BtoBマーケティングにおける「リード」とは見込み顧客の情報です。企業名や部署名、氏名、電話番号、メールアドレスなどの情報が一般的です。これらを得ることで、見込み顧客に対して電話やメールといったプッシュ型のマーケティング活動ができるようになるのです。
リードを獲得する方法は、オンラインとオフラインの2つあります(最近はコロナ禍の影響もありオンライン施策に注力する企業が増えていますね)。本記事では、のべ6万件のリードを獲得してきた筆者が、各施策の概要や獲得単価、獲得計画の立て方、運用方法まで、事例や図を用いてわかりやすく解説します。
Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年に事業会社に入社。主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。2020年に独立。シニアコンテンツディレクターとして、株式会社Faber Companyでも鋭意活動中。
リード獲得でお困りごとはありませんか?
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目次
1.BtoBにおける「リード獲得」とは? その目的と必要性
リードとは、将来的に売り上げにつながる可能性のある「見込み顧客」の情報です。具体的には、会社名や氏名、電話番号、Eメールアドレスなどです。BtoBマーケティングにおいて、なぜリード獲得が重要なのか、その目的と必要性について解説します。
BtoBマーケティングの全体像
リード獲得の目的は当然ながら、商談や受注につなげることです。以下のような背景から、リード獲得とその後のコミュニケーションが重要視されてきています。
- 購買行動の変化
- 営業活動の効率化
インターネットが発達したことで、顧客はこれまで以上に積極的に情報収集を行うようになり、また取引エリアも拡大しました。そのため、顧客の情報収集の早い段階で接点を作り、継続的にアプローチし関係を構築することがビジネスにおいて重要になっています。
営業活動も変化しました。以前は企業リストをもとに代表電話に電話をかけたり、飛び込み訪問をしたりすることも少なくありませんでした。しかし限られた人員で受注数を増やすためには、このような方法だけでは難しくなってきています。
そこで「デマンドジェネレーション」という考え方が生まれてきました。デマンドジェネレーションは日本に訳すと「需要創出」や「需要生成」です。平たくいうと「顧客と継続的にコンタクトを取り商談と受注を生み出すこと」といえます。
デマントジェネレーションにおける各フェイズの役割は下記のとおりです。
- リードジェネレーション:見込み顧客の情報を取得する
- リードナーチャリング:メールやウェビナーなどで興味関心を惹きつける
- リードクオリフィケーション:どのリードが商談に結び付きやすいのかを選別する
上の図のとおりリード獲得は、デマンドジェネレーションの起点です。だからこそ、しっかりと戦略を立てて継続的に取り組むことが重要なのです。
リード獲得の基本的な仕組み
リード獲得の方法は大きく分けて、オンラインとオフラインの2つです。オンラインの場合は、Webマーケティング施策を駆使してお問い合わせフォームや資料ダウンロードフォームなどの、入力フォームに企業名やEメールアドレスを入力してもらうことで、リードを獲得します。
オフラインのリード獲得方法としては、展示会やセミナー、あるいは商談時に関係者と名刺交換するといった経路が考えられます。展示会やセミナーでは名刺情報をCSV形式で共有・保存するケースも少なくありません。
オンラインで獲得したリードも、オフラインで獲得したリードも、同じデータベース上で管理する必要があります。そうでないと、リードナーチャリングやリードクオリフィケーションにおいて、抜けや漏れが生じるからです。
2.BtoBでリードを獲得するための15の施策一覧
リード獲得に有効な15の方法をご紹介します。
リード獲得単価に関する考え方
リード獲得をする際、「リード獲得単価」という考え方はとても大事です。リード獲得単価はCPL(Cost Per Lead)や、CPA(Cost Per Action)とも呼ばれます。獲得単価が重要なのは、施策の効果を測り、注力すべき施策を見極める際に必要不可欠だからです。また、それらと関係のある言葉で、CAC(Customer Acquisition Cost)というものもあります。
