談窓口(ブレーン)をつくることでPDCAを加速させ、継続的な取り組みを実現されているのが特徴です。

※関連事例:アクセス数が前年比300%に増加!株式会社ラクーンコマース様の成功事例

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…と、ここまで3社の成功事例を紹介しましたが、BtoBマーケティングには失敗がよく起こります。よくある失敗ケース&改善策もまとめたので、ぜひ参考にしてください。

BtoBマーケティングにありがちな失敗原因3つとその対策

BtoBマーケティングの失敗に共通する根本的な原因は、目的ではなく「施策から入る」ことです。

Webサイト刷新やオウンドメディア、タクシー広告などの「施策ありき」だと、コアとなる訴求メッセージや狙う顧客像と噛み合わず成果につながりません。

まず〝誰に・何を・いつ〟を定め、その上でプロセスとKPIに沿って施策を選ぶことが土台です。

ここからは、初心者が陥りがちな失敗を3つ取り上げ、原因と対策を1問1答で整理します。
それぞれの“つまずきどころ”を知って、同じことが起こった際の改善方法を知っておきましょう。

※関連記事:【図解あり】マーケティングと広告の違いを徹底解説! 関係性や戦略の立て方も紹介

1)リードの数は取れるが商談や受注に結び付かない

リードが「どこ(広告・検索・展示会など)から来たか」や「接触した内容(広告クリエイティブ・コンテンツなど)」を分析し、商談化したケースとしなかったケースを比較して、傾向を把握します。そのうえで、〝誰に・何を・いつ〟や訴求内容などの基本を見直し、料金プランや見積もり例、機能の比較表、導入手順など、コンテンツの改善も行います。

また、「営業の初回連絡が遅い」「リード情報を見落としている」など、オペレーション上の課題もよくあります。マーケティングと営業間の連携ルールを明確化することも重要です。

※関連記事:【初心者向け】リードナーチャリング(顧客育成)とは?基本手法から事例、成果につながるポイントまで徹底解説

2)マーケティング施策に割く予算がない、取れない

経営層は投資対効果を重視します。まずは小さく試し、個別施策の費用対効果を実績で示すことが大事です。データによる根拠があれば予算を獲得しやすくなります。例えば、共催セミナーや業界メディアの企画に参加する、寄稿するなど、外部の力を借りて低予算から実績を積み上げていきましょう。

3)施策の振り返りが十分にできない、思いつきになっている

振り返れない主な原因は、KPIやデータの取得方法が施策前に決まっていないからです。実行前に目標の数字(例:問い合わせ○件、商談○件)と集計の方法・期間を決め、定期的にデータを確認しましょう。振り返り業務を効率化させる分析ツールの導入も検討してください。

分析改善ならミエルカSEO

【2025年】BtoBマーケティングのトレンド

AIの実用化が進み、検索行動も意思決定も”人だけのもの”ではなくなりました。2025年のBtoBマーケティングでは、次の3つが重要になります。

1つ目は、生成AIが要約で選択肢を絞る前提での情報設計(ゼロクリック検索対応/GEO・LLMO)。2つ目は、AIでは創り出せない「原体験」を生むコミュニティ。3つ目は、クッキーレスを見据えた同意ベースのファーストパーティデータです。

※関連メディア:AI×SEO
※関連記事:AI時代の企業戦略を聞く(Faber Company 執行役員 月岡克博・麗澤大学工学部教授 清田陽司)

それぞれを解説します。

生成AI × ゼロクリック検索 × GEO/LLMO

今後、見込み顧客の情報収集に生成AIが関与することが増えます。例えば、Google検索の「AI Overview」やChatGPTなどが検索結果の概要を生成し、ユーザーはその情報だけで判断して、サイトにアクセスしない”ゼロクリック検索”が増えています。これにより、従来の検索流入モデルに影響が出る可能性があります。

対策としては、GEO(Generative Engine Optimization)やLLMO(Large Language Model Optimization)と呼ばれる、生成AI向けの最適化が重要です。生成AIに理解・要約されやすい情報設計を徹底すること。そして事例や調査結果などの一次情報を公開し、PRや外部発信で“引用される素材”を増やして、生成AIに取り上げられる機会を作りましょう。

※関連記事:
LLMOとは? マーケに活かす5つの対策をわかりやすく解説
「AI Overviews」とは?機能や影響・SGEとの違い
「AI Mode(AIモード)」の機能、SEOへの影響をわかりやすく解説

コミュニティ・マーケティング

コミュニティ・マーケティングは、製品やテーマに関心のある人が集まる場をつくり、参加者同士の学びや交流を企業が後押しする取り組みです。そこで生まれる体験・対話・共同作業はAIでは代替しづらい一次情報=「原体験コンテンツ」となり、信頼や推薦の源になります。

定例の勉強会やユーザー会、オンラインフォーラムで接点を増やし、成功事例の共有→口コミ→紹介の循環をつくって、ブランド好意と検討度を高めていきます。

Faber Company(ミエルカSEO)でも、「ともに学び、ともに成長する場」としてミエルカのユーザー会を毎年実施しています。

ユーザー会では、ツールの機能活用や施策事例を共有するだけなく、ワークショップや懇親会を通して、マーケティングに関わる新たな視点をユーザーの皆さまにご提供し、自社ビジネスの課題解決につなげていただくことを狙いとしています。

※関連記事:ミエルカユーザー会を開催しました!~10th Anniversary!テーマは感謝と進化

クッキーレス時代のファーストパーティデータ

クッキーレスが進み、計測や広告最適化が不安定になるなか、同意にもとづき自社で直接集めるファーストパーティデータが大きな資産になります。取得は価値交換が基本です。

セミナーや資料DL、無料トライアル、会員化で情報を集め、フォームは段階的に項目を増やし、同意管理(CMP:Consent Management Platform)とプライバシーポリシーで土台を整えます。MAやCRMにデータを統合して管理し、セグメント配信・パーソナライズに活用できるように整備していきましょう。

CMP(Consent Management Platform)とは

日本語で同意管理プラットフォームと言い、ウェブサイトやアプリ利用者のクッキーや個人データ利用に関する同意を、取得・記録・管理するためのシステムです。

※関連記事:専門家監修|クッキーレス(Cookieless)時代の広告や計測法とは? マーケターが取り組むべき6つの施策

生成AIの登場で、BtoBマーケティングを取り巻く環境は大きく変化しています。今後も最新のテクノロジーやトレンドを捉え、顧客にとって真に価値のあるマーケティング活動を実践していくことが重要です。Faber Company(ミエルカSEO)では、生成AIへの対策を含めた伴走支援を行っています。お気軽にご相談ください。

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本記事の著者
白砂 ゆき子
白砂 ゆき子
Webマーケティング シニアコンサルタント
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監修者
月岡 克博
月岡 克博
Faber Company 執行役員(エグゼクティブマーケティングディレクター)
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