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SEOがマーケティングの中で担う役割とは?SEOの基本的な考え方も解説

更新日:2023.8.30 公開日:2022.10.20

SEOとは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で検索エンジン(主にGoogle)からの自サイトへの流入を増やしたい場合に取り組む事が多いです。Webからの集客方法は色々とある中でも成果が出ると継続的な集客が見込めることから取り組む企業が多いマーケティング手法の1つです。

SEOの基本とは

この記事では

  • SEOとは?
  • SEOに取り組む際の基本的な考え方
  • SEOのマーケティングにおける重要性
  • 他のWebマーケティング手法との関係性
  • ユーザーニーズ発見によるマーケティングへの貢献

について解説します。

伊藤公助

著者株式会社Prompta. 代表取締役/伊藤 公助 (いとう こうすけ)

出版社、学校法人広報、SEOベンダー企業を経て2013年に個人事業主として独立し2015年に法人化。マーケティング戦略立案、担当者育成やブランドマネジメントなども行う。

SEOとは検索エンジンにサイトの情報を適切に伝えて検索ユーザーに価値を伝える施策

SEOとは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)と冒頭で記載しました。もう少し具体的に解説しますと、SEOとは検索エンジンにサイトの価値を伝え、検索したユーザーに対して適切な情報が表示されるようにする施策すべてを指します。

SEOの実務寄りに解説すると、サイト内で行う最適化、サイト外で行う最適化の2つに分かれています。

  • サイト内で行う最適化をオンページSEO内部施策
  • サイト外で行う最適化をオフページSEO外部施策

と表現することもあります。

内部施策(オンページSEO)とはサイト内で行うSEO

内部施策は、検索エンジンとユーザーの両方がページの内容を把握しやすいように調整する施策です。基本的な施策をいくつか記載すると

  • サイトの階層を情報が見つけやすいように整理する
  • <title>要素にサイト名やページ固有の内容を説明するテキストを使用する
  • 見出し<Hx>タグを使用してコンテンツの階層構造を作り文章を読みやすくする
  • コンテンツの内容が伝わりやすいようなURLを使用する
  • モバイルフレンドリー(可能であればレスポンシブウェブデザインを採用)する

などの施策を行います。

他にもコンテンツの最適化やコンテンツ企画案や概要を考える、といった要素もSEOの範囲で扱うことがあります。<title>要素見出しタグなどSEOと重なる要素も多く、検索エンジンからの評価に大きく影響することが要因としてあると考えています。

外部施策(オフページSEO)とはサイト外で行うSEO

外部施策とは、サイト外で行うSEOというと違和感が感じられるかも知れませんが、サイトの外側で自分のサイトを宣伝するキャンペーンやPRのことを指します。他のサイトからの被リンクを得るための活動や、SNSでのシェアを促す施策などが含まれます。

その他にも指名検索(サイト名での検索)数が増えるための施策も外部施策に含まれます。外部施策の影響力は非常に大きく、外部からのリンクや言及、指名検索数を大きく増やせるような施策ができるかどうか?はSEOの成功と失敗を分ける要素になっています。

SEOにおけるマーケティングの要素

外部施策に含まれる要素には、他のサイトやユーザーに行動を促す、という意味でマーケティングの要素が多く含まれています。内部施策にも外部施策にもあえて含めませんでしたが

  • キーワードに関する調査
  • コンテンツ企画や開発

の2つの要素はSEOにおいて非常に重要です。この2つはマーケティングとしての側面が強く、技術や企画力以前に顧客理解が必要です。10年以上前のSEOは検索エンジンのハック思考が成果に直結するものでしたが、現在は成果を出すためにはSEOをマーケティングの1つとして考えなければいけなくなってきています

かつてのハック思考から産まれたSEOの施策は現在では「小手先のテクニック」と言われており、小手先で何とかならなくなってきているのが現在のSEOです。マーケティングの根っこの部分は人によって解釈が異なる可能性はありますが、私は「顧客理解」にあると考えています。