大きな違いは、CPLの対象がリード(=見込み顧客)であるのに対し、CACが顧客(=受注)を対象にしている点です。それぞれの計算式は下図の通りです。
これから紹介する施策において、「獲得単価」と記載しているのは前者のCPL(CPA)になります。
オンライン施策と参考獲得単価
まずは、オンライン施策から7つ。筆者の実体験をもとに、各施策における獲得単価(CPA:Cost Per Action)の目安も分かる限りは記載するので参考にしてください。※獲得単価は、獲得計画を策定するとき必要になります。
1.オウンドメディア、SEO
ブログやオウンドメディアなどの記事コンテンツを作り、記事の中に「問い合わせ」や「サービス解説資料」の導線を設置しておけばリードを獲得できます。SEO施策と連動して行えば、非常に効率の良いリード獲得方法になるでしょう。検索ユーザーを集客できれば、一度作った記事が継続的にリードを獲得してくれます。そのため、獲得単価も徐々に下がる傾向にあります。
ただし、やみくもに記事を作っても売上に繋がるようなリードは取れません。購入に近いユーザーが調べているようなテーマから記事を作るなど、あらかじめ記事のキーワード設計はしておきましょう! 最初に設計しておくことで、リードを獲得できるまでの期間をグッと早めることができます。
外部委託した際の制作コストは3万円~ほどです。依頼する範囲によりますので、下記の記事を参考にしてください。
2.ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、自社のノウハウや調査結果などをまとめたお役立ち資料です。資料のダウンロードフォームに、社名やメールアドレスを入力してもらう仕様にすれば、リードを獲得できます。
ホワイトペーパーの内容にもよりますが、自社のサービスや事例を絡めた資料にすれば、熱量の高いユーザーのリードが期待できるでしょう。外部委託した際の制作コストの目安は30万円~50万円ほどです。
ホワイトペーパーの作り方や運用方法は、下記の記事を参考にしてください。筆者が体験談をまとめています。
☑︎ ホワイトペーパーの作り方・活用法・集客戦略|動画付き解説
3.Web広告(リスティング広告、ディスプレイ広告)
Web広告とは、主にGoogleやYahoo!のリスティング広告を指します。BtoB企業であれば、獲得単価は1万円~3万円程度です。
たとえば、SFAツールを販売するような企業であれば「営業支援ツール」「顧客管理ツール」といったキーワードで検索されたときに表示される広告です。クリックされるたびに課金がかかります。また、一度サイトに訪問したユーザーに、他サイト閲覧時に広告を表示するディスプレイ広告も組み合わせると効果的になるでしょう。
4.SNS広告
SNS広告の中では、BtoB企業だとFacebook広告が多いものの、最近はTwitter広告なども増えてきています。リスティング広告よりも獲得単価を抑えられる場合もあり、5,000円~2万円程度が一般的です。
FacebookやInstagramにはその名も「リード獲得広告」というメニューがあります。フォームを広告主側で用意する必要がないため、簡単にはじめられます。
ただSNSを閲覧しているユーザーはリスティング広告ほど能動的に(ビジネスの)情報収集をしていないケースも多く、サービス資料のダウンロードよりもウェビナーの集客や、ホワイトペーパーのダウンロード促進など、比較的軽めのCVポイントとの相性がよいです。
■参考・出展:リード獲得広告について・Metaビジネスヘルプセンター
5.プレスリリース
オンライン上でのプレスリリースもリード獲得に有効です。筆者の場合は調査レポートを活用していました。調査レポートをプレスリリース配信することで様々な外部メディアに転載され、それがきっかけでWebサイトへ流入されて新規リードの獲得に繋げることができます。
☑︎ 筆者のプレスリリース例
6.外部Webメディア活用
業界専門のWebメディアでは様々な広告メニューを展開しています。タイアップ記事広告、バナー広告、メルマガ広告などがあります。専門メディアであるからこそ、自社ターゲットになりうる可能性の高いユーザーに接触できる可能性が高まります。
たとえば、ITトレンドや日経ビジネスといった大手ビジネス系メディアは、タイアップ記事から資料ダウンロードに誘導し、成果報酬でリード獲得できるようなメニューを提供しています。獲得単価1万円~でリード獲得できるものが多いようです。
