「コンテンツSEO」における、よくあるご相談やご質問とそれに対する回答・見解をまとめました。これからコンテンツSEO施策を始めたい方、運用中の方はぜひお読みください。
目次
- Q1.オウンドメディアは、サブディレクトリと別ドメインどっちがいい?
- Q2.どうやったら良質なリンクが集まりますか?
- Q3.取引型(Do,Buy)ページをコンテンツでどうにかSEOしたいです
- Q4.取引型(Do,Buy)クエリでコンテンツページがヒットして、取引型(カテゴリ)ページにLPを切り替えたいのでカノニカルしていい?
- Q5.BtoB企業で対策できるキーワードが少ない。どうすれば?
- Q6.流入数は多いのにCVが取れません
- Q7.月間検索回数が多いビッグワードから対策すべき?
- Q8.「月間検索回数が多い」「CVしそう」対策はどちらのキーワードから?
- Q9.コンテンツの公開本数(量)と質、どちらを優先すべき?
- Q10.サジェストキーワードを網羅してコンテンツページを作るのが正解?
- Q11.検索順位が何位まで落ちたらリライトすべき?
- Q12.検索上位表示するのに、何文字くらい必要?
Q1.オウンドメディアは、サブディレクトリと別ドメインどっちがいい?
A1.オウンドメディアのコンセプトに合わせて決めるべきです
オウンドメディアのコンセプトはお決まりですか?そのコンセプトに合わせて決めるべきだと考えます。
例えば…Webマーケティングツール「ミエルカSEO」のオウンドメディアを作るとき。オウンドメディアのコンセプトが「Webマーケティング担当者に有益な情報を届けるメディア」とする場合、サブディレクトリで展開します。
しかし、「スタートアップ企業に有益な情報(経営、マーケ全般)を届けるメディア」として作るなら別ドメインで展開し、ミエルカというブランドも全面には出しません。なぜなら、スタートアップ企業の経営者が経営論の記事を閲覧しているときミエルカの情報ばかり目に入ると、「ツール販売が目的なのか?」と疑問を抱くでしょう。信頼を寄せづらくなる可能性があるからです。
オウンドメディアのコンセプトが、事業と同じテーマならドメイン配下、そうでないなら別ドメインが◎。SEO観点でも、テーマが全く違うコンテンツをドメイン配下に置くメリットは それほど多くないと思います。
ここで、とても良い例をご紹介しましょう。
アナグラム株式会社
「アナグラムプログ」「マーケティア」
※許可をいただき掲載しています。
さまざまな運用型広告の設計・運用・コンサルティングを手がけるアナグラム株式会社では、2種類のオウンドメディアを運営されています。
1つは広告に関する有益な情報を発信する「アナグラムブログ」。
こちらは企業ドメイン配下( https://anagrams.jp/blog/
)で運用され、多くの広告に関するハウツー系クエリ(キーワード)で上位表示されています。もう1つは「マーケティア」というマーケターにインタビューし、そのノウハウを共有するメディア。ターゲットはおそらくCMOや経営者でしょう。こちらは別ドメインで運用されています(https://marketeer.jp/
)。
この2つの分け方は、とても理にかなった美しい配置だと思います。このように、メディアのコンセプトによってドメインを決定することをおすすめします。
Q2.どうやったら良質なリンクが集まりますか?
