「コンテンツ制作にかかる費用の平均はいくら?費用対効果の測り方は?」
SEOを意識したオウンドメディアを運営したい企業様によく聞かれる質問です。そこで、シニアコンサルタント・白砂ゆき子がインハウスでコンテンツ制作をした場合の目安の費用を、試算例や項目ごとにご紹介しています。
株式会社Faber Company シニアコンサルタント
映像コンテンツプロバイダー・化粧品メーカーでのマーケティング担当(主にSEO、CRM)を経て2014年Faber Companyに入社。20社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計を行った経験を持つコンテンツマーケティング専門家。検索クエリなどのデータからユーザーの意図を読み取り、クライアント企業のサービスへと繋げるコンテンツ企画を得意とする。
SEOコンテンツ記事の制作、全て外部に委託すると1記事あたりの単価はいくら?
設計から公開まで一番安く見積もってどれぐらい?とよく聞かれますが、ピンキリです。インハウスでコンテンツ制作を行う企業様からの情報をもとにすると、1本5〜6万円が最低限の目安です。ただし、これは
- 構成案を自分作る
- 一番安いライターさんに頼む
- 専門家の監修なし
- 作図もちょっとだけ(あるいは自作)
という条件下でギリギリこの価格、という点をご了承ください(2022年1月現在)。キーワード調査から構成まで丸投げの場合は10万円ぐらいと見積もりましょう。
外部にはコンテンツ制作をどこまで委託するのが良い?
理想としてはSEOのテクニックをある程度自分で身につけて、構成案までは自分でやるほうが良いコンテンツが作れると思います。その上で、ライティング、監修、作図、HTML化という「作業」を外部に委託するのが望ましいと考えます。
☑︎SEOを学ぶなら:正しいSEO対策とは?SEOの基本施策をわかりやすく解説
構成案なしでは記者でも成果を出すのが難しい
たとえば朝日新聞社さんのメディア「相続会議」では、現役の新聞記者さんたちが記事を書いていたにもかかわらず、相続に関心のある読者ニーズ分析と記事の構成が意識できていなかったため、ほぼSEOでは成果が出なかったとのこと。
しかし、自分たちで当社のミエルカとともにSEOにおけるコンテンツ制作の基礎を学んでいただきました。検索キーワード分析をして、記事の構成案を提示した上で、外部に執筆を委託する方法で10ヵ月で約50倍の検索流入を達成できました。
☑︎朝日新聞社さまの事例:SEOでユーザーの意図分析に取り組み10ヵ月で約50倍の検索流入を達成
このように、基礎知識を自分でつけて構成を考えないと、たとえ新聞などの経験のある記者でもWeb検索で検索上位に来る記事を作るのは難しいです。SEOを意識した的確な指示が外部ライターにも出せず、期待通りの成果が出せないことが多いのです。
しかし、上記の朝日新聞社さんの事例でも、担当者の方が「SEOを踏まえて指示できる編集者を雇い、記事を専門ライターさんに外注するとなると、ものすごくコストが高くなる」と指摘されているように、「SEOを意識した構成案をマーケターに委託する」のは最低でも2〜3万円、知識や技術のある会社に委託すると5〜10万円はかかるのが相場といえます。
「SEOできます」というライターさんに構成からライティングまでお任せすると若干安くなる可能性もあります。ただ、どの程度の知識や経験を持つ書き手なのかは、依頼前のテストライティングなど、かなり入念に見極める必要があります。
【単価の目安】1記事あたりの項目別費用
先程紹介した1コンテンツあたり「一番安くて5万円」とは、どのような内訳になるのかを解説します。構成案作成やライティング、監修については、依頼する仕事の難易度や依頼相手のスキル、実績、肩書、専門性によって変動することがあります。
費用の目安(1記事あたり)
項目 | 内容 | 費用 |
---|---|---|
①構成案 (骨組み設計) |
検索意図を読み解き、上位 表示するための記事の構成を設計します。SEOの知識が必要な部分。 | 30,000円~100,000円 (※難易度や担当者のスキルによって変動) |
②ライティング | 構成に基づいた執筆作業です。構成案がしっかりしていれば、SEOの知識は不要。 | 5,000円~50,000円 (※執筆者のレベル実績によって変動) |
③監修 | 専門的なコンテンツの場合は、監修者を入れる必要があります。 例:FP、医師、栄養士など |
20,000円~ (※肩書や実績によって変動) |
④作図 | オリジナルの解説図などを制作し、可読性やUX(ユーザー体験)を向上させます。 | 1点2,000円~ |
⑤HTML化 | WordPressなど、CMSからの投稿やHTMLマークアップを行い公開します。 | 5,000円~ |
各項目をもう少し詳しく解説します。
1.構成案(骨組み設計) 30,000円〜100,000円
検索意図を読み解いて上位表示させるためのコンテンツ設計を行う「土台」のパートです。SEOの知識がある人がやらねば成果が出ないので、SEO会社もここを売りにしています。