■参考・出典:ITトレンドとは?・日経ビジネスリードジェネレーションサービス
7.ハウスリストへのメール配信
ハウスリストとは、自社が保有する見込み顧客のメールアドレスや会社情報です。厳密にはすでに取得済の情報なのでリード獲得とは言えませんが、休眠顧客や過去の失注顧客にメール配信すれば、新たな問い合わせを生み出せます。例えば最新の業界ニュースや、公開した記事コンテンツ、セミナーのお知らせなどもメール配信のネタになります。
自社でメルマガを作成すれば、かかる費用はメルマガ配信システムの利用料のみです。
☑︎ メルマガ担当に聞く!コンテンツマーケティングとメルマガの相性と活用のポイント
オフライン施策と参考獲得単価
続きまして、リード獲得に役立つオフライン施策8つを紹介します。
8.展示会、イベント
展示会やイベントは数百件、数千件という大量のリードを獲得できるチャンスです。たとえば、イベントに協賛しブース出展することで来場者の情報(リード)を獲得できます。媒体社などが実施しており、上述の日経の場合は協賛費用として130万~750万ほどです。それに加えてブースの造作費用や、コンパニオンの費用などが数百万円程度かかる場合もあります。
また、最近はオンライン開催の展示会やイベントも増えています。ブースとして協賛出展するだけでなく、同時開催されることの多いセミナー(ウェビナー)にも登壇することをオススメします。講演によって、サービスや導入効果などをしっかり訴求することができ、良質なリード獲得につながる可能性が高まります。
9.セミナー(オンラインの場合はウェビナー)
セミナー(ウェビナー)は自社単独開催のセミナーと、他社との共催セミナーがあります。無料のセミナー情報ポータルや自社のWebページなどで告知する場合は、集客コストはほぼかかりません。
10.紙のダイレクトメール
ダイレクトメールは、企業にハガキや封書でサービス案内などを送る手法です。デザイン費用に加え、印刷、配送料が掛かります。配送料の相場は50円~100円/部程度です。
11.テレアポやアポ代行
テレアポはすでにある見込み客リストに電話をかける方法と、代表電話宛てにかける方法があります。また、最近は電話でのアポ取りを代行してくれる「アポ代行」というサービスもあります。
アポ代行の場合、1件あたり5,000円~15,000円が多いようです。
12.TVCM
BtoB企業のTVCMを見る機会も増えています。費用は数千万円以上であるケースが多いものの、最近は安価な費用で出稿できるケースもあるようです。
たとえば、テレビ東京には5万円(1枠/15秒〜)から購入できる枠ができていますね。リード獲得というよりは認知拡大向けと考えられますが、検討しても良いでしょう。
■参考:テレビ東京のCM枠
13.交通広告
交通広告は、新幹線、電車、飛行機や駅に看板やポスター、ステッカーなどで広告を掲載するものです。最近では、IT業界などでタクシー広告の人気が高くなっているようで、多くの企業が出稿しています。タクシー広告大手「TOKYO PRIME」の出稿料金は80万円~340万、数か月先まで枠が埋まっている状況です(2021年末時点)。
タクシーという媒体の特徴を考えると、普段からタクシーに乗って移動するような経営者層などの意思決定層にリーチできる確率が高まります。合わせて、多くの認知獲得によってサービス名での指名検索数アップなどの効果が得られます。上手くいけばリード獲得にも貢献します。
Faber Company(ファベルカンパニー)でも、Googleビジネスプロフィール一括管理サービス「ローカルミエルカ」やWebマーケティング専門の業務委託マッチングサービス「ミエルカコネクト」でタクシー広告を実施しました。詳細な数字は控えますが、指名検索数アップはもちろん、直接問合せアップ=リード獲得の効果を実感しています。
☑︎ 指名検索数って検索順位に影響ある?指名検索の増やし方とSEOとの関係
14.紙媒体
新聞や雑誌などの紙媒体も問い合わせを得る手法ですが、リード獲得というよりは認知拡大のための施策といえます。とは言え、ニッチな企業が専門誌に広告を出稿したり、記事として掲載されることで問い合わせが増えたという話は、ままあります。ターゲットに合わせて使い分けると良いでしょう。
15.代理店開拓
自社での営業活動が難しい場合は、販売代理店を開拓するという方法もあります。最近では、フリーランスで営業代行を行う人材も増えていますよ。