A2.「シェアしやすい環境」「シェアしやすいテーマ」を作りましょう
まずは、シェアしやすい環境は必ず用意しましょう。ふとシェアしたいと思ったときに、見える場所にシェアするボタンがあるとアクションが起きやすいです。シェアされるほど、それを見た人がリンクしてくれるチャンスも生まれてきます。
シェアされたときに目立つかどうかも意識し、OGP(※Open Graph Protcol)の設定を行ないましょう。設定後にテストも行ない、シェアされたときのビューを確認して、目立つかどうか、人の心を動かすタイトルやイメージかどうかを確認します。
※OGPとは…FacebookやTwitterなどのSNSでシェアしたときに表示される、タイトル・紹介文・画像などを設定するHTMLタグのこと。設定後は、ディベロッパーツールでプレビューを確認できます。
☑︎関連記事:OGPって何?各メディア設定方法と表示例&テクニック集
・Twitter Card Validator
TwitterでコンテンツのURLをツイートしたときのプレビューを確認できます。
・Meta for Developers
FacebookやMessengerでコンテンツのURLを投稿したときのプレビューを確認できます。
※どちらも、正しく設定されていれば、大きなアイキャッチ画像やタイトル、説明文が表示されます。
きちんと設定されているページと、そうでないページではユーザーからの見え方が違います。シェアの連鎖を目指して、最適な設定を行ないましょう。下記はTwitterCardのテストツールの画面です。
良い例
Twitterカードの画像設定は「summary_large_image」がおすすめです。掲載面積が圧倒的に広くなります。
改善した方がよい例
OGイメージが404(存在しないURL)や、未設定の場合はこのような表示になります。
また、シェアしやすいコンテンツのテーマを用意することも必要です。リンクが発生する背景として、以下のような状況があります。
- コンテンツに心が動いたので、みんな(SNS、ブログ、掲示板など)に共有したい
- とても良いコンテンツだから後でもう一度読みたい、ソーシャルブックマークなどに保存しておきたい
どちらも「良質なコンテンツ」であることは重要です。テーマの切り口も、以下のようであればシェアが発生しやすいです。
- 共感や感動を起こすコンテンツ
- 丁寧で教科書的なハウツーコンテンツ
- 面白い、笑える、誰かに読んでもらいたくなコンテンツ
- 診断や占い系コンテンツの結果
シェアや拡散を目的としたテーマを用意することも良いでしょう。また、ライターさんのクレジット表示を行なうことで、執筆したご本人がシェアしてくれることもあります。E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点からも、記名記事をおすすめします。
☑︎関連記事:外部リンクとは?被リンク・内部リンクとの違いやSEO効果・対策方法?
Q3.取引型(Do,Buy)ページをコンテンツでどうにかSEOしたいです
このご質問を補足すると、「商品やサービス紹介などの取引型(Do,Buy)ページを検索上位にしたいのですが、難しいです。記事コンテンツのような情報収集型(Know)ページなら上位表示を狙えるでしょうか?」と捉えて回答します。
☑︎関連記事:「Do・Know・Go・Buyクエリとは?検索クエリの違いと意味」
A3.コンテンツのニーズがない場合は不可能です
ひと昔前、取引型の一覧ページに、検索順位を上げる目的で読まれもしないコンテンツをたくさん入れる手法が流行ったことがあります。しかし、今ではそのような施策に効果はないのではないかと推測されます。
ただし、取引型のページにあっても、閲覧者に有益で読まれるコンテンツは価値があります。そのようなコンテンツに関してはSEO面でも有効であると言えるでしょう。
例えば、下記の「LIFULL HOME’S」の物件一覧ページに掲載されている家賃相場と周辺情報をご覧ください。
LIFULL HOME’S
湯島駅の賃貸物件 一覧ページ
※2022年2月11日時点のキャプチャ|※許可をいただき掲載しています。
近隣駅の一覧ページへのリンクと合わせて表示される家賃相場、その下部の周辺情報などはユーザー目線で考えても大変有益です。このページは「湯島 賃貸」というキーワードで2位(2022年2月現在)となっていました。このように賃貸物件など、コンテンツのニーズがある場合は対策が可能です。一方で「トイレットペーパー通販」など即決で購入するような、比較検討の少ない商材の場合は、コンテンツの挿入は難しいと考えられます。
Q4.取引型(Do,Buy)クエリでコンテンツページがヒットして、取引型(カテゴリ)ページにLPを切り替えたいのでカノニカルしていいですか?
補足:canonical(カノニカル)とは、似た内容のコンテンツが複数存在する場合に、正規のコンテンツ(URL)がどれになるのかを検索エンジンに示すために用いるタグのこと。
A4.おすすめしません、取引型クエリに見えて実はコンテンツニーズがあるから上位表示しています
同じ検索クエリでも、検索者によって欲しいコンテンツが違う場合があります。例えば、仮想サーバー(VirtualPrivateServer)を意味する「VPS」というキーワードで検索した結果はこちら。
取引型(Do,Buy)ページとコンテンツ(Know)ページ、いずれも検索結果に表示されています。
この状況から、以下の意図を持った検索ユーザーが混在すると推測できます。
- 「VPS」を契約したい
- 「VPS」のおすすめブランドはどこ?
- 「VPS」とは何?意味や概要を知りたい
これらすべてのユーザーに沿う形で結果画面が構成されていると言えます。取引型ページでヒットしてくる企業はVPSのブランドとして有名な企業です。
この場合、「とは」「比較検討」に対応しているページを取引型ページにカノニカルやリダイレクトしたとしても、順位が下がってしまい、別のドメインで「とは」「比較検討」に対応しているページがこの枠に入ってくることが予想されます。
このように、検索意図が割れるクエリについては、それぞれに対応した「枠」のようなものが存在していて、その枠の中での掲載順位であると考えることが望ましいのではないかと考えられます。
Q5.BtoB企業で対策できるキーワードが少ない。どうすればいいですか?