2.ライティング 5,000円〜100,000円
構成案に基づいて執筆する部分です。構成案がしっかりしていればSEOの知識がなくても書けます。ただ、スキルや経験に応じて金額は大きく変動します。SEOライティングもできて、その領域業界も詳しいとなるとかなり希少です。上限はないと考えておくと良いでしょう。
☑︎優秀なライターを見つけるには:優秀なライターさんの探し方!【文例付き】スカウトするときに見極めるべきポイント
3.監修 20,000円〜
一般的な記事では要りませんが、専門性の高い記事では必要です。特にYMYL領域など不確かな知識を拡散しないためにファイナンシャルプランナー、管理栄養士など専門資格を持った方にお願いします。医療記事など責任が重い監修は、医師の経験にもよりますが、さらに高くなります。
4.作図 1点2,000円〜
文章だけ長く書いても読んでもらえない。読んでもらえなければユーザーにも評価されないため、読みやすさ、わかりやすさ、UX(ユーザーが得られる体験)を意識するならオリジナルの図があると良いでしょう。1記事に2〜3点作ることもあります。
5.HTML化 5,000円〜
WordPressやCMSからの投稿、HTMLマークアップを行う「コーディング」とも言われる作業です。エンジニアやコーダーが社内にいる場合はここの費用は省略できます。
格安を謳うSEO・コンテンツ作成業者への依頼はアリ?ナシ?
「1本1万円で100本書きます!」など、格安を謳うSEO会社やコンテンツ制作企業から提案があった場合は、要注意です。1本1万円でも利益が出るということは、その業者さんはライターさんに1本5,000円ほどで、キーワード以外なんの指示も与えず書かせている可能性があります。「サンプル記事をください」と伝え、確認することをおすすめします。
「これから伸ばしていく自分のメディアに置きたい記事かどうか」、人間的な直感で判断し、低品質である場合はお断りしましょう。Googleのアルゴリズムは日々進化しており、人間の感覚に近く、より正確に判断ができるようになっています。よって、検索エンジン対策と称して雑な内容の記事をたくさん置いても検索上位表示には全く効果が出ません。
そして内製が難しく全て外部に任せる場合は、自社の社員と同レベルでコミットしてくれるような実績と信頼のある会社に依頼するよう心がけましょう。
そのほか、「SEO施策で他にかかる費用は?」を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
SEOを意識したコンテンツ施策の費用対効果の試算
Faber Companyでお手伝いしたお客様の実際の見積もりをお見せします。まず最初の1ヶ月で3本コンテンツを納品した場合、「もっとも効果が出なくてもこれぐらい」というのが以下の試算です。
月間検索回数が多いビッグワードであれば1記事で月10,000セッションも珍しくありませんが、この時のテーマでは、3本でおおよそ月1,400セッションぐらいの検索流入があると想定。仮に検索上位状態を2年間維持できた場合、3年で33,600セッションとなります。15万円かけて3年で33,600セッションであれば、1セッションあたり、4.46円と推計できます。
費用対効果は?1セッションあたり4円は安い?高い?
本当に目安程度ではありますが、費用対効果はこの時のキーワードからすると、だいたい広告と同じぐらいです。ただ質の良い良いコンテンツは「置いておくだけで資産になる」という点において、Web広告とは違うメリットが見込めるのがコンテンツSEOです。
先程紹介した1記事で月10,000セッションの流入があるビッグワードで検索上位表示した時は、1セッションで1円以下という場合もざらにあります。
- 検索で流入したユーザーは新規が多く、新規の1セッションを1円以下で買える施策になる
- 広告と違って一度投稿すれば、削除・非表示にしない限りは息の長い流入が見込める
- 更新すべき内容が発生した場合、同じ金額をかけずとも都度リライトすることで流入が維持できる
などのメリットがあります。費用対効果を見極めながら、ぜひ質の良いコンテンツ制作に挑戦してみてください。コンテンツマーケティングの外注やコンサルティングをご検討であれば当社にご相談ください。
白砂が解説!コンテンツSEOを始めたい初心者向けガイド
「コンテンツSEO」とは、検索ニーズに合わせてコンテンツ(記事などのページ)を制作し、検索流入を増やすSEO施策を指します。初心者の方にも分かりやすいよう、重要なポイントやコツを白砂ゆき子が解説します。FAQも参考にしてください!
著者PROFILE
コンテンツプロバイダー、化粧品メーカーでのマーケティング担当(主にSEO、CRM)を経て2014年Faber Companyに入社。20社以上のコンテンツマーケティング支援を担当。検索クエリなどのデータからユーザーの意図を読み取り、クライアント企業のサービスへと繋げるコンテンツ企画を得意とする。