獲得単価を知る方法
後述するリード獲得計画の策定にあたって、1件のリードを獲得するための費用(獲得単価)を知る必要があります。上記で紹介した通り、媒体によっては成果報酬として1件あたりの獲得単価を明確にしている場合もあります。
それ以外の施策については過去の自社での過去の成果や、広告代理店から提出された獲得シミュレーションなどをもとに算出するのが一般的です。ただし、広告代理店が提案するシミュレーションの値は実施後にブレることも多いので、都度見直しを行うようにすると良いでしょう。また知人や友人など、有識者に相談するのもオススメです。参考までに、筆者が過去実施した施策のおよその獲得単価を掲載いたします。
※数字はあえて幅を持たせています。
筆者が過去実施した施策のおよその獲得単価
オウンドメディア | 50~100/月 | 2,000円~3,000円 |
ホワイトペーパー 調査レポート |
100~200/月 | 1,500円~3,000円 |
外部メディア活用 | 50~100/月 | 5,000円~10,000円 |
展示会・イベント | 2,000~6,000/回 | 800円~1,000円 |
Web広告 | 50~100/月 | 15,000円~30,000円 |
3.チャートで解決! 自社にあったBtoBのリード獲得方法の選び方
リード獲得方法について紹介しましたが、「複数ある手法の中でどれを選んだら良いかわからない」というご相談も少なくありません。
そこで、筆者の独断ですがチャート形式で取り組むべき施策をまとめてみました。YES/NOを選んでいただくとオススメ施策にたどり着くようにしています。参考にしてみてください。
4.BtoBのリード獲得計画やKPIの考え方、作り方
ここからはリード獲得計画の策定方法や、KPIの考え方などを解説します。獲得手法と獲得単価、その他に重要なのが「過去の実績」と「目標」です。
あるBtoB企業を例にして、リード獲得計画を策定する流れを見ていきましょう。
①現状や過去の指標を把握する
リード獲得計画を立てる際には、各施策の現状の獲得単価と、営業の訪問率や案件化率等の営業係数を整理します。
②目標から逆算してKPIを設定する
あらかじめ棚卸した指標をもとに、売上目標から逆算すると月間で必要なリード件数が算出できます。
③複数の施策でポートフォリオを作る
売上目標達成のために必要なリード件数が見えたとしても、Web広告など単独の施策で賄うことは難しいものです。たとえばリスティング広告はある程度予算を上げると、そこからガクンと獲得単価が上昇することもあります。
そのため上述したリード獲得手法を複数組み合わせて、施策のポートフォリオを作成します。
その際に重要となるのが「顧客獲得単価」なのです。
たとえば上述で例にしたBtoB企業の場合は、300件のリード獲得目標に対して、現状100件。200件ショートしている状況です。その場合のポートフォリオの組み方として、下記のような施策の合わせ方も検討できます。
オウンドメディアが軌道に乗ってくれば、下記のコスト試算のように全体として獲得単価を下げる効果も期待できます。
④作成したKPIは四半期ごとなどで見なおす
綿密に作ったKPIも結果との乖離は必ず発生します。特に、過去実績のない施策は大きな乖離が生まれる可能性もあるので注意が必要です。
そのためKPIやポートフォリオは四半期ごとなどで、実数に合わせて方向修正するのが望ましいでしょう。必要に応じて、代替施策なども検討しなければなりません。
5.BtoBのリード獲得におけるPDCAの回し方とコツ
リード獲得施策はPDCAを回すことが重要です。なぜなら目的は単なるリード獲得ではなく、最終的な売上達成につなげることだからです。そのためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
①リードの種類を定義する
リードにはいくつか種類があります。代表的なものは以下の3つ。
- リードの種類
- MQL(Marketing Qualified Lead)マーケティング・クオリファイド・リード
- SAL(Sales Accepted Lead)セールス・アクセプト・リード
- SQL(Sales Qualified Lead)セールス・クオリファイド・リード
- それぞれの関係性は下図のとおりです。