A5.コンバージョン(CV)が見込めるなら拡張・なければSEO以外のコンテンツ施策を
まずは、自社製品・サービスと出会って欲しい人物像を思い浮かべてペルソナを描きましょう。
ペルソナが製品・サービスの存在に気付く、その前段階で行なう検索行動をイメージしましょう。
「〇〇とは」「ハウツー」「比較検討」などの情報収集における検索行動が起こる場合はキーワードを拡張してコンテンツを制作できます。
情報収集が検索行動ではない場合は、検索流入を狙ったコンテンツを作ることができません。その場合は、別の施策を行なうことが望ましいでしょう。
Q6.流入数は多いのにCVが取れません
A6.そのクエリを検索しているユーザーは今すぐCV(コンバージョン)するような方ですか?
その「流入数は多い」コンテンツ群が対応している検索クエリは、今すぐCVするユーザーが検索しそうなものでしょうか?カスタマージャーニーマップを書いてみて、一度整理してみてください。
例えば、マーケティング学習ツールを販売しているとしましょう。「マーケティングEラーニング」と検索しているユーザーは資料請求ボタンをすぐにでもクリックしてくれそうです。しかし、「SEOとは」と検索しているマーケ初心者の方は「SEOとは何か?」という概要を知りたいだけなので、資料請求ボタンには見向きもしないでしょう。
流入だけ増やしても、勝手にコンバージョンしてくれるわけではなく、コンバージョンしやすい記事への誘導や、製品・サービスへ直接繋がる訳ではないけど重要な別のコンバージョン(例えば、ホワイトペーパーダウンロードやメルマガ登録、診断コンテンツなど)を用意する必要があります。
SEOとは」と検索しているユーザーは、「初級 Webマーケティング無料講座(メルマガ)」だったら製品資料より格段にコンバージョンしてくれそうですね。
Q7.月間検索回数が多いビッグワードから対策すべきですか?
A7.ビッグ・ミドル・スモールワードを混ぜた対策がおすすめです
- ビッグワード:月間検索回数 10,000〜
- ミドルワード:月間検索回数 1,000〜10,000
- スモールワード:月間検索回数 100〜1,000
☑︎月間検索数の調べ方:「5分で理解!Googleキーワードプランナー」
オウンドメディアやコンテンツページのKPI(目標)から、「流入」と「CV」どちらを優先するか決めましょう。それによって、取るべき対策は大きく変わってきます。
CVしやすい検索クエリはスモールワードが多く、月間検索回数の多いビッグワードはCVしない可能性が高いです。重要なKPIが「CVである」場合は、月間検索回数にとらわれず、CVしそうな検索ユーザーを狙いましょう。
一方で、まずはCVより流入・アクセス・PV数が欲しい(認知拡大をしたい)場合でも、月間検索回数が多いからといって、難易度の高いビッグワードばかりを選んでいると初動のアクセスが伸びず苦労することになります。そのため、ビッグ・ミドル・スモールを混ぜて対策することをおすすめします。
スモールワード(ロングテールキーワードともいう)でも検索エンジンで上位表示すれば少しずつアクセスは増えてきます。いくつかのスモール~ミドルワードで上位表示するようになってくると、ビッグワードでも上位表示しやすくなります。
難易度の高いキーワードは、良質なコンテンツでも上位表示するまでに時間を要するケースも多いので、早めに数本着手しつつ、目先のアクセスはスモール・ミドルで稼ぐイメージでキーワード選定を行ないましょう。
Q8.月間検索回数が多いキーワードとコンバージョンしそうなキーワード、どちらから対策すべきですか?
A8.KPIが流入・アクセス・PV重視なのか、CV重視なのかで変わります
Q7の内容とも重複しますが、KPIのどちらを重視するのかで方針は大きく変わります。それによって決めましょう。「どちらも大事」ということでしたら、私はCV重視でスタートし、どんどんPV/セッション数の取れるコンテンツへ拡張していきます。
- 優先①:CVしやすい検索クエリを狙ったページ
- 優先②:PV/流入を稼げる検索クエリを狙ったページ
①のCVしやすい検索クエリは、月間検索回数は少ないですが、CVに直結しやすいので競合各社も押さえている可能性が高いです。リスティング広告の出稿ワードなどから、コンテンツ化できるものをまずは作りましょう。おそらく、必要本数は多くないはずです。
その後、②PV/流入が稼げるページを作り、そのページから、CVに直結するページへのリンク(CTA)を設置していきます。
もうお気づきかも知れませんが、①がないと、今すぐCVしにくい②からの誘導施策が打てないのです。KPIの定め方は、下記の記事も参考にしてください。
☑︎おすすめ記事:コンテンツマーケティングの目標(KPI/KGI)は?効果測定と運用体制のポイント
Q9.コンテンツの公開本数(量)と質、どちらを優先すべきですか?