SEOへ取り組む際の基本的な考え方「顧客理解を徹底した上で、やれることからやる」

先に記載したSEOについての解説は理想論を詰め込んだ内容になっています。全て完璧にできれば素晴らしいのですが、時間もリソースもナレッジも限られている現場では取捨選択をする必要があります。企業によって優先順位は変わりますが、懇意にしている制作会社に相談して取り組める範囲でSEOをしていきたい、といった場合、内部施策から取り組むことをオススメします

次にコンテンツマーケティングへの取り組み。その後、費用をかけて更に投資できる場合は外部施策へ取り組む。という順序ですと、最初から膨大な費用がかからず、急に関係者が増えないので取り組みやすい可能性が高いです。

基本的なところからスタートして、徐々にSEOに継続的に取り組める体制を構築した方がSEOの成功確率も高くなります。全てを完璧に行うよりも初期投資も抑えられます。内部施策はサイトを検索エンジンもユーザーにも好かれる状態にする施策、という意味もあります。

ですので、

  • 検索エンジンがどういう状態のサイトを好むのか?
  • ユーザーはどういうサイトを使いやすいと感じるのか?

を学ぶことができます。

検索エンジンからの流入増も期待できるので最初に取り組む施策としてのバランスも良いです。この記事でも完璧にSEOの施策を網羅している訳ではありません。SEOの施策の全体像を知った上で取捨選択をしたい、という場合はミエルカ式SEOチェックリストをぜひ活用してみてください。

ミエルカ式SEOチェックリスト
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SEOのマーケティングにおける重要性「継続的な集客への貢献と他の施策とのハブになれること」

Webでの集客の方法はSEO以外にも多数あります。その中でSEOが優れている点の1つに施策が体系化されている点が挙げられます。先ほどの内部施策や外部施策もそうですが、施策が抽象化されており、それぞれの具体的な事例も書籍やWeb上に豊富にあるので、初歩的なところであれば取り組みやすい施策の1つとなっています。

検索エンジンから評価され続けた場合、その間にユーザーがサイトを訪問した際のコストはゼロです。継続的な集客ができた場合のコストが大きく抑えられる、というのもSEOならではの大きなメリットになります。

広告やSNSでサイトを知ったユーザーが検索エンジン経由で訪問する可能性も

職場の休憩中にSNSを見ていて面白そうなサービスを知ったとか、広告でたまたま良さげな商品を見つけて「家に帰ってゆっくり見てみよう」とユーザーが考えて、自宅でもう1度その商品やサービスを探す可能性があります。商品やサービス名を覚えていれば良いのですが、連想ゲームのように関連するワードで探して辿り着くこともあります。

そういった場合、ユーザーの検索意図を汲み取り、関連しそうなサイトを表示してくれるのは検索エンジンです。SEOに取り組んでいて、ユーザーが検索しそうなフレーズ、思い出してもらえそうな要素をサイトに組み込むだけでもサイトへの再訪確率は上がります。

他の施策で得られた認知を訪問というサイト運営者の目に見える数字に変えてくれる意味で、SEOは他の施策のハブになれる施策とも言えます。

SEOのデメリットはあえていうと成果が出るまで時間がかかること

最大のデメリットは施策を行ってから効果が出るまで時間がかかること、です。SEOにかけたコストにもよりますが損益分岐点を超えるまで2~3年かかってしまう、という事もあります。中長期的な取り組みが基本となるため、今すぐに成果を!といった場合はSEOは向いていません。同様にSEOのため”だけ”に行う施策も非常にコストパフォーマンスが悪いです。

費用対効果が分かりにくいのもデメリットの1つで、どの施策が何にどの程度影響があるか?というのを予測することはできません。この点が説明しにくいので、社内で稟議を通しにくかったりSEOの施策以外の部分で時間やコストがかかってしまいます。これもある意味、SEOのデメリットと言えます。