厳密には、何をMQLとして何をSQLとするかは会社によって異なります。そのため、自社におけるリードの定義をしっかりと定めて営業チームと共有しておく必要があります。
そうしないとMQLとして渡したはずの重要なリードが放置されていた、なんてことにもなりかねません。
MQLの定義としては下記のようなものが考えられます。
- MQLの定義
- 見積依頼
- 無料トライアル
- フォームからの問い合わせ
- サービス資料のダウンロード
- 商談率の高いホワイトペーパーのダウンロード など
②施策ごとにリードの量と質を評価する
Web広告やSEOなど各施策において、リード獲得件数や獲得効率だけでなく営業指標と紐づけた質の評価を行います。営業指標で最も重要なのは成約率ですが、成約率だけで施策の可否を判断してしまうと、打ち手の幅を狭めてしまい、結果的に全体的な商談数が減少する可能性もあります。
下記のように、獲得件数と成約率をマトリクスにするなどして、多面的に施策を評価するとよいでしょう。
③量的な評価は最低でも週次で行う
リードの獲得件数や獲得効率など、量的な評価は最低でも週次で行いPDCAを回すようにしましょう。月次で回していては、対策が遅れてしまうからです。質的な評価は月次や四半期、半期でもOKです。営業活動による成果が出る期間は商材によっても異なりますので、自社に合ったタイミングを設定してください。
④コール状況の確認など営業現場と密に連携する
PDCAを回す際は、インサイドセールスや営業現場と密に連携しましょう。できれば責任者やチームリーダーなどとの定例を週次で設けることをオススメします。
たとえばリードを提供してもコールされていない、といったことも起こり得えます。コールに割く時間が捻出できないならば、量よりも質を重視した施策に切り替える必要があるかもしれません。また定例ミーティング等の場で、施策に対しての質的なフィードバックを営業から受けることも重要です。コンテンツ企画やLPの改善につなげられるでしょう。
⑤ツールで計測や分析を効率化する
スプレッドシート等で獲得件数やリードの質的な評価を行うことも十分可能ですが、ツールを使うと業務の効率化が可能です。MA(マーケティングオートメーションツール))やSFA(営業支援ツール)を導入することで、各施策を紐づけて管理でき、施策ごとの成果を評価しやすくなります。
また、マーケティング施策はコンテンツ制作やLP改善、バナー作成などの制作業務を伴います。最近は「ノーコード」といって、プログラミングの知識がなくてもLPやフォームを作成できるツールが多いので積極的に活用して効率化してください。データ分析用だけでなく、コンテンツ制作時に役立つツールもあるとより業務を高速化できるでしょう。
⑥施策ごとの上限CPAを意識する
いかに獲得効率の良い施策であっても、投下予算を増やした際に同じ獲得効率を維持できるとは限りません。多くの場合、獲得効率(顧客獲得単価=CPA)は下がります。
どこまで予算を投下できるのか、という判断指標の一つとして「上限CPA」があります。上限CPAはその名の通り、ここまでならば予算を投下しても費用対効果が合う、というリミットです。上限CPAは、一般的に「LTV(年間売上×粗利率×継続年数)×リードの成約率」で算出可能です。
例えば成約率が高い施策などは、上限CPAを超えないギリギリの範囲まで予算配分を強めるといったイメージです。反対に、いくら成約率が高くても、上限CPAを超えるようなら予算増加は見送るという選択肢も考えられます。
⑦外部パートナーの支援を最大限活用する
マーケティングチームはメンバーが少ないケースが多いにも関わらず、ウェビナー運営、MA運用、サイト更新、営業資料修正、展示会準備などなど…実に幅広いことをカバーしています。皆様も多忙を極めているのではないでしょうか。兼任で複数サービスを担当していたり、社内向けの報告業務や会議にも時間を割いたりしなければなりません。
マーケターにとって最も重要な仕事は、何を継続して何をやめるのかという意思決定です。細かな施策の分析や改善案の検討などは、広告代理店や外部人材など外部パートナーの力を借りるのも有効でしょう。実際、筆者も施策の分析を企業の担当者様に代わって行うことも多いです。
外部パートナーと上手に付き合うコツは目標を共有することです。目標の達成状況や、施策あるいは外部パートナーに対する、社内の評価などを定期的にフィードバックすると良いでしょう。