A9.難易度にもよりますが、検索流入を狙うコンテンツなら品質重視がおすすめ
月間検索回数が3,000以上もしくは競合コンテンツの品質が高い(=難易度が高い)、かつ、ボリュームのある内容が求められる検索クエリの場合は、本数ではなく品質を重視すべきです。
例えば10本作って1本だけ上位表示できる場合と、5本作って1本上位表示できる場合、結果は同じになりますよね?それなら丁寧なコンテンツを作り、上位表示率を上げる方が無駄がないと感じます。
検索流入を狙うコンテンツは、いわゆるストックコンテンツで長期間利用するものなので、品質重視が望ましいです。
月間検索回数が少なめで難易度が低い、または、SNSやメルマガなどの配信ネタにしているなど、別の条件がある場合は、公開本数が必要になることもあります。
Q10.サジェストキーワードを網羅してコンテンツページを作るのが正解?
A10.網羅する必要はありません、キーワードが違っても意図が同じなら1ページで対応しましょう
検索キーワードが違っても、ユーザーが欲しい情報(検索意図)が同じ場合は複数のページを作っても意味がありません。意味がないどころか、複数のページにリンクも評価も分散されてしまい、上位表示が難しくなります。 サジェストキーワード調査を行なった後は、同じ検索意図でグルーピングを行ない、キーワードマップを作る必要があります。
グルーピングの方法としては、各キーワードで検索結果を確認し、その結果ページの類似度を見極めます。例えば、1位~3位に似通ったコンテンツがヒットしている場合は、意図が近いと判断できます。
ミエルカSEOをお使いの方は、サジェスト自動グルーピング機能を使えば意図分類できます。
※ミエルカを無料で使う場合はコチラから希望入力(30秒)を。3日のお試し解放を利用いただけます 😉
Q11.検索順位が何位まで落ちたらリライトすべきですか?
A11.検索6位~10位で悩み、11位以下なら迷わずリライト候補に
その検索クエリがどれくらい大切か(=事業に影響を与えるものか)によりますが、大切なものなら5位以内に入れておきたいので、5~6位あたりで検討を始めます。
検討時は、以下の「検索結果の平均CTR(クリック率)」をご覧ください。5位以下で3%を切っています。検索結果2ページ目以降は、圧倒的にインプレッションも下がってしまいます。
1位 | 13.94% |
2位 | 7.52% |
3位 | 4.68% |
4位 | 3.91% |
5位 | 2.98% |
6位 | 2.42% |
7位 | 2.06% |
8位 | 1.78% |
9位 | 1.46% |
10位 | 1.32% |
日本の検索1位クリック率は13.9%【SEO情報まとめ】
☑︎関連記事:リライトとは? SEOを意識した記事の改善方法・優先度・リスク
Q12.検索上位表示するのに、何文字くらい必要ですか?
A12.クエリによって変わるので、文字数を考えることはナンセンスです
SEOで上位表示に必要な文字数、という考え方や概念はありません。私は、検索者の欲しい情報がしっかり入っているなら、文字数の少ない記事の方が読みやすく高品質だと思います。「〇〇とは」系のクエリでは、その意味だけを知りたい検索者も多く、文字数の少ない辞書ページがヒットすることがよくあります。
例えば、「KPI」と検索した際の検索結果はこちら。
文字数が850字程度の用語解説ページが1位となっていました。(2022年2月現在)クエリによって必要なコンテンツ量は変わります。文字数が多ければ、充実しているわけではないのです。
また、筆者の今までの経験則上、文字単価でライティングを依頼することもあまりおすすめできません。同じ意味のことを何度も言葉を変えて書き綴られる傾向が強いからです。そのような原稿は読みづらく、とても不快なものになってしまいます。依頼するときは、1コンテンツ単価とし、文字数の指定はあいまいにしておくことをおすすめします。私は、「2500文字~4000文字想定、増えてしまう場合はご相談に応じます」このような指定を行なっています。
以上、コンテンツSEOに関する12の質問にお答えしてきました。
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