他のWebマーケティング手法との関係性

SEOと比較されたり協力し合ったり、施策の一部として取り組むことの多い2つのマーケティングについて解説します。

SEM( Search Engine Marketing )

SEMは「Search Engine Marketing」の略です。検索エンジン周りのマーケティングを指す言葉ですが、リスティング広告など検索エンジン関連の広告を指す言葉として使われることが多いです。

広義の意味のSEMにはSEOも含まれますが、SEMはリスティング広告を指す言葉として使われる事が多いので

  • SEOは自然検索
  • SEMは検索広告

実務では、SEOもSEMも協力し1つの目的に対して施策を行うことが多く、お互いに領域を補完しあうことが多いです。

広告 とラベルが付与されているのが広告枠です。その下に並んでいるのが自然検索1位となります。広告が表示されるキーワードの場合、広告枠の下に自然検索が表示されます。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングはSEOと同じく中長期的な施策の1つです。価値のある質の高いコンテンツを発信し続け、認知してもらったり、自分たちのことを知ってもらいエンゲージメントを高めるための取り組みとして行います。

ネットや書籍にあるSEOについての解説を見ると、ほぼ間違いなくコンテンツについて言及されていますが、SEOとも関連があります。SEOの重要な要素の1つとしてコンテンツについて記載されていることもあり2つの取組みが一部重複するほど関連しているのが分かります。コンテンツマーケティングとSEOが重なる領域をコンテンツSEOと表現したりすることもあります。

コンテンツマーケティングは、検索以外も含めてユーザーに対して価値のあるコンテンツの発信をして「コンテンツを起点にユーザーと関係性を築いて、最終的にコンバージョンを得ること」を目的とします。コンテンツSEOはコンテンツを活用し検索エンジンからの集客、キーワードや検索するユーザーの訪問の増加とコンバージョンの増加を目的とします。 以下の表にその他の違いもまとめます。

コンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違い

コンテンツマーケティング コンテンツSEO
目的
  • コンテンツを起点としたエンゲージメント
  • コンテンツを利用した検索エンジン集客
ターゲット
  • コンバージョンにつながる全てのユーザー
  • メルマガやLINEの購読者
  • SNSのフォロワー
  • 関連するキーワードで検索するユーザー
手法
  • ユーザーの状況により変化させる
  • コンバージョンに近いユーザー向けコンテンツ
  • より深い商材理解を促進するコンテンツ
  • キーワード、検索エンジンとのバランスをとったテキストコンテンツ
  • 検索エンジンの評価に特化したコンテンツ
コンテンツの内容
  • SNSやメルマガ、動画、会員向けなどに向けた多様なコンテンツ
  • 検索エンジンが評価しやすいテキストコンテンツ
  • はじめてサイトを訪れる方向けのコンテンツ

コンテンツマーケティングの方が対象が広く、対象者の状況によってコンテンツの出し分けをすることが多いです。コンテンツSEOの場合は、基本的に自分たちのことを知らない人向けにコンテンツを出します。また、テキストコンテンツに特化する事も多いです。

ベースはコンテンツマーケティングについて考えておくようにして、一部のコンテンツについて、コンテンツSEOを考慮して再編集するといった運用をするとコンテンツの活用範囲が大きくなります。

SEOの基本とマーケティングの関係について

SEOは比較的体系化されているので取り組みやすい反面、成果が出るまで時間がかかる、というデメリットがあります。その点を補うために、SEOのためだけではなく、その他の施策とのバランスを考えることが重要で、SEOを上手く行うためには、SEO以外の施策を理解していたり、他の施策に組み込んでもらったり協力できる関係である必要があります。

SEOのメリットである他の施策と協力しやすいといった点を最大限利用するためにも、関係することの多い施策を理解し取り組むことが重要です。リスティング広告×SEOによって成果が出た事例について解説します。