外部パートナー側としてもきっちり成果を出して、契約の継続やアップセルにつなげたいというのが本音です。「目標達成」を共通のゴールとしてセットし、共に働きかけ合うことで前向きな提案を引き出しやすくなります。
※筆者的にはそういう「打てば響く」タイプのパートナーがオススメです。
外部パートナーをお探しなら、弊社サービスのミエルカコネクトへご相談ください。
約18年間のBtoBマーケティングの知見と、約1,600名のプロフェッショナル人材が、貴社のBtoBマーケティングの施策実行を支援いたします。
まずは各施策についてお見積もりや類似事例をお伝えできますので、お気軽にご相談ください。
6.BtoBのリード獲得業務を効率化できるツール
リード獲得業務の効率化に役立つツールをいくつか紹介します。コンテンツ制作、CVRの向上、リード管理という3つの観点からご紹介します。
①ユーザーニーズに寄り添ったコンテンツの作成・配信に役立つツール
ミエルカSEO
「ミエルカSEO」は、ユーザーの検索ニーズを可視化できるツールです。「このテーマの、こんなことが知りたい」というユーザーの需要に沿ったコンテンツを効率良く作成できます。
例えば「リード獲得」というテーマの検索ニーズには何があるか、「ミエルカ」であれば下記のように図で表示されるので素早く理解できます。
4つあると上記図から分かります。
PRTIMES
PRTIMESはプレスリリース用のプラットフォームです。リードを獲得するためのホワイトペーパーや調査レポートなどをユーザーに届ける、認知拡大の意味で筆者は役立てています。
▶︎PRTIMES
②ユーザー行動を分析、CVRを高めるために役立つツール
ミエルカヒートマップ
ミエルカヒートマップとは、Webページの「どこが見られていて」「どこまで読まれていて」「どこがクリックされているか」確認できるツールです。
そのためページ内の改善はもちろん、ページ間の導線改善にも役立ちます。導線を改善することで、LPのCVRを高めることが可能なのです。
コンバージョンミエルカ
コンバージョンミエルカはWeb接客ツールです。ユーザーのアクセス情報やWebサイトの行動履歴データをもとに、その個人個人に適したWeb接客を行うことができるので、CVRを高めることに役立ちます。
③リードを管理し適切なタイミングでコンテンツを届ける
SATORI(サトリ)
SATORI(サトリ)は、SATORI株式会社が提供する国産のMAツールです。ポップアップなどのWeb接客機能も充実しており、リードの動向に合わせてコンテンツを配信できますし、簡単なLPを作成することもできます。
▶︎ SATORI
HubSpot(ハブスポット)
ハブスポットはHubSpot社が提供するMAツールで、CMSとしての機能やテンプレートが充実しています。コーディングの知識がなくても簡単にLPやフォームを作成し、コンテンツの配信ができます。
▶︎ ハブスポット
Pardot(パードット)
パードットは株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するMAツールです。同社のSFAと連携し、リードの状況に合わせたきめ細かいコンテンツ配信が可能です。
▶︎ パードット
7.リード獲得の成功事例【BtoB企業編】
しっかりと現状分析を行い、PDCAサイクルを回しながら、オンラインでのリード獲得に成功している事例を2社ご紹介します。いずれもユーザーの検索ニーズを調査分析できるツール「ミエルカ」を使い、そこから各社独自の工夫をこらしてリード獲得につなげています。
①株式会社カオナビ様|リード獲得コストは半減・受注額は3倍
人材情報の可視化できるクラウドサービスを提供する株式会社カオナビ様。2016年にオウンドメディア「カオナビ人事用語集」を立上げ2020年には200万PVを超えるまでに成長しました。同社ではPVを伸ばすだけでなく、しっかりとCVを生み出すための工夫をされているのが特徴です。
工夫の一つ目がキーワードの優先順位付け。検索ボリュームだけを狙ってコンテンツを作るのではなく、どれくらいビジネスと親和性があるかなども加味し、重要度の高いコンテンツから開発することでCVを伸ばしています。
もう一つが導線設計です。コンテンツからホワイトペーパーダウンロードページへの誘導文のABテストなどを繰り返すことで、フォーム完了率が6倍になったとのこと。
リード獲得コストは半減・受注額は3倍!月間200万PVまで成長したBtoBオウンドメディアの3つの戦略とは?