リスティング広告×SEO

成果が出るまで時間のかかるSEOのプロセスで得られた価値をリスティング広告に活かす

結果が出るまで時間がかかり色々な施策を積み上げる必要があるSEOはショートカットができない分、成果が出るまでのプロセスで思いがけない発見や気づきを得られることもあります。

その1つが思いがけないキーワードの発見です。Google広告のキーワードプランナーでも見つかりにくいキーワードや、部分一致でも表示されにくいキーワードも意外とあるのですが、そういったキーワードでの露出により検索数は少ないけれども安定してコンバージョンしてくれるものも見つかったりします。

思いがけないキーワードの多くはニッチなキーワードですが、ニッチなキーワードは具体的な悩みの解決策を探しているものもあります。担当者たちが気づいていなかったユーザーの悩みに気づけたり、新たな訴求の切り口が見つかり広告文の幅が広がることもあります。結果が出るまで時間のかかるSEOだからこそプロセスの価値を他の施策に活かすことができます。

効率化されたリスティング広告の運用にSEOで得られた知見を取り入れる

リスティング広告は即効性もありLP(ランディングページ)の管理や出稿するキーワード、除外するキーワードまで調整することが可能です。広告に関するガイドライン内で好きな広告文を作成することも可能です。こういった高度な管理はSEOでは行うことができませんのでリスティング広告のみの強みです。一方で自然検索からの流入ではLPやキーワードを管理することはできませんが思いがけないキーワードで上位表示される、といった状況が起こることもあります。

高度な管理が可能だからこそ、無駄のない運用に特化することで思いがけないキーワードが見つけられなくなる、といったことがありますが、その点はSEO側でカバーすることもできます。

SEO施策を積み上げる中で見つかったニッチなキーワードの中には有用なキーワードが含まれていることもあり、中にはリスティング広告で出稿されていなかったキーワードであることもあります。見つかった当初はニッチなキーワードだったけれども、年月とともに検索数も増えて収益に大いに貢献してくれるようなキーワードであることもあります。

ニーズは必ずユーザーから生まれます。そのニーズの兆しに早い段階で気づける可能性があるのもSEOの有用な武器です。広告に取り入れてもらえることで競合他社が出稿するまで低単価で獲得し続けられることもあります。

ユーザーニーズやお客様の声の発見にSEOのプロセスで貢献する

コンテンツマーケティングやSEM(サーチエンジンマーケティング)など、多くのマーケティングとと名前が付くもののほとんどは

  • お客様の声を聴く
  • ユーザーニーズを知る

ことを必ず行います。

これらの顧客理解を行わないマーケターはいない、と言われるほど重要な要素ですが実際に行うのは非常に難しいです。私もSEOやマーケティングを行う中で最も苦労している点の1つです。そういった苦労がわかっているマーケティングの現場において、検索数は少なかったとしても、キーワードという顕在化されたお客様の声が新たに見つかるのは価値のあることです。

今回はリスティング広告の事例を紹介しましたが、SEOのプロセスで得られたニッチなキーワードやニーズは他のマーケティング施策で活用が可能です。

成果が出るまで時間がかかるSEOではありますが、ショートカット不可能で時間がかかるからこそ施策を重ねるプロセスで得られたお客様の声やユーザーニーズが他のマーケティング施策の成果を後押しすることができるのです。

他のSEO施策との連携やSEOで得られた知見を他のマーケティング施策に取り入れられることも、SEOが提供可能な価値の1つでもあります。SEOの基本とマーケティングの中でSEOが担える役割について伝わりましたら嬉しく思います。

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著者PROFILE

伊藤 公助

株式会社Prompta. 代表取締役/伊藤 公助 (いとう こうすけ)

出版社、学校法人広報、SEOベンダー企業を経て2013年に個人事業主として独立し2015年に法人化。9年間SEOコンサルティングのみで事業継続。マーケティング戦略立案、担当者育成やブランドマネジメントなども行う。数社のマーケティング顧問やアドバイザーとしても活動。

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