②日本コンベンションサービス株式会社様|Web問い合わせ5倍
国内コンベンション専門会社の草分けである日本コンベンションサービス株式会社様は、2017年からデジタルマーケティングを全社的に強化しました。その結果、3年後の2020年にはビジネスイベントに関するWeb経由での問い合わせを、約5倍にまで増やすことに成功しました。
同社の特徴としては集客ありき、ではなくまずはすべてのオンライン集客の接点となるWebサイトの改善に取り組まれた点です。UI/UXはもちろん、各コンテンツの文章までもわかりやすくリライトされるなど、徹底されています。
さらにSEOにおいても同社はCV獲得のための工夫を行っています。1つ目はCVを意識したミドルワード対策の徹底、そして2つ目はLPとSEOコンテンツの連動、3つ目はCVRアップのための事例コンテンツです。
こうした取り組みの結果、2021年には自然検索だけで30件近くのCVを獲得できるまでになりました。
成功事例の本編ではここでは語りつくせないノウハウがたくさん詰まっていますので、ぜひご覧になってください。(動画もあります)
半世紀以上の歴史をもつBtoB企業がマーケティングのデジタル化を推進|3年でCV数5倍を実現した鍵は?
8.筆者のあとがき
リード獲得にはさまざまな方法があります。そしてマーケターの仕事は、リードを獲得して終わりではなく、そこからいかに生産性=営業効率を高められるかです。
コロナ禍の影響を受け、BtoB企業ではオンライン施策へのニーズが高まっています。Web広告も短期的には獲得を伸ばせますが、オウンドコンテンツの活用も非常に有効です。
日本コンベンションサービス様のようにWebサイトの改善とオウンドコンテンツをうまく活用することで、安定的にリードを獲得でき、マーケティング活動の生産性を高められる効果が期待できるでしょう。
もしリード獲得の戦略策定や、実行リソース不足で悩まれていましたら、ミエルカコネクトへ相談してみませんか?約18年間のBtoBマーケティングの知見をもとに、戦略から実行まで一気通貫で伴走支援が可能です。
まずは現状の課題の整理や、貴社が今やるべき施策が何か?など、無料コンサルを実施していますので、お気軽にご相談ください。
著者PROFILE
Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年に事業会社に入社。主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。特に、リード獲得を目的とした自主調査においては7年間で累計400件以上を企画、獲得したリード数(企業の名刺情報)は述べ6万件を超える。2020年に独立。
シニアコンテンツディレクターとして、株式会社Faber Companyでも鋭意活動中。▶︎Twitter
監修者PROFILE
SFA導入コンサルからCRMベンダーのセールスに転身し、営業マネージャーに。その後Faber Company営業部長を経て、マーケティングを担うIMC部を設立。現在は執行役員として、営業・マーケティング部の統括やセミナー登壇などの活動をメインに行っている。
■ 講演実績:マーケティングアジェンダ/日経クロストレンドForum 他■Twitter:@tsuuky09